平成太平記

日常の出来事を書く

制度の狭間で苦しむ特別永住者

2016年01月31日 13時54分32秒 | Weblog

 

   
 
 
2016年01月14日 09:07    
 
 
 

制度の狭間で苦しむ特別永住者


在外国民住民登録制度から1年 日本で出産 保育料支援の対象外に

 統一日報

韓国で在外国民住民登録制度がスタートして丸1年になろうとしている。

以前は在日韓国人などの在外国民は、本国での身分証明書は「国内居所申告証」がその役割を果たしていた。

在外国民住民登録制度の導入により、「国内居所申告証」の効力は、今年7月以降には喪失する。

本国で生活する在日同胞は、在外国民住民登録証に切り替えなければならない。

しかし、住民登録証が発給されるようになったにもかかわらず、本国で内国人と同等に処遇されていない問題が浮上している。

日本で生活する在日韓国人にとっては、韓国で在外国民住民登録制度があることは、あまり知られていない。

仕事や結婚などの理由により、本国で長期に生活することにでもならなければ、実感が湧かないものでもある。


「在外国民住民登録証」の発給対象者は、本国で30日以上居住する目的で入国する人である。住民登録証の発給により、韓国で生活する在日同胞は、本国の人と同様の身分証明書ができ、より便利になったともいわれるが、どうなのか。


本国に住んで30年以上になる在日韓国人本国会会長の李判雨さんは、制度が始まった翌月に「国内居所申告証」から「在外国民住民登録証」に切り替えた。最寄りの役所で申請した。


窓口の担当者は「わかりました。何人もやっているので」と言い、すぐに手続きは終わると思っていた。だが、30分以上も待たされた。

それまで来た人は、本国で生まれて、海外に出た人が住民登録証を再発行する人たちばかりだった。実際には窓口で在日韓国人の切り替えは初めてだった。窓口の担当者も少し戸惑っていた。


申請から発給には通常は、1カ月から2カ月ほどかかるそうだが、李さんの場合は3カ月ほどかかった。

その理由としては、基本的に在日2世や3世などは、本国に身元の記録がないため、警察などの調査に時間がかかったようだという。


これまで「国内居所申告証」では、社会的に認知度が低く、不便な面も少なくなかったが、住民登録証に切り替えたことにより、「社会的地位が高くなったような気分」と話す李さん。

切り替え後は、健康保険証などは、役所の方で自動的に更新してくれたようだが、銀行口座を住民登録証の番号に切り替えることが少し面倒だったという。


 一方で、在外国民に住民登録証が発給されるようになったにもかかわらず、行政から保育サービスが受けられないと訴える人たちが出てきた。

昨年11月韓国人男性と結婚して本国で暮らす在日3世の女性らが、在日同胞の乳幼児に対する保育料支援除外は憲法違反だとして、憲法裁判所に訴えた。


彼女らが訴えたのは、特別永住権を持つ在日女性らの乳幼児が、保育料支援から除外されているためだ。
韓国の保健福祉部は現在、日本の児童手当と同じように保育園を利用する0~5歳までの乳幼児に対して保育料、教育部は幼稚園に通う小学校就学前の乳児に学費を支援している。

だが、昨年「在外国民住民登録証」の発給にあわせて、保健福祉部は、保育支援事業に関連して新しく指針を出した。

その結果、「住民登録法第6条第1項第3号」に該当する在外国民は、保育料支援の対象から除外された。
 この条項で言われる在外国民とは「大韓国民の国民であり、外国の永住権を取得した者」で、海外移住法第12条による永住帰国の申告をしない者であり、住民登録のない者が帰国後最初に住民登録する場合であると規定している。


要するに、日本で出生して日本の特別永住権を有する在日韓国人は、本国を拠点に生活していても、特別永住権を保持している限り、保育料の支援対象から除外されるというものだ。

これに対して昨年11月末に国家人権委員会は、国内で生活して保育所・幼稚園に通う在外国民の乳児に、保育料・幼児学費を支援しないことは、平等権侵害であると勧告を出した。

また彼女らを支援する在日コリアン弁護士協会(金竜介代表)は昨年12月、憲法裁判所に意見書を提出した。

今年1月に入り、大韓弁護士協会人権委員会は特別チームを構成して、この事件に対する法的支援を行うとしている。


今回の事件に詳しい金慶幸弁護士は「政府は現在、多文化家庭や外国人を積極的に支援している。

だが、在外国民は内国人と同じ待遇でもなく、さらには外国人以下の待遇になっており、制度は後退している」と指摘する。

 
 
 

