<韓日慰安婦交渉妥結>「不可逆的」めぐり韓日間で解釈の違い
2015年12月30日
[中央日報日本語版]
写真拡大 |
安倍首相 |
読売新聞は29日、安倍晋三首相が「最終的かつ不可逆的」合意にこだわってきた、と伝えた。
日本経済新聞も、安倍首相がその場で「最終的かつ不可逆的解決という文言を入れることが絶対条件」と指摘した、と伝えた。
韓国政府はこれに直ちに反論した。
2015年12月30日
[中央日報日本語版]
写真拡大 |
安倍首相 |
(27.12.30) 従軍慰安婦問題は「可逆的にいつでも蒸し返される」 韓国人が約束を守ることは絶対にない!!
今回日韓の間の従軍慰安婦問題について「最終かつ不可逆的に解決した」と両国の外相が表明したが、すぐにこの表明がむなしく「可逆的に解決不能」なことが明らかになるだろう。
何しろ韓国人は過去の蒸し返しの名人で、
すでに1965年の日韓基本条約で韓国の請求権は「完全かつ最終的に解決」したはずなのに、
個人の請求権は存在していると蒸し返した。
今回の従軍慰安婦問題も日本が10億円の基金を拠出することになったが、
「この程度ではとても足りない」と従軍慰安婦の支援団体が言いだすのは時間の問題だ。
さらに「心からのお詫びがない」ので認められないと言うはずだが、
「心」とは主観的なものだからいくらでも拡大解釈が可能で、
安倍首相が「お詫びと反省」を述べても未来永劫にお詫びを述べなければ韓国人は満足するはづがない。
「心がこもってないのでもう一度心から詫びろ!!!!」
韓国人がどのようにしてこの問題を蒸し返すかのパターンも分かっている。
韓国憲法裁判所に「この合意が違憲であり、従軍慰安婦の尊厳を無視したものだ」と訴えを起こし、憲法裁判所がその訴えを認めるところから始まる。
最も憲法裁判所は実質的に政府の犬だから、
政府が日韓関係を維持したいときは裁判所に門前払いをさせるように指示する。
反対にパク・クネ政権がそうであったように日本と敵対している時は、
憲法裁判所に違憲判決を出させて、
それを理由に日本に再交渉を迫るというパターンだ。
今回パク・クネ政権はあまりの中国シフトを敷いたために
中国経済の失速に伴い韓国経済が凋落してしまった。
パク・クネ氏の外交の大失敗であり、
慌てふためいた韓国は
経済立て直しのために中国組からアメリカ組にシフトしようとしたが
アメリカからクレームをつけられた。
「本当にアメリカ組に戻るつもりなら日本との関係を修復しろ。
特に従軍慰安婦問題でいつまでも
日本と敵対しているようではアメリカ組に戻ることは許さない」
日本との修好を図らなければアメリカから完全に無視されてしまう。
中国経済が崩壊した後は
アメリカ経済に頼ららずえないが
韓国はTPP交渉にすら参加していない。
ほとんど世界の孤児になってようやく日本との関係改善に動いた。
だがこれも苦しいときの一時の辛抱のつもりで、
再び中国経済が軌道に乗れば中国の尻馬に乗って
得意の日本バッシングが始まる。
「従軍慰安婦問題は永遠の問題だ」
韓国人が約束を守るのは自分が苦しいときだけで、
それが過ぎると再び請求権問題を持ち出すのはいつものことだ。
韓国人が約束を守るなどと信用するのは、
ギリシャのチプラス政権がEUからの借入金を返済すると信じるのと
同じくらい馬鹿げたことだ。
あるいは豚が木に登れると信じるようなもので実に愚かだ。
私は安倍首相の懸命な努力は評価するが、
韓国が相手では約束することが無駄で、
再び従軍慰安婦問題が蒸し返されることは確実だと断言しておこう。
「日本は心から詫びていない。
この問題は1000年たっても韓国人は忘れない」
パク・クネ氏がいつも言っている言葉だ。
可処分所得の24%で借金返済、韓国の家計債務が過去最大に
2015/12/22
統計庁、金融監督院、韓国銀行が21日、共同で発表した「2015年家計金融・福祉調査」によると、
家計の可処分所得に占める債務の元利償還額の割合は24.2%で、
調査を開始した2010年以降で最も高かった。
初回調査時の16.1%に比べ、8.1ポイントも上昇したことになる。
■マイホーム購入で家計圧迫
主婦のKさん(30)は2年前、ソウル市東大門区典農洞のマンション(30坪)を借り、新婚生活を始めた。
家賃の代わりに高額の保証金を預ける韓国独特の賃貸方式(伝貰=チョンセ)で、保証金として2億9000万ウォン(約2990万円)を積んだ。
ところが、契約を更新しようとしたところ、オーナーは保証金として4億1000万ウォン(約4230万円)を要求。
値下げを要求したが、交渉は物別れに終わり、Kさん夫婦は相談の末、1億5000万ウォン(約1550万円)を借り入れ、周辺に20坪のマンションを購入した。
Kさんは「月に35万ウォン(約3万6000円)の利息を支払っているが、夫の月収は300万ウォン(約30万9000円)程度なので生活が苦しい。
