へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

夏はうなぎ

2008-08-15 21:30:55 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

お盆のお墓参りに出かけた。
おとうさんの運転で出かけたんだけど、車の上に近衛少将さんと鎧甲のおじさんが、ドカッとあぐらをかいて座り込み、
「落ちちゃうよ」
と、声をかければ、
「慣れてるゆえ、心配には及ばないでおじゃるよ」
と、平気な顔をしている。
ま~、い~けど~。
時々、対向車の中には、げえっという顔をして急ブレーキをかける人もいるけど、そういう車の上にもたまにご先祖様と思しき人?が乗っかっていることもある。
お盆だなあ。
ところで、おばあちゃんのうちのお寺にお墓参りした時に、おばあちゃんの幼なじみの求ちゃんというお坊さんが、
「ごぶさたですねえ、やっちゃんが結婚してからの付き合いだったのに、最近はどうしてたんです?」
と、ぼくの後ろにいる近衛少将さんと鎧甲のおじさんに話しかけている。
「今夜、効き目のあるところをひとつやってもらえまいか…」
と、鎧甲のおじさんが、頼むといった調子で求ちゃん坊さんになにやら頼んでいる。
「効き目のあるところ?」
ぼくはつぶやくと、
「経じゃ」
近衛少将さんが、こそっと教えてくれた。
何に効き目があるんだい。
2人は、求ちゃんのところで、
「今宵は遊んで参るゆえ」
と、お寺に残った。
で、墓参りの帰りには、
「うなぎ」
というおばあちゃんの一言で決まった。そして、
「やれやれ、今夜は気を遣わないですむわ」
とつぶやいていた。
おばあちゃん、うなぎおいしかったよ~。