日月神示の研究と実践

日月神示を中心に、神道、密教などを研究、実践するブログです。農薬不使用栽培などについても述べたいと思います。

「食べない健康法」 石原結實氏

2011-12-09 07:13:29 | 日月神示の実践

 <探求三昧より転載>

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今日、『食べない健康法』(石原結實、東洋経済新報社)を読み終えた。

この本については、下記の記事でかんたんに紹介しておいた。

まだ読んでいない方は、こちらから読んでください。

 

下記の記事では、『今あるガンが消えていく食事』(済陽高穂著)を紹介した。

この本は、胃ガンになった友だちにあげてしまって、手元にない。

石原博士の本は、前述の済陽氏の本よりも、もっと本質的な部分が多い。

というのも、この人は現代医学博士号を取っているだけでなく、東洋医学にも造詣が深いのだ。

両者の長所短所を補い合って治療にあたっている。

東京の石原クリニックでは、初診は3年先まで予約で埋まっているという。

TVなど見ないから知らないが、『おもいっきりテレビ』などの番組出演や、講演・取材・執筆活動で大忙しの人らしい。

 

小食のメリットは?

1日1食や2食の生活を続けていると、どういうメリットがあるか?

忙しい人ばかりだろうから、まず結論だけ列挙する。

  • 空腹になることによって免疫力がアップする。
  • ガンの予防と改善
  • 加齢関連疾患の予防と改善。
  • 老化を遅らせ、若さを保つ。
  • 体重が減少する。
  • 消化力・排泄力が促進される。
  • 頭脳が明晰になる。
  • 性的機能が強くなる。
  • ストレスに強くなる。

 

以上のことに興味がある人は、以降も読み続ける価値があるかもしれない。

いつものことだけど、ちょっと長いです。

石原博士は、食事療法断食療法によって多くの人々の病気を治してきた。

その基本方針は、「食べないと健康になる」だ。

コストゼロでできる、究極の健康法だろう。

 

石原博士の実体験

石原氏は学生時代から、小食にすると健康になることを体験的に理解していた。

医師になってからは、スイスの食事療法だけで病気を治す病院や、モスクワの断食病院で学んだりした。

そして、ニンジンジュースだけを飲ませて健康増進を図る保養所伊豆に創設した。

このような体験を経て、「我々文明人がいかに食べ過ぎているか」を実感した。

そして、断食や小食にすれば、いかに健康が増進できるかも確信した。

 

朝と昼は人参りんごジュース生姜紅茶だけで固形物は採らない。

夜は好きなだけ食べる。

魚介類納豆豆腐というセミヴェジタリアン的な食事だ。

このような実質的な1日1食を続けていると、さぞかし元気がなくなるだろうと思われるかもしれない。

だが、ウエイトトレーニングを欠かさず、力こぶを作って患者さんに見せても、1日1食だということをなかなか信じてもらえないという。

私が二十歳の時にホームステイしたカリフォルニア男性のことを思えば、驚くに足らない。

彼は完全ヴェジタリアン(ヴィーガン)でも、筋骨隆々マッチョマンだった。

 

小食を科学する

小食とガンなどとの病気の関係は、さまざまな実験によって相関性があることがわかっている。

1935年のマッケイ博士の研究では、30~40%のカロリー制限をした動物は、自由に摂取した動物よりも寿命が長くなり、ガンなどの加齢関連疾患に発症する確立が低くなった。

フランスのド・ヴリーズ博士は、断食すると皮膚の若返りが著しく、シワ・シミ・そばかす・発疹・吹き出物が消えていくと言っている。

スペイン老人ホームでは、通常の食事と水断食を1日おきにやったグループと、毎日通常の食事をしたグループを比較したところ、前者の老人たちが圧倒的に長生きした。

 

1960年代ドイツの研究によると、食べたいだけ食べさせたネズミは、2日おきに断食させられたネズミよりもガンの自然発生率が5.3倍も高くなった。

米国カリフォルニア大学マークヘラスタイン博士の最新の研究では、断食すると体内の細胞に抗ガン効果をもたらすことがわかった。

たくさん食べると分泌される成長ホルモンインスリンのような、細胞の成長を促すようなホルモンは、細胞の分裂を促し、がん細胞の増殖に深く関わるという。

つまり、日本人の死因の1位であるガンは、「食べすぎ病」だと断言してよいと石原氏は書いている。

 

食欲不振サインと免疫力

人間はガンになると食欲がなくなるのは、免疫力を上げてガンを治そうとする反応だという。

ガンでも他の病気でもそうだが、食欲がないのに無理やり食べさせようとするのは、人間の自然治癒力を妨害していることに他ならない。

 

米国オレゴン大学の研究では、18年間、30%のカロリー制限をしたアカゲザルたちは、普通食を与えられたサルたちよりも、T細胞のレベルが高く(免疫力が旺盛)、病気になりにくいという。

こうした様々な研究によって、低カロリーの食事は、血液中のコレステロールを下げ、血圧を下げ、体脂肪を減らし、糖尿病心臓病のリスクを軽減させることがわかっている。

 

米国ミネソタ大学のM・J・マレイ博士の研究では、1975年サハラ砂漠飢餓遊牧民たちに食料を与えたところ、突然にマラリア結核などの感染症が増えてきたという。

そのため、栄養過多が感染症を誘発し、われわれが食べる食物中の栄養素は、われわれの体の維持よりも、病原菌の分裂・増殖に利用されるのではないかと考えるに到った。

 

現代医学では、ガンができたら放射線で焼却したりするが、ガンの原因に対しては何らの処置もしない。

そのため、ガンが再発することも多い。

人間が生きるための必要最小限の食物しか摂っていないならば、「新生物」をつくる余裕がないのだから、ガンができてくる背景には「食べすぎ」があると石原博士は述べている。

 

ガンは「悪魔の細胞」か?

およそあらゆる病気というものは、人間の「全体性」を回復しようとする何らかの試みだ。

たとえば、風邪などの病気で発熱するのは、体温を上昇させることによってウイルスを殺そうという自然治癒力のなせる業だ。

咳やくしゃみも、体温を上昇させるなどの目的による自発的な動作だ。

では、ガンはどうだろうか。

長年自然医学の発展に貢献してきた森下敬一医学博士によれば、ガン(腫)は、血液の汚れを浄化している装置だという。

 

石原博士は、白血球とガン細胞の共通点を指摘する。

どちらも、細胞から活性酵素を大量に放出し、対象の老廃物や弱った細胞を「焼却」して貧食するという。

なので、放射線や化学療法でいくらガンを消滅させようとしても、根本的な解決策にはならないのだ。

血液を浄化させることこそが、ガンにお引取り願う最善の方法だと石原氏は書いている

本当にこの世界はよくできていると感心する。

やはり万物は、「必要」があって存在するのだ。

もちろんそれらは、創造主によってもたらされるものなのだろうが。

 

では、血液を汚す要因にはどういうものがあるのか。

石原博士は、次のようなことを挙げている。

  1. 食べすぎ
  2. 運動不足
  3. ストレス
  4. 冷え
  5. 環境汚染物質
  6. 水分の摂りすぎ

 

煎じ詰めれば、「食べすぎ」と「冷え」がさまざまな病気の根本原因なのだという。

「食欲不振」や「発熱」も、それを改善させようとする自然治癒力によるものなのだ。

 

石原式「基本食」

石原博士は、朝食をとらず、代わりに人参+りんごジュース、そして生姜と黒砂糖を入れた生姜紅茶を薦めている。

また昼食も摂らないことが望ましいが、無理ならば日本そばを薦める。

そばは必須アミノ酸や、ほとんどのミネラルビタミンなどを含む「完全栄養食」だからだ。

そして夕食は、制限なく何でも食べて良いという。

適度のアルコールも許されている。

 

