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半年程前だったか、日経の連載で「グーグルの脅威」といったタイトルのものがあり、一応注目して読んでみたが、まったく意味がわからなかった。「えぇ?あの検索エンジンのグーグルでしょ?」という感じ。何か新しい事がおこっているんだなぁ、という余韻が残って。
グーグルがどのように既存のビジネスを破壊するのかを説明する際に、ロングテールの説明は非常にわかりやすい。本書では、デジタルコンテンツのネット流通においては、「ちりも積もれば山より高い」が現実に起こっていて、これまでのマーケティング理論だった「パイレーツの法則」を済し崩すという説明がある。
私は、本書を読んでいて妙な所で感動した。このロングテール現象を説明する際に「積分」という言葉がでてきたから。数Ⅲ受験をしたので、微分積分は受験科目だったが、計算ルールを覚えていただけでで、本質は、まったく理解しておらず、「積分、、、面積」と言われても「それがどうしたの?それを計算してどうなるの?」というレベル(^_^.)その積分という言葉から離れて久しいが、ロングテールの説明における積分という一言でロングテールと積分の双方を同時に理解することができた。
本書のあとがきにとても重要な事が書かれている。、
「古い日本社会ではインターネットの新しいイノベーションを無視している人が多いが、グーグル的な権威は世界を覆いつつある、という認識は持たなければならない」
ここで押さえておくべきことは権威を持つのは「グーグル」ではなくて「グーグル的」と書かれている事。実際はグーグルが制覇するだろうプロセスを説明しているが、訪れてくるものの本質は、グーグルという一企業がどっちを向いた、という末節のレベルではない、という事だ。WEB進化論の中で梅田梅田望夫氏がWEB2.0に代表されるインターネットイノベーションを一般の人に説明する為に費やす労力はこれまでインターネットテクノロジーを説明する際に費やした労力より格段に増してきた、とちょっと嘆いている。きっと、わからないから見ない、知らない、関係ない、という人がいよいよ増えてくるんだね