夫が元気なころは、朝から夜まで忙しくて1日24時間では足りないくらいでした。
しかし、今は時間が止まっている感じ。だからといって暇なわけではなく、どうたとえたらいいのでしょう。
静寂の中にいる感じ。
虚ろな時間。
悲しみって、どこからくるんでしょう。
どうも当たり前になっていた日々の喜びが奪われるからのようです。
ロビン・ウィリアムズさんをみればみるほど夫の面影が重なります。
つい、収集したDVDを観てしまいます。
笑った時の顔、憂い、愛嬌、ちょっとした仕草…。
似ています。
姫神山さんにコメントいただいて本当に良かったです。
このDVDで癒されています。
私はこの数十年、超多忙でした。よく倒れなかったと思います。
2年半前に前立腺ガンを発症したとき、彼は私の身代わりになったのではないか…と思ったのです。
もっと年齢が高ければ進行もゆっくりで天寿を全うできる種類のガンですが、彼は身体も心も若かったがゆえにガンが大暴れして進行が速かったようです。
本来なら私が病気になって当たり前なのに、これこそ身代わりの愛。そう思えてなりません。
在宅で17日間過ごしたとき、夫が私を呼んで言いました。
「ねぇ、昔のように貴美ちゃんと呼んでいい?」
「いいよ。私は昔は荻山さんと呼んでいたけど荻山さんはおかしいね。さしづめ博ちゃんかな?」
理学療法士さんがリハビリに毎日来てくれたのですが、堂々と「貴美ちゃん」と呼んでいました。
どういう心境だったのでしょう。
あの17日間は、結婚前のあの新鮮な時間を過ごしていたような気がします。
豊島病院でも、看護師さんたちに、どうしたらいつまでも新鮮な気持ちを保てるのですか?とよく聞かれました。
彼は私の夫であり、父であり、母であり、兄であり、親友でした。
彼にとって、私はヨーガ三昧のわがまま娘であり、妹であり、やはり親友でした。
だから、私をいつも男らしいとか、豪快だと言って笑っていました。
そんな私が亡くなる前の2カ月半、はじめて彼の母になりました。
夕方から秋の気配を感じるようになりました。一層物思いに耽る季節です。
秋は切なくて子どもの時から苦手です。
皆さん、良い週末を…。