ニンジン・りんごジュースというのも、人体に必要なビタミン・ミネラルのすべてを含んでいる優秀な飲み物だという。

また、人参には「万病のもと」と言われる活性酵素を除去するβ-カロテンが多量に含まれる。

リンゴには、ビタミンA・C群・C、種々の酵素、血中コレステロールを下げるペクチン、腸内の善玉菌を増やすオリゴ糖、活性酵素を除去するポリフェノールなどを含む果物王者だ。

英国のことわざでは、「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」という。

 

石原式のメリット・デメリット

石原博士は、1日1食よりも更に効果的な方法として、断食を薦めている。

また、体を暖めて病気を治すためのさまざまな方法もある。

石原式食事療法によって、肥満ウツ潰瘍性大腸炎乳がんの再発防止、風邪を引かなくなった、正確が変わった、夫婦円満になった、花粉症が改善したというような報告がある。

 

小食にするといっても、人それぞれ職業や体質や生活環境によって、条件は大いに異なってくる。

みんな一様な食生活を送るわけにはいかない。

だが、基本ややはり、小食にすることによって健康を取り戻すことだろう。

 

また、ちょっと残念なのは、石原博士は中国漢方などの知識はあるのだが、低血糖症に対する意識が低い嫌いがあること。

空腹になると血糖値が低くなるが、そういうときにはあめ玉をしゃぶるなどすれば良いと言っている。

いつも書いているように、砂糖はドラッグのようなものだ。

ドラッグ中毒患者が中毒症状を訴えからといって、ドラッグを与えるようなものかもしれない。

また、体を温める・冷やす食物という点では、中国漢方とマクロビオティックでは正反対のことを言っている場合も少なくない。

そのへんについても、ちょっと知識不足の感を否めない。

読者が自分探究によって、補う必要がある部分だろう。

 

このような疑問に残る点はあるが、小食が健康をもたらすという根本的テーマについては大賛成だ。

食べすぎと冷えによって、多くの病気の原因になるというのも、その通りだろう。

この健康法は、本当にお金がかからない。

何しろ、いままで食べていた食事を減らせというのだから。

動物は、体調が悪くなると何も食べずにじっとしている。

薬などなくても、病気は治るのだ。

「真理は単純だ」ということだ。

非常に本質的なことが多く書かれているという点でも、究極の健康を探究する人々に一読をお奨めする。

 

<転載終わり>

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 日本人は昔から腹八分が良いとされて来ましたが、日本が経済的に発展してからは飽食の時代になってしまいました。それと連動して病気も増え、医療費は年間20兆円にもなっています。石原氏の著書にあるように、少食が健康の基本であると思います。私は日月神示の以下の言葉を三年前からできる範囲で実践して来ましたが、三年経った今、毎日仕事で忙しくしていますが、充実した毎日を送ることができるようになりました。改めて日月神示が真理であると実感しています。最低三年は継続して実践してみないと日月神示が真理であるかどうかは解らないように思います。また、頭で考えても物事は解りませんので、実践が大事だとも思いました。これは合気道にも似ています。実際は三年でも短いとは思いますが、何をやるにも先ずは最低三年はやるようにしています。

『理屈すてよ。すててやってみなされ。みなみな気つかん道、気つかん病になっているぞ。ツキモノがたらふく食べていること気づかんのか。食物節すればツキモノ改心するぞ。先ず百日を目当てに、百日過ぎたら一年を、三年続けたら開運間違いなし。病も無くなって嬉しとなるぞ(「冬の巻き」)』

 

 

・探求三昧


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氷川神社でひふみ祝詞を奏上し、隣の公園でわの舞を踊りました。

2011-12-08 20:50:17 | 日月神示の実践

 仕事を終えて家に帰りましたので、神社巡りの続きを書きたいと思います。

 三之鳥居をくぐると、大きな赤い楼門がありました。立派な門だねと皆で感心しながら進んで行くと、その楼門の前で、見たことのある方がおられました。「あれ?もしかして中矢代表?」。何と中矢代表が待っていてくださいました!まさか中矢代表が来てくださるとは誰も知りませんでしたので、一同は代表を見ても、キョトンとしていました。すぐに「中矢先生!」と皆で駆け寄りました。何とも嬉しいサプライズです(笑)。一同は大喜びとなりました。

 そして、立派な楼門をくぐって進むと、神楽を舞う舞殿がありました。この舞殿でわの舞を踊れたらいいね、と皆で話していましたが、リーダーのSさんは、舞殿でわの舞を踊らせていただけるよう管理の方に依頼したとのことでした。残念ながら許可してくれなかったそうですが、Sさんが交渉してくださったのは、何ともありがたく思いました。

 その後、各自で拝殿にてお参りしました。私は語呂合わせのようですが、いつも神社で参拝する際には123円を賽銭箱に入れます。日月神示にはそのようなことは一切書かれていませんが、個人的にはそうしています。さほど意味があるとは思えませんが、気分的なものです。

 そして、いよいよ本日のメインイベントのひふみ祝詞の奏上です。舞殿の前に総勢26名が集まりました。いつもはリーダーのSさんのご指名で、誰かが前に立って音頭をとるのですが、今日は中矢代表にお願いしました。1、2、3、ひーふーみー、と始まりました。どうしても早めに拍手する方がいるので、少し早くなってしまうように感じます。もう少しゆっくりの方がいいと思いますが、まあ問題ない範囲です。無事3クールが終わりました。今日の仕事のほとんどがこれで終わったような気になりますが、まだ大事なわの舞があります。

 その後境内にある池のほとりに佇む末社に参拝しましたが、この神社は何かとても感じるものがありました。携帯で風景の写真を撮ってみると、綺麗な光が入りました。昭島のTさんの写真には、綺麗な水色のたまゆらが写っていました。

 時間が少なくなってきたので、隣の大宮公園に移動して、そこでわの舞を踊ることにしました。10月の神社巡りでは、麻賀多神社の境内で、皆でわの舞を踊りました。今回は二度目になります。Sさんが音楽をセットしてくださり、いよいよ「御柱の舞」のイントロが流れます。まだ私もよく覚えていないので、SさんやTさんの踊りを見ながら真似ます。最初は細かいことにとらわれず、気持ちを一つにして舞えばいいそうです。私も縄文人になったつもりで、適当に踊ることにしました。なかなか上手く踊れませんが、まあ仕方ないです。ヘタでも皆で踊るのは楽しいものです。フォークダンスのようなところもありますし、輪になって踊るところは盆踊りのようでもあります。とにかく皆で踊るのは結構楽しいものだと思いました。結局5回くらい踊ったので、かなりへばりました。

 その後近くの護国神社に参拝し、戦没者へも祈りを捧げました。これにて、神社巡りは終了となりました。その後は有志で、大宮駅近くの居酒屋で懇親会を行いました。結局ほとんどの方が参加となり、また中矢代表のご家族も合流され、26名となりました。リーダーのSさんが予約してくださっていたので、滞りなく座れました。普段あまり話せない日月神示の話しや、スピリチュアルな話し、ひふみ農園、セミナー、135度線ツアー、福島ツアーなどの話しで盛り上がりました。回を重ねる毎に、各人の付き合いも深まり、話しも楽しくなって行きます。今回は何と云っても中矢代表にお越しいただいたことが一番心に残りました。2011年の締めにふさわしい神社巡りとなりました。2011年は震災があり、大変な年となりましたが、来年も大激変な年となるに違いありません。ただ、良い方に大激変となってくれるなら、こんなに嬉しいことはありません。来年のチーム関東の神社巡りは2月となります。

