平成太平記

日常の出来事を書く

韓国中央日報が「韓国の銀行が危ない」という論説委員の記事

2013年07月31日 17時01分53秒 | Weblog

外から見る日本、見られる日本人

2013年07月26日

韓国版金融危機はありえるのか?

韓国中央日報が「韓国の銀行が危ない」という論説委員の記事を掲載しています。記事そのものを読む限り特段新しいネタがあるわけではないのですが、日本のバブル崩壊後の不良債権の処理に伴う苦悩を再現しているようにみえます。

紙面にもあるように銀行の資金はカラダの血液のようなものですからその血液が止まったり品質が悪くなることで死を招くことになります。

韓国金融業界の昨年の利益は7700億円と前年比3割減ったそうですが、今年はそれを更に大幅に下回ると見られています。

一方、不良債権は全体の2割にも及ぶとされ、不動産や建設のみならず、いわゆる化学、鉄鋼など素材産業の経営不振も影響しています。

一般的に韓国の金融業界は個人向け融資が堅調だったとされるのですが、そちらも不動産価格の下落に伴い厳しい状況となっており、今後の行方が不安視される原因となっています。

特に金融機関の規模が世界水準と比して圧倒的に小さく体力的にも乏しい好例がウリィ銀行の売却劇だと思います。

ウリィは同国最大の金融グループでありますが、もともとは経営不振になったり倒産した銀行や証券を寄せ集めたものであります。

そこに公的資金を投入し、再建をはかり、政府としては大手金融グループとしての売却を狙ったものの前政権時には3度の挑戦もすべて失敗に終わっています。

買い手が現れないということはそれだけ魅力に乏しく、将来性に不安があるということを物語っています。


注目点は朴現政権がこの金融グループを都市銀、地銀、証券に小口分割して売却する方針に転換したということでしょうか?

通常、小口分割はすべてうまく売却出来れば金額的にはプラスになりますが、過去3度も売却を試みて成功しなかったのは売却資産に欲しくないものがあるという明白な理由があるはずです。

つまり、朴政権が予定通り分割売却を進めた場合必ずどれかが売れ残り、苦しい立場になる可能性があるということです。その売れ残りはずばり地銀でしょう。

もうひとつ、重要なことは朴政権が日本型メガバンクを諦めたとも取れるのです。


これは私から見ると失策だと思います。なぜなら、もともと韓国の銀行規模は小さく、世界の中で戦えない状況下にある中「血液の役割」を施すにはその心臓部分であるポンプが余りに小さく、血液は末端まで循環しないといえるからです。

韓国の不良債権の大きさを考えれば今後何らかの金融トラブルが発生しないとも限りません。

その場合、連鎖反応しやすい状況が生じますのでウリィ銀行グループの売却すら進まない段階で極めて面倒なことになる可能性も否定できません。

そういえばゴールドマンサックスの資産運用部門が昨年の暮に韓国市場から撤退しました。

同社は他社以上に先見性をもって行動する金融グループですが、撤退という意味が持つものは将来頑張っても儲からない、という判断そのものではないでしょうか?

そう考えれば中央日報の「銀行が危ない」という記事は大げさな話では’ないのかもしれません。

韓国の四半期GDPは久々に1.0%を超えることが出来ましたが、世界経済全般の力強さを感じない今、財閥系企業の輸出に頼る経済体質には先行き不安を覚えます。

日本からすれば海の向うの話と思われるかもしれませんが、韓国経済は日本経済に密接なつながりがある以上、注視する必要がありそうです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

ハンギョレ韓国の日刊新聞  韓国軍のベトナムでの残虐行為を報道している

2013年07月30日 16時54分52秒 | Weblog

ハンギョレ 韓国の日刊新聞
hankyoreh

1987年6月の民主化宣言直後の9月に発刊準備委員会が構成され、翌1988年5月に創刊された。当初の題字は「ハンギョレ新聞」であったが、1996年10月に題字を「ハンギョレ」に変更した。

