へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

椿三十郎

2008-01-14 22:06:22 | おたより
楽しい映画でした。
往年の黒澤映画のファンは、なんだあの映画は…と思うでしょうけど、随所に森田芳光らしいところが出ていて、別物だと思います。
シナリオはあんまりよくないけどね。それを感じさせないんだから、今回の映画は成功じゃないんですか?
織田裕二の殺陣もよかった。むさい浪人ハマり役かも。
織田裕二を悪く言う人たちに、あんまり演技のうまくない役者が多いけど、下手は下手なりに努力を重ねている織田裕二を見習って欲しいよな。
今回はそんな織田裕二の気迫みたいなもの、画面から伝わってきた。
若い俳優さんたちも間の抜けた悪役を演じたベテランも、光ってました。
あ~、それでも三船がいい、映画は黒澤がいい、と主張する人。 原作を読んで、
「織田も三船も違う」
と、言う人いるかもしれないんだから、相身互いでよろしいんじゃないんですか~?
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この祖父にしてこの孫あり

2008-01-13 22:30:53 | へちま細太郎


昨日に引き続きピカイチです。

金曜日の夜、ナースなお姉さんたちと合コンをして、どうやら藤川家の別邸に彼女たちを連れ込んだらしい。
ここはその昔、隠居した殿様夫婦や、お国御前に与えられた屋敷だった。現在は藤川が管理していて、結婚したら住む予定の場所なんだとか。
それを女連れ込んじゃって、たまたま用があってやってきた隠居じじいに見つかり、こってりとしぼられた。
が、藤川の隠居じじいはただものではなかった。
隠居じじいにはかの11代将軍の血が流れている。55人も子供作ったあの将軍だ。隠居じじいのオヤジって人もかなりの女好きだったらしいから、どうやら食い地の他に女好きまで加わって、欲だらけの家系になってしまった。
「おまえらは情けない。酔ったとはいえ女を満足させられなかったばかりか、朝寝をするなどとは、男として恥をしれっ
「満足ってなんだよ、そんなのわかんないだろうが」
藤川が反抗すると、
「ならなぜ女がおらん、不満に思わなかったらそばで寝ているか、男モノのワイシャツを着て朝飯くらい作っておろうが」
「げっ
なんなんだ、このじじいはっ
「いまどきいるか、シャツ着て朝飯作る女が
「ばかもん、ぶかぶかのシャツからのぞく素足を見ると、またかわいがってやろうかと思うだろうが」
しえ~っ
「いいか、回数の問題ではない、要は中身の問題だ、おまえらなっとらんし、それくらいの魅力を見せる女もひっかけられないからいつまでも女房も持てないんだ」
どんな理屈なんだ。
「言わせておけばくそじじい、彼女たちは看護師なの、やることやってから仕事があるから帰ったの」
「なに?看護婦?」
と、ここで目の色が変わった。
「制服はそそられたか?」
「は?」
「ひ?」
「ふ?」
あまりのことに浜中はひっくり返り、久保田は茫然自失のありさまだ。
「俺たちはコスプレ趣味じゃねえっ
「やかましい、コスプレどこが悪い」
「そんなものに頼らなきゃおったたねえモノは持ってねえっ
「ふん、齢78にして現役を誇るこの祖父に対し、30過ぎてもなお女も満足にさせらん不能孫に言われたくないぞ」
「言ったな、くそじじい」
「剣も柔道もおまえには引けをとらんぞ、この隠居から1本取ってから文句を言え」
「頭にきたっ」
「表に出ろ、このくそ孫
「受けてたつぞ、くたばりぞこない」
と、あっけにとられている俺たちをよそに、色ボケじじいと暴力孫は外に飛び出して行ってしまった。
「いいのかよ~」
浜中が恐る恐る外を覗けば、孫がじじいに竹刀を持って追いかけ回されているところだった。
「あの祖父にして、あの孫ありか」
久保田の間の抜けた感想にため息するも、俺はうちに帰ってオフクロと細太郎に、なんていいわけするか、そっちの方がこわかった。
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おとうさんも先生たちもオトコノコ

2008-01-12 22:50:36 | へちま細太郎


細太郎の父のピカイチです。
最近、息子は友達と遊んでばかりいて、前みたいにまとわりつかなくなった。非常に寂しい。 ところが、俺の周囲は、
「今年6年生だろ、いつまでも親にべたべたしつどうするんだ」
と、取り合ってもくれない。 まあ、当たり前のことなんだろうが、たまに保護者会に出席した時に仲のよい親子を見るとうらやましくなる。
細太郎、おとうさんはさびしいぞぉ。
PS.細太郎より はっきり言ってうざいです。おとうさんとは一昨年のひな祭りの写真以来、もう仲良くなれません。ぼくは、おとうさんと離れておとなになろうと思います。

