むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

リュウキュウマメガキ:琉球豆柿(変な名づけ)

2014-05-19 07:24:09 | 植物観察過去ログについて

洛北、鴨川の源流付近の山で若葉のリュウキュウマメガキ:琉球豆柿(カキノキ科カキノキ属)に出会いました。
本州関東地方以西、四国、九州、沖縄の山地の日当たりのよい谷間や斜面に生える落葉高木で、高さは8~10m、ときには15mにもなります。
雌雄別株で、6月ごろ葉脇に黄白色の花をつけます。
果実は直径1.5~2㎝の扁球形~球形で、10~11月橙色から黒紫色に熟します。
柿若葉の間に去年の果実が干からびたままついていたので、どんな大きさなのか見当がつきました。
マメガキに似ていますが、マメガキは葉裏に軟毛があり葉柄が少し短いとあります。ちょっと目では区別は難しそうです。
琉球の名がついていますが西日本に広く分布し、信州柿の別名がありますが、長野県には分布しないので、どうしてそんな名がついたのか不思議な柿です

シュンギク:春菊(なるほどの名前) 5月18日

2014-05-18 10:04:19 | 植物観察過去ログについて

鍋物やお浸しでおなじみのシュンギク:春菊(キク科キク属)の花が咲いています。
地中海沿岸地方の1年草で。茎は30~40cm直立しよく分枝します。葉は互生し2回羽状深裂四、無柄で茎を抱きます。
4~5月に径3~4.5㎝の頭状花をつけ、黄色または先が白くなります。
中国を経て460年ほど前に渡来したといわれ、春の若苗を食しキクナともいいます。
ヨーロッパではこの香が好まれず、食べるのは主に中国と日本だそうです。
別名に不断菊、無尽草、新菊などがあります。
花のことを知らずに、食べる時には春菊の菊は香りからきていると思っていましたが、立派な花を見ていると菊の名はやはり花からきているのではと思えてきました。

メギ:目木(目薬になる) 

2014-05-05 10:17:03 | 植物観察過去ログについて

洛北の山道でメギ:目木(メギ科メギ属)が今にも咲きそうな蕾をつけているのにであいました。
植物園などでは見たことがありますが、自生のメギに会うのは初めてです。
本州関東以西、四国、九州などに生える落葉小低木で、多数分枝し、高さ1m位、稜のある枝に葉を密生し鋭い刺があります。(‘10年2月17日記事葉は新枝に互生、刺のある付け根の短枝に束生し長さ2~3㎝となります。
花は春、若葉と同時に短枝の先に黄緑色の花を2~4個垂れ下がってつけます。
葉や木を煎じて洗眼薬にしたことからこの名がありますが、その鋭いトゲからコトリトマラズ、ヨロイドオシなどの別名もあります。
仲間にヒロハヘビノボラズ(‘09年6月13日記事)というのがあります。おなじノボラズでも、片やヘビ、此方コトリでは大違いで、メギの方は喜んでいることでしょう。


ヒダサンショウウオ:飛騨山椒魚(出会えた卵)

2014-05-04 09:43:24 | 植物観察過去ログについて

植物観察に行った鴨川の源流にあたる谷川でヒダサンショウウオ:飛騨山椒魚(サンショウウオ科サンショウウオ属)の卵を見ました。
現地のガイドさんが瓦の少しおおきい石を裏返すと、写真のようにまるまる太った?卵があり、透明な殻の中で、もう形になったヒダサンショウウオの幼生が動き回っていました。
和歌山県を除く関東以西の本州に分布し、全長は8~18㎝、四肢は短く、体型はがっしりしていて丸い尾があります。
バナナ状の卵嚢の先端が柄のようになって、これで平たい石などの付着します。
卵は8週間で孵化して幼生になり、幼生はその年の秋季か、幼生のまま越冬し翌年の夏季に変態し幼体になります。やがて山中に入り、夜行性で昆虫類や節足動物、ミミズなどを食べ、昼間は石や落ち葉の下などに隠れて休みます。
卵嚢の中で目を持った幼生がうごめいているのを見ていると半裂きともいわれるサンショオウオの生命力を垣間見たような気になりました。