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Time goes by, Life goes on...

人に強くなる極意

2014-04-02 00:38:46 | 書籍
人に強くなる極意
ご存知、元外務省主任分析官の佐藤優氏が、BIG tomorrow誌に連載した佐藤優の人生修行を再構成した、人生のハウツー本。

目次は以下の通り。
第1章 怒らない
第2章 びびらない
第3章 飾らない
第4章 侮らない
第5章 断らない
第6章 お金に振り回されない
第7章 あきらめない
第8章 先送りしない

目次の8つに対して、佐藤優氏の学生運動、外務省入省、ロシア大使館勤務、鈴木宗男事件にからんで512日間の拘留等を通して出会った人たちから学んだことなどを色々な側面から紹介しています。

タイトルの人に強くなるというよりも自分に強くなる極意だと思います。今の時代にはそぐわないし、やるとすぐにブラックだのメンヘラだろ言われる世の中ですが、若いうちに理不尽なことをやらされること、倒れるまで働き、色々な人から学び吸収することって本当に大事。世の中、人も学校も企業も型にはまりすぎてこじんまりしすぎてしまってる気がします。


よい製品とは何かスタンフォード大学伝説の「ものづくり」講

2014-03-02 22:41:59 | 書籍
よい製品とは何かスタンフォード大学伝説の「ものづくり」講
ジェイムズ・L・アダムズ スタンフォード大学教授の、四半世紀にわたる講義を纏めた、品質に関する著書。

目次は以下。

第1章 製品と品質―品質はどのように考えられてきたか
第2章 品質向上を妨げるもの―偏った狭い考えと慣習
第3章 パフォーマンス、コスト、価格―それは「お買い得」か
第4章 人になじむ製品―問われるヒューマンフィット
第5章 クラフツマンシップ―つくり手の喜び、使い手の喜び
第6章 製品、感情、欲求―好き?嫌い?それともつまらない?
第7章 美、エレガンス、洗練―経験によって得る見識
第8章 象徴性と文化的価値観―我々は何者なのか
第9章 地球という制約―製品が地球と人類に及ぼす影響
第10章 結論―本書で学んだこと、今後すべきこと

戦後、品質で日本製品の追い越され、日本の品質管理、生産管理を研究。特定の分野(ITなど)では日本を追い抜いたアメリカ。本著にあるようの品質と言うのは単に壊れる壊れない(製造品質)だけではなく、機能、性能、価格、使いやすさ、造形美などの全体品質へと変化。

どうしても品質と言うと製造ばかりにとらわれる日本人。製品の短命化や標準化、画一化が進む世界では、丈夫で壊れないだけではなく、壊れやすいけど、使いやすくて安いとい選択肢も必要だが、その手のことは中国やインドには敵いません。改めて、日本の造形美と機能美を見直しながら、製造品質、価格とのトレードオフを考え、欧米とも新興国とも違うもの創りを考えていくことが必要だと思います。


徹底解析!! 最新鉄道ビジネス2014

2014-02-01 23:20:52 | 書籍
徹底解析!!   最新鉄道ビジネス2014
鉄道ジャーナリストや経営コンサルタントなど鉄道好きが記事を執筆。加えてJR全線、大手私鉄、地下鉄、中小私鉄、三セク、路面電車、観光鉄道、モノレール・新交通・貨物の営業キロ、旅客人員、運賃収入とキロ当たりの運賃収入などの指標を掲載。これはすごい。ただ表紙はなぜか未だにCTRL。冒頭の特集鉄道輸出ではあるものの、いつまでこのネタ推すねん。Hのプッシュか?

キロ当たりの年間収入は49億円。1日の旅客人員は1060人でともに山手線がダントツ。年間の総運賃収入がJR東日本が1兆6091億、東海が1兆982億でずば抜けていて、西日本が7280億、九州が1168億、北海道677億円、四国が227億円。東海はその9割りを東海道新幹線で稼いでいるので効率が良いものの、その分設備投資やメンテナンスは東日本よりかかっているんだと思う。なお、東日本の売上のうち運賃収入はおおよそ6割くらい。と言うか世界の鉄道会社で運賃収入以外でそんなに収入がある会社はないと思う。東京一極集中もあり、相変わらず東京都と並んで、JR東日本1人勝ちの様相です。ちなみの大手私鉄では東部が運賃収 入1392億円(キロ当たりでは東急が12億円でトップ)。関西では近鉄が1471億円(こちらもキロ当たりでは阪急6億円でトップ)。

少子高齢化の問題においても、逆に大都市では鉄道ネットワークや相互直通運転などまだまだ将来が明るい数少ない産業鉄道。

さてどの路線を狙おうか。


世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?

