早稲田大学ビジネススクール教授で、欧州系コンサルティングファームローランド・ベルガー日本法人会長の遠藤功氏の著書。中堅氷菓メーカーでありながら過去6年連続で売り上げを伸ばす赤城乳業について、その強さの原動力を解説する内容。
目次は以下。
プロローグ こんなに面白い会社がまだ日本にはあったんだ!
第1章 躍動する若者たち
第2章 「強小カンパニー」への道程
第3章 ドリームファクトリーの建設
第4章 「ガリガリ君」大ブレーク!
第5章 「言える化」こそ競争力
第6章 自分のために働け
第7章 躍動する若者たち、再び
エピローグ 「アイス」の会社は「愛ス」の会社
30年を越える商品でありながら、ここ数年で急速に全国区、全年齢層に浸透したガリガリ君。そのガリガリ君というコンテンツを、奇抜な発想と技術力、そして攻めの経営でヒット商品にした赤城乳業の強さ、歴史、これからを、井上社長や中堅、若手社員軌跡やインタビューを交えながら紹介していきます。
赤城乳業は、1961年年創業なので、すでに50年を越える成熟企業です。ただ、大手に比べればまだまだ小さい企業ですが、目指すのは小さくても強い会社「強小企業」でそのためには「言える化」、つまり何でも言い合える文化が必要だと考えているそうです。少ない人数で助け合い、知恵を出しあって成長した歴史があり、今でも大きなプロジェクトや看板製品のガリガリ君の開発を、入社数年の若手社員に託し、失敗してもいいので挑戦させてみるそうで、去年発売されたコンポタも同じだそうです。
人間は権限と責任があって成長できるものであり、その結果会社や世の中に貢献できるもの。大多数の、特の日本の会社に多い、責任だけの会社では、躊躇、言い訳、足の引っ張りあいも終止し、折角のチャンスも優秀な人材も埋没してしまいます。
失敗しても、撤退し商品が消え、損切りをする、自社の覚悟と体力だけで決断できる商材と、重厚長大な社会インフラとでは同じ考えでは成り立たないのは当たり前ですが、それでも社内で前向きに何でも言い合える会社、そして苦労が自分のためだと思える会社は、どんな分野でも継続して成長していける会社であり、ビジネスパーソンだと思います。
なお、本書には1981年に発売したガリガリ君や、ソフト君、カジロー、ガリコさんを含め、これまで発売した80を越えるガリガリ君パッケージが紹介されています。初代のガリガリ君は社員が書いたものだそうで、味はありますが、確かに万人受けはしなさそう(笑)。
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