「細太郎くんと同じクラス仲良くしてあげてもよくってよ」
はるみの嬌声に、ぼくはアタマを抱えた。
「あんた、嫌われているの、まだわかってないの?」
野茂がはるみに怒鳴り返している。
「何よ、あんたこそ、細太郎くんの何様?」
「親友よ」
確かにそうだけど、そんなのはるみには通用しないよ~。
「相変わらず、モテてるね」
しんいちの嫌味な笑いに、
「おめえ、彼女できたからって、そんなセリフはないだろ」
たかのりが、げんこつをぐりぐりすると、
「あれ?彼女ができたのは、たかひろだろ」
こんどはみきおが、ベランダでいちゃつくたかひろを指さした。
「う~ん。。。」
ぼくは、唸る。
「個人的感情でクラス内を混乱させないでよね」
「なんでそんなこと私がするのよ」
まだやってる。なんでそんなに仲が悪いんだ。
「なんだ、あいつ」
しんいちが廊下の窓から覗いているキチローをみつけた。
「あいつ、ほんとにはるみのストーカーやってんだ」
「キモ」
はるみも気が付いたらしく、
「なんなのよ、あんた、キモいから覗くんじゃないわよ」
と、窓に向かって教科書を投げつけた。
キチローはさっと姿を隠してしまった。
「あんな調子でこれからも覗く気かなあ」
「やだやだ」
これだったら、担任は赤松の方がマシだったかも、とつぶやいたら、みんな一斉にうなづいたのだ。
「マジ、キモい」
はるみ、うるせ~。
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