中国バブル経済の立役者、鉄鋼産業の苦悩 三重大学副学長

2016年01月30日 20時51分23秒 | Weblog

中国バブル経済の立役者、鉄鋼産業の苦悩

鉄鋼の価格は2009年あたりから急上昇。

2004年には1トン当たり20ドルくらいだったのが、2011年2月に1トン当たり187ドルの高値をつけました。

10倍近く跳ね上がったのです。

特に金融危機後の2008~2009年にかけて、中国は4兆元にも上る景気対策を実施しました。

当時のレートで換算すると約57兆円にあたります。

世界で最も早く不況から立ち直ったと言われた中国経済は、相当な無理な景気対策によって可能だったのです。

その後、世界から投機的資金が中国になだれ込みました。

そして鉄鉱石、鉄鋼の価格が跳ね上がったのです。

そして今、鉄鋼は1トンあたり50ドル近くに落ち込んでいます。

2011年のピークから4年で3分の1以下の水準へ暴落しています。

過剰な資金投入をしていますから、これでは採算割れに近い状態です。

さらにこれからは50ドル割れも予想されています。

中国は過剰投資で、生産能力をどんどんと上げたのです。

中国の凄まじい経済成長が永遠に続くかのごとく、施設への投資を行いました。

中国は鉄鉱石の産出でも世界1。

あまり質はよくないので、ブラジルやオーストラリアの鉄鉱石が優位性を持っていますが、

量はあるので、鉄鉱石と鉄鋼産業は地方の経済を支えてきました。

そのエネルギーとして国産石炭が使われ、地方経済を支えるとともに、環境問題も引き起こしてきました。

ただ、これだけ生産過剰になると、将来的には大きな問題が生じます。

中国の生産余剰は生産量で1億トン、生産能力ベースでは3.5億トンに達すると言われます。

輸入の鉄鉱石も港で置かれて余っている状態です。

普通なら生産調整をするのですが、

価格が落ちるからこそ、

さらに増産してなんとか経営を成り立たせようとする負のスパイラルに入っています。

中国経済の低迷から中国での需要が落ちています。

原油価格の下落から中東での公共工事などがストップしています。

需要と供給のバランスはさらに悪くなっています。

このまま生産調整をしないで鉄鋼を作り続けたら、

市場は完全に飽和し、産業が潰れてしまいます。

ブラジルも大きな痛手を受けています。

日本の鉄鋼産業は高品質の鉄鋼を作っていますからそこまで打撃ではないにしても、かなりの打撃。

中国の鉄鋼産業は向こう10年くらいは完全な冬の時代になりそうです。

「鉄を制することができなかったら、国が滅びる」のです。

鉄鉱石の山が、バブル経済崩壊の象徴になりそうです。

児玉克哉 社会貢献推進機構理事長

三重大学副学長・人文学部教授を経て現職。

専門は地域社会学、市民社会論、国際社会論、マーケティング調査など。公開討論会を勧めるリンカーン・フォーラム事務局長を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。「ヒロシマ・ナガサキプロセス」や「志産志消」などを提案し、行動する研究者として活動をしている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。

 


