「自国の超右翼」を省みることなく、ひたすら「日本の右傾化」を指摘したがる中国人。報道規制と言論弾圧がもたらした「洗脳」の結果「まったく多様性」がなくなり、気持ち悪いほどです。
最近世界各地で流行しているらしい「フェイク・ニュース」ですが
私には十分免疫ができております。
ここ何十年も中国政府の発する声明の90%以上が「フェイク・ニュース」だったからです(笑)。
新中国成立後、毛沢東の中国政府は親日で穏やかな対日姿勢でした。だから振り返ってみても毛沢東時代は反日プロパガンダも少なく、「南京大虐殺」もなかったし、抗日キャンペーンも見られませんでした。
教科書や文学作品の中には、抗日素材が盛んに取り上げられていたものの、主なポイントは共産党の抗日と国民党政府の非抗日を対比して国民党を批判するものであって、日本を「悪」と絶対視する目的はなかったのです。毛沢東の敵は、台湾の蒋介石や「米帝ソ修」と、国内の階級闘争の敵であって、日本は敵対するターゲットには、ほど遠いものでした。
鄧小平時代も四つの近代化建設のため、日本が最大の近代化モデルであり、日本はよき学習と合作のパートナーでこそあれ、悪ではなかったのです。
しかし、・・・・1990年代から、江沢民政府となって、対日姿勢は豹変します。それには隠された秘密があります。中共政権の腐敗や失敗、山積した国内の矛盾に対する国民の不平、不満を外に誘導するという目的から、「反日憎日」がもっとも有力、有効な利拍手段として浮上したのです。
わたしが来日したのは1990年代初頭でしたが、その頃でもまだ中国には、はっきりした「反日」姿勢は見られなかった記憶があります。ところが、1990年代半ばになると、中国に一時帰国するたびに反日、憎日の風潮が異常に強まっていることに驚きました。
中国の大手新聞『中国青年報』が1996年に実施した世論調査で、77%が「日の丸を見ると日本の侵略の悪辣さを思い出す」と答えていますが、わたしが大学生だった1980年代初めとは比較にならないほどの高率です。
当然、日本国内の世論調査においても中国の「反日」の影響が明らかに表われています。たとえば「中国に対する親近感」という総理府(現・内閣府)が行なうアンケート調査で、1980年には中国に親近感を持つ者は78.6%を占めました。ところが2000年には、48.8%まで下がっています。その最大の原因は、中国側の反日姿勢に反発したからです。
アメリカの中国研究専門家アレン・ホワイティング氏は、最近出版した労作『中国人の日本観』(岩波現代文庫)の中で、「中国の日本人に対する一般的な認識は依然、敵対的であり、1980年代半ばよりもその度合いが強い」と指摘しています。:P.46-47 金文学「中国人による中国人大批判」 平成19年(2007年)3月20日第3刷発行
江沢民(こうたくみん:国家主席在任 1993-2003)の時代
天安門事件(1989)で中国共産党が崩壊の危機を迎えた頃に、国内矛盾から目をそらす目的で編み出された「人為的な外部の悪」の対象の1つが日本で、報道規制・言論弾圧と初等教育の段階からの洗脳によって、それが実現可能となりました。
なんとか中国共産党の崩壊は免れたようですが、これだけで中国共産党の崩壊の根拠になりそうです。
中国では、広大な領土を治めるためにつぎのような方針を採用しました。
- 暴力や武力などの弾圧が必要
- 内政の失敗で中国共産党の存続が危ぶまれるころ江沢民が打ち出した新しい主題が、挙国一致を目指す『愛国主義』でした。しかもかなり歪んだ愛国主義で「国の外に敵を作る」ことで国をまとめようとした姑息な手段ですが、言論弾圧・報道規制のおかげで、またたく間に中国全土に広がりました。
- 中国では1990年ごろ江沢民(国家主席在任 1993/03-2003/03)がこの愛国主義を編み出しましたが、「ベルをならすとエサがもらえるように訓練された犬が、やがてベルをならすだけでヨダレをだす」ということが発見されたパブロフの犬(条件反射)のように、飴とムチによって日の丸を見ると「むしょうに反発する」よう国民を洗脳してきました。
- これは鄧小平のころには見られなかったもので江沢民による「中国共産党崩壊には代えられない」緊急策だったのですが、この「人為的な反日国是」が今でも続いているというわけです。そういう洗脳教育を受けた人が既に40歳になろうとしていて、深刻な問題ですね。
- つまりそれまで中国にはきわだった反日運動など見られなかったのですが、天安門事件〔1989〕で山積する矛盾に耐えかねて崩壊寸前だった中国共産党が編み出した国是、それが「国外に敵を作る」ことで、その中に「反日の国是」も含まれていたのです。
- こういうのはよく見られることで、組織が崩壊しそうな時、結束を目的として「外部に敵を作る」のですが、このためにはやはり強引な「言論弾圧・報道規制」が必要でした。中国では、この両者を同時に使って崩壊を免れました。
つまりこういうことでしょうか。
旧来の中国共産党:
「共産主義」と「民主主義」の、深刻な対立があった。
新しい中国共産党:この20~30年
普通の愛国主義ではなく、奇妙な愛国主義を編み出して、中国共産党を崩壊させようとするエネルギーを、外部へ向けさせ、これが現在でも続いている。
中国から「共産主義」は消え去ったように見えますが、「怪しげな資本主義を掲げて、中国共産党が支配している」ことに何ら変わりはありません。つまり中国はまだ共産主義国家なんです。中国ではとっくの昔に共産主義ではなくなったと豪語するかたもいらっしゃいますが、広大な地域を支配しているのは「報道規制・言論弾圧」で生き延びてきた中国共産党であることをお忘れなく!
ただし・・・・・・
降って湧いたような北朝鮮の問題と、北朝鮮を取り込もうとする中国・ロシアの争いは、不倶戴天(ふぐたいてん)の敵とは言えしれつな争いとなっているようで、その両国が共に日本を見直し始めたというのが奇妙なところです。
ロシアの言い分ですが
見返りを求める怪しげな中国よりも日本のほうが信頼出来ると考え始めたようです。
また中国の言い分ですが
日米を分断させるために画策するという染み付いた手法はさておいて、あれだけ日本製品をたたき壊して中国共産党にヨイショしてきた中国人がみられたのに、いま中国では、出版関係・食品分野・渡航などで日本ブームになりつつあるとのこと。これには韓国からの輸入を全面的に禁止(韓国への経済制裁)していることが影響しています。
急いで中国共産党が、中国人の日本への渡航を制限せねばならなくなりそうです。あまりに大きな日本ブームになると、中国共産党の崩壊につながりますから(笑)。
中国が、北朝鮮の暴走に備えての米製THAADミサイルの韓国内配備を決めてから、韓国への経済制裁を1年以上繰り返していて、まだ止みそうにないことから、いつまで日本ブームが続くのやら分かりませんよ。
ある日突然、中国共産党にとって不都合だとし「全面的に日本関連製品禁止」となっても、誰も驚かないでしょう。中国は、そんな程度の全体主義国家なんです。
さてさて、皆様はどう思われますか。