今後金利が上昇すれば、どうやって暮らしていけばよいか分からず、子どもをもうけるのもためらっている」と話した。
家計の債務負担が増え続け、
可処分所得に占める元利償還額の割合が最高を更新したのは、
所得と資産が増えない状況で、
伝貰による借家住まいにつかれた人が生活費やマイホーム費用を工面するために借金をしたことを示す現象だ。
金利が上昇すれば、1200兆ウォン(約124兆円)に達する家計債務が韓国経済の時限爆弾になるとの警告が現実として忍び寄っている。
■借金漬け、企業から家計へ
1997年の通貨危機前は、
韓国経済の問題は企業の放漫経営にあり、家計は健全だった。
96年の個人の純貯蓄率は16.3%に達し、1世帯当たりの負債は1100万ウォン(約113万円)程度だった。
これに対し、企業は国内外で高金利で資金を借り入れ、事業拡張に走っていた。
96年の製造業の平均負債比率は317%、非金融企業の貯蓄率は11%で個人を下回っていた。
ところが、家計と企業の財務状況は通貨危機を経て一変した。
企業は厳しい構造調整とコスト削減で負債比率を抑制し、現金を積み上げた。
14年時点で製造業の負債比率は89%、非金融企業の貯蓄率は19%に達する。
対照的に、
家計は2002年のクレジットカード債務問題、
06年の住宅価格高騰を経て、
借金が雪だるま式に膨らみ、家計債務問題は限界に達した。
■膨らむ債務
1世帯当たりの負債は
2012年の5291万ウォン(約546万円)から15年には6181万ウォン(約638万円)へと16.8%増加し、
同じ期間の資産の増加率(8.7%)の約2倍に達した。
金融負債は3599万ウォン(約371万円)から4321万ウォン(約446万円)へと20%増えた。
統計は借金がない世帯も含めて平均した数値で、
借金がある世帯だけで集計すれば、さらに状況は深刻だ。
全世帯のうち借金がある世帯の割合は、
12年の65.2%から15年の64.3%へとやや減少したが、
平均債務は同じ期間に8365万ウォン(約863万円)から
9614万ウォン(約992万円)へと1300万ウォン増加した。
借金の理由も変化している。
以前は投資目的で不動産を購入するためにローンを組んだが、
最近はマイホームを購入する目的での借り入れが目立つようになった。
11年当時の借り入れ理由は、
「自己居住以外の不動産を購入」が18.0%、
「事業資金」が29.0%で、「マイホーム購入」は30.3%だった。
それが15年にはマイホーム購入」が36.3%でトップとなり、
「自己居住以外の不動産を購入」
「事業資金」はそれぞれ15.7%、24.1%に減少した。
「生活費確保」のための借り入れも同じ期間に5.3%から6.5%に増えた。
■債務者の4分の3、返済負担で支出削減
家計の台所は黒字だが、消費が減る現象も目立つ。
統計庁が先月発表した家計動向によれば、
全国の2人以上の世帯の家計収支は102万ウォンの黒字で、黒字幅は過去最高だった。
所得が前年に比べ0.7%増加する一方、支出が0.5%減少したためだ。
今回の家計金融・福祉調査でも、
負債がある10世帯のうち7世帯が「元利返済が生活の負担になっている」と答え、
うち78%が「返済負担のために貯蓄や消費が減少した」と答えた。
しかし、
企画財政部は「今回の調査には(政府が推進する)
『安心転換融資』など家計債務の構造改善実績が反映されていない。
返済能力を考えると、家計債務が不良債権化する可能性はまだ限定的だ」との認識を示した。
2015-12-29
韓国、「失われた20年」日本型の長期不況に耐えられるか
勝又壽良の経済時評
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良
韓国経済復元力を問う
名目成長率重視へ転換
韓国は、ひしひしと迫りくるデフレムードに身を固くしている。
あれだけ燃えさかった「反日」も、沈静化に向かいつつある。
産経新聞前ソウル支局長への「名誉毀損裁判」では、無罪が言い渡された。
その裏には、足元を洗い始めたデフレが、韓国を「正気」に引き戻したのであろう。
普通ならば、こういう判決結果が出れば、
韓国メディアを先頭にした市民運動グル-プが加わって、
一大「反日キャンペーン」を張ったはずである。
それが、なぜか音無である。
韓国政府はこれまで、中国べったりであった。
その中国経済が不振を極めていることから、
「中国依存症」の危険性を気付いたに違いない。
それにしても、これまでの韓国は「反日三昧」であった。
よくぞここまで、日本を侮辱してきたものと言わざるを得ない。
日本を軽く見て、過去の意趣返しをしてきた積もりなのだろう。
前記の韓国大統領名誉毀損は、世界中のマスコミからその不当性が指摘されてきた。
当の朴大統領は、自らの名誉毀損について何らの意思表示もせず、うやむやのうちに判決が出るという不可解なものである。
朴大統領をめぐる噂の「情報発信源」は朝鮮日報である。