中国の石炭産業の低迷~中国経済の崩壊への引き金になる可能性 三重大学副学長

2016年01月30日 20時31分18秒 | Weblog

中国の石炭産業の低迷~中国経済の崩壊への引き金になる可能性

中国は自国で石炭が取れますから、石炭開発に取り組みます。

石炭は環境破壊をしやすいエネルギーですが、環境よりも経済の論理が勝ち、石炭大国となったのです。

2014年の石炭生産量の順位を見てみましょう。単位は1000トンです。

1.中国 3,874,000

2.アメリカ 906,868

3.インド 643,976

4.オーストラリア 491,479

5.インドネシア 458,000

32.日本 1,308

中国は2位のアメリカの4倍以上の生産量なのです。

日本と比較すると実に3000倍ですね。比べ物にならない状態です。

中国は原油価格の高騰のもとに起こった石炭価格の高騰で、一種の石炭バブル繁栄を得たのです。

安い労働力、安いエネルギー、安い資源をもとに、海外からの豊富な資金が入り、世界の工場となりました。

しかし、アメリカのシェールガス革命などもあり、原油価格が落ち込みます。

それにつられて、石炭価格も下落。石炭はおいしい産業ではなくなってきています。

1.石炭価格の下落

原油価格は、2016年1月16日現在、29.70ドルです。

2013年の97.93ドルから比較すると3分の1以下です。

驚く程の低価格となりました。

015年12月現在で、石炭は1トン56.04ドルです。

2009年の136.18ドルからすると、約4割の価格になっています。

消費量も落ちていますから、石炭産業はかなりの痛手を受けています。

これからさらに価格は低下すると予想されます。

2.環境問題による石炭離れ

環境問題も石炭には逆風です。地球温暖化などにおいても石炭は槍玉に挙げられるエネルギー源です。

それとともに、中国ではPM2.5問題が顕在化しています。

北京をはじめ大都市ではスモッグが社会問題にもなっています。

この主要な原因としてあげられるのが石炭です。

これから中国でも世界でも石炭の活用は控える方向に進みます。

原油価格の低迷で石炭価格も下がる中、消費量も減るということになります。

売上は大きく下がることになり、石炭関連企業の倒産などが起きつつあります。

大投資をして石炭の生産能力はあがりました。

これが過剰生産を引き起こし、身動きができない状態なのです。

3.大量失業の可能性

石炭産業は、かなり労働集約的な産業です。

かなりの数の雇用があります。

この産業の衰退は、地域によっては決定的な意味を持ちます。

特定の地域で大きな失業が生まれたとき、治安などの問題もでてきます。

地域の崩壊にもつながるものです。

これは日本でも炭鉱の町が衰退した時に経験したものです。

中国はさらに大規模にこれが起こる可能性が高いのです。

4.シャドーバンキングの問題

中国の石炭産業では国の資金も大量に投じられましたが、

民間での事業も多く、シャドーバンキングに頼ったものも少なくありません。

相当に高い利率をうたい、資金を集め、その資金で運用していました。

石炭産業は好調でしたから問題もわからなかったのですが、

産業自体が不調になると、一気に問題が顕在化します。

シャドーバンキングシステムが崩壊する可能性があるのです。

その引き金は石炭産業と見られています。

5.腐敗

石炭産業が大きな利益を得ていたので、賄賂も相当に行われていたようです。

国山西省呂梁市の張中生・元副市長は、当局の調査を受けて収賄事件として逮捕されました。

6億元(約112億円)を超える賄賂を受け取っていたといわれます。

山西省は有数の石炭産地です。

張元副市長は呂梁市の石炭事業を担当しており、石炭の業者から多額の賄賂を受けていたとされます。

おそらくこれは氷山の一角でしょう。状況が一変した今、こうした腐敗が顕在化しつつあります。

このまま行けば、中国の石炭は、中国経済の崩壊の火薬にもなりかねない状態です。

10年~20年先を見越した新たな産業政策が必要なのでしょう。

石炭産業の行方をみることは、中国経済の今後を占う上でも重要です。

児玉克哉 社会貢献推進機構理事長

三重大学副学長・人文学部教授を経て現職。専門は地域社会学、市民社会論、国際社会論、マーケティング調査など。公開討論会を勧めるリンカーン・フォーラム事務局長を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。「ヒロシマ・ナガサキプロセス」や「志産志消」などを提案し、行動する研究者として活動をしている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。