 関西神社巡りサークル「チーム135」の第1回目の活動が、12月10日(土)にあります。私は第1回目はきっと京都の神社を巡るのだろうと予想していたのですが、予想に反して奈良の大神神社(おおみわじんじゃ)ということです。三輪そうめんで有名な三輪駅からすぐの神社です。日本弥栄の会のスタッフのFさん、ひふみ農園のオーナーの立川のDさんと私の3人が関東から参加します。いよいよチーム135の始動です。日本そして世界の中心は東経135度とそこから1.4度東の地域になると、千賀一生先生の「ガイアの法則」にあります。それが本当なら、次期文明は兵庫、大阪、京都、奈良を中心として発展するそうです。私にはそれが本当だと思えます。明日の午後には奈良に向けて出発します。そして、関西のひふみ農園のリーダーの方と夕食を一緒にする予定です。

 

 

 


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大宮の氷川神社に参拝しました。

2011-12-08 06:16:43 | 日月神示の実践

 先週の土曜日に日本弥栄の会神社巡りサークル「チーム関東」のメンバーで、大宮の氷川神社に参拝しました。チーム関東は偶数の月に活動しています。10月には麻賀多神社に参拝しました。

 13時にさいたま新都心の改札に、25名の会員さんが集合しました。さいたま新都心駅からですと、氷川神社の長い参道を初めから歩くことができます。13時になっても1名の方が来ていませんでした。携帯に連絡してみても反応がないので、少し待つことにしました。10分ほどしてTさんが現れましたが、どうやら大宮駅と勘違いしたとのことです。確かに氷川神社と言えば、大宮駅になりますが、今回はリーダーのSさんの計らいで、長い参道を初めから歩くという趣旨で、さいたま新都心になりました。

 全員揃ったところで、いざ出発です。前日は大雨で、冬の嵐のような天気でしたが、当日はすっかり晴れて、快晴となりました。しかも気温は20度と10月のような温かさです。いつも神社巡りやひふみ農園などのイベントの時には、雨は降りませんので、天気予報が雨であって心配する人もいなくなりました。

 先ずは一之鳥居から出発しました。長い参道とは聞いていましたが、本当に長いです。ただ、皆さん普段あまり話せない日月神示の話しに夢中で、どれくらい歩いたかは、誰も判りません(笑)。とにかく長い参道だったという印象です。神社巡りのよいところは、歩きながら色々な人とお話しができる点です。一度参加すれば、半分くらいの方と様々な場面でお話しできます。

 15分か20分くらい歩いたでしょうか、氷川神社の三之鳥居に到着しました。楼門という赤い立派な門が迎えてくれました。さすがに武蔵の国の一之宮です。

 *出かける時間になってしまいましたので、続きは夜書きます。少しお待ちください。

 

 


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遺伝子組み換えの仕組みと人体への影響 感謝の心を育むにはより転載

2011-12-07 20:44:40 | 農業

<感謝の心を育むにはより転載>

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『安心基盤を作っていくには?』:「食」への期待3~遺伝子組み換えの仕組みと人体への影響~

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 世界的に遺伝子組み換え作物への不信が高まる中で、日本の農林水産省は、遺伝子組み換え大豆の日本での栽培は「学識経験者からは、生物多様性への影響がある可能性はない」との意見を得たとして、遺伝子組み換え大豆の日本での栽培の容認に動います。また、米国では遺伝子組み換え食品かどうかの表示義務はないため、TPP参加となれば、知らず知らずのうちに遺伝子組み換え食品を口にするおそれが格段に上昇するはずです。

そこで心配になるのが、『遺伝子組み換え食品』って、ほんとに食べても大丈夫なの?ということだと思います。そこで今回は、遺伝子組み換え食品について、そのしくみを明らかにした後、その実害の実態について迫りたいと思います。

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◆遺伝子組み換えはどういうところに使われているか  

 大きく分けて、食用と非食用に分けられます。食用には飼料用も含まれます。
  食 用:大豆、トウモロコシ、小麦など
  非食用:主に園芸作物と林木。サントリーが開発した「青いバラ」が有名です
 
◆遺伝子組み換えのしくみ
 
 『遺伝子組み換えとはどういうものか 』より、引用します。

 植物における遺伝子組み換え工程は、おおまかに次のような手順で行われます。
 ①有用遺伝子を見つける
   微生物や植物、動物などの細胞の中から、有用な遺伝子を見つけて取り出す。
 ②遺伝子を細胞に入れる。
   植物の場合、方法は主に3つあります。
   イ.アグロバクテリウム法
     土壌細菌(アグロバクテリウム)が植物に感染したときに、自身の環状DNAを   細菌中に入れ染色体中に組み込ませる性質を利用する方法
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(図はこちらからお借りしました) 
 
   ロ・パーティクルガン法
     金粒子に遺伝子をまぶし、細胞に撃ち込む方法
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(図はこちらからお借りしました)
 
   ハ.エレクトロポレーション法
     細胞壁を酵素で取り除いた細胞に直流パルスを瞬間的に与えて細胞膜を乱れさせ、できた穴から遺伝子を潜り込ませる方法

 ③遺伝子が入った細胞を選抜する
  遺伝子を入れる操作をしても、うまく入らなかったり、組み込まれた染色体の位置が悪かったりすると、遺伝子の有用な性質は出てこないため有用なものだけを選び出す操作が必要になります。例えば、除草剤耐性の遺伝子を入れた場合は、その除草剤をかけて生き残ったものが、遺伝子がうまく入り込んだ細胞といえます。
 ④細胞を植物体に育てる
  細胞を培養し、植物ホルモンなどを与えて再分化させると、植物体に育てることができます。


◆どこに使われているか 
 
 遺伝子組換え作物の栽培国と作付面積は年々増加しています。2010年現在、全世界の大豆作付け面積の81%、トウモロコシの29%、綿の64%、カノーラの23%がGM(遺伝子組み換え)作物です。限定的ですが2009年には日本も遺伝子組換え作物の栽培国となりました(ex. 青いバラ)。

 わが国の主要農産物国別輸入割合(2009年)は以下のようになっています。

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これらの作物の主要輸入相手国は、上記のようにそれらの作物の遺伝子組換え品種の栽培の盛んな国です。主要な遺伝子組み換え作物である小麦、トウモロコシ、大豆では、米国が圧倒的なシェアを占めています。よって、日本は遺伝子組換え作物を大量に輸入していると推定されています。その推定値の中には日本の輸入穀類の半量は既に遺伝子組換え作物であるというものもあります。

「私たちは遺伝子組み換え大豆をこうして摂取している!」
消費者の目に届きにくいところで、遺伝子組み替え大豆は使用されており、それを油や食肉を通じて、私たちは摂取していることになります。また、大豆は遺伝子組み換え大豆の混入率が5%以下なら「遺伝子組み換えではない」と表示できるそうです。普段食している大豆食品にも混入されてる可能性は否定できません。

このように、私たちの食卓にはほぼ確実に遺伝子組み換え食品が入ってきていると思った方が良さそうです。

 


◆どこが作っているか?
  
