古いテーマですが「町」の読み方について・・・・・・
「まち」
「ちょう」
どちらがいいのか、郵便番号データ2017年06月30日版などを参考にしながらまとめてみました。皆様の「町」はいかがですか?
いろいろ調べてみましたが、規則や約束事はないようです。その町の場合はチョウと呼び、この町のときはマチという、といった具合に1つ1つ覚えていくしかありません。-以上でおしまいです。:井上ひさし「日本語相談」朝日文芸文庫 1995年11月1日第1刷発行
言葉にうるさい井上ひさし(1934-2010)もお手上げのようです。
地名では
- それぞれに歴史があり、詳しく調べる価値があるのでしょう。
- 一方では、合併時に対立があって、在来の名前ではなく結局「新しくひねり出した地名」を採用することもあるので、真剣に地名を分析しても意味がない場合があります。そこの小さな区画の地名が採用されることも。
私が、日本郵便の「番号データ2017年06月30日版」で調べた範囲ですが
「町」の読み方
まち 278箇所 37%
ちょう 466箇所 63%
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合計 744箇所 100%
かなり「ちょう」が多いようですが、これだけでは分布状況が分りません。
歴史的な事情があり、違いがあるのでしょうか。
一般的に言って
- 人名では、人が住む場所を変えることがありますが
- 人名に比べて変わることが少ないとされる地名でも、時代と共に変わる
ため綿密な調査が必要です。合併もそうですし、古くは誰かの指示・命令でそうなったこともあるでしょう。
ですから、思い込みで「こうであろう」と信じるのはけっこうですが、それが正しいとも言えないのです。
都道府県別の「まち・ちょう」の割合をみましょうか。
50%を境にして、薄い赤と青で塗り分けてみました。
以上は郵便番号データ2017年06月30日版に基づいています。
「町」の下にみられる「町」を無視するなら、つぎのようなことが、わかってきます。
- おおまかに「町」は、東日本で「まち」が多く、西日本で「ちょう」が多い、と言えます。
- ただし北海道と九州に例外が見られます。
例外は、次の通りです。
- 北海道には「町」が129箇所あり、ほとんど(99.2%)の128箇所が西日本風に「ちょう」ですが、森町(もちまち:0.8%)だけが唯一の例外で東日本らしい「まち」です。なぜかまでは私には分かりません。:Wikipedia
- 九州では多くが西日本風に「ちょう」ですが、福岡・大分・熊本が例外で東日本風に「まち」と読ませます。まぁこちらは「例外とするほど数が少ない」とも言えませんが、全体的にみれば「例外」なんでしょうか。
私の考えですが
市区町村(しくちょうそん)とも言い、町長(ちょうちょう)・町議会(ちょうぎかい)とか、村長(そんちょう)・村議会(そんぎかい)と言うようですから、地名としては
町:ちょう
村:そん
で統一してはどうか、と思います。
町おこし(まちおこし)とか村おこし(むらおこし)というのは比較的新しい言葉だし、村の鎮守の(むらのしんじゅの)という民謡も、地名ではなく、「町並み」は「街並み」のほうがいいと思うのです。
東京の地下鉄銀座線で上野から浅草に行く場合
上野→稲荷町(いなりちょう)→田原町(たわらまち)→浅草
と隣同士の駅なのに「ちょう」と「まち」が混在します。
一方で奈良には
奈良県磯城郡田原本町・本町(しきぐんたわらもとちょう・ほんまち)に、近鉄橿原線の田原本駅(たわらもと・えき)があります。大阪市の御堂筋線には、本町駅(ほんまち・えき)もあり、こうなると、わけがわかりませんね。
さてさて、皆様はどう思われますか。