平成太平記

日常の出来事を書く

韓国の躍進と日本の優位性

2012年10月29日 23時46分49秒 | Weblog
韓国の躍進と日本の優位性
                   呉 善花(拓殖大学国際学部 教授)


 「韓国の躍進に対する日本の凋落」ということが盛んにいわれている。少なくともメディア上では、であるが。それはともかく、韓国の業界再編成によって生みだされた巨大独占企業による海外への集中的な資本投資が、功を奏しているのは確かである。
これを背景に、今のところは徹底した現地化による海外販売戦略が成功しているといえるだろう(サムスン電子やLGの海外売上高比率は優に8割を超える)。
  韓国の代表的企業サムスン、LG、ヒュンダイなどが、これほど海外に活動の場を獲得できているのは、なによりもまず国内に同一業種の競合企業がほとんどないためである。
それに対して日本では、多くの企業が同じ土俵のなかでしのぎを削りあっている。たとえば、日本では自動車は10社ほどが、携帯電話は6社ほどが国内で競い合っているが、韓国ではいずれも2社で国内市場を圧倒的に独占している。
また、日本最大の企業トヨタの売り上げのGDP比は3.9%にすぎないが、韓国最大の企業サムソン電子の売り上げのGDP比は13%もあり、ヒュンダイ、LGを入れると3社で実に20%ほどとなる(いずれも2009年連結決算)。
  国家政策によるこうした極度の寡占化によって、韓国の大企業は国内で上げた利益を研究開発、設備投資、海外市場開拓などに心おきなく回すことができる。この点で韓国の大企業は、日本の大企業よりも断然有利な条件を手にしているのである
  ということから、これでは韓国には追いつけない、日本も韓国のように業種別に企業統合を推し進め、海外への集中投資を強める戦略へと転換を計らなくてはならない、という主張が出てくることにもなっている(『日本経済新聞』2010年3月4日の社説など)。
 それでは韓国経済に悩みがないかといえば、そんなことはない。正反対だとさえいえるのである。   ウォン安頼りの極端な輸出依存体質(2010年でGDPに占める割合43.4%)、海外借入金とGDPがほぼ同じという借金漬け自転車操業体質、国内で稼いだ利益を海外へ投資し海外で得た収益を海外に留め置いて国内を潤さない歪んだ収益構造。

巨大企業と一般企業との賃金格差の著しい拡大、時間あたりの労働生産性の低さ(日本の約4分の1)、石油消費効率のあまりにもの悪さ(OECD 加盟国中最低)など、目白押しの状態である。

  韓国経済はこのようにたくさんの悩みを抱えているのだが、なかでも最も大きいのは、独自の高度技術がないことをめぐる諸問題である。


 たとえば李健煕(イ・ゴンヒ)サムソン電子会長は「外見では三星(サムソン)がリードしているように見えるかもしれないが、中身(部品)で日本に追いつくためには、まだ多くの時間と研究が必要だ。

 学ぶべきことは多い。ずっと学んでいかなければいけない」と率直に語っている(『中央日報』2011年1月11日)。
これはけっして「外交辞令」などではない。切実なる本音である。ここに韓国企業最大の弱点があり、いつまた経済危機が訪れるかもしれない状況から容易に離れられない根本的な要因がある。

それは何かといえば、経済成長初期時代から今に至るまで続いている、独創的な技術が開発できずにキャッチアップへと向かう体質である。

  韓国は当初から、独自技術が弱いために主として日本から資材や部品を輸入し、日本から輸入した工作機械で組立てて製品を作り輸出してきた。

この構造に今なお変わりがないため、依然として韓国は輸出で稼ぐ一方で膨大な対日貿易赤字を年々増やし続けており、容易に資材コストの削減ができず、独自技術が発展しないというジレンマから脱却することができていない(2010年の韓国貿易黒字約3兆3800億円に対して対日貿易赤字は約2兆8300億円で過去最大を記録している)。

  こうした基幹部品を海外に頼る構造は、韓国企業のあらゆる分野に見られる特徴であり、国内で生産できても大きな特許料がかかってくることになる。
 

 たとえば、液晶テレビの基幹部品でみると、偏光板やカラーフィルターでは日本企業が世界市場の70〜75%を占めており、ガラス版では日米企業で95%、液晶では日独企業で80%という占拠率である。

それに対して、たとえば半導体の非メモリー分野での核心部品の韓国国産化率をみると、8分野のうち4分野で0%という状態である。そのため、サムソン電子やLGが支払う特許料は膨大な額におよぶ。

これが特許侵害事件を多発させることにもなっていて、1999年以降に「米国に支払った制裁金が多い企業10社」のうち4社が韓国企業である(2010年「全世界国際カルテル罰金順位現況」)。
 

