約300年ほど前のお話・・・
「奥の細道」を旅する松尾芭蕉と河曽良の二人は、
元禄2年4月22日(陽暦6月9日)、須賀川宿に入り、
当時の駅長・相楽等躬宅に草鞋を脱いだそうです。
そして4月29日までの7泊8日を須賀川で過ごし、
3つの句を残しました。
松尾芭蕉が参詣したと言われる須賀川の総鎮守、
神炊館神社(おたきやじんじゃ)の現在の写真です。
室町時代に、須賀川城主であった二階堂為氏が
信州諏訪神を合祀したことから、現在に至るまで
「お諏訪さま」としても親しまれています。
正面だけを見ると、400年前と変わっていないように
見えますが・・・周りを見渡すと、あまりの被害の大きさに
目を覆いたくなります。
2年前に、JR須賀川駅長と歩いた時の鳥居の写真です。
この石門は、駐車場から境内への入り口で、
会津藩主・上杉景勝公寄進の歴史のあるものでした。
この鳥居も、震災の被害が大きく、取り壊されてしまいました。
(考えるだけで苦しくなります。)
無残に散らばっていた、正面の鳥居から境内に続く灯篭は、
倒れなかった部分だけを残し、撤去されていました。
でも未だに(写真のように)大震災の爪あとが残っています。
この光景、何度見ても決して見慣れる事はありません。
2009年4月に歩いたときの境内の奥(裏手)です。
http://blog.goo.ne.jp/hatakenbo/d/20090418
そしてこれが現在の同じ場所。
右側の後姿は、神社を守る禰宜様です。
神様は境内の奥のほうにいらっしゃるので心配ないそうです。
(それを聞いてホッとしました。)
先日、市内の社長さんたちが言っていた、
「須賀川は神風が吹いてる。お諏訪さまに守られてるんだ!」
という言葉を思い出しました。(無条件に納得。)
神社から更に奥へと進んでいくと、大きな桜の木があります。
思いきり上を見上げて写真を撮ったら、暗くて桜は小さいけど、
すごく元気が出ました♪ すがすがしい気分!?
樹齢300年に及ぶエドヒガン桜の巨木が群生するこの場所は、
全国的にも例を見ない貴重なものといわれています。
(それが分かったのも、ここ数年のことだそうです。)
しかも、この地は純粋で貴重な種子が大量に採れる条件を
満たしているため、様々な桜の品種の台木用として活用され、
毎年数万本もの苗木が国内外へ出ているそうです。
桜のお母さんと言える「お諏訪の杜・エドヒガン桜」です。
過去にないような大震災の後でも、今までと変わらずに
美しい花を咲かせ、訪れる人の心を癒しました。
堂々と、そして優しく語りかけ、すべてを包み込むような、
そんなエドヒガン桜のように生きられたら・・・
神社の駐車場にある枝垂桜です。
神社に行ったのは、ちょうど1週間前なので、
今は満開で見ごろかもしれません。
エドヒガン桜と枝垂桜の間には、ものすごく大きくて立派な
ケヤキの木が立っています。
上を見上げる機会の多い神炊館神社(お諏訪さま)で、
心も前向きになれたような気がします。
神社からの帰り道、(2ヶ所ほど寄り道したので、
すっかり暗くなってしまいましたが・・・)
まっすぐ伸びる、ひこうき雲が見えました。
「今日行かないと!」と、連れ出してくれた友人に感謝しながら、
「みんなが平和に過ごせますように・・・」と、
ひこうき雲にお願いしました。(流れ星じゃないけれど。)
復興への道程は、まだまだ長くなりそうですが、
なるべく普通に、なるべく冷静に、なるべく穏やかに、
みんなが笑顔になれるように暮らして行きたいと思います。
心を一つに、しっかりと手をつないで進めば、きっと大丈夫!(^^)