へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

秋のハイキング合宿2

2015-10-10 23:58:11 | へちま細太郎

久保田だよ~。
昨日は、昼飯くったあと、数学教えてた。
もうすぐテストだしな。

昨日のハイキングコースの話だったよなあ。
毎年、行っているにも関わらず、オレは、係の決めたことをそのままついて行くだけだったから、コースの道順とかぐらいしかわからなかったんだよ。
今年は、去年の担当の藪先生と一緒に車に乗って、コースの下見に出かけた。もっとも、途中からチャりにかわったけどな。
藪先生は、やっとこの仕事から解放された、と喜んでいてウキウキ気分で、ハンドルを握っている。
「久保田先生、この坂道、気をつけないと危ないからね」
「え?」
「この間、たぬきひいちゃいそうになったから」
「たぬきくらいいるんじゃないですか。いたちが出たっておどろかねえ」
「そうかあ?俺なんか、だめだな~。ネズミだって無理だ」
何だ、このオヤジ。。。
「ネズミは好き嫌いあるもんねえ」
は?
「半ズボンはいたネズミなんて、冗談じゃないよ」
なんのこっちゃ?
「メスなんかリボンつけてるし、ワンピース着て」
おいおいおいおい。。。
青年の家とやらの駐車場に車をおいて、そこから折りたたみチャリをこぐ。
「この道、去年より、えぐれてるなあ」
「この間雨が降ったから、流れたんでしょうか」
けっこうでかい石ころをよけつつ、チャリを押して行くと、ようやく何とか通れる道にたどり着く。
「あ~、落ち葉が積もっちゃって。ここ、めったに通らないからなあ」
この道は、つくばった山に向かう有料道路につながる。この山の向こうの町とつなぐ道だ。大変な坂道だし、紅葉の季節には観光客の車で渋滞になるため、生活道路でもあったこの道は地元の人間には不便なことこの上ない。遠回りの道では、倍の時間がかかる。そこでトンネルができたんだが、今ではこの道は物好きな人間以外通らない。
むろん、チャリなんかでは、通らない。
俺たちは、チャリを押して坂道を登ると、1台の軽トラがやってきた。
軽トラは俺たちの脇にとまると、
「あんれ、孟宗の先生でねえのけ?気をつけな、今、ウリ坊がいたから」
げ?ウリ坊だって?
と、いいところで、続く。。。

 



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