へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

日日是好日

2008-01-14 23:01:23 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。
三連休は楽しかったですか?
ぼくのうちではおとうさんが帰ってこなくても、みんな普通の休日を過ごしていました。 けんちゃん先生は、
「この連休は、部活も休みです。旅行にいきますので、月曜日の夜に帰る予定です。よろしくお願いします」
と、きちんと挨拶をして土曜日の朝に出かけていきました。半分家族同然の藤川先生からは、
「こ~いっちゃんは預かった、身柄は用事がすみしだい引き渡しに応じる」
という、わけわからないFAXが届いて、
「バカ殿~」
とおばあちゃんに笑われていました。
おとうさん、合コンだね。自分じゃ言えないから藤川先生に言ってもらうなんて、大バカです。 おとうさん、内緒にしてたってみんなにはバレバレだから。おとうさんが女の子が好きなの、知ってるからね。
ただ、おかあさんだけは別なんだってのは、みんなわかってる。 だから、困ってもいるんだけど。
土曜日の夕方になって、藤川先生のおじいちゃん…ご隠居様から、
「連休中は当家で身柄を預かる候故、心配の義、これなく候」
と、意味不明なFAXが届いて、
「さては、なんぞやらかしたな」
とおばあちゃんは、その達筆な書体を見て唸っていました。
「あのくそじじい、余計なことを教えてくれなきゃいいけど」
この世で、あのご隠居を“くそじじい”呼ばわりするのは、藤川先生とおばあちゃんだけです。 それだけ気が合ってるってことなんだろうけど。
「さて、連休中はなにをしようか。細太郎は遊びに行くの?」
「うん、たかのり君たちとサッカーする予定」
ぼくはそう答えて、
「月曜日は高校サッカーの決勝見ていい?」
とつけ加えると、
「友達も呼んでおいで」
おばあちゃんはそう言ってくれました。
さて、おとうさんと藤川先生は、けんちゃん先生のお土産を開いているところに帰ってきました。
げっそりやつれています。
「何だ、おまえら、ご隠居様にどんなしごかれ方されたんか」
おじいちゃんは2人の消耗ぶりに呆れ顔です。
「察するに、あれだ、農作業だな、肥だめ背負わされたな、におうぞ」
と、笑われて、
「それじゃ女もよりつくめえ、ご隠居にしてやられたな」
おじいちゃんはそう言って、お土産の御守りの鈴をチャリーンとならしました。
「あのくそじじいがっ
匂うと言われて藤川先生が風呂に飛び込んで、叫んでいました。
自業自得だと思います。

椿三十郎

2008-01-14 22:06:22 | おたより
楽しい映画でした。
往年の黒澤映画のファンは、なんだあの映画は…と思うでしょうけど、随所に森田芳光らしいところが出ていて、別物だと思います。
シナリオはあんまりよくないけどね。それを感じさせないんだから、今回の映画は成功じゃないんですか?
織田裕二の殺陣もよかった。むさい浪人ハマり役かも。
織田裕二を悪く言う人たちに、あんまり演技のうまくない役者が多いけど、下手は下手なりに努力を重ねている織田裕二を見習って欲しいよな。
今回はそんな織田裕二の気迫みたいなもの、画面から伝わってきた。
若い俳優さんたちも間の抜けた悪役を演じたベテランも、光ってました。
あ~、それでも三船がいい、映画は黒澤がいい、と主張する人。 原作を読んで、
「織田も三船も違う」
と、言う人いるかもしれないんだから、相身互いでよろしいんじゃないんですか~?