韓国は世界大不況のカナリア 三重大学副学長

2016年01月30日 18時04分34秒 | Weblog

韓国は世界大不況のカナリア

中国経済の低迷が世界的に問題となっています。日本もしかり。

ヨーロッパも、アメリカもしかり。

世界の経済全体に大きな影響を与えるほど中国経済は大きな力を持ってきました。

中国での経済の低迷による社会問題化が論議されていますが、

中国よりも先に問題が顕在化するのが韓国です。

幾つかの要因があります。

1.内需が小さく、輸出に頼る構造

韓国の場合には、内需が大きくなく、輸出産業によって経済を発展させてきました。

日本も似たような経済発展をしてきたのですが、韓国の場合にはさらにその傾向が強いのです。

サムスンにしても基本は輸出企業。

輸出が落ちると、一気に売り上げが落ちます。

内需による売り上げよりも安定感がありません。

特に最近の輸出産業はあっという間にランクが変わります。

日本の大手メーカーでさえ、一気に落ち込むことがある時代です。

シャープや東芝の現状は10年前には予想だにできませんでした。

2.中国への過剰依存

特に韓国の場合には中国への過剰依存体質ができました。

中国が発展してきたこれまではそれでよかったのですが、中国の経済が弱まると一気に歪が浮かび上がります。

中国への輸出、中国での生産、中国からの観光客のビジネスなど、かなり高い依存度があります。

中国の経済が停滞すると、中国よりも先に問題となる体質なのです。

3.外資依存の経営戦略

韓国は一気に「発展途上国」から「先進国」への変化を行いました。

韓国人の勤勉さや教育水準の高さなどももちろん重要なポイントです。

 ただそれだけではこの急速な経済発展はできません。

当時の韓国の労働力の安さなどから、割安感があり、世界に余っていた外国資本が韓国に入りました。

国内の資本よりも海外からの資本をベースに輸出産業が一気に花開きました。

その資本が大きく、日本の大企業も結局、遅れをとりました。

しかし、外国資本はいわば「儲ける」ためにお金を注入しています。

儲からなくなったと思えば、一気に引き上げます。

今、韓国で起こっているのは、資本の流出です。

これは企業を弱体化させ、社会全体にお金が回らなくさせます。

4.強くなった労働運動

韓国の労働組合運動は強く、ストライキも辞さない戦略です。

大企業でも強い労働組合があります。

営業成績がいい時には問題は隠れるのですが、悪くなると、労使間の争いは激しくなります。

大韓航空の経営は厳しい状況ですが、その状況でもストライキが計画されます。

景気が悪くなると会社の状況はさらに悪化するというパターンに入り込みやすいのです。

5.高い若年層失業率

韓国で注目されるのは若年層の失業率が高いことです。

若者は賃金が安く、社会の変化に対応しやすい傾向があります。

経済発展には若者の労働力が不可欠です。

韓国も日本同様に少子化が進んでいる国ですが、

その若年層の失業率が高いということは、企業・社会にとっては大きなマイナスです。

6.1997年経済危機を乗り切ったという過信

1997年7月にタイを中心にはじまったアジア通貨危機は韓国も危機に追いやりました。

その時は、IMFの支援などもありなんとか乗り切りました。

このアジア通貨危機はヘッジファンドが絡むもので、一時的な要素が強かったのです。

韓国経済も上向きになっている時でした。

ですから危機を乗り切ったあとの展望も見えていたのです。

その経験があるから今回も大丈夫、という過信はあまりよくないと思っています。

かなり状況は異なります。

通貨危機が一時的な要素が多かったのに対して、今回の状況はかなり長期的な停滞を招くものです。

以前の経験からの過信が状況を悪くしているように思えます。

このように考えると、韓国は相当に脆弱な経済構造を持っていることがわかります。

中国よりも先に問題が顕在化するのです。

つまり世界経済のカナリアともいえます。

サムソンなどの成功もあり、華やかなカナリアでした。

そのカナリアが生き延びるには、

華やかさよりもタフさを持った社会構造に変わる必要があります。

 
児玉克哉 社会貢献推進機構理事長

三重大学副学長・人文学部教授を経て現職。


① 韓国、「ポピュリズム」経済苦難期でも国会空転「理性取り戻せ」

2016年01月30日 16時29分38秒 | Weblog

① 韓国、「ポピュリズム」経済苦難期でも国会空転「理性取り戻せ」

 2016-01-30

 勝又壽良の経済時評

 週刊東洋経済元編集長の勝又壽良

 困った国である。

韓国経済は、明らかに長期不況の前兆を濃くしている。

それでも韓国国会は与野党が対立しており、重要法案が宙に浮いているのだ。

韓国の国会運営は民主主義の理想型を追っており、国会の常任委員会委員長は議席数に従って配分している。

与野党が国会審議に責任を持つという建前だ。

現実は、この建前が悪用されている。

与党の提案する重要法案は、野党の反対で審議ができず採決不可能である。

韓国政治の「多数決制」は、憲法上に記されているだけで、実際は機能していない。

今年は総選挙の年である。

野党は、「待ってました」とばかりに国会審議をボイコット、「悪法を葬り去る」と気勢を上げている。

一方の政府・与党は、迫り来る経済危機に対して、手を拱いているだけである。

韓国政治は本当に機能せず、党利党略でその日暮らしになりかねないのだ。

韓国政府は、堪忍袋の緒が切れたとばかり、労働改革の2大指針を発表した。

 『朝鮮日報』(1月22日付)は、次のように伝えた。

 ①「韓国雇用労働部の李基権(イ・ギグォン)長官は22日、労働改革のための2大指針を発表した。

仕事の成果が低い労働者を解雇できることや就業規則の変更要件緩和などが柱。

政府は定年を60歳に延長する制度の定着と成果主義中心の労働市場をつくるため、今回発表した『公正人事』と『就業規則』の2大指針の必要性を強調している。

しかし、労働界は労働者を解雇しやすくなる上、労働者に不利な社内規則の変更ができるようになると強く反発している」。

韓国の労働運動は、過激という評価が一般的である。

すぐにストライキに訴えて、要求が通るまで長期ストも辞さないという意味だ。

むろん、ストライキは労働者の権利である。

労働者が不利益を被る恐れがあるならば、ストライキは労働者の権利を行使するのは当然だ。

ただ、ストライキ権の行使が、韓国経済全体にいかなる負の効果をもたらすかという、

マクロ的な視野も要求される。

韓国の労組には、その点の配慮が少なく、「労働貴族」という芳しくない異名まで取っているのだ。

2008年以前の米国労働組合は、世界最強の労組と言われてきた。

その結果、米国の製造業は毎年の高額賃上げ要求に音を上げて、発展途上国へ工場移転した。

例えば、米国の自動車産業は、工場移転で労働組合の大幅賃上げ要求が不可能になった例もある。

現在の米国労組は、いたって「穏健」な労組に姿を変えている。

韓国労粗は、自らの要求だけを通している。

その結果、他の労働者がしわ寄せを受けて不利な立場に立たされるという配慮がゼロである。

韓国では、終身雇用を前提とした賃金体系である。

長期在籍者には最大のメリットが受けられる賃上げカーブになっている。

 賃金体系を変えずに、今年から55歳定年を60歳に延長した。

これが何をもたらすか。企業にとっては支払賃金総額の膨張である。

当然、この前に賃金上昇カーブの調整を行うべきだろう。

労組がそれを拒否したのだ。

企業はこれによって、「希望退職」という名の「勧奨退職」の荒療治で対抗してきた。

実に、無益な労使の争いである。従業員の生活設計を根本から破壊する振る舞いである。

 労働生産性は、在籍年数が増えればそれに応じ、自動的に上昇するものではない。

その意味で年功序列賃金は破綻している。

欧米の賃金は、右肩上がりの著しい上昇カーブではない。

ほぼ「台形状」になっている。

こういう賃金カーブであれば、定年延長でもそれほどの総賃金増加にはなるまい。

企業ごとにその方法は異なるにしても、韓国労組は弾力的に対応すべきだろう。

 


