韓国の少子化と教育問題
青空のブログ
韓国の教育情熱は凄まじいものです。
しかし学術や学問が目的ではなく出世栄達が目的です。
韓国では高い教養や道徳心、
組織奉仕精神などは時間の無駄と見ている傾向があります。
李氏朝鮮時代から韓国の教育熱は西洋の紀行作家にも指摘されていますが、
目的は同じく科挙に通り、
出世するためでそのために多額の借金や賄賂を行うことは、
通例となっていたようです。
日本も目的は良好な就職先の確保が主要目的ですが、
教育現場では大学試験勉強を中核としてるわけではありません。
また大学でも就業後の実務、実利の研究を行うわけではなく、
むしろ大学生活での学問が直接就業時に役に立つことは多くないのが実態です。
日本での名門学校ほど運動会や文化祭、部活動や社会奉仕には熱心です。
高度な人格教育が中核にあり文武両道を理想とするケースが大半です。
名門学校を目指すのは大学受験の高度カリキュラムを期待するより、
優秀な同級生や教師群の中で切磋琢磨することで子息の精神的、
肉体的、協調性、組織統制力といった人間力の成長と高いレベルで繰り広げられるテスト勉強や同級生との切磋琢磨による自身の努力、就学の工夫等に期待している訳です。
しかし韓国では目的が競争に勝ち残ることなので受験戦争は幼少期から熾烈です。
費用も莫大です。
韓国消費者院の全国7地域の小学生の保護者3千人に実施した私教育(塾や家庭教師)実態調査結果では小学生1人当たりの私教育費は月平均37万ウォン(約4万円)です。
1~3年生は32万ウォン、
4~6年生は43万ウォン。
私教育費の月間世帯所得割合が1割を超える保護者は74%で全体の63%が私教育費に負担を感じていると回答してます。
私教育は英語73.5%、算数54.8%、音楽37.6%、スポーツ32.9%、国語22.2%です。
私教育回数は週3~4回38%、週5~6回34%、週1~2回19%、毎日約10%。
結果受験用勉強が中核で集団行動訓練や教養としての学問は軽視され趣味等への興味のなさを生んでます。
世論調査会社が発表した韓国人の趣味に関する調査結果を見ると如実に判ります。
最も好きな趣味は登山で14%。
2位が音楽鑑賞6%、運動・フィットネス5%、ゲーム5%です。
年齢別では40代以上では登山が最多。
10~20代では男性がゲーム、女性が音楽鑑賞です。
最も好きな運動はサッカーが18%、登山13%、野球10%、水泳8%です。
趣味で読書、組織的なスポーツ(テニスもです、サッカーはプレーする方ではなく鑑賞が中心です)をあげる人が少ない。
日本は世界でも読書量がずば抜けていますが、
趣味の上位で読書が入らない国はアジアでは多くはありません。
また韓国は部活動や下手をすれば体育すらない。
韓国の高校野球大会は存続の危機で、
100年を迎える日本の「甲子園」は依然としてプロ野球以上の人気であるのとは対象的です。
日本は高校野球選手が17万人おり4000前後の高校チームが甲子園に参加してます。
しかし課外活動は韓国では無駄と見られています。
当然文化祭や運動会は重要な行事ではなく、
HRや生徒会等の学生主体で進める組織活動も少ない。
日本はこれらで強制的に組織活動を叩き込まれ、
将来の社会組織の基礎を養い民度の向上を得ます。
韓国は訓練不足で社会全体の民度が低く、利己主義が強い問題点を抱えてます。
当然文化祭や運動会は重要な行事ではなく、HRや生徒会等の学生主体で進める組織活動も少ない。
日本はこれらで強制的に組織活動を叩き込まれ、将来の社会組織の基礎を養い民度の向上を得ます。
韓国は訓練不足で社会全体の民度が低く、利己主義が強い問題点を抱えてます。
しかし教師は韓国では羨望の職業で
退職教師は月300万ウォン以上の年金で休みがあり、
最大3年の育児休暇もある。
しかし韓国人には苦痛な職業のようです。
米・英・フィンランドなど先進国では教師の権限が大きく授業に全権を与え教科書まで自作し教えることができます。
教育に権限がある代わりに3~10年毎に教員評価により教師資格を更新させるなど
厳格に評価されてます。
先進国の中で教師になれば定年が保障される国は韓国しかない。
13年OECD21カ国の生徒の調査結果では韓国では教師を尊敬するという回答が11%で最低でした。
教師だけが生徒を評価するのではなく生徒も先生を評価してます。
韓国では教師が生徒からも両親からも社会からも低い社会評価を受けているようです。
しかしそれに比して待遇が相当高水準なので社会反発を受けているのでしょう。
韓国での子育ては客観的に見ても苦痛しか感じない。
結果少子化が凄まじいペースで進んでます。
不景気で成績優秀者でも容易に就業できないこと
(韓国の青年失業率は10%以上、実質失業率は30%以上)、
幼少期から教育に費用が掛かり少子化は日本以上に深刻です。
この10年間に小学生数が3分の1以上急減。
更に中学生も人口減少してます。
教育統計年報では14年の小学生数は272万9千人で10年前411万6千人比33.6%減少です。
中学生数も04年に193万3千人から14年171万8千人で11.1%減少してます。
高校生数も2年で5万4千人減少し183万9千人。
韓国は99.7%が高進学率であり学生数減少は出生率1.19人の低下による。
しかし同期間に小学校は5541校から5934校に393校7%、中学校は298校10%、大学は2114校から3279校に55%急増。
韓国統計庁は2年後の17年には15~64歳の生産可能人口が減少に転じ
少子高齢化はベビーブーム世代が高齢者世代になる20年より深刻化すると分析してます。
勝ち抜いてきた青年層は協調性や組織同調性に難がありますが、
目的に対して手段を選ばず、労苦を問わず猛烈力は高い。
語学も堪能で単独の労働者能力は世界トップクラスでしょう。
しかし組織人としては弱点が多い。
自負心が高く内外に敵対者を作りやすく、差別意識が強い。
自身の努力に絶対の自信を持つが故でしょうが、
チーム力を生むには自制心と謙虚さが足りない傾向があるようです。
あくまでステレオタイプの評価ですし日本からすれば使いづらい人材ですが、
西欧各国ではむしろ合致するかもしれません。
個別能力では日本人はかなわないレベルですが、
組織であれば対抗は可能です。
韓国の問題点は、
青年層の教育手法がほぼ全て同一で帝王学のトップ意識を持つ人材が中心である点です。
この為産業基盤になる労働者、職人、対面サービス業人員に向く人材が圧倒的に不足しています。
この結果韓国は製造業では商品の開発力や広告、マーケティング能力では高い水準の成果と突破力を発揮します。
しかし大量生産品の物流や高品質の安定生産、メンテナンス、アフターフォロー網の構築は苦手です。
韓国の製造部門での生産効率性は先進国中世界最低水準です。
職人軽視の儒教文化も影響していると思われますが、
安定した品質を中長期的に提供するシステムの構築ができていません。
安定した品質の提供力は実際のところ国民の民度、組織貢献意欲、教養の高さに影響されます。
日本は義務教育に関しては明治より100年以上、
大衆教育については江戸時代から長年をかけ、構築してきました。
韓国の大衆教育は70年前後で質、体系、教育哲学とも韓国らしさを確立できてない。
まずは民度向上と教養向上を図ることが重要なのではないかと感じます。