そこには何らのお咎めもなく、引用した産経新聞(電子版記事)を起訴するという片手落ちな対応であった。
今回の裁判は最初から、「反日」の一環であった。
その「反日」を、経済的な事情から継続できなくなっているのだ。
韓国経済悲観論は、反日を棚上げするほど強烈な「エネルギー」を放ち始めている。
韓国与党が秘かに、それを調査レポートにまとめていた。
韓国経済復元力を問う
『朝鮮日報』(12月18日付)は、
「日本型長期不況に耐えられない韓国経済」と題して次のように伝えた。
①「韓国の現在の経済体力では日本型の長期不況に耐えられないという与党の内部報告書が明らかになった。
専門家の多くが日本の『失われた20年』に韓国が近づいていると指摘する中、
与党シンクタンクが『その可能性が高いだけでなく、
持ちこたえるのは難しい』との認識を示した格好だ」。
自惚れ心の高い韓国が、
ここまで韓国経済の将来を暗く予測している最大要因は、人口動態悪化に尽きる。
合計特殊出生率2.08が未達だと、一国人口はやがて減少に向かうという「法則」がある。
ここでいう「合計特殊出生率」とは、一人の女性が生涯において出産する子どもの数だ。
子どもの数が減れば、その国の人口がやがて減ることは自明。
韓国も、この「掟」によって将来人口の減少が不可避となっている。
この問題については、これまで繰り返し取り上げてきた。
それ故、もはや説明の必要もないであろう。
韓国は、今になってようやく事態の重大性に気付き、
「反日」などやっていられる経済的なゆとりのなさを自覚した。
人口減少は、日本の話しと高を括っていたのだ。
私は、その「迂闊さ」をこれまで再三にわたり指摘し続けてきた。
この事態に直面して、大慌てなのは噴飯物である。
「感情8割、理性2割」という韓国人の刹那的な判断能力の低さが露呈しているに過ぎない。
②「セヌリ党(注:与党)のシンクタンク、汝矣島研究院は12月17日、
党最高委員会に党外秘扱いで
『韓国経済緊急判断』と題する報告を提出した。
報告は米利上げの影響について、
韓国の外貨準備高が3640億ドルに達し、
短期対外債務の割合も安定しているため、
1997年のような通貨危機が到来する可能性は低いと指摘した。
一方で、『現在の危機は徐々に忍び寄る日本型長期不況の危機だ。
果たして韓国が耐えられるかどうか疑問だ』と警告した」。
韓国が、「反日」で盛り上がっていた背景は、日本経済が「失われた20年」で苦吟していた事実を横目で見てきた結果であろう。
「いい気味だ」と日本を冷笑してきたが、
韓国も同じ現象が起こることにはたと気付いたのだ。
ここが、理性的に物事を判断できない韓国の弱点である。
火の粉を被らないと、我が身のことと理解しないのである。
困った民族なのだ。
韓国の悲観論は、感情的な国民の特性通りの反応を示している。
「現在の韓国経済危機は、徐々に忍び寄る日本型長期不況の危機だ。
果たして韓国が耐えられるかどうか疑問だ」というところまで押し流している。
それほどの危機感があれば、野党を説得して経済改革案を国会で議決すればいいのだ。
それをやらずに、ただ騒ぎ立てる。
私には理解を超えている振る舞いである。
③「日本が長期不況入りする前の1989年の国内総生産(GDP)は世界2位、輸出額は世界3位、合計特殊出生率は1.57と比較的堅調だった。
韓国は、昨年時点でGDPが13位、輸出が6位、合計特殊出生率は1.21で、かつての日本よりも体力が弱いとの指摘だ。
汝矣島研究院のキム・ジョンソク院長は、『画期的な構造改革政策が急がれる状況だ』と報告した」。
上記の記事を要約しよう。
日本(1989年) 韓国(2014年)
GDP 世界2位 世界13位
輸出額 同3位 同6位
出生率 1.57 1.21
このデータを見ると、韓国が不利であることは自明である。
GDPの規模が違うことは、一人当たり名目GDPが段違いであることを物語る。
当然、国民の貯蓄額が異なる。
同時に、社会保障制度の成熟度が異なることでもあるのだ。
世界が不思議がったことは、
日本が「失われた20年」であるにも関わらず、
国民全体の家計金融資産残高は増えている。
例えば、2001年は1407兆円であった。
2015年7~9月は、1684兆円である。
19.7%も増えたのだ。
この裏では、「貧困世帯」問題が発生している。
ただ、社会全体で見れば、バランスが取れている。
韓国は、社会保障制度が未成熟である。
年金支給額も少なく、国民生活への財政的な保証は手薄である。
この環境下では、出生率が1.21と極端に低くなって当然である。
出生率を引き上げるような総合的な促進策がないのだ。
極端な年功序列賃金体系を改めて、若者の給与を引き上げる。
結婚し易い経済的な環境を整える。
韓国の将来に希望を持てる政策全体の見直しが欠かせないのだ。
安心して子どもが生める環境をつくらずして、大統領は韓国の将来を語るなかれ、だ。