 この分野で圧倒的なシェアを占めるのがモンサント社です。2005年の売上高は62億ドル、2008年の売上高は110億ドル、遺伝子組み換え作物の種の世界シェアは90%。研究費などでロックフェラー財団の援助を受けています。

「米国による日本の食糧支配①~モンサント社等の遺伝組換え企業による日本農業支配の構造」
アメリカの巨大農業関係企業、モンサント社は、除草剤に強い性質を持つ遺伝子組み換えの種子と除草剤の販売で、世界の市場を支配している。遺伝子組み換えの種子の特許を取得し、莫大な利益をあげている。しかし、多くの科学者が、安全性や環境による影響に疑問を投げかけている。アメリカでは、遺伝子組み換え作物について、何の特別な審査も義務付けられていない。モンサント社は、バイオテクノロジーを利用した食物の認可を得るために、アメリカ政府を初め、各国に強い働きかけをしてきた。
 

 

◆遺伝子組み換え食品の実害例 
 
 ジェフリー・M・スミス著『偽りの種子』から、遺伝子組み換え食品による恐るべき実害(人体を含む生物に生じた異常)の例を紹介したいと思います。

①遺伝子組み換えジャガイモ
『遺伝子組み換えジャガイモを与えられたラットの白血球は、遺伝子組み換えされていないジャガイモを与えられたラットの白血球よりも、ずっと鈍い反応を示し、感染症にかかりやすく異常が生じやすくなっていた。免疫システムにかかわる臓器である胸腺と脾臓も何らかの異常を示していた。遺伝子組み換えされていない餌を与えられたラットに比べ、遺伝子組み換えされた餌を与えられたラットの脳や肝臓、精巣は小さく、発達も劣っていた。膵臓や腸などの組織が肥大しているラットもいた。何匹かは肝臓の一部が萎縮していた。さらに重要なのは、遺伝子組み換えされた餌を与えられたラットの胃と腸に、著しい構造の変化と細胞の増殖が起こったことである。これはガンになる可能性が増えたことを示す危険信号かもしれないのだ。』

②スターリンク事件
『2000年9月のことだった。35歳のグレース・ブースは同僚とビジネス・ランチをとっていた。その日のメニューのチキン・エンチラーダを楽しんでいたところ、食事をはじめて15分が経ってから彼女は急に具合が悪くなった。全身にかゆみが広がり、体が熱くなった。唇は腫れ上がり声も出なくなったうえに激しい下痢に襲われたのだ。「胸が苦しくて、息が止まりそうでした。」とブースは語る。「何がなんだかわからないまま、彼女はショック状態に陥っていました」とCBSニュースは伝えた。(中略)スターリンクという商品名の遺伝子組み換えトウモロコシがタコスやトルティージャをはじめとするトウモロコシを使った食品に混入していたというのだ。スターリンクはアレルゲンを含有している可能性があり、食品用としては認可されていなかった。このため、最終的には300品種あまりが回収の対象となり、遺伝子組み換え食品が起こした事件としては最大のものとなった。(中略)このトウモロコシの「粒およびかいばは食品用、飼料用または加工用に」適している、と書かれた荷札が堂々とついているスターリンクの種子袋さえあったのだ。このため、スターリンクは全米のトウモロコシ畑のわずか1%未満にあたる約1300km2で作付けされただけにもかかわらず、全米のサイロで通常のトウモロコシに混入してしまい、アメリカ農務省の調査対象となった全米のトウモロコシの22%にあたるトウモロコシ粒を汚染してしまったのだった。スターリンクの一部は結果的にタコスやコーンチップ、コーンミール、その他すべてのトウモロコシを使った加工食品に混入したものと思われ、1000万品目に上る食品がリコールの対象となったが、そのときにはすでに何千万人もの人びとがスターリンクを口にしたあとだった。』

 遺伝子組み換え食品の実態は、その生産元であるモンサント社による妨害や、メディア操作により世間に広く知られることはありませんでした。そのため、遺伝子組み換え食品を食べたからと言って、実際のところ影響があるのかどうかわからないと思っている方が多いのではないでしょうか。しかし、これらの実態を見るにつけ、人体に何らかの影響を及ぼすのはほぼ明らかであると考えていいのではないでしょうか。
「茶のしずく石鹸」が小麦由来成分による重いアレルギー症状(アナフィラキシーショック)を引き起こすとして自主回収されていますが、これももしかすると遺伝子組み換え小麦が原因かもしれないという噂があります。

 

◆防御策はあるのか?
 
 ここまで見てきたように、私たちはどうやら、知らず知らずのうちに遺伝子組み換え食品を口にしてしまっているようです。完璧に防ぐのは無理でしょう。しかし、気を付けて食品表示を見ていると、怪しいと思われるものをその中に見つけることができます。つまり、ある程度なら防ぐことも可能ということです。例えば、「大豆由来」や「小麦由来」と表示されているものです。このような物を含んでいる食品は極力避けた方が無難でしょう。今はこれくらいしかできないのが現実です。

<転載終わり>

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 遺伝子組み換えされた大豆や小麦が、人体にどれくらいの影響を及ぼすかについては、まだ研究の段階ということでえす。ただ、実験結果を見ると、やはり遺伝子組み換え穀物を摂取すると、内臓に異変が起こるように思われます。そうであるのなら、わざわざ危険な穀物は食べたいとは誰も思わないと思います。

 ほとんどの日本人は遺伝子組み換え穀物を食べようとは思っていないと思われますが、実際には少しづつ出回っているそうです。

 本当に安全な食品というのは段々少なくなってきています。ひふみ農園で食事をするときには、自分達で作った安全な野菜を食べることができますが、外食などの時には何が入っているかわからないのが現状です。あまり神経質になるのもかえってよくないでしょうから、できる範囲で気を付けていくしかないように思います。私は発芽玄米や胚芽米を白米に入れて食べていますので、玄米のデトックス作用がある程度効いているかと思っています。また、地球(テラ)サイエンスのT-ヴィータ125や地球(テラ)の源を摂るようにしていますので、重金属などの毒性のあるものは排出されているとのことです。お陰さまでかなり忙しく動いていますが、体調は結構良いです。

 

 

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「ギリシア救済というトリック」 朝倉慶氏

2011-12-02 06:58:26 | 政治・社会

<船井幸雄.comより転載>

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ギリシア救済というトリック

 「欧州の情勢は2008年当時より深刻だ、ギリシアはユーロを離脱し、ユーロは崩壊に向かっていくだろう。」
 世界最大の自動車メーカー米国のGMのダン・アカーソン最高経営責任者(CEO)は警告しました。今や欧州危機は世界の注目となっていますが、このアカーソンCEOのようにユーロ崩壊は避けなれないという見方は増えてきています。

「債務5割カット」でもギリシアが立ち直れない理由とは?
 この発言の中でも注目の一つは、相変わらずギリシアの破綻について言及しているところです。つい先日には、ギリシアの債務は5割カットされることがほぼ決まって、ギリシアの問題は一段落しているという観測が大勢と思いきや、どうしてこのような悲観的な見方があるのでしょうか? 5割カットされてもギリシアは借金を返せずに破綻に至るのでしょうか? 一体それでは幾ら借金を棒引きすればいいのでしょうか? 何をしようが永遠にギリシアはユーロの足を引っ張る劣等生で、ユーロを崩壊に導くお荷物であり続けるのでしょうか?
 私は学生時代、ヨーロッパ一周旅行をしたことがありました。もう30年以上も前の話なのですが、その時はギリシアから入って、ヨーロッパ全域を旅したわけです。たまたま添乗員の方がギリシア好きの方で、ギリシアに対して好意的な話を様々していました。
 私は最初、ギリシアのあまりに脂っこい食べ物が一つも食べることができず、毎日日本から持参したカップヌードルを食べていたことをよく覚えています。そしてこの時に添乗員さんがギリシアについて話したことの中で一番印象に残っているのは、ギリシア人に対しての話でした。彼が言うには、「ギリシアでお金持ちになるのは本当に簡単なことなのです。あの家を見てください。まわりからみると非常に立派な家でしょう。実はギリシアでは誰でもあのような家に住むことができるのです。簡単です。1年か2年、一生懸命働けばいいのです。ギリシア人はほとんどの人が働きません。だから真面目に働いた人はこの国ではすぐにお金持ちになれるのです。日本人とは違うでしょう、人生観が違うのですよ、人生を楽しむという考え方なのですね。だから日本人のようには働かないのです」と言うのです。面白いなあと思ったので今でも覚えています。

