カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

「町」は、マチ/チョウ?

2018年02月06日 03時31分09秒 | 地名

古いテーマですが「町」の読み方について・・・・・・

「まち」

「ちょう」

どちらがいいのか、郵便番号データ2017年06月30日版などを参考にしながらまとめてみました。皆様の「町」はいかがですか?


いろいろ調べてみましたが、規則や約束事はないようです。その町の場合はチョウと呼び、この町のときはマチという、といった具合に1つ1つ覚えていくしかありません。-以上でおしまいです。:井上ひさし「日本語相談」朝日文芸文庫 1995年11月1日第1刷発行


言葉にうるさい井上ひさし(1934-2010)もお手上げのようです。

地名では

  • それぞれに歴史があり、詳しく調べる価値があるのでしょう。
  • 一方では、合併時に対立があって在来の名前ではなく結局「新しくひねり出した地名」を採用することもあるので、真剣に地名を分析しても意味がない場合があります。そこの小さな区画の地名が採用されることも。 

私が、日本郵便の「番号データ2017年06月30日版」で調べた範囲ですが

「町」の読み方 

まち    278箇所  37%
ちょう  466箇所  63%
=====================
合計    744箇所 100%

かなり「ちょう」が多いようですが、これだけでは分布状況が分りません。

歴史的な事情があり、違いがあるのでしょうか。

一般的に言って

  • 人名では、人が住む場所を変えることがありますが
  • 人名に比べて変わることが少ないとされる地名でも、時代と共に変わる

ため綿密な調査が必要です。合併もそうですし、古くは誰かの指示・命令でそうなったこともあるでしょう。

ですから、思い込みで「こうであろう」と信じるのはけっこうですが、それが正しいとも言えないのです。 


都道府県別の「まち・ちょう」の割合をみましょうか。

50%を境にして、薄い赤と青で塗り分けてみました。

以上は郵便番号データ2017年06月30日版に基づいています。

「町」の下にみられる「町」を無視するなら、つぎのようなことが、わかってきます。

    • おおまかに「町」は、東日本で「まち」が多く、西日本で「ちょう」が多い、と言えます。
    • ただし北海道と九州に例外が見られます。

例外は、次の通りです。

  • 北海道には「町」が129箇所あり、ほとんど(99.2%)の128箇所が西日本風に「ちょう」ですが、森町(もちまち:0.8%)だけが唯一の例外で東日本らしい「まち」です。なぜかまでは私には分かりません。:Wikipedia
  • 九州では多くが西日本風に「ちょう」ですが、福岡・大分・熊本が例外で東日本風に「まち」と読ませます。まぁこちらは「例外とするほど数が少ない」とも言えませんが、全体的にみれば「例外」なんでしょうか。 

私の考えですが

市区町村(しくちょうそん)とも言い、町長(ちょうちょう)・町議会(ちょうぎかい)とか、村長(そんちょう)・村議会(そんぎかい)と言うようですから、地名としては

町:ちょう

村:そん

で統一してはどうか、と思います。

町おこし(まちおこし)とか村おこし(むらおこし)というのは比較的新しい言葉だし、村の鎮守の(むらのしんじゅの)という民謡も、地名ではなく、「町並み」は「街並み」のほうがいいと思うのです。

東京の地下鉄銀座線で上野から浅草に行く場合

上野→稲荷町(いなりちょう)→田原町(たわらまち→浅草

と隣同士の駅なのに「ちょう」と「まち」が混在します。

一方で奈良には

奈良県磯城郡田原本町(しきぐんたわらもとちょうほんまち)に、近鉄橿原線の田原本駅(たわらもと・えき)があります。大阪市の御堂筋線には、本町駅(ほんまち・えき)もあり、こうなると、わけがわかりませんね。

さてさて、皆様はどう思われますか。 


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