へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

温泉といえばピンポン

2008-08-24 21:47:54 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

昨日から、奥はちじ温泉にきている。
藤川先生は、一休みしたあとサッカー部員をつれて、
「ちょっと行ってくる」
と、農家の人が担ぐかごをみんなに担がせて出かけてしまった。
で、おとうさんは、水没して池になったテニスコートに呆然。
「いやあ、ここんとこの雨でさ、はちじ川が増水しちゃって、だいぶ前から水没してたのよ」
ホテルのおっちゃんは、バケツを持ってやってきて、
「いや、兄ちゃんもやっけ?」
と、ズボンをめくってテニスコートに入り、
「ほら、大猟大猟」
と、テニスコート内で魚をとっていた。
「大丈夫、漁業権はあっから」
それでもおとうさんはショックで立ち尽くしていた。
「まるで生け簀だね」
さらだ先生は、網とバケツをぼくらに渡し、
「晩御飯はバーベキューだぞ」
と、ぼくらをテニスコートに追い立てた。
「やった」
たかのり君がまっさきに突進していき、ぼくらも思わぬ魚取りに大はしゃぎだった。
でも、おとうさんは呆然。
ぼくらは大はしゃぎ。 おとうさんは…、
「ちょっと待て?ずっと前から水没しちゃってたって?」
と、今ごろになってことの成り行きに気がついた。
「本家の坊ちゃんに聞いてなかったの?いったんだっけがよ~」
おっちゃんはそう言いながらも、
「今日も大猟だ」
と、バケツに魚をすくい入れて、
「けどよ、やっぱ逃がしてやんねえとかわいそうだっぺ」
と、川まで流しに行った。
「あのバカ殿~」
おとうさんは白い顔を真っ赤にして怒っていたが、
「ホテルの中にピンポンあっから」
というおっちゃんの言葉に、ますます茹でたこになってしまった。
「なあにがピンポンだ、バカやろう」
おとうさんはホテルにかけもどってしまった。
ところが、大猟の魚を持ってホテルに戻ってきた時、浴衣姿のおとうさんとやっぱり浴衣姿のきれいなお姉さんがピンポンを楽しそうにしていた。
ともだちがいるのに…
気を取り直した夕方、サッカー部員がとってきた野菜とぼくらがとった魚でバーベキューをした。
「な、元気だせよ、おまえのおやじはまだ若くて独身なんだから」
(仮)山下軍団に慰められても、やっぱ恥ずかしいものは恥ずかしいよ~。


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