人生を象徴するような桜。
満開の桜を撮る人は多いでしょうが、散る桜を撮る人は少ないでしょうね。
散る桜残る桜も散る桜。
「ドライブ・マイ・カー」がアカデミー4部門受賞。
実は、知的好奇心のある元生徒さんが、勧めてくださり、ぜひ感想を聞かせて欲しいと言われていました。
原作の『女のいない男たち』はものすごく短編小説で、映画のような官能シーンはなく、淡々と進みます。
映画とは、まるで違いますが、村上春樹さんはやはりすごい。
心のひだを映像化するということは、あの官能シーンが、必要でした。
映画というものは、監督にあれほどの力量を必要とされるということにも気づきました。
男と女は脳が違う。
内容がよくわからなかった人もいます。
何か悪いものでも見たように口を閉ざす人もいます。
あの映画は深く傷ついたことがない人には多分わからない。
人の死によって別れ別れになる映画。情緒的な映画は女性好み。
「タイタニック」に涙を流した女性も多かったでしょう。
水を差すようですが、あのカップルはアバンチュール。それを運命的な出会いとなればロマンチックです。
私はこういう類いの映画には何故か心惹かれないのです。
それよりも映画「大地震」で不仲で離婚を目の前にした主人公。彼には不倫の彼女がいました。
大地震はいろいろなものを飲み込んでいきます。
愛人は死を前にして、助けを求める彼の妻を見殺しにします。それを目撃した彼は妻を助けようとして一緒に流されていきます。これがラストシーン。
チャールトンヘストンでした。
究極にならないと人の愛憎はわからないのです。
その究極が死でしょう。
さて、「ドライブ・マイ・カー」にもどります。
妻を亡くした家福は、灰と骨になった妻の喪失感だけにとどまらず、妻の中にある、何か大事なものを見逃していたことに苦しみます。
この内面の苦しみは国内外を問わず共通のもの。
4部門受賞に快哉を叫びました。こういう内面的な重厚な映画を作ってほしいものです。
因みに私は男脳です。