②韓国、「ポピュリズム」経済苦難期でも国会空転「理性取り戻せ」

2016年01月30日 16時14分31秒 | Weblog

②韓国、「ポピュリズム」経済苦難期でも国会空転「理性取り戻せ」

 2016-01-30

 勝又壽良の経済時評

 週刊東洋経済元編集長の勝又壽良

 ②「政府は、『公正人事』のための解雇について、大多数の誠実な労働者は一般解雇の対象にならないと説明。

『極めて例外的に業務能力が著しく低いか、業務成果が振るわず、同僚に負担になる場合』などを解雇要件として定めた。

『就業規則』は採用、人事、解雇などに関する社内規則を指す。

現行の労働基準法では労働者に不利な就業規則の変更は労働組合か労働者の過半数以上の同意を得なければならない。

しかし、今回の就業規則指針では合理的な『賃金ピーク制』(雇用を保障する代わりに

一定の年齢以降は賃金を引き下げる)の導入について労組が協議を拒否し、

同意しない場合、『社会通念上の合理性』に基づき、就業規則変更の効力を判断できるようにした」。

 「賃金ピーク制」は、労働者の労働生産性の上昇カーブから言えば、当然の措置と思われる。

研究者であれば、年齢を取るに従い研究蓄積が増えるというメリットもあろうが、それも程度問題だ。

人間、一定の年齢に達すれば生産性向上もピークを迎える。

賃金体系がそれを反映させるのは、それほど不自然とは思えない。雇用を保障する代わりに一定の年齢以降は賃金を引き下げることは、働く側にデメリットではあるまい。

 韓国政府にも手抜かりがあった。

定年延長法案の付帯条件として、「賃金ピーク制」をつけておくべきだった。

韓国労組の戦闘的なビヘイビアから言えば、定年延長だけを手に入れて、

「賃金ピーク制」を拒否することくらいは分かっていたであろう。

 韓国の労使関係と日本のそれを比較すると、日本がはるかに労使協調的と見られる。

こういうことを書くと、すぐに反論がくる。

日本企業の従業員使い捨てを知らないのか、と。

私も経済記者を30年経験した。労働担当記者にもなっている。

それだけに、「日本の事情をしらないのか」というコメントには息を呑む思いだ。

ただ、日本の特殊例を持ち出して、それが一般的ケースとは言えない。

現に、ストによる勤労損失日数は韓国がOECD加盟国中上位にある。

 労使関係は癒着してもいけないし、先鋭な対立関係が良い訳でもない。

日本の自動車業界に例を取ると、トヨタは協調的。

日産は対立的、という構図が出来上がっていた時期もある。

これが企業業績へ顕著な影響を与えた。

日産が海外から社長を迎えた事情に影響を与えたことは事実だろう。

③「労働組合の全国組織・韓国労働組合総連盟と民主労働組合総連盟は、『2大指針は容易な解雇と労働法改悪にほかならない』と激しく批判した。

労働界はさまざまな闘争を通じ2大指針を無効化させる方針を示しており、指針の実施をめぐる労働界と政府の激しい対立が懸念されている」。

韓国の全国民主労働組合総連盟(民主労総)が、1月25日から無期限ストに入る決定をした。

「民主労総は、1月23日に非常中央執行委員会を開き、

韓国政府の『2大指針』である一般解雇と就業規則指針に反発し、

25日正午から無期限ストに突入することを決めたと明らかにした」

(『中央日報』1月24日付)。

 民主労総が、またストライキを打つという。世論は批判的である。

「ストが頻繁な蔚山(ウルサン)で実施された蔚山放送の世論調査では、80%を超える市民が労働改革を支持した」(『中央日報』2015年9月14日付)。

上記の世論調査でも、「労働貴族」のストライキに批判的である。

労組には労組の戦術があって、ストライキに踏み切るのだろうが、

国民の審判は4月の総選挙に現れる。

 『韓国経済新聞』(1月18日付)は、次のように論じた。

 ⑨「(韓国経済は)『構造改革なしにこれ以上の高成長は難しい』

『過去の光栄を考えると韓国経済は残念な水準だ』などと専門家たちの警告音が鳴り続けている。

経済状況は時間が過ぎれば乗り越えられる循環的な危機ではなく、構造的な危機だ。

何よりも政治的ポピュリズムが、百尺竿頭に立つ韓国経済の危機を増幅させている。

潜在成長率や財政安全性のような主な経済指標が、安定的に管理されないまま政界に振り回されている。

4月の総選挙を控えて労働改革・構造改革関連立法が対策なしに漂流している実情だ。

わい曲された政治が、健全な市場経済の発展を阻害している」。

韓国政治のポピュリズム(人気取り政策)は、重症である

野党は労組と共同戦術をとっているのであろう。

総選挙を目指して無期限ストを打つというのだ。

革新政党と労組の関係は一刀両断にはいくまいが、政党には政党としての国民全体に果たすべき責任がある。

それを、自らの支持母体の利害関係に振り回されるのでは、政党としての責任感に欠けると言わざるを得ない。

韓国政治には、理性が欠けているのだ。

韓国社会は、「感情8割、理性2割」が判断基準とされる。

2割の理性で韓国経済の将来を判断するのでは、余りにもリスクが大きすぎる。

李朝末期の政治も混乱していた。

感情8割で、互いに派閥の利害に憂き身をやつしていた。

清国派、ロシア派、日本派が勢力圏拡大を狙い、互いに相手を牽制して韓国の将来図を描けなかった。

現在もそれを再現しているのだろう。

理性10割で、韓国経済の青写真を描く時期だ。

困った時の「日本頼み」から脱却すべきである。

(2016年1月30日)

 

 

 

 

 

 


(28.1.29) 天皇・皇后両陛下の慰霊の旅 なぜフィリピンは激戦地になったのか!!

2016年01月30日 11時27分05秒 | Weblog

(28.1.29) 天皇・皇后両陛下の慰霊の旅 なぜフィリピンは激戦地になったのか!!