…だあっ ピカイチです。
俺は細太郎がそんな書き込みをしている夢を見て目が覚めた。
確かに、一昨年のあれは悪夢には違いないが、しかし、しかしだっ。細太郎は俺の宝なんだそ~。あいつと引き離されて11年、どんだけ心のよりどころになっていたことか。
「いいかげんにしろよ、寒いじゃないか」
と、なぜかわきから声がした。
「げっ」
隣で藤川のバカが素っ裸で寝ている。
「なに朝から燃えてんだ、ばあか」
反対からも声がして、こっちも素っ裸の久保田が寝ていた。
「何でおまえら裸なんだっ
俺はあまりのことに大声をあげると、
「夕べ合コンして、お持ち帰りしたじゃねえか」
と、向こうから眠そうな浜中の声が聞こえてきた。
「げえっ」
お、覚えていないっ!!しかも、俺も裸じゃねえか。
「か~、やだな、コイツ、3回もやったくせに…」
藤川は目をこすりながら上半身を起こした。
「細太郎には黙っててやるからな」
と、ヒョイと毛布をあげると、
「おっ、元気だねえ」
と、爆笑しやがった。
と、廊下を踏み鳴らす足音がしたかと思うと、
「きさまらっいつまで寝取るんだっ女と夜を供したくらいで寝坊などするなっ
と、脳天に響きそうな大声で藤川のご隠居じじいが怒鳴りつけてきた。
「何でじじいがいるんだ」
藤川は頭を抱えてひっくり返った。
なんて朝でえい
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臨時休刊

2008-01-11 22:43:27 | 休刊案内
ねむい
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その名も…

2008-01-10 22:28:05 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

昨日の続きです。藤川先生の一番上の法華お姉さん夫婦に赤ちゃんが生まれました。でも、おとうさんいわく藤川先生は、
「どんだけ嫌いなんだか、のぶちゃんが」
なんだそうで、ちっともうれしそうじゃありません。
「あの野郎は、こともあろうに、わざわざ高等部の職員室の俺の席の前で万歳三唱したんだぞ」
とにかくおかんむりな藤川先生です。
「くそっ、俺はああいう縦のものも横にならねえようなやつが大嫌いなんだっ。俺の血筋にあんな性格の人間が入るなんて許せねえ」
「どうどうどう」
「おりゃ、馬じゃねえ」
みんなで顔を見合わせ、ため息をつきました。 どんなに怒ったって、生まれちゃったんだからしょうがないよね。
「しかも、こともあろうに名前を“慶次郎”とつけたんだ、あいつらは」
「け、けいじろう?」
「まさか、それって…」
「そうなんだっ、前田慶次郎なんだっ」
(-.-)。
どんだけなんだ
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長男誕生

2008-01-09 22:41:48 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

藤川先生の一番上のお姉さんが、なんと赤ちゃんを生んだそうです。
「藤川先生、おじさんだね」
と言うと、
「俺にはすでに4人の甥っ子と姪っ子がいる
と、ぶ然としていました。
つまり、弟の実孝さんと妹の玲華さんはすでに結婚していて、2人ずつ子供がいました。 2人とも東京で暮らしています。
「で、顔を見に行ってあげないの?」
「誰が見に行くか、野郎
「そんなに嫌いなのか、あの唐変木野郎が」
「ふん
藤川先生、ほんと強情だねえ。
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始業式

2008-01-08 23:08:22 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

始業式です。 僕たち5年1組は、みんな元気に登校してきました。
たかのり君は薄着でも元気。 よしこちゃんたちは相変わらずやかましい。 しんいち君は…あれ?
「顔、丸いね(-.-;)」
「あははは、おもち、食べ過ぎちゃったσ(^-^;)」
みんなでわいわいやっていると、三田先生が、
「みんな~、元気だったか~」
と、調子よく入ってきました。
「あけおめ~
「ことよろ~
こんな挨拶してたら、絶対怒られるって…。
始業式は体育館で行いました。 5年3組になったみきお組がやってきて、
「おい、知ってるか~、はるみのバカが食い過ぎて病院に行ったってよ。白いうんこが出たらしいよ~」
と、教えにきました。
「白いうんこって、何だよ」
「汚ねえ
「あいつ、お嬢ぶってっけど、結構バカだな」
たかのり君の言葉にみんな大笑いしていたら、
「そこ、早く並べ」
と怒られてしまいました。
休んでいても、やなやつ~。
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別れのワインで大脱走

