へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

石けん

2007-10-07 23:03:32 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

最近、おばあちゃんが凝っているのは、LUSHというお店で売っているいい匂いのする石けんです。
けんちゃん先生がデートに行って、お土産に買ってきてくれたことからすっかりハマってしまい、お風呂の中のみならず、洗面所も石けんの匂いでぷんぷんしています。
「石けんなんて、何だっていいんだよ、どーせ汚れを落とすだけなんだから」
と、おとうさんはぶつぶつ文句を言っていますが、そういうおとうさんだってボディソープじゃないといやがります。
「ほんじゃおめえよ~、小学校の時に水道にかけてあったみかんの網に入っていた石けんで顔を洗えるか」
「お、おりゃあ何だってかまわえねえ」
けんちゃん先生の攻撃に一瞬たじろいだおとうさんでしたが、そこは負けず嫌いなのですぐ反撃をしました。
「要は気持ちの問題だよな。今日1日楽しく過ごせますようにとか、彼女と…えーと…」 と、藤川先生がちろっとぼくをみて、
「夜疲れた時とかにいい匂いの石けんや入浴剤を使うと、疲れもとれちゃうだろ?」
と、言い直したようです。
何が言いたかったんだろ
でも、いい匂いの石けんは、確かに楽しくはなりますが、あまり強烈だと鼻が痛くなっちゃうよ。
そんな家中が石けんの匂いがしている時に、最近ベタベタしすぎの広之おにいちゃんと慶子おねえちゃんがやってきました。 ベタベタしすぎると、赤ちゃんができるんだって。
「おえっ」
手を洗いにいった慶子おねえちゃんが、ゲロをはきそうになったのか洗面所から飛び出してきました。
「だめだあ、この匂いきつすぎ、もろにこみ上げてきたわ~。つわりって、やだあ」
ほらね、だめな人はだめなんだよなあ。
あ、お店のことを別に悪く言っているわけじゃないですからね。
「おえ~」
慶子おねえちゃんは窓をあけて新鮮な空気を入れて、少しでも匂いを薄くしていました。
やっかいだなあ、もう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今度は時計に旅行券 | トップ | じいちゃんのぼやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

へちま細太郎」カテゴリの最新記事