へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

住職さま、腰抜かす

2015-08-03 12:05:22 | へちま細太郎

須庭寺の家つき娘のことみよ。
暑中お見舞いもうしあげちゃうわね。

バカ亭主は、バカオヤジにかわって、檀家とお盆の相談。
オヤジは、病院だわよ~。
そう、オヤジの後妻の百合絵さんが、体調その他、年齢が年齢ということで、帝王切開になったのよ。で、オヤジが病院に僧服のまま行こうとしたのをしかりつけ、バカ亭主の姉の京さまが、オヤジのためにそろえてくれた服に着替えさせたわけね。
ほんと、京さまって、還俗おすすめすしたくなるわ、こんなセンスしていちゃ。
だってね、全身白でコーディネート、夏だから涼しげでいいかと思うけど、そこへ御丁寧にレイバンの黒のサングラス。
でもって、わかるでしょ、うちのオヤジ、ボーズ頭といえば聞こえがいいけど、スキンヘッドだから、そのスジの方かと頭抱えちゃった。
おまけに、パナマハットよ~。
オヤジ、鏡に写った自分の姿に大満足。
「ショーン=コネリーにみえなくもないな」

バカはほっておこうっていいたいけど、一緒に病院いったわよ。
百合絵さまのご家族もきていたんだけど、なんかこう、百合絵さまも百合絵さまだけど、御家族も不思議な方々なのよね~。
なにかしら、そう、う~ん、昔々の伯爵さまだか、何爵さまだか知らないけどさ~、うちのバカ亭主の親戚ともまた違った雰囲気なのよ。
ま、でも、バカ亭主は違和感なく話しているみたいだから、やっぱり昔のお貴族さまとは違うのかなあ、とも思ってもみたりしたわけね。
急ぎ病院までかけつけたら、なんか病院内が異様な雰囲気なの。みんな遠巻きに私たちをみるわけ、オヤジのかっこがそうだからと思ったら、上には上がいたのよ~。
オヤジが、百合絵さまの病室に駆けつけた途端、
「ひえええええええ」
と悲鳴をあげて腰をぬかしてる。
「お父さん!!」
と、かけよってみれば、病室の中はメンインブラックの集団と、うしろ襟の牧師さまたちがごそっといたわけ。
「これはどうも、娘がお世話になっています」
百合絵さまのおとうさま、結婚のあいさつに来た時とぜんぜんちがうじゃないのっ!!
「そちらさんも後継ぎができたようですので、娘に男が授かった暁には、手前どもの組の後継ぎに…」
あ、オヤジ、気絶した




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