実孝だ。
暇じゃねえけど、バカなヲタク厨に付き合ってやることにした。
総勢20人近くの無礼者を迎えた俺は、まず、
「話をききたきゃ、藤川家のしきたりをやってもらう」
と殿様を気取ってみる。
連中からごくりと唾を飲み込む音が聞こえたような気がした。
といっても、こういう役割は所詮は下っ端の仕事。それゆえ、人を見る目が養われていないとできない。
かといって、殿様に会えるためのしきたりなんぞ、この藤川家にあるはずもない。
そこで、いもをとらせて洗わせ、木っ端切れを集めさせ焼き芋を作らせることにした。
それで文句をたれたら、追い返すだけだ。
案の定、不満げな顔つきをしやがった。
「僕たちはお話を伺いにきただけです」
「おまえら、貴重な藤川家の内部事情をタダできけるとでも思っていたのか」
「あ、いや、それは」
昔ならお手うちもんだ、と言いたいがやめた。今は何をいわれるかわかったもんじゃない。
「それなら」
大星由良助はしぶしぶ承知した。
ああ、いい気分だ。
じゃ、めんどくさいから続くぞ
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