 昨今のギリシア危機や一向に収まらないデモを見ていると、30年前の話を思い出して、なるほどと思うところがあります。労働人口の3割までもが公務員という驚くべき国ですから、これは立て直しが大変だと思うしかありません。若者に人気のギリシアのラジオコメンテーターは、「デフォルトになっても大騒ぎする必要はない。以前にも危機はあったが、国はなくならなかった」と言っているそうです。このようなギリシアの人々に日本人やドイツ人のように働けと言っても、そのようになっていくものでしょうか?
 仮に、日本のような国がギリシアのような国と共通通貨を持つことになっていたら、一体日本はどのような決断をしたでしょうか? 今イギリスではユーロに加盟しなくてよかったという話で持ち切りだそうです。孤高を貫いたのはまさに正解だったわけです。このギリシアの今後の展開はどのような未来が待っているのでしょうか?

 結論を言いますと、GMのアカーソンCEOの発言通り、ギリシアは間違いなく破綻に至ることでしょう。これはもう実は時間の問題なのです。一般的に考えられている破綻回避という考えは全くの幻想にすぎません。マスコミで報道されているものと、今から行われようとしているギリシア危機の解決策なる稚拙な手段を省みてみましょう。まさに大きな矛盾点がわかってくるのです。

 まず今回、10月26日に決まったギリシアの救済策の骨子は、民間部門の債務を5割カットするというものです。借金の5割カット! すごいと思いませんか? ところがこれを喜んで受け入れると思われた当時のパパンドレウ首相は驚いたことに、この案を国民投票にかけると言い始めたのです。この騒動が11月初旬のG20の直前だったからたまりません。
 G20で欧州危機の解決策をまとめようとしていた議長国のフランスをはじめ、ドイツなど各国は怒り心頭、ついにギリシアのユーロ圏追放を言いだしたのでした。「国民投票をするなら構わないが、それはギリシアがユーロ圏に残るか、出ていくかということだ」と独仏の首脳に凄まれて、ついにパパンドレウ政権は崩壊と相成ったのです。
 次に出てきたのは学者のパパデモスですが、彼はマサチューセッツ工科大学出身でECB(ヨーロッパ中央銀行)総裁のマリオ・ドラギの後輩にあたります。彼は清廉な学者というイメージで今のところギリシア国民の支持を受けているようです。しかし私は何度か本で書いてきましたが、元々、ギリシアのユーロ加盟は、ギリシアの国家の粉飾決算による賜物だったのです。財政赤字をデリバティブ取引でごまかし、ユーロ加盟という権利を得ました。この時使った手法は、今オリンパスで問題になっている「飛ばし」の手法そのものだったのです。ギリシアの借金を為替のレート操作によって一時的にゴールドマン・サックスに付け替えた、まさに飛ばしたのです。これには裏契約があって、その後、ギリシアの中央銀行がゴールドマンからこのデリバティブ商品を引き受けるということだったのです。
 そして、この取引を遂行しまとめてきたのが、何を隠そう、当時ギリシアの中央銀行総裁だったこのパパデモス新首相なのです。そんな経緯がある新首相がギリシア危機を上手く解決することができると思いますか?
 それだけでなく、数字的なトリックもみていきましょう。ギリシアの借金を見ていくと今回は5割カットということです。もしあなたが借金を5割もカットしてくれたら喜びませんか? なぜ、当時首相であったパパンドレウ前首相はこの案を国民投票にかけたいと思ったのでしょうか? これは単純に、この案ではとても国民は耐えられないと感じていたからです。こんな案を飲んでもまた国民の不満が爆発して大変なことになる、その前に国民自身の投票による意志表示という形での了解を得たいからと思ったからでしょう。
 「5割カット」というと聞こえはいいですが、実はこの案は、ギリシアにとってはとても本格的な解決策となるものではないのです。それどころかますます国民を窮乏化させるものなのです。
 どうしてでしょうか? まずはフランスのサルコジ大統領などがはっきり発言していますが、ギリシアは今回のユーロ圏がまとめた緊縮財政を実行することにより、債務の対GDP比率が2020年には120%となって返済可能水準となってくると言うのです。
 しかし考えてみてください。5割カットしても、まだ債務がGDPの120%も残るのです。日本の借金である対GDP比率200%という数字は論外にしても、ユーロ圏で問題となっているイタリアでもGDP比120%という借金の大きさが焦点となっているのです。同じく危機を叫ばれているスペインなどは借金の額はGDP比で61%に過ぎません。それでも危機が叫ばれているのです。そんな状態なのにギリシアが2020年の段階でまだ、GDP比120%も借金が残っているという計画で、どこの誰が再建できると信じるでしょうか? まさに言葉の遊びであって絵に描いたモチで、一時凌ぎにすらならないでしょう。公表されている数字を見てもこのようにお粗末な再建策なのです。

再建策の杜撰(ずさん)なからくり
 
実はもう一つこの再建策には盲点があります。この民間の債務を5割カットするという案です。一般的に5割カットと言えば、我々は債務の5割削減を想像します。
 では数字で考えてみましょう。例えば日本の借金はおよそ1,000兆円です。これは日本のGDPが500兆円ですから、GDPの200%に当たるわけですね、この借金を仮に5割カットとなればどうなりますか? 5割カットされれば1,000兆円の借金は500兆円となります。そうなると日本のGDPは500兆円ですから、借金500兆円ということで、GDPの100%となります。極めて単純な話で、借金を5割削減されれば、GDP比でも今までに比べて5割少なくなるはずです。

 ところがギリシアのケースを見てください。ギリシアの債務は現在GDP比で150%となっています。これを民間部門が5割カットするというのですが、なぜGDP比で75%にならないのでしょうか? なぜ120%というとんでもない数字が出てくるのでしょうか? おかしくないですか?
 実はここに、今回のギリシア再建計画の杜撰(ずさん)なからくりがあるのです。ギリシア国債は、現在ECB(ヨーロッパ中央銀行)をはじめ、ヨーロッパ域内の銀行が山のように保有しています。従来は国家の債務不履行はあり得ないのだから、全て国債はリスクフリー、いわゆる危険性は全くないということで決算処理されてきました。驚くことに今でも建前はそうなのです。
 ところが当局とは身勝手なもので、ここにきて、ギリシア国債を保有している民間の銀行は債務を5割カットすべしということで、ほとんど強制的にギリシア国債の債務を半分に減らされたのです。実はこの5割カットのスキームの中で例外があるのです。
 例外とは、債務がカットされずに満額償還を受けるということですが、この例外となっているのが、何を隠そうECB、すなわちヨーロッパ中央銀行なのです。
 どうして例外かというと、ECBはユーロを発行しているわけです。いわばECBの持っている資産を担保として、ユーロという紙幣を発行しているわけですから、このECBは損失を出すわけにはいかないのです。仮にECBが損失を出せば、理論的にはユーロに価値がないということになります。ユーロを担保するべき資産が中央銀行に存在していないからです。ですから規約上は、ECBでもFRB(米連邦準備制度理事会)でも、日銀でも、その資産に損失が出た場合は、例えば日銀のケースであれば、日本国家がその財政資金によって損の穴埋めをする必要があるのです。昨今日銀は、ETF(上場投資信託)の買い付けで400億円近い損失を出しています。この場合、日銀の財務が痛めば日本国の財政でこの損失を埋める必要があるのです。円の価値を保つため、税金で中央銀行の損失を埋めろということです。かように中央銀行が損失を被るということは、ややこしいことになるのです。ですからECBは、何としてもギリシア国債については債務カットなんてとんでもない話で一銭もまけることなく、全額回収するということになっているのです。ばかげていると思いませんか? 実際ギリシアは誰が考えても破綻で救いようもないのです。今や2年物の国債の利回りは120%を超えました。仮に1億円のギリシア国債を購入すれば、2年で利息だけで2億4,000万円も手に入るというのです。元金も足せば3億4,000万円になります。こんな国の国債を全く損失が被らないという前提で運営しているのが天下のECB、そしてIMF(国際通貨基金)なのです。狂っていると思いませんか? 表面だけをつくろって、嘘に嘘を抱えているのは中央銀行そのものなのです。