2014-01-22 23:43:51 | 書籍
世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?
慶応大学卒業後、新卒でゴールドマン・サックスに入社、その後ハーバード・ビジネススクールでMBAを取得し、マッキンゼーに転身。現在はグローバル開発と人材開発支援を行うシーネクスト・パートナーズ代表という、画に書いたような米系エリート路線の戸塚隆将氏のハウツー本。

目次は以下。

プロローグ―就職世界ランキング1位2位で学んだこと
【Chapter1】人との「つながり」に投資する
1.利害関係を越えた「つながり」を信じる
2.貴重な時間とお金を「つながり」に投資する
3.学生一人ひとりの名前を覚えるハーバードの教授
4.相手への興味を真摯に持ち、質問する
5.相手との時間を印象的に共有する
6.先輩・上司との飲み会を避けない
7.どんなに多忙でも、週1回仕事と関係ない人に会う
【Chapter2】自分の内面と外見を磨く
8.エレベーターで他人を先に降ろす余裕を持つ
9.「すみません」よりも「ありがとう」と伝える
10.正解のない問題を考えるクセをつける
11.読んだら3倍考える、マッキンゼー流読書術
12.新聞は「世間の反応」を考えながら読む
13.斬新な「思いつき」よりも、骨太な「意見」を重視する
14.ネットでカンニングせず、自分の頭で答えを出す
15.紙とペンを手にオフィスを離れよう
16.「ポイントは3つ」で思考の瞬発力を鍛える
17.無遅刻・無欠席を続けられる健康管理をする
18.身体を動かすことで心にアンチ・エイジングを施す
19.服装は個性よりも清潔感を大事にする
20.2週間に1度は靴を手入れする
【Chapter3】時間に支配されずに働く
21.どんな理由があろうと、10分前には現地到着
22.ハーバード卒業生が教える週末自己投資術
23.ゴールドマンの上司が始業1時間前にしていること
24.明日の朝一奪取をかけるための儀式
25.1週間が始まる前にオフからオンに切り換える
26.ゴールドマン流優先順位設定法
【Chapter4】決定的なコミュニケーションで成果を出す
27.3秒で開ける場所に常にノートを置いておく
28.仕事を頼まれたら、その場で完成イメージを共有
29.引き受けた仕事は5分間設定ですぐやる
30.メールの返信スピード=あなたの評価
31.上司へのホウレンソウは先手必勝
32.ホウレンソウは仮説を入れて、念押し型でやる
33.忙しい上司のスケジュールに割り込む
34.上司への経過報告は翌朝を狙う
【Chapter5】利益を生む資料と会議で貢献する
35.作った資料は「自分の商品」だと心得る
36.マッキンゼーがプレゼン資料に1色しか使わない理由
37.資料は「紙芝居」と「3W」を意識する
38.「マッキンゼーノート」で伝わる資料を作る
39.「1チャート、1メッセージ」にこだわらない
40.attention to detailを徹底する
41.会議で発言しないのは「欠席」と同じ
42.会議ではホワイトボードの前に座る
【Chapter6】世界に打って出るキャリアを高める
43.愛国心をパワーの源に変える
44.英語は「ペラペラ」よりも論理コミュニケーション
45.英語上達は目標を明確に短時間で成果を出す
46.今より一つ上のポジションを意識して仕事する
47.会社は「退学」せずに「卒業」する
48.「自分ノート」を肌身離さず目標管理する
エピローグ 本書の原稿を短期間で執筆できた理由

