韓国の外交失敗による経済悪化
青空のブログ
2015-12-22
日本が要請した明治産業遺構はなんとか文化遺産に登録されました。
しかし終盤の執拗な韓国の外交攻勢は後味の悪いものを残しました。
韓国はここ数年攻撃な外交政策を採りアジアでの主導権を握ろうと躍起になっていました。
特に日本への攻撃は激しい。
しかし日中、ASEANとも韓国の躍進を許さず牽制され戦略は瓦解。
中国のAIIB参加と米ミサイル防衛(THAAD)導入を巡り韓米関係に影を落とし
反対に米から為替介入牽制を受けてます。
歴史問題で冷え込んだ韓日は対日輸出と訪韓観光客急減に直結しました。
朴政権になりウォン高傾向で
対円は1年で16%、
ユーロ比13%、
米ドル比7%といずれも上
円は3年で対ドルで51.1%下落しました。
結果輸出市場で韓国の価格競争力が大幅に下落しています。
輸出は打撃を受け現代自動車は15年1-3月期、為替で約380億円差損が発生。
しかし為替介入は積極的にできない。
G7からの牽制があり為替政策の融通性に圧力を受けてます。
米財務省は年初韓国政府に市場介入への非公式警告を実施しています。
その後米議会の公式資料で
韓国を名指しで為替介入国と攻撃する有様で従来より厳しい非難を受けています。
更にIMFからも名指しで非難を受けてます。
更にウォン・円為替レートで輸出競争力が下落。
韓国は
円安政策が米国、G7から圧力がないとし不公正だと不満を募らせてますが
米国やG7は無視してます。
韓国は韓米同盟関係は光が漏れる隙間もない歴代最高の水準と自画自賛してますが
実際は程遠い状態です。
しかし韓国は根本的に勘違いしてる。
欧米が日本の円安政策を非難しないのは
韓国のように政府主導で外貨準備を積上げ(ウォン売外貨買)の自国通貨安を行ってない為です。
日銀政策は円売外貨買ではなく国内の国債を日銀が買取り市中流動性を増加させる金融政策です。
この手法は欧米中央銀行がとった手法で日本は同様の手法を行ったのです。
結果日本国内に円が増加し、
輸入決済で円が増加した為市場で円売外貨買が発生、
市中円が増加し外資が円の低金利で調達し他国通過で運用する円キャリー取引が増加しました。
この結果円が下落しました。
欧米が問題視しないのは受益者が外資金融でもある為です。
韓国の外貨準備拡大による介入は受益者が韓国企業だけですが
日本の受益者は輸出企業と外資金融です。
質が異なることが韓国には理解できずえこひいきと考え思考が停止してます。
ちなみに韓国が同様の手法をとれば、金利が高い分キャリートレードが発生しません。
国内に資金が滞留しインフレが発生。
この場合外資は投資含み損が発生する為キャピタルフライト(株式や債権を放出)が起きます。
企業は資金繰り破綻をおこす。
自殺行為です。
もともと韓国は恒常的な経常黒字などウォン高の要因が多い国です。
ウォン高統制不能は外交政策失敗の対価でもありますが、
米親中政策は日米の制止を振り切っての政策です。
損失は覚悟の上のはずで、失敗したから恨み節とは逆恨みも甚だしいと感じます。
日本との関係は深刻です。
大統領は3年目ですが韓日首脳会談がようやく実現したのみです。
「歴史問題への謝罪からするべきという原則論が
対日外交の足かせになっている」状況で
その後具体的な進捗もなく韓国にも日本にも
メリットもデメリットもない儀礼的な状況が続いています。
両国関係は冷え込み指標でも具体的に影響が判るレベルで更に毎月悪化してます。
14年訪韓した日本人は228万人で12年は351万人比35%急減。
15年1-3月も50万人で200万以下のペース。
貿易額(輸出+輸入)も14年859億ドルで3年連続減少。
韓国は外交部長官が訪日し外相会談を行い関係改善しつつあると報道してました。
しかし文化遺産登録騒動で日本への攻撃が従来以上に多国的に実施され、韓国内でも日本下げの動きは加速しました。
8月に日本の安倍談話等があり政治での関係改善可能性は皆無。
問題は日本に問題視する風潮が経済、文化とも無いことです。
今後も改善はむずかしい。
通商分野でも13年初め米国は韓国にTPP参加を要請しましたが韓国は断りました。
当時韓国は中国とのFTA交渉中で交渉不能であったためです。
妥結後TPPの参加を韓国から打診しましたが今度は米国等から断られたようです。
中国側に配慮し米国を怒らせました。
長年の友邦である米国を中国と同じ天秤にかけた代償を受けたとも言えます。
反面日本は米国と軍事的同盟を強化し、円安と量的緩和について米国の容認を得てます。
むしろ韓中が接近した為、日本の対米外交交渉は従来より有利になりました。
更に日中関係は修復傾向にあり韓国の立場を覆してます。
自民党の二階総務会長は3千人の大規模代表団と訪中。
二階会長は人民大会堂で習国家主席と会見し首相親書を手渡しました。
習氏の演説もあり回復の糸口を得、和解ムードが感じられるようになってきてます。
二階会長は15年2月に約1400人で訪韓。
朴大統領に首相親書を手渡してます。
しかし大統領は慰安婦問題の解決を強調しムードは最悪でした。
二階会長の訪韓団は観光業界が中心で3泊4日。
訪中団は国会議員20人地方議員、経営者等様々で1週間滞在しました。
訪中代表団は中国の製造業拠点である広東省を訪問。
広東省にはトヨタ、ホンダ、日産など主要自動車メーカー工場が集中してます。
中日関係が改善すれば双方の経済に役立つ点を中国側にアピールしました。
これを契機に日中の民間交流は復元しつつあります。
日中政財民で各々の交渉継続のパイプを確保。仲介役としての韓国は最早不要になりました。
もし日と中韓が決定的に関係悪化した場合韓国は中国との仲介役をし、
利害調整することで外交、経済面で韓国に大きな付加価値を得られると踏んでいました。
しかし画餅となったのです。
日中のしたたかな外交を軽く見過ぎた結果ですが
その程度の状況把握を外交部が分析できなかったとは驚きます。
結局韓国はアジアの各種仲介者として
外交、経済で付加価値を高める野望は能力不足と
日中米の本気の攻勢の前に砕けました。
活動の成果は米国関係は疎遠化、
日本関係は悪化、
中国とは親密化、
中国覇権主義に警戒感を持つアジア諸国と豪州との関係が疎遠化、
当の中国からはさして重視されていない。
欧州と東欧、中東は中立ですが欧州と東欧は韓国を特別視しておらず優遇もない。
中東は各種プラント輸出などで韓国と関係が強いのですが、
最近は高難易度の大型工事受注に特化していた為、
品質トラブルが増加し信頼関係を損ねてます。
原油安で中東の資金余力減少もあり、
今後韓国との関係疎遠化が進む可能性もあります。
日本は敵対したことで配慮なしに円安を進め韓国の競争力を奪い、
貿易を減退させました。
文化交流も既に小規模です。
技術投資や提携はほとんど消滅し
韓国にとり経済悪化、
しかし日本には半強制的な内需回復となり円安で競争力を回復。
相反する効果を生みました。
この熾烈な外交戦争は韓国が独断で仕掛け覇権を唱えましたが、
現状敗色濃厚だと感じます。
マイナスの成果は様々な分野で実害を及ぼし特に経済的打撃を受けていますが
責任は自らで取るしかない。
少なくとも日本が救済するメリットは過去経験からもないでしょう。