 そもそもなぜ、民間部門、いわゆる今回のギリシア救済のスキームで、民間の銀行が借金の5割カットを強制されることになったのか? それはギリシアの借金を返済可能水準まで減らすという大命題があるわけです。そしてそのシナリオにおいて、ECBの保有しているギリシア国債は債務カットの対象外ですからたちが悪いのです。現在ギリシア国債の最大の保有者はECBです。日本円にして5兆円以上のギリシア国債を保有しているのです。これは自前で購入したものであって、各国から担保として受けているギリシア国債を含めればこの倍以上の保有となっていることでしょう。おそらくギリシア国債の発行額の3割以上保有している形と思います。ギリシア国債の債務を減らすためにギリシア国債の債務をカットすると言っても、この一番の保有者であるECBが全く減額しないのですから、どうやって債務再建計画を作れというのですか? 頭がおかしいというしかないでしょう。
 現在、ユーロ圏では、域内の国債の買い手はもはやECBしかいない状態になりつつあるのです。そしてこのギリシア国債の減額に至るスキームを見るとわかりますが、ギリシアのケースもそうなのですが、ECBがギリシア国債を大量に持てば持つほど、再建計画を立てるときに他の投資家にしわ寄せが生じてくるわけです。当たり前です。ECBに対しては全額返せ、他の投資家は損失を被って返済額をカットしろというのですから、結果的に国債の中でECBの持つ割合が大きくなればなるほど他の投資家、この場合は民間の銀行ですが、彼らの負担が増してくるのです。ギリシアの債務を減らそうとすればするほど民間の金融機関の負担は増え続けるということです。こんなバカげたスキームが続くと思っているのでしょうか? しかしギリシア国債を保有する民間の銀行はこのような理不尽なスキームを強制されたのです。
 「こんなばかばかしい投資ができるわけがない!」ということで一斉に域内の国債を売却し始めたのが今起こっていることなのです。ギリシア危機の愚かなスキームが域内の国債に対する投資意欲を削ぎ、一気に他の国債投資に対しての連想を働かせ、域内の国債売りを助長させているのです。ですからこの動きは止まりません。まさにユーロ圏の国債は全て暴落に向かっていくのです。できもしないごまかしを続けている欧州当局は、自業自得と言えるでしょう。国債の暴落が止まらないということは、もうユーロ崩壊は避けられないということです。そしてユーロが崩壊すれば世界中はパニックに陥っていくでしょう。大混乱は近いのです。

<転載終わり>

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 ギリシャの問題は益々大きくなってきており、根本的な解決は見出すことができないような状況です。12月1日にはギリシャで大きなデモがまた起きているそうです。また、ギリシャ国民は自国の銀行が破綻すると考えているためか、この1ヶ月の間に日本円で1兆円以上の預金が下ろされたとのことです。

 ご存知の通り、問題はギリシャだけではなく、アメリカも欧州も日本も経済は青息吐息です。最後の砦であった中国もインフレ率が上昇し、不動産も下落し、上海株式市場も下がってきています。1991年以降の日本のバブル崩壊の時には、日本以外の国々の経済が順調だったため、日本は何とか復活することができましたが、今は世界中の経済が廻らなくなってきています。このような状況になって来たということは、資本主義というシステムが限界に近づいてきたということだと思います。資本主義が終わり、縄文時代のように地域の皆が助け合って、和気あいあいと嬉し嬉しで生きていくのでしょう。今後数年は資本主義の最後のあがきにより混乱が起こると思いますが、それを乗り越えれば、草木、四つ足と共に歌う世の中を実現することができると思います。

ご存知のように、日月神示では以下のようにあります。

『金で世を治めて、金で潰して、地固めしてみろくの世と致すのぢゃ。』

 

*12月4日(日)は5回目の神社巡りを行います。今回は大宮の氷川神社をお参りして、全員でひふみ祝詞を奏上させていただきます。また、近くの広場で「わの舞」も踊りたいと思います。今回は基本の舞である「御柱の舞」以外も踊るそうです。これは楽しみです。その後は恒例の懇親会をやりますが、今回は忘年会も兼ねて行います。毎回リーダーの中野のSさんが、事前に何度も足を運んで準備してくださっていますので、私たちはスムーズにお参りすることができます。また、Sさんはわの舞を1年以上練習されていますので、ダンスインワンのメンバーの中でもトップクラスのリーダーです。神社巡りの中でわの舞を踊ることは、Sさんが逐次千賀先生に報告されていますので、先生もご納得いただいているそうです。私たち日本弥栄の会の会員が踊るわの舞は、まだまだ練習不足で格好はよくないのですが、全員の心が一つになるという点では合格ではないかと思います。ヘタだけど、みんながまとまって一生懸命やっている小学生みたいな感じですかね(笑)。

 12月10日は関西の「チーム135」の神社巡りがあります。奈良県の三輪駅から徒歩3分くらいのところにある「大神神社(おおみわじんじゃ)」にお参りします。関東からはひふみ農園のオーナーさんのDさんと私が参加します。いよいよチーム関西が始動します。次期文明の中心地と言われる京都、大阪、兵庫、奈良の神社を訪問し、参拝させていただきます。来年は関東と関西の他に北海道、東北、北陸、中部、中国、四国、九州でも神社巡りサークルが立ち上がるのではないかと思います。最初はサークルとしてやりますが、昔の人が日常的に参拝していたように習慣化されれば、神社めぐりサークルの役目も終わり、単なる飲み会になるのかも知れません(笑)。それは不滅だと思います。



・船井幸雄.com


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「腐らない農産物の正体」 感謝の心を育むにはより転載

2011-12-01 21:20:28 | 農業

<感謝の心を育むにはより転載>

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『安心基盤をつくっていくには?』:「食」への期待2~腐らない農産物の正体~

前回の記事『「食」への期待1~食卓に迫る放射能の危機~』では、福島原発から漏れ出す放射性物質によって水産物と畜産物の汚染が進んでいる状況と、それによるリスクを明らかにしました。


今回は、野菜・果物に残留する農薬がどの様に使われているのか?また、それによるリスクについて考えていきたいと思います。


日本では、どこのスーパーに行っても、新鮮な野菜や果物がところ狭しと陳列されています。これらの農産物は、国内各地はもとより、海の彼方からも「見た目がきれいで新鮮な状態」で運ばれてきます。それを可能にしているのが、病害虫や雑草を取り除く化学薬品=農薬であることは広く知られています。


遺伝子組み換え作物の登場や、中国産の野菜から日本国内で禁止されている農薬が検出された事件などがあり、輸入農産物への不安が高まっているところに、国内では原発事故による放射能汚染が重なり、食材の安全に対する意識は一般的にも高まっています。


自分や家族の身を守ろうとする意識から、食材を購入する場合には、必ず農産物の産地を確認して輸入品よりは国産品を選んで購入する人も多いのではないでしょうか?