2008-01-07 22:04:47 | へちま細太郎
「何だ、ついに別れたのか?」
おじいちゃんの不躾な質問にけんちゃん先生は、
「おやじさん、“刑事コロンボ”と“大脱走”ですよ」
と、2枚のDVDを見せました。
「“刑事コロンボ”のゲスト主役には、往年の大スターが配役されているから、見比べてるってわけ」
「何で?“大脱走”?」
おじいちゃんは“大脱走”のDVDを穴のあくほど眺めていましたが、
「スティーブ・マックイーンが“刑事コロンボ”に出てたのか?」
と、スティーブ・マックイーンを指してききました。
「まさか、偽造屋のコリンを演じていた俳優が、コロンボでは異母弟を殺してしまうワイナリーの経営者をやっているんですよ」
「ほ~」
けんちゃん先生は、
「どっちみるかなあ」
と、見比べていました。 が、おじいちゃんはそんなことはおかまいましに、
「で、別れのワインは飲んだのけ?」
と、とぼけた口調でまた質問を繰り返しました。
「あははは」
けんちゃん先生は、怒りもせず笑ってごまかしていました。
ほんとのところは、どうなのかな~。
ちょっと、気になります。
へちま細太郎でした。
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1年は短い

2008-01-06 22:39:48 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

新しい大河ドラマが始まりました。
昨日まで、
「我は毘沙門天なり」
を連発していた藤川先生も、
「Gacktかっこいい
と叫びまくっていたおばあちゃんも、
「どこがおもしろいんだ」
と、全く興味を示さないおとうさんやおじいちゃんも、初回だけは必ずみます。
「全く、しっかりしたと伝わる女性には、必ず小さなころからの逸話があるんだ、ありがちだね」
おとうさんはおばあちゃんをじろじろみながら毒づいています。
「何か言いたそうだね」
おばあちゃんに睨みつけられて、おとうさんは、
「ふん」
と鼻を鳴らしました。
「しかしよ~、この調所広郷(ずしょひろさと)っていうのは、薩摩藩の莫大な借財を250年で返すって言ったんだけどよ、はっきりいって踏み倒しだよな」
藤川先生はみかんをまるごとほおばっています。
「え~、じゃあ薩摩藩は、まだ借金返してないの?」
ぼくは驚いて聞き返しました。
「そりゃあ、幕末の各藩はどこだって同じだろ?」
「じゃあ、あんたんとこはどうしたんだい?藩政改革がうまくいったなんて話、聞かねえぞ」
「藩政改革するような藩かよ、美都田吾作にならって総出で百姓したってよ」
「自給自足?」
おばあちゃんもこれにはびっくり。
「詳しいことは知らねえけどよ、みんな食い地がはってただけじゃねえの?」
という言葉に、なぜかみんな納得しました。
「来年はきっと、妻夫木聡かっこいいって、言ってるねえ」
「瑛太は好きじゃねえのかよ」
「どっちかというと、沢村一樹の方が…」
やれやれ、毎年こんな具合いでスタートします。
年末にはどんなことになっているのかなあ~。
それにしても、1年って、早いねえ。
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我は毘沙門天なり

2008-01-05 21:50:49 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

今日は神楽坂まで初詣に行きました。
「我は毘沙門天なり」
と、藤川先生がずっとしつこいくらい口走っているので、
「だったら、神楽坂まで行ってきたらどーよ」
と、おばあちゃんが提案したので、みんなで出かけることになったのです。
「我は毘沙門天なり」
年末からそれしか言わないので、周りも呆れています。
「だめだ、すっかりGacktになりきっている」
おとうさんは藤川先生の力説に、電車の中では他人のふり。
「うるさい、去年の大河の主人公くらい勝手なやつはいなかったぞ、自分の欲望ばかり叶えようとして、大義名分に“武田”のためと言いくさりやがって、どんだけ不愉快な思いをしたか」
「じゃ、何でみたんだよ」
「あの中で正義は上杉謙信だけにあったんだ」
「あ、そう」
こうなっちゃったらおしまいです。
やっぱり、藤川先生は戦国武将の血をひいている…と思います。
「そうはいってもGackt、紅白もすっかりなりきっていたよな~」
「我は毘沙門天なり」
「はいはい」
飯田橋の駅から神楽坂をだらだらと登って行く途中に、不二家のペコちゃん焼きがあります。
「帰り買って帰るべ」
おとうさんはそう言って、お正月の着物を着ておめかししたペコちゃんの頭をたたきました。
とても嬉しそうです(・_・;)。
で、目指す神楽坂毘沙門天が、左手前方に見えてきました。
「あそこのお寺だね」
おばあちゃんが、
「破魔矢買って帰ろうっと」
と言い、さらに、
「バカ息子が結婚できますように」
と小さな声で付け足しました。
さて、毘沙門天の前に着いた時です。
「よっしゃあ、GacktだGackt~」
…。
ふ、藤川先生…。入れ替わっているよ~。
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