なお「ハンギョレ」は「一つの民族」あるいは「一つの同胞」という意味である。

軍政時代、民主化を主張して職を追われた新聞記者が中心になり設立された。「書きたいことを書ける新聞」がキャッチフレーズで、「役員は選挙で選ぶ」「広告主にも意見する」と民主的な姿勢をアピールし、政治的立場は中道左派。

創刊当初の盧泰愚政権や保守的な金泳三政権下では政府に批判的だったが、その後金大中、盧武鉉と続く改革・進歩志向政権下では、政権に比較的好意的であった。

もっとも、2006年頃から迷走していた盧武鉉政権には批判的で、左派の民主労働党(現・統合進歩党)に近づいているといわれる。

半面、経営は苦しく、盧武鉉政権下で成立した新聞法では、有償・無償の事業資金の支援を受けた。

「偏狭なナショナリズムを打破する」として、退役軍人会の反発を覚悟の上でライタイハン問題を取り上げた。

また被害者の証言や当時の記録などに当たった独自の調査に基づき「ベトナム戦争参戦の一部韓国軍人が故意にベトナム住民を虐殺・強姦した」との論陣を張りこれに対して枯葉剤後遺症患者である退役軍人2000人がハンギョレに押しかけて施設を破壊するなど暴力的な抗議行動が行われた


なお、同紙の立場は、反共イデオロギーからの脱却、進歩志向である。これは、反共主義を優先し、漢字復活を主張する保守・右派系朝鮮日報の論調とは対極をなし、ハンギョレと朝鮮日報の両紙は社説や記事などで互いを批判する関係にある。また、政治面の分量が多く、文化面に弱いことから、穏健保守派の中央日報と併読する読者も少なくない。

朴槿恵(パク・クネ)政府事実上財閥に白旗

2013年07月30日 16時34分34秒 | Weblog

Hankyoreh日刊紙
登録 : 2013.07.28 22:42

‘総帥私益根絶‘趣旨 無視し
大企業の仕事集中割当 課税緩和
下半期 税務調査対象縮小など
‘経済民主化’大統領選挙公約 大挙後退
"規制のために投資意欲そがれる"
全経連主張 そっくり受け入れた格好
"財閥改革しなければ経済失敗" 憂慮

 朴槿恵(パク・クネ)政府が企業に対する税務調査の縮小発表に続き、総帥一家が所有する会社への財閥による仕事集中割当に対する課税緩和まで推進しながら、事実上財閥に白旗を上げたという指摘が出ている。

 
ヒョン・オソク経済副総理 兼 企画財政部長官は、去る27日全経連の済州(チェジュ)フォーラムで、中小企業はもちろん大企業に対しても仕事集中割当関連の贈与税を減らすと明らかにした。

これに先立ち国税庁は去る23日、下半期の企業税務調査対象を既存計画より縮小すると発表した。

財閥の利益を代弁してきた全経連は、この間 企業に対する税務調査と仕事集中割当規制強化によって(大企業の)投資意欲がそがれていると主張してきた。 結局、朴槿恵政府が財閥の圧力に屈服した格好になった。

 朴槿恵政府の仕事集中割当に対する課税緩和は、財閥総師の私益騙し取り根絶のために仕事集中割当を規制するという経済民主化公約はもちろん、この間政界で議論された税法改正方向と矛盾する。

仕事集中割当課税は財閥総師一家の不当な富の形成と経営権便法継承遮断が目的だ。

今年、仕事集中割当に伴う贈与税納付対象者1万人余りの内、30大財閥総帥一家は60人余りに過ぎず、残りの大多数は中小・中堅企業経営者であると知らされながら、中小企業界は制度の趣旨を反映して自分たちは課税対象から除外してほしいと要求してきた。


