へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

いぬをかいた~い その3

2006-03-13 22:46:25 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です

日にち、あいちゃって、ごめんね。。。犬のおはなしのつづきです。。。

ぼくは、タッパーのお弁当箱をなめている犬をじっとみながら考えました。
もし、みんなが犬をかわなければ、この犬はどうなっちゃうんだろうか。
犬は、食べるものがなくて、うえじにしちゃうかもしれない。雪がふっても雨がふっても、あたたかいばしょがなくてぬれたまんまになってかぜをひいちゃうかもしれない。 ぼくが、あたたかいこたつに入っておいしいご飯を食べているとき、この子は外で1人でふるえている。この子は、毎日学校にいてぼくたちがくるのを待っていて、給食ののこりをもらって、みんなとあそんだあと、またぼくたちがかえるのをみおくって1人ぼっちで学校にのこってさびしい思いをするんだろうな
あ、もしかして、ほけんじょにつれていかれちゃうかも。車にひき逃げされたらどうしよう。
犬は、タッパーをなめおわるとぼくの顔をじっとみました。そして、みんなの顔もぐるっと見回しました
みんな、だまっていました。きっと、ぼくと同じ気持ちなんだと思います。
おだじま先生が、この子がいたお茶の木の下を調べて帰ってきました。
「やっぱり、捨て犬だよ。縄でお茶の木に結ばれていたみたいだ。ひでえよなあ
それをきいたさらだ先生が、
「みんな、帰ったらうちの人と相談しておいで。そして雌犬でも飼ってもいい、といわれたらうちの人と学校に連れにきて」
と言いました。
「先生、それまで学校で待っているから」
みんなは顔を見合わせています。しんいちくんはもじもじしています。しんいちくんは、この犬がかいたいんだなあと思いました。しんいちくんはやさしいし、きっとこの子もすきになるはず、と思ってるうちに、やきもちをやいちゃった。
この子がしんいちくんのものになるのは、ぼくはがまんができなくなってしまった。 この子は、ぼくがみつけたんだ。この子はぼくをみつけたんだ。
「ぼく、かうよ」
気がついたら手をあげていました。
「細太郎、おうちの人と相談しなくていいのか?」
さらだ先生はあわててききました。
「いい、だいじょうぶ。ぼく、おじいちゃんとおばあちゃんによくはなして、この子をかってもらう。ぼく、この子とくらしたい
と、さらだ先生にゆっくりとじぶんのきもちをはなしました。犬は、ぼくの手をなめてきました。 この子もぼくといっしょにいたいんだ、と思いました。
「そっか」
さらだ先生は、ぼくとこの子をかわりばんこにながめて、
「細太郎、先生もいっしょにいってやるよ」
といってくれました。
「へいきだよ~」
ぼくはこたえましたが、ちょっと力づよいかも。。。

でも、先生、うちでご飯食べるの、なしだよ。。。

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