三流読書人

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ドングリ小屋住人 

レストランに消えた募金

2005年07月25日 14時10分24秒 | 教育 
『日刊スポーツ』に編集委員の達野昭司氏のコラム「オヤジの寝言」という欄があります。
7月24日付のこの欄です。一度読んでみてください。

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▼「たとえば3000円で467人の子どもの命を救う方法があります」。こんな手書きの文面を添えたダイレクトメールが忘れたころに届く。ユニセフ(国連児童基金)日本協会からのものだ。親善大使黒柳徹子さんの顔や、飢餓と病気にうつろな目をした途上国の子どもたちの顔を連想する。たやすい御用と思いながら、なかなか郵便局まで振り込みに行けない。今回も給料をもらってからと思っていた矢先だった。
▼22日、そのユニセフの資金に関連したひどい不祥事が発覚した。かつてこの機関の事務管理を委託されていた経産省の役人たちが、受け取った事務費をまたまた裏金にプールし、レストランの会員権などを購入していたという。残高は利息も含めて5000万円を超えるそうだ。返還するのは当たり前のこと。それ以前に世界の恵まれない子どもたちを救おうという心が、日本の経済や産業を支える官庁のエリートに全く理解されていなかったということにがく然とする。
▼3000円で467人の命を救えるのなら、5000万円ならば一体何人の子どもを救えるのか。飢餓に苦しむ子どもたちのための募金が会員制レストランの会員権に化けることの異常さを誰も食い止めないことも信じられないことだ。戦後の食糧難のころ、日本の子どもも給食の脱脂粉乳などユニセフの援助に助けられている。ささやかながら募金要請には応えたい。願わくばその使途が似ても似つかないところへ行かないことだけを念じながら。

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この記事を読んでどう思われますか。
これは不祥事といってすませられる事件だろうか。
救いがたい中央省庁の役人のモラルハザードの一端。