製作技術に劣り、技術的な創造性に乏しい韓国企業は、いうまでもなく後発企業に追いつかれやすい。たとえばこの4年の間に、韓国が世界1位を誇っていた21品目で中国に1位の座を奪われている。

現在の韓国企業は、低・中級技術製品では中国やインドに追われ、高度技術製品では日本に追いつけないという、前後からの挟撃状態にある。韓国の大企業はいずれも、ここから脱出していくことができない限り、「先がない」ところへ追いつめられているのが現状である。 

韓国企業の生産の中心は、低・中層所得者向けの家電・自動車などの生活スタンダード製品であり、なによりも価格競争力の強さで日本をしのいでいる。

それに対して日本の高度技術製品は、真似のできない技術的ブラックボックス化によって、非価格競争力がきわめて強く、したがって高価格が維持でき、しかも技術的に韓国・中国・台湾などの企業が容易に追いつけない位置に立っている。

  現在のアジア工業製品生産世界に起きていることは、高度技術製品(素材、部品、装置)の日本への特化、低・中技術の最終組み立て製品の韓国・台湾・中国への集中という動きである。


新興国が勃興している当面の課題では韓国・台湾・中国が優位だが、近い将来の課題では日本が圧倒的に優位に立っていることはいうまでもない。

  戦後日本の産業社会はその全盛期にあって、工業化推進を軸とする商品集中市場を形づくってきた。産業化推進時代の生産は、生活スタンダード製品を全国的に、さらには世界的に普及させていくことが中心であった。

その大規模かつ長きにわたる展開が、国内の交通や水光熱など各種の生活インフラを整備・充実させ、また文化、教育、医療などを充実化させてきたのである。

  現在、韓国が、それに続いて中国が取り組んでいるのは、そうした産業化推進時代における国をあげての生産活動である。韓国・中国の本当の意味での豊かな社会への躍進は、その先に待ち受けている未踏の課題といかに向き合うかにかかっているのである。


  しかし日本ではすでに豊かな社会を形づくり、生活スタンダード製品が普及し終わった後を受けての、より快適な文化と環境を生み出す生産が中心となっている。

そしてこれが、これからのアジア諸国を含めた世界的なテーマとなっていくことに疑いはない。

さまざまな文化を演出できる多彩な空間を生み出し、豊かな生活空間としての社会環境・自然環境を生み出していく生産、それがこれからの社会に求められている企業活動である。現在から将来へかけての、文化、環境、医療、インフラ、もてなし、観光などのビジネス分野での牽引車として果たすべき日本企業の役割はすこぶる大きいといわなくてはならない。







韓国サムスン電子が抱える構造的な弱点

2012年10月29日 23時10分50秒 | Weblog
韓国サムスン電子が抱える構造的な弱点は「技術開発が苦手」- 週プレNEWS(2012年9月25日13時00分)

今年1~3月期におけるスマホ・携帯電話出荷台数で、世界ナンバーワンのシェアを獲得したのが韓国のサムスン電子だ。
アップル(アメリカ)、ノキア(フィンランド)、RIM(カナダ)、HTC(台湾)などと並ぶこの分野でのトップ企業であるサムスンだが、総合電気機器メーカーとして見ても、世界有数の巨大グローバル企業として知られている。

だがそのサムスンにも“構造的な弱点”があると、家電ジャーナリストのじつはた☆くんだ氏が指摘する。
「工業製品作りに絶対欠かせない製造機械(切削工作機械)は世界の製造業の根底を支える“根”にあたる技術の部分ですが、その製造は日本とドイツの2ヵ国で約50%、さらに、猛追する中国にアメリカとイタリアを足した5ヵ国で80%を占めているのです」


かつては、白物家電やAV機器など総合電子機器メーカーとして幅広く展開していたサムスンだが、2000年代に入ってからは、半導体や液晶などIT系の先端技術に資本を集中投下。
それによって現在の地位を築いたわけだが、実はそこにこそサムスンの弱点があるという。

「地道に技術を積み重ねた精密加工機械や精密測定器なくして、世界のメーカーは新製品を生産することができません。実際、iPhoneやiPadなど超高精度&高密度製品の本体加工も、日本メーカーの機械を使わないとできない。
今後、スマホやIT機器などが小型化、高密度化されればされるほど、その需要は増えるでしょう。ところが、サムスンはデジタル一眼のレンズ研磨加工や放送用マイクロフォンのミクロ単位のリブ加工など、超精密加工の分野を苦手にしています」(じつはた氏)


