いい人

肌寒く　　春の足踏み　　待ちどうし　　流れる雲や　　足早行く
　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　ひのひら　　ろくべえ

　　　　良く他者から「いい人」という評価を受けることがある。「いい人」とは

　　　如何なる人の事なんだろうか。害にはならない人という事なんだろうか。あ

　　　るいは、相手にとって都合のいい人という事なんだろうか。いい人との関係

　　　は、楽であろうが、学びは少ないと感じる。つまり人は人から学ぶという事

　　　を基本い考えると、そこには切磋琢磨と言った関係や、争い競う関係、苦し

　　　いけど、多くの学びを与えてくれる関係、共に癒したり癒される関係など様

　　　々である。そこには「いい人」という関係はない。いい人はどこまで行って

　　　も「いい人」益にもならなければ害にもならない」そんな人という事になる。

　　　それ故、恋の対象にもならないし、異性として認知しない、自分にとって都

　　　合のいい人という事になる。そんな関係では、人に影響を与えることはでき

　　　ない。何らかの自分らしさを求め影響を他者に与えられる、含蓄のある人間

　　　こそが、素晴らしいのではないだろうか。「いい人」を目指すのでなく、含

　　　蓄のある人間を目指したいものである。

　　　　「いい人」を目指すな、含蓄ある人を目指せ、人間関係、コミュニケーシ

　　　ョンは、互いに傷ついたり、傷つけられたり、危ない橋を渡ったり、共に快

　　　感を味わったりすることで、影響し合うもの。理屈ではない、感情、感覚を

　　　大切のした交流こそがコミュニケーションなのではないだろうか。その意味

　　　では、草食系ではなく肉食系に変身して、より攻撃的に生きる姿勢を持つこ

　　　とも、大切なことなのかもしれない。積極的に人間を学ぶ姿勢が大切なこと

　　　なのかもしれない。