「反日」で国民の不満を逸らしてきた。
そういう韓国政府の責任は極めて重い。
デフレにひとたび落ち込むと、
日本の例でも分かるように、
そこからの脱出は難しくなる。
韓国政府は、消費者物価の低迷脱却を大きな目的にしている。
16年度の経済目標では、実質成長率よりも名目成長率を掲げることになった。
名目成長率重視へ転換
『朝鮮日報』(12月17日付)は、次のようにつたえた。
④「韓国企画財政部が12月16日発表した16年度の経済政策運用方向は、
政策の『青写真』というよりも、政府の苦悩がにじみ出たものだった。
輸出を上向かせ、
成長動力にすることよりも低成長、
低物価によるリスクを避けようと全力を挙げる印象だ。
低物価と輸出低迷が重なり、
韓国経済は低物価→企業の売り上げ減少→成長低迷→所得減少→消費低迷→低物価という
悪循環に陥る兆しを見せている。
世界的な経済環境が大きく改善する見通しが立たない中、
企画財政部は16年の経済政策の軸を輸出よりも内需に置かざるを得ない状況だ」。
韓国は、輸出依存型経済の維持を断念した。
輸出の6割を占める新興国経済が不調のため、
経済政策の軸を内需に置き換えた。
内需振興によって、消費者物価をテコ入れしようという狙いだが、
その具体的な政策は示されていない。
普通であれば、政策金利の引き下げである。
だが、
米国の利上げに伴うドル高=ウォン安基調下で、
韓国が利下げに踏み切れば、
ウォン安に拍車をかけかねない。
それは、かつて経験した「ウォン暴落」の引き金になるリスクを招くのだ。
この状況下で、
内需振興策として浮かび上がるのは、
先にも指摘したような極端な年功序列賃金体系の改革である。
労働組合が反対しても韓国経済の底上げには不可欠な手段であろう。
企業にとって、支払賃金総額はたいした増加にならないでろうから、
労組の理解さえ得られれば早急に実行すべきだ。
これさえも実現できなければ、内需振興はかけ声倒れに終わる。
韓国経済は、すでに次に述べる悪循環に入りかけている。
(1)低物価→(2)企業の売り上げ減少→(3)成長低迷→(4)所得減少→(5)消費低迷→(1)低物価
番号で示すと、現在すでに
(1)から(3)の段階へ進んでいる。
2014年の企業売上は初めて前年比でマイナスになった。
これは、危険な前兆である。
後、(4)と(5)へ踏み込めば、
「失われた20年」の日本と同一コースとなる。
日本の場合、「アベノミクス」で再建途上である。
政策金利をゼロにしても資金流出のリスクもない。
逆に、世界経済での突発的な問題発生では、
「避難通貨」として「円」が買われるほど。
世界の信頼度は抜群である。
韓国では、「ゼロ金利政策」は実施不可能である。その点が、最大の弱点だ。
⑤「企画財政部は、
16年度の成長率目標を実質経済成長率3.1%、名目経済成長率で4.5%に設定した。
企画財政部はこれまで実質成長率を目標設定に使用してきた。
突然、名目成長率を掲げた。
名目成長率では、
実質成長率がマイナスに転落しない限り、
実質成長率よりも数値がやや上回る。
実質成長率を高めるのは難しいため、
政府が名目成長率で『錯覚効果』を狙ったとの批判もあるが、
企画財政部は『低物価のリスクを反映した』と説明した」。
16年度の成長率目標では、名目成長率を第一に掲げるという。
これは、世界でも珍しいケースであろう。
どこの国でも実質成長率が目標であって、その逆はないのだ。
韓国経済がここまで追い込まれている証拠と言える。
繰り返すが、その具体的な政策手段が明示されていない。
まさに、政府が「かけ声」だけかければ、後は民間が頑張るとでも見ているのだろうか。
民間経済を督励するには、アベノミクスの通り、環境整備に全力を上げるべきだ。
その意味でも「反日」ではなく、「知日」となって日本の経済政策を本格的に研究すべきであろう。
⑥「企画財政部幹部は、『日本は2000年から約10年、実質成長率が0.5%前後だったが、物価上昇率がマイナス1%だったので、名目成長率はマイナス0,5%だった。
低物価が進むと名目成長率が重要になる』と述べた。
政府は韓国経済で、
『低成長、低物価』が定着し、日本の『失われた20年』のような長期不況に入る可能性が高いと認めた格好だ。
低物価が続けば企業の売り上げや利益が減少したり、
横ばいで推移したりして、
投資不振と消費低迷につながる。
延世大の成太胤(ソン・テユン)教授は、
『名目成長率が低下すれば、企業の投資低迷だけでなく、政府の税収も減り、国家経済全体が縮小する』と指摘した」。
名目成長率が高まれば、税収が増えるので財政的に余裕が生まれる。
これは、現在のアベノミクスでも実証済みである。
アベノミクスが始まる2012年度と比べて、
税収は2016年度予算では14兆円の増収を見込んでいる。
4年間で14兆円である。
この間、消費税率3%の引き上げを含むが、消費税率引き上げに伴う景気落ち込みも計算に入れなければならない。
