感動としあわせの家づくり物語

岡山県倉敷市の工務店「林建設」の大工職人「林俊文」が仕事で感じた「感動としあわせの家づくり物語」を綴っていきます。

大工職人が考える中古住宅購入の基準

2014-01-18 21:50:19 | その他
一段と冷え込んだこの時間になると私のデスクの窓から見える小さな団地に建つ家々の窓に暖かそうな灯りがほんわかと見えるのです。

その灯りひとつ、ひとつに人々の生活があり、沢山のドラマがあるのでしょう。

そうした家族が幸せに暮らす為の「家」という場所をつくる事が自分の仕事だと思うと、やはり大きな責任感を感じてしまうのは私だけではない筈。

「家が頑丈なこと」、「家が長持ちすること」、「家が快適なこと」。

この三点は「家」には欠かせない基本的な性能。何が優れているかではなく、トータル的にバランスが取れている事が必須条件。

建築法などでは上記の項目も一定の基準が満たされなければ家を新築する事ができません。

この基準も年々と基準が厳しくなり現在、新しく家を新築した建物と、30~40年前に新築した建物とでは此等の基本性能も段違い。

私自身も多くの住宅を新築、リフォームと手がけてきましたが、やはり難しいのはリフォーム工事。

リフォームを計画する、お客さんが望むのは基本的に間取りや内装、設備機器の目に見える内容が前提。

しかし、実際にはその建物が上記の基本性能に達していない場合は多々あるが現在の日本の住宅リフォーム業界の現状でしょう。

勿論、基本性能が条件に達さないままに内装、設備機器だけを入れ替えるリフォームが必ずしも悪いことだとは言いませんが、決して好ましい事かと言えば否だと考えています。

中古住宅を購入された方も何人かお客さんにいますが、明らかに中古住宅を購入して失敗しているケースのお客さんも何人かいます。

私が思う賢い中古住宅購入の目安は形状や大きさに例外なく「基礎」、柱や土台、梁などの「躯体」、そして「断熱」などがしっかりとしている事が前提。

その上で「外装」がメンテナンス可能なもので施工されている事であり、最後に「内装」や「設備」が綺麗で整っているかが条件と成ります。

一番、確認して欲しいのが「床下」の状況。この「床下」では基礎の状態や床下の環境が確認できます。基礎がずれていたり、大きく破損していたりするのはNG。

他にも床下がカビ臭かったり、湿っている様では土台や柱の足元が腐食しているのもNGで是等は家を長持ちさせる為に後に大きな改修工事を必要としてしまう場合が多いようです。

次に確認したいのは「屋根裏」。こちらでも断熱材の状態や雨漏りの経験の有無などが確認できます。

中古住宅も安易に立地条件、価格、デザイン、間取りなどの目に見える部分の確認だけで購入に踏み切ってしまうと後でしんどい思いをする事があるのは現実によく聞く話なので、購入の際にはこうした知識のある人に見てもらうなどの対策も必要なようです。

さて、写真は総社市総社での増改築現場で大工の「まっちゃん」が増築部分の屋根工事に取り組んでくれている所。

昨日までで既存建家の躯体補強はほぼ完了という事で今日は「しんちゃん」と「まっちゃん」で増築部分の建方作業を進めてくれています。

既存の住宅をほぼ骨組みになるまで解体して改修しつつ増築するという大工事ではありますが、此処まですれば先に30年から先も十分に性能を満たして使ってもらえる家に生まれ変わります。

まだまだ工事は序盤ですが、竣工の日に関わったみんなが笑顔で迎えれる様に後悔しない増改築工事を進めていきます。

一本の木から始まる感動としあわせの家づくり物語 林建設 林俊文

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2 コメント

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Unknown (吉藤)
2014-01-19 11:27:27
林様が「お客様の心に明かりを灯す」
お仕事に対する姿勢、日々勉強になります。
私も精進していこうと思います。
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吉藤さま (林俊文)
2014-01-20 20:44:31
コメントありがとう御座います。

某テレビ番組ではありませんが、多くの人が大なれ小なれ「家」という場所に悩んだり、困ったりしているのは現実です。

自分にできる事は僅かですが、少しでも家への不満を希望に変えていければと日々精進して参ります。
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