よくある流行りのアメリカエリートの習慣を紹介する内容で、多少鼻につきますが(ひがみか?)、目次が全てで、本書の要旨が理解できます。

内容についてはありがちなハウツーですが、ただ普段の生活でこれらを実践するのは大変で、やはり彼らには彼らの大変さがあり、ただ賢いだけで、ゴールドマンやマッキンゼーで一人前になれるわけではないことがわかります。

どれも自分を助ける習慣だと思いますが、週1で仕事と関係ない人に会う。読んだら3倍考える。ネットでカンニングしない。紙とペンで考えを整理する。プレゼン資料に1色しか使わない。会社は「退学」せずに「卒業」する。あたりは習慣付けしていきたいと思いました。


2020年の産業―事業環境の変化と成長機会を読み解く―

2014-01-20 21:43:44 | 書籍
2020年の産業―事業環境の変化と成長機会を読み解く―
野村総研が来るべく2020年に向けて、日本産業のコアとなる7つの業界の現状と今後の展望を纏めた著書。目次は以下の通り。

第1章 2020年の事業環境
―日本企業を取り巻く環境の変化と求められる変革の方向性
第2章 2020年の産業セクターごとにみたビジネスチャンス(1)自動車産業
第3章 2020年の産業セクターごとにみたビジネスチャンス(2)電機産業
第4章 2020年の産業セクターごとにみたビジネスチャンス(3)エネルギー産業
第5章 2020年の産業セクターごとにみたビジネスチャンス(4)ICT産業
第6章 2020年の産業セクターごとにみたビジネスチャンス(5)運輸業
第7章 2020年の産業セクターごとにみたビジネスチャンス(6)金融業
第8章 2020年の産業セクターごとにみたビジネスチャンス(7)ヘルスケア産業
2020年に向けて――おわりに代えて
・7つのセクター総括
・2020年に向けた事業戦略を検討するうえでの視座

どの分野においても、キーワードは少子高齢化とグローバル化。各分野において、それぞれ専門のコンサルタントが執筆しており、現在の状況と問題点を的確に指摘していると思う。ただ、6年後の2020年に向けてはちょっと抽象的。そもそも、例えばICTや金融のようなセクターが今の延長線上にあるとは思えないし、オリンピック(本書はオリンピック決定前に出版)や近隣国との衝突、国際的なリセッションだってどう転んでいくか不明である。

ともあれ、巻末の纏めは現状と今後を簡潔に纏めていて、そして結びの国内事業の徹底的な見直しは急務であると考えます。ともあれ、変わらないところは徹底的に変わらないだろうし、今の50代、60代の実力者はまだまだ世界を牛耳ることでしょう。40代も頑張って、早く先輩方の肩の荷を降ろしてもらわねば。


モノマガジン 12-16 号

2013-12-10 22:42:52 | 書籍
モノマガジン 12-16  号
特集はモノマガジンの鉄道大研究。

冒頭は水戸岡さんインタビューとななつ星の記事となんだかおきまりな感じ。そしてドクターイエロー、リニアとこれまた定番。ただ、それ以降、貨物や東武の検修、川重の艤装工場、地方の中古車両、駅弁、Suicaグッズ、路面電車と超ドメな内容。

超一流経済紙の東洋経済が毎回焼き直しているやれ海外輸出だ工場設立だなーんて話とは違った切り口で「モノマガジンの」と言うだけはあります。新幹線や海外輸出ビジネスは華々しく絵になりますが、地方鉄道も頑張ってます!


言える化 - 「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密

2013-11-05 00:13:36 | 書籍
言える化 -   「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密
早稲田大学ビジネススクール教授で、欧州系コンサルティングファームローランド・ベルガー日本法人会長の遠藤功氏の著書。中堅氷菓メーカーでありながら過去6年連続で売り上げを伸ばす赤城乳業について、その強さの原動力を解説する内容。

目次は以下。

プロローグ こんなに面白い会社がまだ日本にはあったんだ!
第1章 躍動する若者たち
第2章 「強小カンパニー」への道程
第3章 ドリームファクトリーの建設
第4章 「ガリガリ君」大ブレーク!
第5章 「言える化」こそ競争力
第6章 自分のために働け
第7章 躍動する若者たち、再び
エピローグ 「アイス」の会社は「愛ス」の会社

