へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

道を歩けば猫ぱんち

2011-08-30 23:04:38 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

リカとシャカイを連れて散歩をしていたら、近所のうちのへいを猫が歩いていた。
この猫は近所でも評判のカメダという名前の野良猫だ。
誰ともなく呼ばれるようになったカメダの名前は、当然同じ名前をもつとある三兄弟のそれと一緒だ。
シャカイはカメダ見るなりリカの腹の下に隠れてしまい、カメダの様子をうかがっている。
「しょうもねえな、今から猫におびえてどうすんだよ」
リカは近頃現れたシャカイに母性本能を発揮して、カメダをガン見している。
「うっ」
ぼくは、塀の上でふんぞり返るカメダに視線を向けると、相手もこちらの気持ちがわかったのか、
「ぎゃお」
と、歯をむき出しにしてこちらを見た。
「なんだよ、猫の分際で」
最近イライラがつのるぼくとしては、カメダの威嚇もストレスの吐け口だったんだろう。
「人間様たてつこうなんていい度胸だ」
と、中指を突き立てた途端、いきなりこの凶暴な野良猫はぼくめがけて飛びかかった。でもって、驚いたぼくの胸ぐら思いっきり爪を立ててしがみつき、右前脚を振り上げると、ぼくの顎にパンチを食らわした。
「いってえ、なんだ、この野郎」
ぼくは、カメダを引きはがそうとしたけど、爪を立てられているので離れない。
しかも、その間に猫パンチと蹴りが入り、あげくのはてに頬を引っかかれてしまった。
「いってええ」
衝撃でひっくり返ったぼくの胸の上で一声雄叫びをあげたカメダは、あっけにとられているリカとシャカイに、
「ぎゃおおお」
と、歯をむき出すと悠然と歩いていってしまった。
「なんなんだよ、、なんだ、あの猫は」
引っかかれた頬に手を当てれば血がたらたら。
「くっそ~、あいつ、ほんとは猫じゃねえだろ」
リカをつないでいた綱を思いっきり地面に叩きつけると、リカは僕から離れた綱を引きづりシャカイを連れてどこかへと走り去ってしまった。
はあ。。。飼い犬にも見放されたのかっ



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