アベノミクス批判では、こういう側面を完全に無視した議論が横行している。
韓国が名目成長率重視に転じた裏には、アベノミクスの成果を研究していると思う。
韓国経済が、「失われた20年に」落ち込めば、ここからの脱出は困難であろう。
制度改革に対する野党の反対は理屈を超えており、
「感情的」な振る舞いをしているからだ。
また、
韓国の産業が重厚長大という過去の産業で成り立っている。
これをいかにしてグローバルなものに置き換えるか。
その具体的な手立ても存在しない。
日本を「敵」に回した反動は極めて大きいのだ。
「嫌韓」という言葉が日常化している現在、
日韓関係の実質的な立て直しは困難である。
日本の国民感情は冷え切っている。
(2015年12月29日)
こりあうぉっちんぐ
韓国低金利時代
青空のブログ
2015-12-28
韓銀は少し前、政策金利を2%から1.75%に引き下げました。
今後も引き下げを続ける可能性が高まっています。
韓国では初の金利1%台です。
実施した背景は国内外の経済各種景気指標が明確に悪化し、
物価は事実上マイナス(デフレ)となっている為です。
生産と輸出は下落・減少傾向でデフレを誘発しているため
金融面を緩和し生産の為の調達力を向上させる措置です。
既に2度の利下げと政府の経済対策予算を展開しましたが
景気はむしろ弱まる雰囲気が明確でした。
今後新興国に入っていたドルが米国に還流するという危機感もあります。
世界各国が政策金利を引下げているのに対応した感もある。
利下げは効用もありますが経済が動かなければ副作用が膨らむ手法です。
韓国に取り最大の懸念は家計負債です。
1089兆ウォン(約120兆円)まで増加した家計負債が低金利で急増すれば
韓国経済の時限爆弾になります。
(この記事を書いたのは2015年の5月ですがこの心配は既に実現しています。
韓国の家計負債はすでに1200兆ウォンを突破し制御不能になっています。)
しかしドルの利上げが重なると韓国の利下げは資本流出のリスクを高めます。
韓国市場は金融危機の時、外国人のATMと揶揄された経験もあります。
投機資本の攻撃対象になる可能性がある。
また資金が企業や家計の金庫に入っていれば効果はありません。
15年1月の貨幣乗数は18.5と88年以降最低としています。
貨幣乗数が低いと市場に資金が回ってないことを示します
(しかし韓国では家計負債、企業負債とも過去最高レベルで
日本や米国の貨幣乗数は6倍、4倍なので既に過熱しすぎてる状況なのですが)。
いずれにしてもうまく利下げを活用するためには以下の要件が必要です。
ちなみに日本は失敗し20年近く苦労しました。
政府は構造改革と規制緩和を通じて韓国経済の体質を根本的に変える必要があり、
デフレ脱却の為各種予算増額が必要です。
政界は経済の足かせとなる旧態の政治闘争を捨て、
現在の混乱している立法機能の回復と与野党の共闘が必要です。
企業と家計も高齢化・低出産・低成長を乗り切り成長戦略と老後計画を再建する必要があります。
しかしいずれの課題も資金もノウハウも当事者の危機意識も低い中で、
更に出血も要求されるものです。
いうまでもなく履行は困難でしょう。
少なくとも今の韓国国会も大統領府も政府も危機感は薄く、
超党派での対策会議すらも夢のまた夢です。もちろん政府に資金もありません。
また貨幣乗数が異常に高い韓国に取り金利の引き下げは
銀行の預金残高の剥落につながり、
今度は必要な貸出に必要な資金(預金)が確保できなくなる可能性を秘めています。
事実現時点では韓国の株価は上昇傾向ですがこれは個人投資家のシェアが拡大しているためです。
これは主に個人の預金や債権から資金が株式に流入していることを示します。
個人は借入を増やし、不動産や株に投資。
いずれも大幅に元本を毀損する可能性を持つ投資対象です。
年金や老後の蓄えが99年の通貨危機の際にほぼ消滅し、
消費性向が高い韓国は中産層の蓄えが不十分です。
この上個人が借金を増やした上でリーマンショックのようなサブプライム破綻を起こせば
韓国の自国金融は消滅し、中産階級の相当数は破綻、
乗り切った人も多くの預金を失い一生返せない負債に苦しむことになるでしょう。
既に韓国の各種金融指数はサブプライム崩壊時の米国より悪い。
更にそれにより消費低迷に拍車がかかり国内企業の業績が悪化すれば
大型の外資のキャピタルフライトが発生し、経済危機を誘発するでしょう。
金利引き下げが長期デフレ経済にプラス効果を生まないことは日欧米の経験からも明らかです。
負債圧縮が必要なバランスシート型の不況は脱却に近道はありません。
まずは個人、企業の負債圧縮を
徐々に継続的に進める経済政策と体制づくりの方が急務だと思います。
社会保障拡充やインフラ補修コストも増大し増税が必須な財政状況と
合わせ見ればかなり深刻な状況です。
日本との通貨スワップ復活を渇望する韓国 経済深刻でも朴政権は切り出せない?
