ラジオでこどもの頃の「初めてのお使いの思い出話」をしていた。
そーっと抱えて帰った玉子を家の前で落としてべそをかいた話。


自転車にのせてかえったらトーフがぐしゃぐしゃに・・・・・


ハンドルを握りながらおかしく、楽しく聞いていた私は、ふと思いだした。

お使いといえば、あの頃は今のようなスーパーもなく、
もちろんビニール袋も無かった。うすみどりと黄色の紐で編んだ買い物かごだ。
学校から帰ると一番に台所に走って行き母の姿を捜したものだ。
居ない、買い物かごも無い。
「母ちゃんは?」
すると、父が云った。「父ちゃんは?とはなんでいわんとねぇ」
ちょっぴりさみしげに・・・
その父もいまはもういない