 

おゆみ野四季の道  新

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天皇・皇后両陛下がフィリピンを公式訪問し、旧日本軍将兵の慰霊の旅に出られておられる。

太平洋戦争においてフィリピンほど日本兵が無残に戦死した場所はない。

1944年10月といえばもう終戦間際で日本軍に は実質戦う余力がなくなっていたが、アメリカ軍は10万の大軍でレイテ島に上陸作戦を開始した。

当時レイテ島に は鈴木宗作中将指揮下に約2万の守備隊がいたが、装備においても兵力においても全くアメリカ軍に歯が立たず、約2か月の戦闘ののちほぼ壊滅状態になった。

慌てた大本営は急遽約6万の増援部隊を派遣したが、

当時制海権も制空権も米軍に奪われていた状態での増援だったため、

多くはアメリカ潜水艦の餌食になり、輸送船はレイテ島に到着することなく海底に沈められてしまった。


このレイテ島を巡る戦いでの日本兵の戦死率は約94%程度で、これほど高い死亡率は戦史にも例がないほどの惨状になっている。

大岡正平氏はその中で生き残ったわずかな兵隊だが、

「レイテ戦記」や「野火」という小説でこのフィリピンでの戦いを詳述している。

大岡氏としては生き残ったものの使命としてこの無謀な戦争の記録を残しておきたかったのだと思う。

野火という小説はとり残された敗残兵が互いに人肉を食べることによってやっと生きながらえているさまを記述しているが、

食料が全く途絶えた状況下でこの時の兵士がどのようにして生きていたかの悲しいまでの報告だ。

注)野火という小説の詳細な内容は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-432f.html

この時期もう日本軍に は兵士そのものが足らなくなっており、そのため多くの学徒出陣兵がこのフィリピン戦線に投入された。


学徒出陣とはそれまで徴兵が免除されていた大学生のうち、文科系学生を兵士として徴用したもので約13万人が出陣している。


明治神宮外苑で行われた出陣式は勇壮ではあったが実際はほとんど訓練もされないままに戦場に送りこまれ次々と戦死している。


その多くが戦うというよりも輸送船に乗ったまま撃沈されたり、あるいは一方的な戦力の差があるアメリカ軍に単なる鴨うちの鴨のような標的として打ち殺されたからだ。

私は数年前に長野県の別所温泉にある無名館という美術館を訪問したことがあるが、

ここには美大出身の学生で学徒出陣しそのまま帰らぬ人となった多くの大学生の遺作が展示されていた。


おそらく生きていれば日本の画壇に相応の足跡を残したであろう東京芸大等の画学生の絵の、その下に小さく書かれてあった経歴を読んで私は愕然とした。


死亡した時期とその場所が1944年10月以降で、そしてほとんどがフィリピン戦線での死亡になっていたからだ。

日本軍はフィリピン戦線で約52万人の戦死者をだしたが、これは中国戦線全体の戦死者よりも多い。負け戦になるとそこに投入される兵士はただ標的になって殺されるだけになる。


日本海軍は1942年6月ミッドウェイ海戦の敗北以来敗北をかさね、陸軍は同じく1942年8月のガダルカナルでの敗戦後こちらも立ち直ることができなかった。

日本軍は開戦後1年もたたないうちにほぼ敗北が決まってしまい、あとの3年間は単にいつ敗戦を受諾するかだけになっていた。


レイテ戦が行われた1944年になるとただ標的になるだけの存在に過ぎなく、ほとんどかなしいほどの惨状で散華した兵士の苦悩がしのばれる。

天皇・皇后両陛下は沖縄、長崎、広島、サイパン、パラオと慰霊の旅を続けられておられるが、

このフィリピンは旧日本軍の将兵52万の慰霊と同時に戦場となったフィリピン人の戦死者約100万人の慰霊に対し献花され黙とうされた。

私は両陛下がこうした慰霊の旅を続けられているのを見るたびに感動して涙がとめどもなくながれる。

 


スマホが落ち込み次世代事業は不透明…サムスン電子イ・ジェヨン体制に試練

2016年01月30日 11時11分25秒 | Weblog

スマホが落ち込み次世代事業は不透明…サムスン電子イ・ジェヨン体制に試練

2016.01.29 17:29

 hankyoreh

管理型リーダーシップは通じるか

サムスン電子の販管費と研究開発費の変化。(単位:ウォン)資料:金融監督院電子公示//ハンギョレ新聞社
 
サムスン電子は2020年までに売り上げ4000億ドル(約47兆円)、情報技術(IT)業界1位、ブランド価値世界5位などを掲げた「ビジョン2020」という攻撃的目標を2009年に発表した。
 
一時はスマートフォンの売り上げが急成長し、実現可能だという自信もあった。
 
だが複数のサムスン電子役員は、もはや達成困難であることを認める。
 
サムスンは現在の社員数を減らしマーケティング費など販売費も縮小している。
 
このためサムスン電子イ・ジェヨン副会長が2014年5月にイ・ゴンヒ会長が病気で倒れた後に
経営責任を担って選択した方法を「管理型リーダーシップ」と評価されるようになった。

