へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

須庭寺の隠し部屋?

2015-12-27 07:47:36 | へちま細太郎

拙僧は副住職の藤川孝洋である。須庭寺という美都地区最大の禅寺にして、かつてこの地を治めていた大名藤川家の菩提寺でもある。拙僧はその一族でもある。
世間でいうところのクリスマスイヴは、何代か前の当主の命日である。故に、一族郎党がこの日に当院に集合し、大法要会となる。
ところで、わが姉の一人は子院の棒斐浄寺の尼を勤めている…一応な。
正直なあ~……、ああめんどくせえ、俺は元ゾクの頭だ。まだるっこしい言葉は使いたくねえ…。
イマドキ流行んねえ暴走族も、北関東の某県の、しかも県の真ん中から上の方に棲息しているぐらいで、珍走団、夜露四苦押忍!とばかりに田舎町を走り回っている。
ま、俺もな、この法要がクリスマスイヴっていうのがムカついて、クリスマスイヴ記念暴走をかますつもりが、本家のじじいにとっつかまり嫌々出席させられた。法要を抜け出し、さらに寺の娘とよろしくやっていたのを見つかって、結婚までさせられてよ~。
んで、そのやっちまってた部屋というのが、本堂の須弥壇の裏にある小さなおこもり部屋。代々の住職の部屋だったところだ。起きて半畳、寝て一畳、何事も足るを知るこの部屋は、しかし3畳もある。たまに、俺やバカ殿孝禎が酒をかっくらったりするんだが、この部屋をやり部屋に目をつけたのが、細太郎のクソガキだ。
去年も今年も、はるみとかいう性格のハンパなく悪い女としけこんでいやがった。
しかも、この女、本家の御隠居も持て余している子豚のオタク野郎に、ストーカーされている。いくらかつてのレディースのガキだからといっても、俺もめんどくせえ。
でもよ~、細太郎とはるみの二人は、この部屋が好きらしい。コトが済んでも二人で何かをずっと話していて、出てこない。
この二人、案外お似合いのカップルかもしれんなあ。
あ、関係ないが、バカ殿はこの部屋でやるのが好きではないんだと。そのかわり、弟の実孝はさんざん利用してたけどよ~。
実孝も、相当な野郎だぜ



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