浜中です。
広之から紹介された彼女に二股かけられて、おじさんをバカにするのもたいがいにせえと思ったんだが、どういうわけか「Flamingo」の曲を聴いて何やらピンとくるものがあった。
「どーしたの」
久保田が、スマホの動画にうつる赤ん坊の写真を俺にみせつけながら、俺の表情をどうとったのか、
「若い歌うたいの曲が理解できないくらいで、悩むことないじゃんか」
とのたまわってきやがった。
「黙れ、この野郎」
俺は、あっけにとられる藤川や広之の視線をそのまま返して、
「プロポーズしてくる」
と、言い捨ててそのまま別宅を後にした。
タクシーを拾って、彼女のアパートに駆け込んで、
「結婚してくれ」
と、ドアがあくなり叫んでいた。
「何をいきなり」
彼女は大掃除のジャージ姿そのままに、立ちすくんでいたが、
「ATMの覚悟できてる?」
と、返してきた。
「馬鹿野郎、豪邸ぐらい建ててやるわい」
「結婚する!プロポーズ待ってた」
二股なんて嘘に決まってる。俺がバカなだけだったんだ。
「やったあ」
ジャージ姿の彼女は、どんなドレスよりよく似合っていたぞ。
と口にしたら、ビンタをくらったが、許してやるぞ~。
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