28日の金融監督院電子公示によれば、

昨年から始まった構造調整でサムスン電子の社員数は昨年第3四半期(7^9月)基準で、

9万8557人から前年より1000人ほど減り、

今後はさらに減る見込みだ。

サムスン幹部は「会社の業績がよくないから仕方ない」と話す。

費用も減らしている。

2014年の販売費および一般管理費(販管費)は52兆9000億ウォンだったが、

昨年は50兆7600億ウォン(約5兆円)になり2兆ウォン以上減った。

ここに含まれる研究開発費も14兆3900億ウォンから13兆7100億ウォン(約1兆3千億円)に減少した。

社員を減らし費用削減に重点
2年連続売り上げ減少に打開策見えず
特許紛争でバイオエピスの上場延期
すぐ役立つ企業の買収にだけ関心
「集中と選択」に憂慮の声も

サムスン電子の社員数と平均給与の変化//ハンギョレ新聞社

 売り上げは2013年の228兆6900億ウォンで頂点に達した後、

2年連続で下落傾向を見せているが、これを打開する明確な展望を出せずにいる。

2010年に発表された太陽電池、自動車用電池、発光ダイオード(LED)、バイオ製薬、医療機器の五つの次世代事業の成長も遅れている。

昨年12月、サムスン電子は新たに「電裝事業チーム」を設置したが、

競争業者に遅れてしまったし、サムスン物産と第一毛織が合併する当時、今後の成長を前面に打ち出したバイオ産業もぐらついている。

バイオ新薬を開発するバイオエピスは、今年第2四半期に米ナスダックに上場する予定だったが延期され、米アムジェン社と特許紛争まで発展した。

サムスン幹部は「危機状況では生存が優先されることもある。

先導者(first mover)でなく速い追撃者(fast follower)として市場状況を綿密に注目しており、機会がある時に投資をしていく計画」と説明した。

サムスン電子の実績の推移//ハンギョレ新聞社

だがイ副会長の管理型リーダーシップに対する批判も出始めている。

匿名を希望するソウル大教授は「イ・ジェヨン体制に入り、

すぐ役立つ企業を買収することにだけ関心がもたれるようになり、

失敗の過程の中で経験を積みながら根本的な競争力を育てることを疎かにした」と指摘した。

匿名を希望する証券会社アナリストは「イ・ゴンヒ会長の時とは違い、

これから進む道を探ったり教えてくれる人が見つからず管理者だけが残った」と皮肉った。

サムスンが非主力系列社を売却する、いわゆる「選択と集中」に対する憂慮の声もある。

ソウル大のキム・ヒョンチョル国際大学院教授は

「1990年代にソニーが累積赤字により家電部門で構造調整をし、金融、映画・音楽事業に集中した結果、

総売り上げの70%を占める家電事業の構造調整で基礎固有技術と主要な人材を失った。

サムスンも費用削減はすべきだが、新たに成長する市場を探す努力をしなければならない」と話した。


韓国最大野党の代表が辞任 保守系重鎮がトップに

2016年01月30日 10時59分07秒 | Weblog

2016.1.28 00:07

韓国最大野党の代表が辞任 保守系重鎮がトップに

 15日、韓国最大野党「共に民主党」の金鍾仁氏(左)と文在寅代表=韓国国会(聯合=共同) 15日、韓国最大野党「共に民主党」の金鍾仁氏(左)と文在寅代表=韓国国会(聯合=共同)

 韓国の革新系最大野党「共に民主党」の文在寅代表は27日、代表を辞任した。

党が発表した。

党は臨時執行部の非常対策委員会を設置し、保守系の重鎮政治家、金鍾仁氏(75)が委員長に就任、事実上のトップになった。

 金氏は2012年の前回大統領選挙で文氏の対立候補だった朴槿恵候補(現大統領)の経済公約をつくった人物。

国民に成長の果実を分配しなければならないとする「経済の民主化」政策を1980年代後半の盧泰愚政権内で主張し、韓国の現憲法にこの理念を明記させた

 一方、金氏は79年にクーデターで政権を掌握した全斗煥氏(後の大統領)が組織した軍事独裁体制の中核となった「国家保衛非常対策委員会(国保委)」に参加した経歴もある。

金氏は27日、党の非常対策委員長に就任した直後、国保委の強権政治を「あってはならないことだった」と述べて謝罪した。(共同)

 


