へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

アンキモって?

2015-09-28 23:14:36 | へちま細太郎

お久しぶりです。
ぼくが主人公のへちま細太郎です。

孝太郎先輩の家の別荘は居心地がよくて、勉強もはかどる。
農作業もはかどる。。。
これなら御隠居のところでも同じじゃね?と思うだろう?
そうじゃないんだよなあ。
ぼくら、強制されてやりたくない世代なんだよね。
だから、別荘の周りの草刈りからはじめて、野生化した野菜の周囲を少しずつ土を改良していって、買ってきた青梗菜とか上手に植えてこれから冬に備えようって話。
要するに居座っちゃおうぜえい、ってことになった。
でもって、資金も底をついてきたので、バイトをすることになった。
ぼくは、回転ずし。
握らせてもらえるわけじゃないので、掃除だの注文されたものを運んだりが主な仕事。
そこそこのバイト料だったので、いいお金にはなった。
で、この回転ずしにはクレーマーなオバちゃんがいる。
わけのわからん「美味しんぼ」理論を展開し、私は食通、実在する海原雄山とでもいうべきか、いやいや女性だから栗田ゆう子を気取っているわけだ。
いやはや回転ずしにきて、何を言うだ。
「今日のお寿司は生臭いじゃないの!!」
って、おまえお寿司は魚だろうが。
それとも何か、全部焼いて出せと?
で、今日の昼に来て、さっそく注文したのが、
「アンキモお願いね」
というので、アンキモのお寿司を運んで行ったら、
「何よこれ!!」
と怒り出した。
「アンキモですけど?」
と、答えると、
「こんなのアンキモじゃないわっ!!」
と、またまた絶叫。
これがアンキモじゃなかったら、何をアンキモっていうんだ?
「店長呼んで、店長」
という声とともに、うんざりした店長が登場した。
「ここのお店じゃアンキモおいてないの?」
「だから、アンキモですが?」
「あなた、アンキモの何たるかがわかってないの?」
は?
「アンキモは、アンコウの肝のことで、これが肝ですよ?」
「何言ってんの?」
「いや、だから肝のことですって」
「馬鹿じゃないの?物も知らないかしら?」
は?
「アンキモって、アンコウのキモイやつのことよ!!」
あ?
「まったく、キモイの持ってきて早く」
あ、いや。。。。
「キモイのよ、キモイの」
席についていたお客さんも、食べる箸をとめて唖然。
「内臓とか、そういうの」
…。
マジで正気でいってんの?このオバサン。
で、困っている店長を振り返りつつ、奥に引っ込んで、
「これ、もらいます」
と、魚をおろしたときに出た内臓をさらに盛り付けて店に出た。
「お待たせしました。キモイのです」
と、ぐにょぐにょしたヤツを目の前に差し出した。
「ぎゃあああああああ」
オバサンは、悲鳴を上げて店から飛び出していってしまった。
店長はじめ、全員が拍手喝采をしたが、僕はあることに気がついた。
で、外に飛び出し、
「お客さあああん、お勘定忘れていますよ~」
と、叫んでやりました。
明日も来るんだろうなあ。
ただ飯が目当てだもんな。

*ちなみに、アンキモをキモイの、といったオバサンの話は実話ですwww



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