なぜサムスンは、そういった分野での技術開発に力を入れないのか?
「企業内研究のサイクルが短いサムスンには難しいのでは。目先の利益に結びつかない研究者はさっさとクビ。研究期間は4年が限度。サムスンが特許訴訟を多く抱えるのも、成果を急がせるがゆえ、既存の発明の上塗りや、開発途中で、結論が出ないままでの出願が多いことが理由だといわれています。

開発と熟成に最低でも10年単位の時間が必要な精密加工機械の分野に手を出す余裕はないと思います」(じつはた氏)

だが、現在サムスンが世界の電気機器メーカーのなかで築いている半導体や液晶での優位性は、すぐには揺らぐものではないように思えるのだが……。大手証券アナリストのA氏が、この見方を否定する。

その優位性が薄氷にすぎないということはシャープが証明しましたよね(苦笑)。この業界は、昨日の最先端が明日の普及品となる日進月歩の世界。イノベーションをアップルと、半導体性能と価格を中国、台湾メーカーと競わねばならないサムスンは、資本勝負の“二面戦争”を強いられることになります」
構造的な弱点を抱えたサムスンは、現在アップルと係争中の多くの裁判で勝利しない限り、前途は厳しいといえる。


米アップル、標準品で「サムスン切り」鮮明

2012年10月29日 22時54分03秒 | Weblog
米アップル、標準品で「サムスン切り」鮮明
朝日新聞デジタル
2012年9月14日5時1分

 米アップルは13日(米国時間12日)、新型スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)5」を発表した。機器の心臓部となる半導体を新型「A6」プロセッサーとして、韓国サムスン電子にこれまで通り製造委託した。

世界中で特許訴訟を繰り広げながらも機器メーカーと部品サプライヤーという関係は維持した形だ。しかし、標準品では「サムスン切り」を鮮明にしつつある。電機業界を席巻したサムスンの“終わりの始まり”になる可能性がある。

 8月下旬以降、「5」のお披露目の時期が世界中で焦点になっていたが台湾は違った。すでに「5」の次に話題が移っていたからだ。

 9月初旬に台湾で開催された半導体関連の見本市「セミコン台湾2012」の会場。世界最大の半導体受託製造の台湾TSMCがアップルから次世代プロセッサーを受注したとのうわさが駆けめぐった。

現地紙の報道では、TSMCは2013年にチップの回路線幅に20ナノメートル(ナノは10億分の1)の先端プロセスを適用して同プロセッサーの量産を開始するという。

 アップル側の認可も受けており、13年上期にはラインが完成するもよう。また、TSMCは13年に同社として過去最大となる100億ドル(約7800億円)の設備投資を計画しているとの報道もある。

 これまでアイフォーンやタブレット端末(携帯型情報端末)「iPad(アイパッド)」のプロセッサーはサムスンが供給してきた。ただ、10年に米グーグルの基本ソフトを搭載したスマートフォン「ギャラクシーS」を投入したことで、サムスンにとって、アップルが顧客であり競合にもなった。難しいかじ取りを迫られている。

 アップルとサムスンの訴訟合戦は泥沼化したが、サムスンは着地点を模索してきた。金額ベースでアイフォーンの部材の3割を供給するとの試算もある最大の顧客だからだ。

 ただ、アップルはサムスンへの依存度低下を急ぐ。韓国紙の報道によると「5」は標準品でサムスンを排除した。アイフォーンの記憶媒体(メモリー)は、サムスンからエルピーダメモリと東芝、韓国SKハイニックスに切り替え、また液晶パネルもサムスンから韓国LGディスプレイとジャパンディスプレイに切り替えたという。
 

 「5」で新たに採用した新型プロセッサー「A6」もサムスン以外に発注するという観測が流れた。半導体製造装置企業の幹部は「契約の関係もある。標準品ほど短期間での入れ替えが簡単ではない。だが、近い内にプロセッサーも切り替わるのは確実」と指摘する。

 半導体大手はサムスンと東芝を除けば専業企業が大半。垂直統合を顧客が敬遠したり、機敏な投資が難しかったりするためだ。「総合型」の数少ない成功例としてサムスンは拡大を続けたが、機器事業の拡大でアップルという壁にぶつかった。

 日本のメーカーを抜き去り「総合電機の雄」となったサムスン。そのけん引役が半導体事業であるところは広く知られる。「5」の売れ行きは現時点では不透明だが、サムスンが岐路に立たされていることは確かだ。

