感動としあわせの家づくり物語

岡山県倉敷市の工務店「林建設」の大工職人「林俊文」が仕事で感じた「感動としあわせの家づくり物語」を綴っていきます。

2間(3.6m)柱が飛んだ開口の木製建具の調整

2013-11-28 20:40:07 | 家づくり職人物語
今日は朝から岡山市中区の住宅へ建具の調整に出かける所からスタート。

建具の調整と一口に言っても調整方法は様々。

蝶番などの調整で直るものもあれば、鉋(かんな)で建具を削る事もありますが一番、厄介なのは鴨居が下がってきて建具が動かないケース。

大抵の場合は無理やり建具をひっぱり出して削れば直るのですが、時には建具が外れない事も・・・

こういった場合はジャッキで鴨居を持ち上げて外すのですが、この手の処置が必要なケースは大抵、真壁づくりの和室で間口が2間(3.6m)以上の場合。

この時に解るのが当時の大工さんの技量で、2間も間口が飛ぶ場合は真ん中に「吊り束」を使うのが一般的。

天井裏の梁からぶら下げられた「吊り束」ですが、大きな梁だから下がる事はないと思うのは大間違い。大きな梁でも加重や木材の癖で長年の間に少しづつ下がってくるもの。

その為、手刻みする時には、柱の上下は勿論、梁材の上下を見て加工する事も大事な事。

近年はプレカット工場で刻まれる事の多い構造材ですが、大工としては知らなければ成らない「木材の使い勝手」や「木材の癖」を見る方法なども段々と次の世代へ教える事が少なくなってきたのは確かです。

そんな午前中の仕事も終わりカレンダーを今年、御世話に成ったお客さん宅に立ち寄り配りながら会社へ戻ります。

午後からは夕方から打合せに向う屋根改修工事現場の見積書の修正と契約書の雛形を作成したりのデスクワーク。

ありがたい事で工事する事は決定とのお話をいただき今夜は工事範囲の最終確認。

屋根を板金か瓦でするのか?が大きな別れ道になりましたが長くメンテナンスが要らない事と、瓦屋根が奥様の夢だったとの事で瓦屋根への改修工事ということで決定。

今回も暮らす人と共に最高の「感動としあわせの家づくり物語」を綴っていけるよう精一杯努力しますので、お客様どうぞ宜しくお願いします。

一本の木から始まる感動としあわせの家づくり物語 林建設 林俊文

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