しかし、自分で産地表示の確認を徹底しても、普通に生活していれば外食する機会もあり、輸入農産物を全く口にしないで暮らすことは不可能だと言ってもいいでしょう。食糧を安定的にかつ安値で供給し続けるために、外国産の食材を大量に輸入し続けている日本の現実が、大きく変わる兆しも今のところありません。


また、一般的には「国内産は外国産よりも安全」という認識をしていますが、実際に農薬がどう使われているのかを、ほとんど知らないのが実態です。そこで、農薬がどの程度まで残留しているのか、国産と輸入品それぞれの農薬使用の実態や規制のあり方を押さえていきたいと思います。


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◆日本国内での残留農薬の実態・規制はどうなっているのか?


現在、日本で使用が認められている農薬は、化学物質の種類でいうと約380種類ほどあります。現在、使われているこれらの農薬は、次の3つの条件を満たさなければなりません。


1) 人間に対する急性毒性が低いこと。
2) 環境中で分解されやすいこと。
3) 目的とする病害虫や雑草の駆除には役立つが、その周辺にいる生物にできるだけ影響を与えないこと。


日本では残留農薬や食品添加物などの安全基準を、「食品安全委員会」(2003年、「食品安全基本法」により内閣府に設置)が、「急性、亜急性、慢性、発がん性、催奇形性、繁殖」などの各種安全性試験の結果を判断して、薬品が有害な作用を及ぼさないない量(無毒性量)を評価し、さらに安全係数を考慮して決めています。


大よそ、以下の方法で規制値が求められています。

 


 


まず、マウス(ハツカネズミ:小型のネズミ)、ラット(ドブネズミ:大型のネズミ)、ウサギ、イヌなど複数の動物で実験を行ない、得られたデータの中で最も低い値を、「無毒性量(NOAEL)」として選びます。その後、「無毒性量」を「実験動物と人間との種の違いを考慮した10倍」と、「身長・体重などの人間の個体差を考慮した10倍」を掛け合わせた安全係数「100」(実験データの質が十分ではない場合、安全係数に500倍などの数値を用いる)で割って「1日許容摂取量(ADI)」を定めます。これは、「人が生涯毎日摂取し続けても健康への悪影響がない値」とされています。


ある農薬のADIが0.1mg/kg/日であるとは、体重50kgの人が1日当たりその農薬を5mgずつ生涯にわたって摂取し続けたとしても、安全上問題がないということを意味します。


厚生労働省は、14種類の食品群(穀類、魚介類、肉類と卵類、飲料水など)から代表的な食品を複数選んで市場から購入し、調理をしてから残留農薬の分析を行なっています。実際に農薬が検出された食品群では、分析結果にその食品群の平均的な1日当たりの消費量を乗じて、その食品群での調査対象農薬の1日摂取量を求める「一日摂取量調査」を行なっています。これをADIと比較して安全性に問題がないかの評価をしています。

 


 


1991年度から2004年度までの13年間の調査結果をとりまとめると、これまでに分析対象となった農薬成分と類縁化合物(分解物など)の数は延べ216種類(登録を失効したDDT等を含む)になります。そのうち、これまでに一度は検出されたことのある農薬および類縁化合物は上の表に載っている30種類です。表の対ADI比に示された数字を拾うと、28種類については10%未満で、さらにそのうち13成分は1%未満と低い値でした。


このように、現在の日本の残留農薬の規制値は、かなり安全側で設定されており、その結果、国内の農産物から摂取する残留農薬の量は、低く抑えられているようです。この調査結果を見る限りは、残留農薬の影響を心配する必要はないようにも思えます。


しかし、調査対象の農薬の種類やサンプリングする食品の数には限界があるので、調査・分析の方法が変われば結果は変動します。そもそも、あくまで安全性を評価する基準は、現在の残留農薬の規制値であり、今後基準そのものが変わる可能性もあるので、完全に安心と言い切ることはできません。


また、小麦や大豆、柑橘類などの果物のほとんどは、海外からの輸入に依存しています。輸入される農産物の農薬使用の実態はどうなっているのでしょうか?


◆日本と海外との農薬規制の違い


日本で禁止されている種類の農薬でも、海外では使用が認められていたり、同じ種類の農薬であっても残留基準値が異なる場合もあります。


日本の基準を超えた残留農薬は水際でチェックされるから、高度に汚染された農産物は入ってこないはずです。輸入農産物の検査体制は下図のようになっていますが、様々な抜け道があることが指摘されています。

 


 


例として、年間4500t余り輸入されているイチゴの検査体制を見てみます。輸入先は95%がアメリカのカリフォルニアです。


日本でイチゴに設定されている規制農薬は下の表にある14農薬です。これに対してアメリカが収穫後のイチゴに使用を許可している農薬は5種類で、日本でチェックしている14農薬と一つも重なっていません

 

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たとえば「キャプタン」は、発ガン性が認められている農薬ですが、この「キャプタン」が高濃度に残留していたとしても、日本の検査でひっかかることはないことになります。これはイチゴだけの例ではなく、じゃがいも、ニンジン、タマネギ、カボチャ、大豆なども同様です。


以上のような検査体制を経て日本に入った輸入イチゴには、驚くほど長持ちするものがあります。冷蔵庫に入れた輸入イチゴは3週間たってもカビがまったく発生せず、1ヶ月たっても元通りの色つやを保っているとのことです。このイチゴからは0・9ppmの「キャプタン」が検出されており、異常に長持ちしたのは殺菌剤「キャプタン」のせいだと推察されます。


アメリカのポストハーベスト農薬に対する許容基準を調べてみると、日本と比べて非常に甘い点が問題となってきます。例えば、殺虫剤の「レルダン」の米への許容基準はアメリカでは6ppm、日本の登録保留基準は0・1ppmで、けたが違います。


登録保留基準とは、国内産農産物をチェックする場合に適用される基準なので、輸入農産物の検査には用いられないのです。日本とアメリカの許容値に最も差があるのが、じゃがいもの発芽防止剤「クロルIPC」で約1000倍。10倍以上違う農薬は7種類あり、それらが使用されている農作物は小麦、とうもろこし、さくらんぼ、セロリ、レタス、柑橘類など30種に及んでいます。


◆農薬を使用するタイミングによる残留濃度の違い


農薬を使用するタイミングは、収穫前=栽培の時点と、収穫後=輸送の時点の2つに大きく分かれます。


農産物を収穫する前、つまり栽培中に農薬を使用することを「プレハーベスト」と呼びます。これは、雑草や害虫の駆除を目的に、除草剤や殺虫剤を畑で散布する使用法で、私達が持っている一般的な農薬使用のイメージと合致します。


また、収穫後の農産物に直接農薬を散布することを「ポストハーベスト」と呼びます。これは、栽培中に農薬を使用する「プレハーベスト」に比べて残留する農薬の濃度が高くなるため、日本国内での使用は原則として禁止されています。


しかし、これはあくまで日本国内で作られる農作物の場合に限られます。海外から日本へ輸入される農作物には、例外規定が存在しており、輸入農産物のポストハーベストは、「食品添加物」として使用が認められているのです。長期間・長距離の輸送にも関わらず、商品価値を維持するためには、収穫後の薬品使用が不可欠だからです。


◆ポストハーベストの実態


ポストハーベストは、栽培中に使うものより数倍~数百倍高い濃度で農作物に直接ふりかけたり、農作物を薬液に漬けたりして使います。このため、もともとの付着濃度が高いうえ、太陽光線で分解されることもなく、栽培中に使う農薬よりも残留濃度がずっと高くなります