財閥企業が躍進すればするほど韓国人へ富への分配は進まず、韓国人は貧しくなる

2012年10月29日 09時05分45秒 | Weblog
韓国次期政権ウォン安政策から転換へ~通貨安の負の効果が膨張
 

 日経新聞はこれまでウォン安誘導により、韓国財閥企業の輸出政策を評価してきたが、その失政を認める記事を発表した。ウォン安になれば当然石油製品等の輸入製品は高くなり、輸入物価の上昇によって海外に流出した所得(交易損失)は、2011年に65兆8200億ウォン(約4兆7000億円)と前年比6割増えた。購買力を表す実質国内総所得(GDI)は同1.3%増に留まり、韓国内の内需は冷え切ったままだ。

 報道では、4~6月期の国内総生産(GDP、速報値)は実質で前期比0.4%増えた。伸び率は2四半期ぶりに縮小し、前期の0.9%から半減となった。欧州債務危機を背景とした世界経済の後退に伴い、最大のけん引役である輸出が不振だった。個人消費や設備投資の低迷にもつながり、韓国景気の減速感が一段と鮮明になったという。もちろん景気悪化は日本も他人事ではないのだが、内需のてこ入れはしてもいいと思う。 
 

本来であれば、海外で儲けた富を韓国内で配分すれば随分と変わってくるが、実質そうなっておらず、李明博政権に対する反駁の1つだ。
 日経新聞によると、最大野党の民主統合党が「1%の大企業の利益のために99%の庶民が苦しめられている」と李政権を強く非難。与党セヌリ党(旧ハンナラ党)と拮抗する支持を得ているというが当然だろう。そして当のセヌリ党も次期政権は、庶民層の支持獲得へ「国民生活重視」へ経済政策のかじを切っている

 
 

このままインフレが続き、富の分配が進まなければ政権は当然不安定になる。ウォン安という麻薬によって財閥企業は成長したが、経済に向けられた不満が反日政策だけでは収まらず今後、韓国の政局は左回転する可能性がある。今度の韓国での総選挙ではセヌリ党への失望感が高まり、野党への支持が集まる可能性もある。
 
 
韓国の財閥企業が躍進すればするほど韓国人へ富への分配は進まず、韓国人は貧しくなる。こうした二極化された社会は、中世社会の残滓を見ているようだが、一向に韓国の一般大衆に韓国の富が還元されないことになれば、韓国人の憎しみは財閥企業だけではなく現政権にも向かうことになる
 


日本と言うよりも世界でも似た傾向になるのだが、機会が与えられず低賃金として雇用されている光景を見ると、世界的に中世社会への回帰が見て取れるのだが韓国社会はその傾向が一層強い。こうした政策はいつまでも続くはずもない。

 
 
 そういえばウォン安が進行して以降、日本で元気な韓国人の姿を見るのがめっきり少なくなった。中国でも同様だ。一時期は、「アレ韓国人だね」と思うほど韓国人の姿はどこでも見ることが出来た。しかし、今はその主役は中国人にとって変わられた。
 李明博政権時代に続けられてきた「ウォン安」政策がようやく見直される時期がやってきた。実は、内需を拡大するというのは、韓国にとって最後のチャンスであり高度成長時代なのだ。国民の生活が第一というスローガンは、別に日本国民のものだけではなく韓国民にとっても重要だ。12月以降の次期政権の舵取りに期待したい。


所得下位20%層、収入の43%を債務返済に

2012年10月27日 22時03分01秒 | Weblog
所得下位20%層、収入の43%を債務返済に
2012/10/26
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
 
 日雇い労働で月に70万-80万ウォン(約4万8500-5万5500円)を稼ぐアン・ミンチョルさん(40・仮名)は最近ため息をついてばかりだ。2年前に生活苦で離婚したが、今でも借金漬けだからだ。小さな部屋を借り、生活費に充てるためにあちこちからかき集めた借金が2000万ウォン(約139万円)を超えた。

 貸金業者、個人からの借金は、金利が年20-30%に達する。アンさんは「どんなに稼いでも80万ウォンの収入しかないのに、利子だけで30万ウォンが出ていく。元金の返済できるめどは立たず、生活に余裕がある親戚が頼ろうかと悩んでいるところだ」と話した。
 
 統計庁がまとめた昨年の家計金融調査結果を本紙が分析したところ、アンさんのように所得下位20%に属する貧困層351万世帯のうち、116万世帯が借金を抱えており、そうした世帯では所得の43%を債務返済に充てていることが分かった。
 

 所得層を問わず借金がある世帯全体の収入に占める債務返済額は平均20%だが、その2倍を超える数値だ。
平均年収は733万ウォン(約51万円)なのに対し、債務返済額は年間312万ウォン(約22万円)に達する計算だ。借金を返すと、生活費として使える資金は年間421万ウォン(約29万円)で、月当たり30万ウォン(約2万1000円)余りにすぎない。
 