30年を越える商品でありながら、ここ数年で急速に全国区、全年齢層に浸透したガリガリ君。そのガリガリ君というコンテンツを、奇抜な発想と技術力、そして攻めの経営でヒット商品にした赤城乳業の強さ、歴史、これからを、井上社長や中堅、若手社員軌跡やインタビューを交えながら紹介していきます。

赤城乳業は、1961年年創業なので、すでに50年を越える成熟企業です。ただ、大手に比べればまだまだ小さい企業ですが、目指すのは小さくても強い会社「強小企業」でそのためには「言える化」、つまり何でも言い合える文化が必要だと考えているそうです。少ない人数で助け合い、知恵を出しあって成長した歴史があり、今でも大きなプロジェクトや看板製品のガリガリ君の開発を、入社数年の若手社員に託し、失敗してもいいので挑戦させてみるそうで、去年発売されたコンポタも同じだそうです。

人間は権限と責任があって成長できるものであり、その結果会社や世の中に貢献できるもの。大多数の、特の日本の会社に多い、責任だけの会社では、躊躇、言い訳、足の引っ張りあいも終止し、折角のチャンスも優秀な人材も埋没してしまいます。

失敗しても、撤退し商品が消え、損切りをする、自社の覚悟と体力だけで決断できる商材と、重厚長大な社会インフラとでは同じ考えでは成り立たないのは当たり前ですが、それでも社内で前向きに何でも言い合える会社、そして苦労が自分のためだと思える会社は、どんな分野でも継続して成長していける会社であり、ビジネスパーソンだと思います。

なお、本書には1981年に発売したガリガリ君や、ソフト君、カジロー、ガリコさんを含め、これまで発売した80を越えるガリガリ君パッケージが紹介されています。初代のガリガリ君は社員が書いたものだそうで、味はありますが、確かに万人受けはしなさそう(笑)。


Tarzan 637 「マジで危ないリバウンドの話」

2013-10-26 23:34:06 | 書籍
Tarzan 637 「マジで危ないリバウンドの話」
去年の暮れに、75から73まで落としましたが、年明けからドイツ人半年滞在で週2で食べ歩き、海外出張や一風堂への挑戦等を経て、今は78に届く勢い…。完全にリバウンド…。

がんばって月100km走ったり、ボルダリング行ってても、それ以上に食うのと、やっぱり歳からか全然落ちない。どころか増える一方です。

本特集で言う「重度リバウンド」。そういう人はストレス性過食が多いそうです。(たしかに!)

なるべく食を抑え、後はストレッチと出来るだけ毎日何かしら運動するようにしよ。

これ以上太ると登れん…


ブルー・オーシャン戦略 - 競争のない世界を創造する

2013-10-17 21:15:13 | 書籍
ブルー・オーシャン戦略 -   競争のない世界を創造する
フランスとシンガポールに拠点を置くビジネススクールINSEAD教授のW.Chan Kim氏、Renee Mauborgne氏の共著で、ブルー・オーシャン戦略を解りやすく説明する著書。原題は、Blue Ocean Strategy - How to create uncontested market space。帯には「世界41言語で翻訳された驚異のベストセラー」とのこと。

目次は以下。

第1部 ブルー・オーシャン戦略とは
ブルー・オーシャンを生み出す
分析のためのツールとフレームワーク

第2部 ブルー・オーシャン戦略を策定する
市場の境界を引き直す
細かい数字は忘れ、森を見る
新たな需要を掘り起こす
正しい順序で戦略を考える

第3部 ブルー・オーシャン戦略を実行する
組織面のハードルを乗り越える
実行を見すえて戦略を立てる
結び:ブルー・オーシャン戦略の持続と刷新

巻末資料A ブルー・オーシャン創造の歴史的形態
巻末資料B バリュー・イノベーション: 戦略の再構築
巻末資料C バリュー・イノベーションの市場ダイナミクス

競争が激化し消耗戦のレッド・オーシャンから抜け出し、競争のない新たな市場ブルー・オーシャンを創造するための考え方仕組みを過去の歴史を参照しながら紹介する内容で、目次はを見るだけである程度流れが分かります。