2015.12.26
朴槿恵(パク・クネ)大統領が「経済危機」への備えを命じた韓国。
その対策の一つとして、またぞろ日本などとの通貨交換(スワップ)協定を復活させるべきだとの声が上がり始めた。
朴政権の「反日」姿勢を背景に、
韓国側が「協定延長は不要」と打ち切った経緯を忘れたわけではあるまいが、
そこまで経済が追い込まれているということなのか。
慰安婦問題の早期妥結に向けて、28日にも日韓外相会談が開かれることになった。
また、
産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に無罪判決が出て検察が控訴を断念したほか、
韓国の憲法裁判所が日韓請求権協定の「違憲」を主張する訴えを却下し違憲性の判断を回避した。
このところ、朴政権の対日すり寄りともいえる動きが相次いでいる背景の一つに、深刻な経済不振がある。
ウォンは今年に入って対ドルで6%超下落。
7年ぶりの大きさとなった。
外国人投資家は韓国株を4年ぶりに売り越しに転じるなど、市場では「韓国売り」が目立つ。
朴大統領は米国が利上げを決める前の今月16日、
「経済危機に備えた緊急対応策を用意しておくべきだ」と異例の発言をするところまで追い込まれた。
聯合ニュースによると、与党セヌリ党が対応策の一つとして掲げているのが通貨スワップ協定の拡大だ。
「必要に応じて主要国の中央銀行などとの協議を拡大する」と明らかにしている。
通貨スワップは、外貨不足に陥った際、自国通貨と交換で相手国から融通してもらう仕組み。
2008年のリーマン・ショック後の資金流出の際には、
米国や日本との通貨スワップでドルを調達して危機をしのいだ。
現在、韓国が最大のスワップ協定を結んでいる相手は中国だが、調達できるのは人民元。
ドル建ての対外債務が多い韓国にとっては無用の長物に終わる恐れがある。
ロイターは、人民元の調達すら「いざとなったときに資金が本当に手に入るのか疑わしい」とする専門家の見方を紹介した。
一方、日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)による「チェンマイ・イニシアチブ」では最大384億ドル(約4兆6200億円)の引き出し枠があるが、
国際通貨基金(IMF)の関与がない場合の引き出しは最大30%。
また、別の国がドルを必要とする場合、韓国は提供する立場になる。
2国間のドルスワップはかつて米国や日本と結んでいた。
韓国経済新聞は、大手シンクタンク、現代経済研究院の研究員による
「いつでも再び米国との通貨スワップを結ぶことができるよう、対米関係を強化しなければならない」とする見解を報じた。
ただ、韓国の露骨な中国への接近にオバマ政権は業を煮やしている。
韓国の保守系サイト、趙甲済(チョ・ガプジェ)ドットコムは、
「金融不安を効果的に沈める方法は、
米国と日本の少なくとも一国とドル通貨スワップを締結することだが、
米国が韓国のスワップ締結要求に応えてくれる確率はほぼない」
とする投稿を掲載。
「韓国政府は日本を優しくなだめて一刻も早くドルスワップ協定を締結するべきだが、
亡国の反日が韓国に危機的状況をもたらしている」
と朴政権の反日政策を厳しく批判している。
日本と韓国のドルスワップ協定は2001年に締結され、
11年に700億ドル(約8兆4200億円)規模まで融通枠を拡大したが、
その後は縮小、反日姿勢の朴政権が「延長の必要がない」と言い出したこともあり、
今年2月に終了した。
韓国の財界からは日韓スワップの復活を求める声が上がっているが、
「本来は韓国政府が提案すべき案件だが、韓国政府は今さら持ち出せないという苦しい立場になっている」と指摘するのは、
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏。
「韓国の経済危機は中国経済の落ち込みという要因も大きく、
通貨危機発生時にも中国への支援要請が不可能になることにようやく気付いたようだ。
大失策を犯した朴政権が、
遅まきながら日本に近づこうとしているということだろう」と指摘する。
朴政権が失ったものはあまりに大きいようだ。
日韓外相会談 慰安婦問題で最終的解決を確認
NHK
12月28日 16時17分
日本と韓国の外相会談がソウルで行われ、慰安婦問題を巡って、
日本政府は責任を痛感しているとしたうえで、
日韓両政府は韓国政府が設置する財団に日本政府の予算からおよそ10億円の資金を拠出し、
元慰安婦の心の傷を癒すための事業を行うことで合意しました。
また、両政府は、こうした事業の実施を前提に、
この問題が「最終的かつ不可逆的に」解決されたことを確認しました。
日本と韓国両政府は、両国の関係改善の大きな障害となってきた慰安婦問題の最終的な妥結を目指し、
28日、韓国のソウルで、岸田外務大臣とユン・ビョンセ(尹炳世)外相による日韓外相会談を行いました。
会談のあと、両外相はそろって記者発表を行い、合意事項について発表しました。
この中で、岸田外務大臣は「慰安婦問題は、当時の軍の関与のもとに、
多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、
日本政府は責任を痛感している」と述べました。
そのうえで、
岸田大臣は「安倍総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、
慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、
心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べました。
さらに、岸田大臣は「日本政府の予算により、
すべての元慰安婦の方々の心の傷をいやす措置を講じる」としたうえで、
韓国政府が設置する財団に日本政府の予算でおよそ10億円の資金を一括して拠出し、
「日韓両政府が協力し、元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒しのための事業を行う」ことで合意したことを明らかにしました。
そして、岸田大臣は、両政府間でこうした事業を着実に実施するという前提で、
この問題が「最終的かつ不可逆的に」解決されたと確認したことを明らかにしました。
また、
日本政府として、韓国政府とともに、
国連など国際社会で慰安婦問題を巡って互いに非難・批判することを控える考えを示し、
今回の合意について、
「日韓首脳の指示に基づいて行った協議の結果であり、これをもって、日韓関係が新時代に入ることを確信している」と述べました。
一方、ユン外相は、
元慰安婦に対する事業が着実に実施されることを前提に、日本政府とともに、
「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と述べたうえで、
日本政府の実施する元慰安婦の心の傷をいやす措置に協力する考えを示しました。
また、ユン外相は、ソウルの日本大使館の前に設置された、慰安婦を象徴する少女像に関して、
「日本政府が、大使館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、
韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行うなどして、
適切に解決されるよう努力する」と述べました。
そして、ユン外相も、岸田外務大臣と同様に、
韓国政府として日本政府とともに、今後、国連など国際社会において、
この問題について互いに非難・批判することを控える考えを示しました。
「歴史的、画期的な成果」
岸田外務大臣は記者団に対し、
「今回の合意により、慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した。
このような合意ができたことは歴史的、画期的な成果であると考える。
これにより、日韓関係は未来志向の新時代へと発展すると考える。
また、日韓、日米韓の安全保障協力も前進させる素地ができたと思う」と述べました。
韓国で吹き荒れるリストラ台風
JBpress
12月24日(木)
韓国産業界では企業の大リストラが猛威を振るっている(写真はソウル市内 (c) Can Stock Photo)
「名誉退職」――。こんな言い方の企業の大リストラが韓国の産業界で猛威を振るっている。
2016年の経営が苦しくなるという見込みのもとでの「先手を打った危機管理」と説明するが、度を越したリストラに批判の声も強い。
「大企業『20代希望退職』、いくら苦しくても一線を守れ」。
2015年12月18日、大手紙「朝鮮日報」にこんな見出しの社説が載った。
大企業の安易なリストラを戒めた内容だった。
■ 新入社員も「希望退職」対象者に?