 所得下位20-40%の層(209万世帯)でも収入の32%が債務返済に消えている。
金融専門家は、正常な生活を営む上で、収入に占める債務返済額の割合の上限は30%だと指摘する。それを基準にすると、所得下位40%のうち、借金がある325万世帯は生計を営むのが困難な水準にあることが分かる。
 所得が少ない層ほど、金融機関が融資を渋るため、債務を抱える世帯の割合は低い。所得下位20%のうち借金がある世帯の割合は33%にとどまっているが、所得が高いほど借金がある世帯の割合は高く、所得上位20%の世帯では77%に達する。
 問題は、貧困層は借金をするのは難しく、一度借金をすると、所得に対し返済負担が重くなり、正常な生活が困難になることだ。

 貧困層の重過ぎる債務負担は、首都圏で特に深刻だ。首都圏の所得下位20%の世帯のうち、借金を抱える52万世帯は、所得の64%を債務返済に充てていることが分かった。首都圏では住居費や物価水準が相対的に高いためだ。

 所得が高い層は、借金があっても、所得に占める割合ははるかに低いことが分かった。所得上位20%の世帯では、所得に占める債務返済額の割合は16%にすぎず、上位20-40%の層でも23%だった。韓国開発研究院は「所得上位40%による債務規模は全体の4分の3を占めるが、この層の所得を考えれば、不良債権化のリスクは低い」と指摘した。
 
 結局、韓国経済の弱点である家庭の債務問題は、貧困層の連鎖的な破産という形で表面化する可能性が高い。このため、低所得層の債務問題がさらに悪化する前に対策が急がれる まず指摘されているのは、低所得層の債務の利払い負担を軽減することだ。尹暢賢(ユン・チャンヒョン)金融研究院長は「低所得層の個々人の債務規模は小さいが、債務返済負担で基本的な生活すらできなくなり、借金が借金を呼ぶ悪循環に陥ることが問題だ。
利払い負担を大幅に軽減する方策を検討すべきだ」と指摘した。尹院長は「庶民向けの金融商品を活性化し、貸金業者や個人金融による高利の借金の借り換えに道を開くことも一策だ」と提言した。

 このほか、現在年39%と定められている貸金業者の最高金利を引き下げるべきだという主張もある。金融当局の幹部は「上限金利を引き下げれば、貸金業者が融資を減らし、むしろ庶民の資金確保が困難になるとの主張もあるが、優良貸金業者は調達金利が低く、金利を引き下げる余力がまだある」との認識を示した。
 崖っぷちに追い込まれた低所得層の一部は、元利金の返済を減免する制度を検討すべきだと主張する。金融当局は最近、銀行別に低所得層の利払い負担軽減、返済繰り延べなどを活発化するよう勧告した。


「ウォン高円安」におびえる韓国企業

2012年10月27日 16時40分34秒 | Weblog
「ウォン高円安」におびえる韓国企業
朝鮮日報日本語版 10月27日(土)
 ここ数十年、韓日両国の通貨は「ウォン安円高」の流れが続いてきた。これは輸出で韓国が日本に対して有利な立場に立つことを意味するもので、韓国経済発展の原動力となってきた。

 ところが10月に入るとこの流れが変わり始めた。ウォン高が進む一方で円安が進行しているのだ。25日に年初来高値を更新したばかりのウォンは、26日のソウル外国為替市場でも前日より1.2ウォン高い1ドル=1097ウォンを記録。
わずか1日で年初来高値を再び更新して取引を終えた。この結果、9月30日の時点で1ドル=1111ウォンだったドル-ウォンのレートは、わずか1カ月で14ウォンも高くなった。この期間、逆にウォンが安くなったのはわずか4日。一方の円は9月末時点で1ドル=78.0円だったのが、26日には79.9円と2円ほど安くなった。

 為替の変動を見詰める韓日両国の表情は対照的だ。韓国の財界はただでさえ海外市場の不振が続いている中、為替までウォン高に触れてきていることで、新たなマイナス要因にならないか焦る一方、日本ではこれまで経済不振の大きな原因だった円高が一息ついたことで、景気回復への期待が高まっている。

ソウル商工会議所は17日、孫京植(ソン・ギョンシク)会長(CJグループ会長)を中心に主要グループの関係者による会議を開催し、その中で現代自動車の金億兆(キム・オクチョ)副会長やLG化学の金磐石(キム・バンソク)副会長などは「最近になってウォン高が急速に進み、輸出企業にとって見過ごせない状況となっている。

1ドル=1100ウォンのラインは絶対に守らねばならない」との点で意見が一致したが、結局25日にはこのラインを突破した。日本経済新聞は25日付で「円高が一服した一方でウォン高が進み、日本企業にとって大きなチャンスになるかもしれない」としながらも「韓国の通貨当局はいつでも外国為替市場に介入できるため、決して楽観はできない」としている。