今までの価値観にとらわれず、新しい付加価値(バリュー)を創造することが必要で、以下の6つのパスを見直すことから始めるよう説いています。
パス1 代替産業に学ぶ
パス2 業界内のほかの戦略グループから学ぶ
パス3 買い手グループに目を向ける
パス4 補完財や補完サービスを見渡す
パス5 機能志向と感性志向を切り替える
パス6 将来を見渡す

と言うことで、新しい付加価値を創造するには、必ずしも新しい技術が必要と言うわけではなく、既存の技術の再構築によって新しいサービスや製品創造できると言うのが大きなポイントです。この辺りが、よく言われている技術革新偏重の日本の製造業の問題点であり、結果すぐに韓国や中国に技術では追い付かれ、価格競争に陥る原因となってしまいます。

ただし、著者はどんな企業もブルー・オーシャンとレッド・オーシャン両方の市場を生きていく必要があると説明。ブルー・オーシャンで利益が出るまではある程度レッド・オーシャンで利益を確保すべきだし、そもそも、ブルー・オーシャンも気付けばレッド・オーシャンになる。その前のまた新たなブルー・オーシャンを創造する必要があり、安住できない世界なのです。

最初の会社はブルー・オーシャンを創造できたビジネス(製品)でした。前の会社は創るチャンスはあったのですが、あらゆる面でタイミングが合わず残念ながら道半ばでした。今回も新たなブルー・オーシャンを前に、1からの挑戦。これまで以上に厳しい道のりです。


高度成長は世界都市東京から――反・日本列島改造論

2013-09-03 00:11:33 | 書籍
高度成長は世界都市東京から――反・日本列島改造論
HSBC証券、JPモルガン等で建設・住宅・不動産担当アナリストを勤め、現在は株式会社ジパングなる会社で経営戦略本部シニアアナリストの増田悦佐(えつすけ)氏の著書。人口密度が高く、労働・住環境が悪いと言われがちな東京が、実は世界で突出した高効率都市であり、これからの世界都市のモデルと成りうることをデータ等を踏まえ説明する内容です。目次は以下。

はじめに
第1章 21世紀のキーワードは都市化とエネルギー効率
第2章 都市化の背骨には、鉄道が必要不可欠
第3章 世界中の大都市は東京をまねるか、亡びるかの岐路に立たされる
第4章 製造業も物流も、サービスも小売もこれからが本領発揮
第5章 都市再生―何をなすべきか?
おわりに

本著の要旨は、日本、特に東京の鉄道ネットワークは世界に類を見ない非常に理想的なネットワークであり、また広くは北関東から瀬戸内にかけて続く太平洋ベルトを切れ間なく続く都市とそれを繋ぐ高速鉄道ネットワークのお陰で、日本そして東京は世界でずば抜けたエネルギー高効率を実現しており、これからも都市機能の発達を促しつつ、それにより地方も効率的なシステムを作れるはずだという内容。

日本、特に東京の交通網のまさしくネットワーク性、定時運行、快適性(混雑さはおいておいて)、清潔さ、治安、サービス、多様性は世界に類をみないレベルだと思うし、鉄道事業に従事する身としては誇りに思えることです。

東京の都市機能、国際化、効率化等、経済競争力を考えれば、筆者の言う通り、東京の一極集中は理想的だと思うし、地方の効率化、事業の多様化も間違っていないと思います。但し、問題になっている山野部の荒廃や中国・韓国投資家による土地買収を考えると、国土の保全や安全保障という面を考えると、地方への配慮や投資の再配分、又は法整備は必ず必要だと思います。地方出身者としては。

ただ、いろいろなデータで東京の特徴を説明し、圧倒的に金持ちの多い都市だが、大金持ちは圧倒的に少ないことや、外資系が好きな赤坂界隈は働きづらい(笑)など、的を得ていて面白い分析。日本を良くしていくには、政治家や官僚が手出しをせず、民間に任せるべきと言うのはとても分かりやすい指摘です。

巻末にあるように、今の日本は世界のどの国も体験したことのない多様化を迎え、今後の世界のモデルケースになりうる存在なことは確かだと思います。それを活かし世界へ存在感を示しつつ、よりよい社会を作っていけるかは、我々世代の課題であり責任だと思います。