韓国大手企業の苦境

2016年01月29日 13時48分58秒 | Weblog

韓国大手企業の苦境

2016-01-29
青空のブログ

韓国の大手企業が相次いで業績悪化を報じられています。

分野は幅広く影響は大きい。
ざっといえるだけでも、

サムスン、現代自動車、現代重工業、SKグループ、

ロッテホテル、新羅ホテル、大韓航空、アシアナ航空、コレール(鉄道公社)等の厳しい業績を伝えるニュースが多いようです。


数社見てみましょう。


まず航空会社です。


ナッツリターン事件で世論の批判を浴びた大韓航空の韓国での国際線旅客シェアが

30%を割り込みました。

大韓航空の国際線旅客シェアは12年に35.6%でしたが

13年には32.6%、14年には29.3%まで下落。

中国人観光客が増え、韓国の国際線旅客数は12年の4770万2664人から13年は5099万人に増えました。

今年も増加傾向が続き、1-11月だけで既に14年通年を8.9%上回る5194万人でした。


こうした中、大韓航空は国際線乗客数が減少。

同社の国際線乗客数は12年が1699万人、13年1665万人で2%減少してます。

14年1-11月は 1523万人で前年同期を0.5%下回りました。


格安航空会社(LCC)と外国航空会社の躍進で、

大韓航空とアシアナ航空のシェアはいずれも低下し大韓航空のシェアの低下は特に目立ちます。

LCCは12年以降、中国、日本、東南アジアなどに路線を拡大し12年に7.5%だった国際線シェアが14年で11.4%です。

外国航空会社のシェアも12年は33.3%でしたが14年1 -11月は37.4%です。

専門家は中国の航空会社の成長、日本からの乗客減が大きな主要要因です。

大韓航空がマイナスとなる間、

中国南方航空、中国東方航空、中国国際航空など中国の航空大手3社はシェア拡大に成功。

3社の乗客数は12年の289万人から13年は317万人14年1-11月356万人と大幅増加してます。


大韓航空はナッツリターン、

アシアナ航空は米国での墜落事故でブランド力を下げ

上顧客であった日本とは関係悪化で不採算路線を大量に抱えました。



造船関連は悲惨です。

サムスン重工業は14年品質問題が36件起き、

13年14件を大きく上回る不良工事でドリルシップ(掘削船)9隻の引き渡しが遅延しました。

14年の受注実績は73億ドル約8730億円で、目標の150億ドルに遠く及ばなかったようです。

一方、労使関係は悪化、設立40年余りで初めて賃上げ交渉が妥結せず越年しました。


自動車部門も厳しい環境です。


現代自動車グループは18年までの4年間で80兆7千億ウォン(約8兆7千億円)の投資計画を発表。

部品工場の新設・増設や超高層ビルの建設、ITインフラの拡充など設備投資に49兆ウォン、

研究開発(R&D)に32兆ウォンを投じます。

投資額は過去最高の13年14兆9千億ウォン比35%以上と巨額です。

投資総額の約85%69兆ウォンを自動車部門に投じます。

合計販売台数が13年初めて800万台を突破したため、

さらなる販売増に向け車の競争力向上を進める戦略です。


特に、蔚山、京畿道・華城、忠清南道・瑞山など現代・起亜の国内生産拠点を中心に、

エンジンやトランスミッションなどパワートレインの生産能力を大幅に向上させる計画です。

またソウル・江南に統合新社屋となる105階建てのビルを建てると公表、

建設事業に11兆ウォンを投じます。

同グループは生産能力、品質競争力、 主要部品技術力、ブランド価値など

あらゆる面で世界市場をリードする基盤を築くと説明してます。


しかし攻撃的な投資姿勢は15年に入り一転してます。


当グループは15年に入り経常経費を年間30%減らすと発表。

現代自動車は15年に入り5月末まで327万台を販売、前年同期の339万台より3.2%減です。

ダイムラーは第1四半期販売台数が13.4%増え、

BMWは8.2%の販売増、フォルクスワーゲンも販売台数が1.9%増です。

現代自動車の営業利益率は14年第1四半期に8.95%は15年第1四半期には7.58%と1.37ポイント下落しました。


しかし競争力維持の為研究開発費は計画通り執行。

無人自動車と電気自動車、平均燃費を25%向上は進めるようです。

しかし利益率低迷の中研究開発をすれば利益率の減少は避けれません。

巨額の負債を持つ現代自動車の手元資金と営業CFがどこまで耐えられるかは微妙な環境といえます。


化粧品は韓流に乗り人気の高い商品でしたが悪化が目立ちます。


韓国の人気化粧品ブランドMISSHAの香港店が一斉に閉店。

MISSHAは04年12月から中心街の湾仔や旺角等に20店舗を運営してました。

会社の突然の廃業に驚いた香港MISSHA職員は労働部を訪れ対策を要求。

香港老公処は雇用側の雇用条例違反があれば検察に起訴するとして国債問題化しつつあります。


MISSHAを運営する韓国エイブルC&Cは香港MISSHA店舗を運営する代行会社が

本社に事前通報な く一方的に閉鎖したとしたとしてます。

現地会社と連絡が取れないとし代行会社の親企業が経営難となり、店舗を閉鎖したようだとしてます。

MISSHAは27カ国で約1300店舗を運営してます。

韓中日以外では代行会社を通じて運営しているようです。

同業者は香港・北京・上海のような中国大都市では費用急増で収益化が難しいとし、

さらに不動産・株式バブルが消え成長率が停滞し、

消費者の購買力が弱まり、中間価格ブランドが消えていると強調してます。


韓国大手企業の業績悪化の一時要因はいずれもウォン高です。


しかしその裏にある本質は好調時にシェア拡大に戦略を奪われ

高利益率で高品質をバックにする海外の安定した愛好家を確保しなかったことがあります。

代理店形態で急速にシェアを拡大しましたがメンテナンスや消費者サポートが弱い傾向がありました。

その結果購入層でリピーターを十分に獲得できていません。


輸出依存度が高い韓国でこれは将来の顧客層を大幅に且つ中長期に削ってしまう結果になります。

既に手遅れではありますが

せめて主要国に対してもっとメンテナンス網を構築する努力をするべきでしょう。