 韓国の通貨当局は26日、取引時間中にウォンが一時1ドル=1094.9ウォンの年初来高値を更新すると、昨年10月以来の口先介入を行った。通貨当局の関係者は「外国為替市場で行きすぎた偏りが出始めている。市場の期待がウォン高という一つの方向に偏るのは望ましくない」とする警告のメッセージを発した。

市場ではこの日、通貨当局が小幅のドル買い介入も行ったとみている。企画財政部(省に相当)のある幹部は「ウォン安円高というこれまでの流れが反対方向に転じたとみるのはまだ早い。円の動向についても鋭意注視している」とコメントした。
■10月以降流れが変わったウォンと円

 ウォン高の要因として考えられるのは、世界の3大格付け会社が韓国の国家信用等級を相次いで引き上げたことに加え、韓国では不況とは言いながらも経常収支の黒字が続いているからだ。

 これに対して円は日本が積極的な金融緩和を続けている影響で、9月末以降は円安傾向が続いている。JPモルガン・ソウル支店のイ・ソンヒ支店長は「米国の量的緩和で国際金融市場にドルがあふれたため、日本の通貨当局はさらなる円高を阻止するため、追加の金融緩和に乗り出すとの見方が市場では広まっている」と述べた。日本銀行は9月初めに10兆円の金融緩和を発表した。これには日本の貿易収支が9月までの3カ月連続で大幅な赤字を記録したことも作用している。

 市場では円安がさらに進むとの見方が支配的だ。野村証券は年末までに1ドル=82円まで安くなると予想している。

■緊張が走る財界

 韓国の自動車メーカー各社はここ4年間、ウォン安円高に伴う価格競争力向上の恩恵を受けてきた。トヨタや日産、ホンダなど日本メーカーが殺人的な円高で価格競争力が低下する一方、韓国メーカーは日本メーカーに対して30%ほど価格競争力で優位に立ったとみられる。

ところがこの状況を支えてきた為替が変動した場合、韓国メーカーにとって大きな影響は避けられない。現代自動車の関係者は「ウォン高の影響で一部では売上低下をまねく可能性はあるが、かつて2007年に1ドル=900ウォン台を経験し、その時に企業体質が改善された」「今後も動向を注視しながら、全社レベルでの対策を取りまとめていきたい」と述べた。

 自動車と同じく、日本メーカーと激しい競争を繰り広げている家電やIT(情報技術)などの業界も緊張している。サムスン電子はウォン高により、7-9月期の営業利益がおよそ5700億ウォン(現在のレートで約413億円、以下同じ)減少した。
当初の業績見通しは8兆6900億ウォン(約6500億円)だったが、実際はウォン高の影響で7%ほど少ない8兆1200億ウォン(約5900億円)にとどまった。サムスン電子の関係者は「輸出先が100カ国以上あり、取り扱う商品も非常に多岐にわたるのため、以前のように『為替の変動で利益がいくら減少した』という形の計算は難しいが、ウォン高で事業環境がやや悪化したのは事実だ」と述べた。

 一方で大韓航空のように外貨建て負債が多い企業は帳簿上の負債が減り、金利負担が減少するなどウォン高の恩恵を受ける。原油などエネルギーを多く輸入する業種もウォン高が有利に作用する。


韓国にL字形沈滞の恐怖…第3四半期の成長率1%台の見通し!!

2012年10月27日 10時32分05秒 | Weblog
韓国にL字形沈滞の恐怖…第3四半期の成長率1%台の見通し!!2012/10/24
(中央日報)
ソウル・江南(カンナム)駅付近で飲食店を営業するするイさんはこのところ廃業を考慮している。昨年よりお客が30%ほど減り損失が積もっているからだ。流動人口が多く立地の良いところであるにもかかわらずだ。

路上景気はイさんが商売を始めた7年前から着実に悪化している。だが、その速度が最近になってどんどん速くなっているというのがイさんの考えだ。彼は「近隣企業の会食が大幅に減り2次会もほとんど消えた。良くなるだろうという期待もほとんどあきらめた状態だ」と話した。

「2%台は不可能だ」。26日に発表される第3四半期の経済成長率に対する韓国銀行内部の観測は暗鬱だ。昨年第4四半期の3.3%から今年第2四半期に2.3%に低下した国内総生産(GDP)増加率は、第3四半期には1%台まで低くなるのが確実ということだ。

韓国銀行は最近独自の見通しで第3四半期の成長率を1.8%と予想した。韓国銀行関係者は、「輸出と内需、生産と消費が前四半期より良くなったとはいい難い。景気の底打ちが遅れる中、回復時期を予想するのも難しい」と吐露した。


