へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

残暑お見舞い申し上げます

2008-08-13 23:42:00 | へちま細太郎
こんばんは、ぼくへちま細太郎です。

夏休みも気がついたら、
「あと少しじゃねえか」
と、藤川先生があわてふためいているように、残りわずかになった。
残暑見舞いが、はるみからきたけど、
「受験勉強すすんだ?」
の文字をみて、ゴミ箱につっこんでしまった。
なんてやなヤツ
やなヤツといえば、あのキチローが美都三小の周りをうろついているのも、夏の暑さを倍増させた。
ほんと、神経にさわるヤツらだよな。
で、神経にさわるというか、心臓に悪い集団がまた押し掛けてきて、ぼくを悩ませた。
「とにかく、見えてんのは、ぼくと全然無視してるけどおばちゃんだけなんだからね」
蚊帳の中でゴロゴロしている近衛少将さんに、正座してお願いすると、
「まあまあ、誰も見えておじゃらぬのなら、よいではないかの」
と、これだよ。
「お~っ燃えるぞ、ニッポン柔道」
鎧甲のおじさんは、オリンピック中継で、上野選手の金メダルで大盛り上がり中。
この鎧甲のおじさんの時代、柔道なんてねえだろ。
「“後輩”はいくらでもおる」
後輩…ねえ。
とにかく、ぼくは誰にも言えない、言っても信じてもらえない夏休みを過ごしてるってことには、間違いないんだなあ、これが。
で、受験勉強の方は、さっぱりはかどらないわけで…。
「あ~、何やってたんだあ、今まで~」
藤川先生…、わかったから、ぼくも同じ気持ちだから…。
だけど、お盆なんだから、家帰んなよ~。