へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

タコ壺保健室で場外戦始まる

2012-02-28 16:56:11 | へちま細太郎

こんにちは、へちま細太郎です。

2月の初めに野茂と喧嘩して以来、口をきいていない。それどころか、野茂は学校の寮に籠城を決め込んでしまい、阿部さんのお部屋で生活している。
阿部さんは、藤川家の調理師でもあるが、寮の経営もかねていて、管理栄養士兼調理師、および計理士というつわものだ。もっとも、阿部さんは実質上は藤川家の調理師だから、ダンナさんと息子さんがここの経営を一手に引き受けているそうな。
ま、藤川家の経営グループなんだけどさ。
寮に部屋を持つ阿部さんなんだけど、実際には休憩所みたいなもんで住んではいない。そこへ、野茂が籠城したもんだから、阿部さんの居場所は、
「うちは、駆け込み寺やないねんで、カフェともちゃう」
と、匿名希望の東山先生をイラつかせる結果となっている。
「だいたい、ここにいたいんやったら、そのブルーのユニフォームやめてんか」
「だったら、このオレンジうさぎとペンギンはなんだ」
と、小百合の根元にある、うさぎとペンギン…いやメタボツバメのぬいぐるみを指差す。
「あ~考えても、おぞましい、このウサギ。めんたまひっついてる」
ビジター用のブルーの旧ユニフォームの背中には「ASAO 41」の文字だ。確かこの間は、「MORINO 30」だったし、「ARAI 25」(現在は阪神の新井弟)もあった。いったい、いくつユニフォームもってんだよ、このおばさんは。
「目ん玉ひっついているって、なんだこの野郎」
いきなり、サッシ窓をあけて中島教授が姿を見せた。
「きたな、強奪軍団」
片山教授が、自慢のハワイコナを持ち、隣のカウンセリング研究所の境のドアを開けて登場した。
「だいたい、失敬だろ、ペンギンってなんだ。これは“すわくろう”という、かわいいツバメのぬいぐるみだ。わけのわからん、カバと一緒にするな」
「カバとはなんだ、カバとは。あれは龍だぞ。だから“シャオロン”“パオロン”なんだ」
「ロン?できそこないの赤毛のロンか?」
「それは、ハリーポッターだろ」
ぼくら5人は、放課後ここへやってきて匿名希望の東山先生秘蔵の梅ジュースを、飲みながらサボった分の宿題を奥で片付けていた。
「ま、落合去ったあとの中日はおそるるにたらず。うちの杉内には手も足もでまい」
「畠山の一撃でその杉内も終わりだな」
「何をいうやら、能見にかなう名選手はいまい」
「金本に頼っているようでは、おわりだよ」
「最近は、鈍足も復活したようだな」
「は?KYの老害がいるような強奪球団に文句は言われたくはないわな」
「それをいうのなら、老人会みたいな中日も同じだろ」
「守道と、権藤を貶めるような発言はゆるさん」

ぼくら、ため息しかでませんよ~。
 


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