鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

自分の名前を失なった場合の可能性A:①別の名前、②醜い名前、③名前がないまま(GLASS3-36)

2008-04-29 10:14:00 | Weblog
 ブヨがいなくなってアリスは歩き始める。やがて深い森に至る。アリスは森の中に入るのがこわかったが女王になるためには進むほかないと思って前進する。この森は「事物に名前がない森」と言われていた。そこでアリスは「森の中に入ったら私の名前はどうなるのかしら?」と考え始める。まずアリスが思ったのは「自分の名前を失いたくない」ということだった。その理由は2つある。①人々が私に別の名前をつけるだろうがそれはいやだから。アリスは自分の名前を気に入っている。だからアリス以外の別の名前がつけられることがいやなのだ。しかも②その別の名前は醜いに決まってるとアリスは思う。自分の名前がなくなって別の名前になるのはいやだし、そのいやな名前は醜いに決まっているというわけである。しかし③自分に名前がないままという可能性をアリスは考えていない。「事物に名前がない森」では別の名前さえアリスにつかないはずである。そのとき、いったい何が起こるのだろうか。(これについては後述。)

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