へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

移動手段は…

2011-04-02 23:37:12 | へちま細太郎

こんばんは、おばあちゃんよ。

孫の細太郎が、須庭寺の復興作業とやらに借り出されてしまい、我が家の片づけは年寄と出来損ないの息子の3人で急ピッチで済ませた。
で、一番困ったのは「水」。
水道管が破裂したとかで、断水が続いて普及のめども立たずで、途方に暮れたわよ。
「飲み水だけはどうしようもないわねえ」
「ガソリンスタンドもあいてないから、車ってわけにはいかねえしよ」
バカ息子が貴重な水をがぶ飲みしながら、ぼけた発言をする。
「何のために、足があるのよ」
「へ?」
「自転車があるんだから、小学校まで行ってプールの水をもらっといで、トイレ用にするから」
「なんで俺が」
「リカとミッフィーにできるか、バカモノ」
バカ息子は犬とうさぎを見下ろしてため息をつく。
そこへ、戦時中の買い出しみたいな姿のバカ殿が帰ってきた。
「とりあえず、うちは井戸だから水くんできた」
リュックには米と野菜、スーツケースには大量の2ℓのペットボトルが詰まっていた。
「あらら、どうやって持ってきたの」
「馬」
「はい?」
「うちの飛雄馬にひかせてきた」
飛雄馬って・・・。
「あの、畑を耕してる農耕馬だろ」
リカは庭に向かって吠える。ミッフィーはだんまりだ。
「うまあ?」
庭を見てみりゃ、少々くたびれた様子の馬が、庭をほじくっている。
「ひええええええ」
「結構役に立つんだぞ~」
バカ殿は庭に下りていくと、馬の腹をなぜる。
「しばらくは、飛雄馬も居候な」
と、庭の隅にテントをはり、馬を中に入れる。
「ま、ここで我慢しろ」
って、馬なんて、どうやってめんどうみるのよ~。
といいつつも、結構力仕事に役立ってくれて、助かった。
少なくとも、バカ息子よりはねえ。



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