ポストハーベスト農薬の防かび剤「ジフェニール(DP)」「イマザリル」「OPP」「TBZ」は表示の義務があるので分かりますが、防かび剤以外のポストハーベスト農薬(殺虫剤など)については、使われていても表示されません。これらのポストハーベスト農薬のうち国内で使用が禁止されているものが検査で見つかったり、残留基準違反のものが見つかったりする場合があります。


海外から輸入される農産物のポストハーベストの実態を、いくつかの実例で見てみましょう。

 


 


輸入品には米国産が多いオレンジですが、米国でのオレンジの収穫後の処理工程は以下のようなものです。


処理場に入ったオレンジはまずブラシをかけられます。ここで、外皮の表面にある茶色のかさぶたなどが削り取られてきれいな色になります。しかし、外皮の表面は傷だらけになり、細胞膜が破れるので、このままではすぐにかびが生えてしまいます。そこで、まず殺菌剤をスプレーします。


次に、白かびを防ぐため、発がん性のある防かび剤「OPP(オルトフェニルフェノール)」が入ったワックスをかけ、さらに緑かびを防ぐために催奇形性のある防かび剤「TBZ(チアベンダゾール)」や発がん性のある防かび剤「イマザリル」をスプレーします。


こうしてオレンジの表面はピカピカ光ってきれいに見えますが、農薬入りワックスが光っているだけです。オレンジの皮にかびが生えないのは、かびが生えないほど強い毒物が塗られているからなのです。


次にレモンの処理工程です。処理場に運び込まれたレモンはまず「塩素剤」のプールに漬けられます。引き上げられると、「アルカリ剤」で洗われ、さらに殺菌作用のある「2.4-D」をスプレーしてから、冷蔵倉庫に入れられます。2.4-Dはベトナム戦争で用いられた枯葉剤の主成分で、発がん性があります。さらに出荷時には、発がん性防かび剤の「OPP」、催奇形性のある防かび剤「TBZ」をかけます。


埼玉県の実験(00年~01年)では、輸入レモンやオレンジをナイロンたわしで30秒間こすって流水で洗い流しても、防かび剤が25~90%残りました。農薬別の除去率はイマザリルとOPPが約30%、TBZは約65%にとどまりました。


また、レモン片を飲料に入れる場合の農薬溶出量を知るため、熱湯に輪切りレモンを入れて1分間置いたところ、イマザリルとOPPは約40%が、TBZは約60%が溶出しました。


さらに、輸入農産物と一緒に入ってきた害虫を殺虫するために、くん蒸という形で、農薬がかけられています。これは、密閉した室内でガス状くん蒸剤やくん煙剤を充満させ一定期間放置しておくというものです。


くん蒸に頻繁に用いられる薬剤の臭化メチルは、アメリカEPA環境保護機関やオランダ政府から、“発ガン性の疑いがある”との研究報告が出されています。この劇物に指定されている臭化メチルの毒性はかなり強く、中毒症状としては悪心、嘔吐、酩酊状態、めまい、頭痛、上気道の刺激、灼熱感、肺水腫、呼吸困難、喀痰、チアノーゼ、眼球震盪、散瞳、四肢けいれん、麻痺、狂燥状態、ショックなどがあります。また常温で気体の化合物であるので、くん蒸に当たっては、写真のようにガスマスク着用ということになります。

 

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日本では、収穫後の農産物への農薬使用はほとんどないので、1974年に米国から輸入されたかんきつ類からOPPとTBZが検出されると、当時の厚生省は違法添加物として摘発しました。ところが、ポストハーベスト無しでは農産物の輸入は成り立たないため、政府は後に米国の要求を受け入れ、77年にOPPを、78年にTBZを、それぞれ「食品添加物」として許可したのです。


つまり、日本国内でどれだけ規制を強めても、輸入品からは禁止薬品が残留した農産物がいくらでも流入しうるのが現状であるといえます。


◆TPP参加による影響は?


野田首相が交渉への参加を表明したTPP(環太平洋経済連携協定)については、「関税が撤廃されることで日本の農業が大打撃を受ける」との反対意見と、「製造業の輸出が増やすためには参加が必要だ」という賛成意見との、二項対立的な議論ばかりがマスコミでは取り上げられています。


しかし、TPPが締結されることによる影響は、単に農業が打撃を受けるだけには止まりません。


TPPには、「2015年までに農産物、工業製品、サービスなど、全ての商品について、例外なしに関税その他の貿易障壁を撤廃する」ことが定められています。つまり、関税だけではなく貿易の障壁となる日本の法律・制度の一切が取り除かれてしまいかねないのです。(たとえば日本の国民皆保険制度は、アメリカの保険会社にとって商売の邪魔でしかない)


TPPを締結することで、狂牛病の月齢制限の撤廃、遺伝子組み換え作物・ポストハーベストの規制撤廃、日本で禁止されている添加物や医薬品の使用認可といったことが次々に起こる可能性があるのです。そうなれば、現在よりも確実に残留農薬や添加物などによるリスクが高まることは不可避です。


◆残留農薬への対応どうする?


農薬の規制は数十年前に比べると格段に厳しくなり、少なくとも「残留農薬による急性中毒を起こす事態はほとんどない」と言っていいでしょう。ただし、輸入農産物のポストハーベストによる農薬の残留濃度は、国内で生産する野菜よりも高く、また国内で禁止されている薬品も使用されているので、リスクが高いことは否定できません。


現在、目に見える形での被害はなくても、摂取し続けることによる悪影響が将来に渡って出ないかどうか、実は良く判っていません1970年以降のアレルギー疾患やガンの増加には、工業化の進展による大気汚染などの様々な要因が考えられますが、残留農薬による影響も原因の一つではないかとの疑いがあります。


では、残留農薬のリスクから身を守るにはどうしたらいいのでしょうか?


農薬が最も残留するのが表面の皮の部分です。すぐにできる対策としては、野菜や果物の皮は必ず流水でよく洗い、厚めにむいて取り除くことです。また、昔ながらの日本の調理法も農薬などの有害物質除去に効果があると言われています。細かく刻んで表面積を大きくした上で、「ゆでる」「酢に晒す」などの一手間かけて下ごしらえをすることで、かなり残留農薬を取り除くことができるという実験結果も発表されています。


しかし、こうした個人レベルでの対策には限界があります。現在のように、産地から消費地までの長距離・長期間の輸送が常態化し、かつ市場の流通に耐える商品価値を維持しようとすれば、農薬を使用する量を減らしていくことはできません。加えて、TPPが締結されて市場開放の圧力が高まれば、今後ますます食品のリスクが増大することは避けられそうにありません。


残留農薬の問題を根本的に解決するには、農業のあり方そのものを変えていく必要があります。今後は、地産地消を実現できるように、顔の見える生産者とのネットワーク形成が、日本社会の課題になってくるのではないでしょうか?

<転載終わり>

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 日本では収穫された野菜に対して農薬を撒布することは禁じられていますが、アメリカなどでは法律で禁止されていません。ですからアメリカ産のイチゴは農薬がたっぷりかかっています。それで1ヶ月経っても、収穫したてのように生き生きとしているそうです。何とも怖ろしいことです。

 以前テレビで、半年経っても腐らないマックポテトの実験をやってましたが、これも怖ろしいですね。

 ネットで調べたら、腐らないマックのハンバーガーやポテトの記事が山のようにヒットしました。どうも本当のようですね。

 

・腐らないマックバーガーなど

 

 

・感謝の心を育むには


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