韓国ではそれほど、リストラの嵐が吹いている。
中でも、最近大きな話題となったのが、財閥の有力グループ企業である斗山インフラコアの「希望退職」だった。
建設機械を主力とする同社は、中国景気の低迷や業界内の競争激化で経営環境は悪化している。
2015年に入って2月と9月に課長級以上、11月に生産職を対象に「希望退職」を実施した。830人以上をリストラしたが、これでも足りないと判断した。
12月に今年4回目の「希望退職」を実施した。
「リストラは最後の手段。
実施するのなら一気に」という一般的な考えとは異なり、人減らしを繰り返している。
4回目の「希望退職」は一般事務職が対象だった。
斗山インフラコアは、それほど業績が悪いのか。確かに4半期ベースでの営業利益は減っているが、黒字を維持しているのだ。
にもかかわらず、これほどの人員削減だ。
これだけでも、「やり過ぎ」と言われかねないのだが、
今回の対象には2014年1月以降に入社した「1、2年生社員」が入っていたことから一気に批判が高まった。
いくら業績が悪化したからと言って、入社した社員にすぐ辞めて下さいというようなものだから顰蹙(ひんしゅく)を買うのも当たり前だった。
■ 700人以上が「希望」したが・・・
それだけではない。今年に入って実施した「希望退職」は、名称こそ「希望」だが、
執拗に希望を募り、応じない場合は、さまざまな嫌がらせをしていることがメディアやネットで相次いで報じられたのだ。
出勤すると携帯電話を預けさせる、トイレに行くことも制限する、
今辞めなければ割増金は出ないと繰り返し説明する、一部グループ有力役員の子供は先に他のグループ企業に異動した――。
斗山グループの朴容晩(パク・ヨンマン=1955年生)会長は、大韓商工会議所の会長を務める韓国を代表する財界人だ。
相次ぐ批判に、「1、2年生は対象から除外する」ことを指示したが、「希望退職」は予定通り実施した。
嫌気が差したのか、会社の「募集努力」が功を奏したのか。
12月18日までに事務職全体の23%にあたる702人が応募した。
これで4回あわせて社員の27%が退社することになった。
すでに役員も2年連続して30%ずつ減らしており、まさに猛烈リストラになった。
だが、産業界全体を見ると斗山インフラコアは例外企業ではない。
■ 造船3社で2000人削減
不況の造船業界。現代重工業は課長級以上など1300人を一気に減らした。
大宇造船海洋も部長級以上300人が退社した。
サムスン重工業を含めて、つい数年前まで「空前の好況・空前のボーナス」で有名だった造船3社は、1年間で2000人以上を退社させた。
このうちの1社の役員はこう話す。
「どんどん人が減っていく。役員が減るとその何倍ものスタッフ、部下が辞める。あるフロアはがらがらになってしまった。
夜、残業をしていると気味が悪いほどの静けさだ」
こうした「不況対応型人員削減」の特徴は、年齢、役職不問であることだ。
役員は激減させる。
さらに部長級、課長級、専門職、生産職、事務職・・・と徐々に範囲を拡大する。
年齢不問で、斗山インフラコアのように新入社員を対象にすることは珍しいが、20代、30代も例外なく対象にした企業は多い。
■ 黒字でも削減
さらに目立つのが、「黒字企業」の人員削減だ。
最近多いのが、「定年延長」に備え、中年層を狙い撃ちにしたと取られても仕方がない「希望退職」だ。
韓国では法改正があって、2016年から企業規模に応じて順次定年が60歳に引き上げられる。
これに対応して、50歳前後の社員を早期に退職させようという動きが広がっている。
特に金融機関は、退職一時金をかなり上積みすることで、40歳、45歳以上の社員を一気に減らしている。
ある大手銀行は2015年に1000人以上を削減した。別の外資系銀行も1000人近くを「希望退職」で減らした。
■ サムスンも例外でない
人員削減の嵐は、サムスングループでも例外ではない。
サムスン重工業は200人を減らした。
2015年7~9月期に1兆ウォン(1円=10ウォン)を超える営業赤字に陥ったサムスンエンジニアリングは、「希望退職」とグループ他社への異動で700人を減らした。
この会社は、「辞めるも残るも地獄」だ。残った全社員に対しては12月から順番で1カ月ずつの「無給休暇」を取ることになった。
役員は、1か月分の報酬返上だ。ただでさえ利益連動分のボーナスが激減している上に、1カ月無給休暇または報酬返上という異例の措置になった。
