へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

どっか、いこう

2008-08-22 23:36:23 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

夏休みも、あと10日です。実質、来週いっぱい。
こういうときに限って、
「どっか、行こう」
と、言い出す人が出てくるわけで…。
「何考えてんだ、世間は週末だぞ」
藤川先生が、マンガを手にしながらあきれたような声を出して、おとうさんを見た。
「ホテルはどこも満室だぞ」
「今年は満足にテニスをしてないんだ」
「おまえ、いつも仕事終わってからやってたじゃないか」
「一人でやるのと、みんなでやるのでは違うんだ」
おとうさんは、学園のみんなを誘って“第二テニスくらぶ”を作っていたんだけど、空中分解してしまったみたいだ。
「だって、タコちゃん(匿名希望の東山)は今年は出張ばかりいれるし、桜井のバカはPENICILLINにはまりやがってテニスに興味が失せたってほざくし」
「ぺ、ペニシリン?は?どっか、病気か?あの女」
藤川先生は、うげっという表情をしていたが、
「まあ、ふだんから病気だからな」
と、またマンガに目を落とした。
「何しろ、あの片山教授の教え子だから、病気には違いない・・・、でも、さ、そんなことより…」
「どこに宿泊するっていうんだ、だいたい、週末は、(仮)山下軍団と(仮)有岡軍団をつれて、いつもの温泉に行くスケジュールが入っている。サッカー部がテニスなんかするか」
「それだおまえんところの奥はちじ温泉、まだ、余裕あるよな」
おとうさんの強引な頼みごと?に、藤川先生は露骨にいやな顔をした。
けど、何を思ったのかにやりと笑い、
「よし、そんなら明日、あけておけ」
と、おとうさんの頼みごとを快諾したのであった。
「お~し、細太郎、明日はテニスだ」
うげっ
と、ぼくもいやな顔をしたが、藤川先生に手招きされ、こしょこしょと耳打ちされた。
それを聞いたぼくは、にやあ、と笑った。
あのくそおやじ、テニスなんかさせるもんか。