へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

とんでもない話があったもんだ4

2018-12-16 08:21:27 | へちま細太郎

実孝だ。

暇じゃねえけど、バカなヲタク厨に付き合ってやることにした。

総勢20人近くの無礼者を迎えた俺は、まず、

「話をききたきゃ、藤川家のしきたりをやってもらう」

と殿様を気取ってみる。

連中からごくりと唾を飲み込む音が聞こえたような気がした。

といっても、こういう役割は所詮は下っ端の仕事。それゆえ、人を見る目が養われていないとできない。

かといって、殿様に会えるためのしきたりなんぞ、この藤川家にあるはずもない。

そこで、いもをとらせて洗わせ、木っ端切れを集めさせ焼き芋を作らせることにした。

それで文句をたれたら、追い返すだけだ。

案の定、不満げな顔つきをしやがった。

「僕たちはお話を伺いにきただけです」

「おまえら、貴重な藤川家の内部事情をタダできけるとでも思っていたのか」

「あ、いや、それは」

昔ならお手うちもんだ、と言いたいがやめた。今は何をいわれるかわかったもんじゃない。

「それなら」

大星由良助はしぶしぶ承知した。

ああ、いい気分だ。

じゃ、めんどくさいから続くぞ



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