すがるような気持ちで薬をのむ。
喘息のような切れ目のない咳に何度も目が覚める。
時計をみたら夜中の2時、朝までもつか? 更に咳はひどくなって息ぐるしい。
時々様子を見に来ていた夫に「もうだめ、救急車呼んで!」
雨の中、救急車はすぐにきた。「今からT 病院に行きます、大丈夫ですよ」
病院についた。素早く色々な検査がはじまった。
「脱水症状がありますから、このまま帰っても無理でしょう。しばらく入院になりますね」
医師からつげられた。覚悟せねば・・・
24時間の点滴が始まった。
体にあちこち検査用のコードがつけてあるし、狭いベットの上では
寝返りもできなかった。
咳は続いていて、そのたびに尿意があり点滴台を引きずりながらトイレに。
個室なので気兼ねはいらないが、春まだ浅い夜中の冷えは堪えた。
点滴3日目の夜明けごろに看護師さんが来て、
「杏子さん、点滴をはずしますからね・・・」少しだけ楽になった。
熱が下がった。脱水症状がおさまった。
入院3日目の昼食からわずかの流動食がはじまった。
夜間の酷い咳はまだ続いている。
5日目の朝、主治医は「流動食はそろそろ卒業して、柔らかいご飯にしましょう。退院が早くできるようにしっかり食べて、体力つけないと。
今日からリハビリをはじめますよ。入院が長くなると足腰弱くなりますからね」と励まされた。
色々な検査を受けたが特に急を要する症状はみあたらず、咳はまだ続いているが退院の許可がおりた。
退院後に、改めて呼吸器専門医でくわしい検査を受けることになった。
そして退院から数日後に、20数年前から入退院・治療を続けている
呼吸器科病院を受診。
レントゲン検査で、左肺にはさらに増殖したあたらしい陰影がみとめられた。
血液検査でもまだ炎症反応があった。
「CT検査をやってみましょう」 予約をいれてもらった。
あ~やっぱりか・・・予想は的中した。
疲れた・・・