韓国経済が低成長の泥沼に陥っている。外では金融危機、中では少子高齢化と二極化が重なっているためだ。単純な不景気ではなく日本型長期不況の前兆という警告も増えている。
懸念の中心には成長率の下落がある。

韓国銀行は最近韓国経済が今年1年で3%成長するとしていた見通しを2.4%の成長に修正した。来年の成長率も3.8%から3.2%に引き下げた。韓国銀行関係者は、「3%台後半の潜在成長率(物価不安なしで達成可能な最大の成長率)に満たない低成長が来年まで続くだろうという意味」と説明した。ドイツ銀行など一部投資銀行は韓国の来年の成長率を2%台に下方修正している。

さらに大きな問題は沈滞の速度だ。実体指標の下落傾向に加速度がついている。特に韓国経済を支える輸出エンジンが冷めている。ウリィ金融経営研究所マクロ分析室キム・ジンソン室長は、「昨年20%近く増えた輸出が今年は9月までで1.5%の減少に反転した。第2四半期にマイナスに転じた後減少幅が大きくなっているのがさらに心配だ」と話した。

輸出減少は内需不振に直結する。消費のバロメーターである大型マートとデパートのお客が減っている。流通業界関係者は、「消費心理がどれだけ冷え込めば金融危機当時にも増えていたデパート売り上げが減るだろうか」と反問した。韓国銀行によると、企業在庫を含む内需増加率は2010年の7.3%から昨年は2%に鈍化した。

次は雇用と働き口だ。世界1位の造船会社の現代(ヒョンデ)重工業は会社創立後初めてとなる希望退職を22日から受け付けている。ルノーサムスン自動車など製造業者と証券会社を中心とした金融業界も大規模な希望退職を実施したり準備中だ。

LG経済研究院のシン・ミンヨン部門長は、「統計上では雇用が増えたとみられるが、質的には悪化している」と指摘した。給与と生産性が低い50~60代を中心に雇用が増加しているからだ。シン部門長は、「比較的安定的といえる賃金労働者が減り、臨時職・自営業者が増え国民の不安感が大きくなる状況だ」と付け加えた。

こうした悪循環が低成長に固定化される可能性も大きくなっている。潜在成長率が急速に下落している中で新たな成長動力をなかなか見つけられないためだ。国会予算政策処は、「韓国の潜在成長率は2004~2007年の年平均4.4%から2008~2011年は3.9%に下がり、2016年まで3.7%にとどまるだろう」との見通しを示した。

急速な高齢化にともなう生産性低下と設備投資不振のせいだ。韓国外国語大学のイム・ギヨン教授(国際経済学)は、「金融危機当時まで世界平均より速く成長していた韓国が、これからは平均よりゆっくり成長するという意味」と評価した。
海外の見方も変わらない。経済協力開発機構(OECD)は2000年代初めから半ばにかけて4.39%だった韓国の潜在成長率が2018年以後2.4%、2031年以後は1.05%まで落ち込むと予想している。

現代経済研究院のユ・ビョンギュ専務は、「内外の環境が悪化すれば2%の成長率が持続する“L字形沈滞”に陥る可能性がある。









財閥栄え、庶民滅ぶ

2012年10月27日 09時34分07秒 | Weblog
経済関連、あれこれ
http://ameblo.jp/sincerelee/
2012-10-26
テーマ:財閥栄え、庶民滅ぶ
前にも書きましたが、「中国が成長を維持するには年8%成長が必要」という「説」があります。

実際、2年前だったかな?イギリスだったかシンガポールだったか忘れましたが、「7.5%成長でも千万の単位の失業者が発生する」という海外のマスコミからの指摘もありましたし、根拠のない話でもないみたいですが、だからといって「具体的に説明して」と言われると、エントリー削除して逃げるしかありません。

韓国の場合、同じく「それっぽいけど根拠は分からん」ということで、「成長を維持するには4%必要だ」と前々から言われています。
その韓国ですが、最近「2.4%」成長という展望が出て、しかも今日発表された3分期(6~9月)GDP成長率は前期比で+0.2%。


「2.4%も達成できないんじゃないの」という意見と、「李明博のことだから誤魔化して2.4%にはするだろう」という意見が多いようです。

結果は相反しているのに何故かどちらも否定的に見えますね。

既に「L字成長の時代」に入ったことを認め、それに合わせて戦略を立てるべきだという現実的な意見を出す人たちもいますが。
LG「ぼくの時代だと?本当か?」

そして、実に長く続いたウォン安・円高の基調が揺れているのも、輸出企業(といっても相応の得をしたのはサムスンとヒュンダイ車だけですが)メインに全てを犠牲にしてきた現政府の流れから見ると、また一つの時代が終わるのか、という印象です。選挙まで2ヶ月切りましたしね。