サムスン物産も希望退職を実施しているほか、サムスン電子も研究職などの削減に踏み切っている。
銀行を含めて今年の特徴の1つは、「黒字企業も果敢なリストラ」の出ていることだ。
筆者は、ある黒字有名企業の幹部に、「どうして業績が良いのに人を減らすのか?」と聞いてみた。
「来年の業績見通しは不透明だ。危機管理という面でも、人減らしは当然ではないか」という答えだった。
「危機管理」で会社を辞めさせられてはかなわない気がするが、これも今の韓国の産業界の1つの風潮だ。
韓国では、1997年の「IMF危機」の際に、ほとんどの企業が大規模の人員削減を実施した。
■ 「名誉」でも「希望」でもない退職
このとき、「希望退職」を「名誉退職」を呼ぶようになった。最近は、以前ほど「名誉退職」という言い方はしなくなったが、今でも依然として頻繁に使う。もちろん、実態は、「希望」でも「名誉」でもないことがほとんどだ。
退社を拒否すると、執拗に説得を受ける。「待機」となって仕事が何もなくなる例もある。
ある大企業の役員は、「IMF危機の際、ほとんどの企業が『名誉退職』を実施した。
人員削減という劇薬で、比較的短期間に業績を回復させることができたが、それ以来、経営者は少し業績が悪くなるとすぐにリストラに走る傾向が強まった」と説明する。
■ 年齢も条件も不問
以前は、「名誉退職」と言えば、比較的高給の中高年が対象だったが、最近は、条件不問になってきた。
この役員は、「企業の中長期的な競争力を考えた場合、人材への投資が重要なことは分かっている。
だが、大企業CEO(最高経営責任者)と言ってもオーナーが絶大な権限を持っており、CEOは実績を残さなければすぐ更迭される。だから、早め早めにリストラに乗り出す」と嘆く。
「来年、わが国経済を取り巻く条件は厳しい。供給過剰で全般的に停滞する業種については先制的な構造調整をしなければ業界全体が危機に陥り、大きな危機に陥って大量失業時代が起きかねない」
2015年12月14日、朴槿恵(パク・クネ=1952年生)大統領は青瓦台(大統領府)で開いた首席秘書官会議でこう話した。
経済関連法の早期国会通過を求めた趣旨だったが、大統領もこれだけ経済の先行きを厳しく見ているのだ。
先制的な対策を取らなければ大失業時代になりかねない。だが、現実は、すでに大リストラが始まっているのだ。
玉置 直司
日韓、10億円で最終調整 元慰安婦支援の新基金
両外相、会談後に発表へ
2015/12/28
【ソウル=黒沼晋】
岸田文雄外相は28日午後、ソウルで韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と会談する。
旧日本軍の従軍慰安婦問題で大筋合意できるかが焦点。
両政府は元慰安婦を支援する新基金を10億円前後とする方向で最終調整しており、日本は韓国に出資を求めている。
会談で日本が求める最終決着の担保をどう確保するかや
韓国が要求する元慰安婦へのおわびの方法なども詰める。
岸田氏は同日午前、羽田空港で記者団に「全力で取り組みたい。
慰安婦問題は大変難しい問題だが、ぎりぎりの調整を行いたい」と述べた。
午後の会談後、両外相が共同記者発表に臨む。
妥結すれば朴槿恵(パク・クネ)大統領と岸田氏の面会や夕食会を予定している。
慰安婦問題では、
日本は1965年の日韓請求権協定で法的に解決済みとの立場。
韓国は協定対象外として国の責任の明確化などを求めている。
日本は外相会談で、元慰安婦のために新基金の設立を提案する予定。
医薬品などの生活支援をするフォローアップ事業の拡充にあてる計画だ。
規模は1億円超を想定していたが
韓国の主張に配慮し10億円前後に増額する案で調整が進んでいる。
条件として韓国が問題を蒸し返さないよう「最終かつ不可逆」の表現を文書に明記するなどで確約を得たい考え。
合意に至れば韓国側が求める安倍晋三首相の元慰安婦へのおわびも検討する。
手紙で伝える案がある。
ソウルの日本大使館前にある慰安婦を象徴する少女像の扱いも課題。
日本は撤去を求めている。
韓国は「元慰安婦を支援する民間団体がつくったもので、
政府として対応できない」と主張しているが、
日韓関係の改善が進めば、
他の場所への移設も可能とする見方が韓国国内にはある。
岸田氏の訪韓は、
11月の日韓首脳会談で、早期妥結に向けて協議を加速することで一致したのを受けたもの。
首相は年内の決着を求める朴氏の意向に配慮し、岸田氏に訪韓を指示した。
27日には日韓の外務省担当局長が約2時間協議した。