こんなニュースがありました。
SBS(地上波放送局)ニュースですが、「生活苦のせいで、積金や保険を破る(中途解約する)人が急増している」、とのことです。
国民・シンハン・ウリ・ハナ銀行など4行の銀行を調査した結果、今年(6月まで)に顧客が解約した定期積金口座は116万9527個(前年同期+30%)。

また、保険を解約する人も急増しているうえに、二ヶ月以上保険料が払えず「自動解約」される場合も多いそうです。主な損害保険会社4社の貯蓄性保険解約件数は今年に入って25万3000件(前年同期比で+40%)。

件数はともかく、+30%だの+40%だのって、保険会社は大丈夫でしょうか?
こういう保険商品は中途解約すれば、元金に損失が発生します。商品にもよるけど、3ヶ月内の解約は還付金は無し。1年で解約すれば元金の約66%を返してもらえるとか。

専門家たちは「増えた家計借金の利子負担が増え、→貯蓄は減り、→お金が必要となり、→また金を借りる悪循環が繰り返されている」と説明しました。

今まで本ブログでは、中産層よりは「下」となる人たちの苦しい生活をエントリーしてきましたが、今日はそれよりはマシな層の話題です。

対象も第1金融圏(普通の銀行)、しかも大手4行からのデータで、将来のためのお金を犠牲にしたとはいえ、少なくとも「借金」の話ではないからです。

韓国にはすでに中産層(中間所得層)という層が存在しなくなってしまったという話も聞きますが、

今まではそう「危険」じゃなかった人たちも、ますます状況が悪くなりつつある、ということは間違いないようですね。








韓国、3年ぶり低成長 7~9月GDP0.2%増

2012年10月27日 09時09分42秒 | Weblog
韓国、3年ぶり低成長 7~9月GDP0.2%増
2012/10/26

 【ソウル=小倉健太郎】韓国銀行(中央銀行)が26日発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は、前期に比べて0.2%増えた。伸び率は2四半期続けて縮小。2009年10~12月期と同じ水準で、ほぼ3年ぶりの低成長となった。世界経済の減速に伴う企業の景況感悪化を受けて、設備投資の減少が続く。


 韓銀は四半期の年率換算成長率を公表していないが、推定で0.6%程度とみられる。今月11日に下方修正した12年通年の成長率見通しは2.4%で、7~9月期実績は大幅にこれを下回る。

 7~9月期の設備投資は4.3%減。2四半期連続のマイナスとなり、低成長の主因となった。
 欧州や中国などの景気後退が長引いているうえ、米国も今後の景気見通しに不透明さが出ており、韓国企業の投資意欲は冷え込んでいる。特に、半導体製造装置など機械類の落ち込みが大きい。統計庁によると8月単月の設備投資は全業種合計で前年同月比14.3%減、3年ぶりの大幅減だった。

 公共事業など政府の景気対策は一定の下支えになったようだ。業種別では、建設業が4~6月期の2.7%減から2.9%増に転換したが「公共投資の寄与が大きい」(韓銀)。政府支出は0.9%増加した。

 輸出は2.5%増。石油化学製品や無線通信機器などが増えたという。ただ、韓銀の統計は為替レートを05年基準に固定したウォンベース。ドルベースの知識経済省や関税庁の統計を見ると輸出は7月から3カ月連続で前年実績を下回っており、好調とはいえない状況だ。

 ウォンは安値圏からの水準調整が急速に進んでおり、年初来高値を連日更新している。25日には1年ぶりに1ドル=1100ウォンの節目を突破。26日午前も1ドル=1090ウォン台で推移しており、輸出の下押し要因になりそうだ。

サムソン第4四半期は販促コスト上昇で前期比減益に 終わりの始まり

2012年10月27日 09時03分58秒 | Weblog
サムスン決算こうみる:第4四半期は販促コスト上昇で前期比減益に NH投資証券
2012年 10月 26日
 <NH投資証券のアナリスト、LEE SUN-TAE氏>
 サムスンの第4・四半期の利益は第3・四半期から減少するだろう。半導体やパネル事業は改善するだろうが、携帯電話のマーケティングコストが上昇するためだ。
 サムスンがタブレット市場でアップルを追い上げるには時間がかかる。サムスンの「ギャラクシー・タブ」にはアップルの「iPad(アイパッド)」を抜くほどの魅力はない。
 サムスンの決算が今年ピークを迎えるのではないかと懸念されている。モバイル事業の収益拡大余地は乏しく、半導体やディスプレー部門の伸びしろも限られているからだ。
 (ソウル 26日 ロイター)