これに伴い、セヌリ党が最近国会に提出した税法改正案は、中小企業を仕事集中割当課税対象から除外する内容を含んでいる。

大企業はこの法案の適用対象ではない。 6月国会では財閥総師一家の仕事集中割当規制強化を盛り込んだ公正取引法改正案が通過した。

 朴槿恵政府が検討している仕事集中割当課税緩和方案は、大統領選挙公約である財閥循環出資規制趣旨とも矛盾する危険性が高い。

企画財政部は「仕事集中割当を行っている大企業の系列会社間に持分関係がある場合、持分率に応じて課税金額を減らす方案を検討中」と明らかにした。


例えば、現代車グループ系列会社の物流関連仕事集中割当を通じて急成長した現代グロービスの場合、チョン・モング会長父子(持分43.4%)の他に現代自動車(4.9%)も株式を持っているが、チョン会長父子が出さなければならない贈与税を現代車の持分率だけ減らすという話だ。


経済改革研究所のウィ・ピョンニャン博士は 「朴大統領が財閥総師一家が少ない持分だけを持っていても、系列会社間の循環出資を利用してグループを掌握する奇形的支配構造を改善するために新規循環出資の禁止を公約として掲げておきながら、系列会社間の(循環)出資持分に応じて総帥一家の贈与税負担を減らすということは辻褄が合わない」と指摘した。

 朴槿恵政府は下半期に入って経済民主化の代わりに‘経済活性化’を前面に掲げている。

朴大統領は去る10日、報道機関幹部との懇談会で「(経済民主化立法が)ほとんど終わりにきていると考える。

…今度は投資して経済を発展させるために努力しなければならない」として‘経済民主化(立法)終了宣言’をした。

また、翌日には貿易投資振興会議で「投資する方々を背負っていかなければならない」とし、下半期政策の最優先点を投資拡大に置く意を明確にした。

ヒョン・オソク経済副総理も全経連フォーラムで仕事集中割当課税緩和の名分を‘企業活動への支援を通した経済活性化’として提示した。

 朴大統領は昨年の大統領選挙で経済民主化と地下経済陽性化など、改革を前面に掲げて中道指向の有権者までを攻略することに成功し勝利した。

だが、執権後わずか半年で財閥に投資と雇用を依存し、経済民主化を後退させている。


ユ・ジョンイル韓国開発研究院国際政策大学院教授は「朴大統領が財閥に投資と雇用をもの乞いする瞬間、経済民主化は遠ざかった。

過去に財閥改革に失敗した金大中、盧武鉉政府の前轍が繰り返される危険性が高い」と診断した。

 朴槿恵政府が財閥に白旗を揚げ、経済民主化と経済活性化に全て失敗する危険性が高いという憂慮もある。

ユ・ジョンイル教授は「韓国の投資率は経済協力開発機構会員国中で最も高いので、私たちの問題は投資規模ではなく投資効率性が低いことにある。

投資効率性を高めるには財閥中心経済体制を改革しなければならないが、反対に財閥の圧力に屈服すれば朴槿恵政府は失敗せざるを得ない」と話した。

クァク・ジョンス先任記者 jskwak@hani.co.kr
韓国語原文入力:2013/07/28 21:24
http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/597472.html

スポーツ民族主義’もうやめよう  韓国人記者

2013年07月30日 16時10分51秒 | Weblog

スポーツ民族主義’もうやめよう
hankyoreh
登録 : 2013.07.29 22:12修正 : 2013.07.30 10:48
キム・ギョンム先任記者

28日午後ソウル松坡区(ソンパグ)の蚕室(チャムシル)総合運動場で開かれた‘2013 EAFF東アジアカップ サッカー選手権大会‘大韓民国と日本の競技で赤いTシャツを着た韓国側応援団(赤い悪魔)らが競技開始と同時に李舜臣将軍と安重根義士の肖像画を利用して応援している。

2013.7.28 /ニュース1
"歴史を忘れた民族に未来はない"
韓国と日本の‘2013東アジアカップ’男子の部最終競技が行われた28日夜のソウル蚕室(チャムシル)総合運動場。
競技ホイッスルが鳴る前に‘赤い悪魔’応援席の真上にはこのような文が刷られた大型横断幕が掲げられた。

この横断幕はサッカー協会進行要員によって撤去されるかと思われたが、前半を通じて掲げられ続け、後半開始前に再び撤去された。
反対側にある日本側応援団‘ウルトラニッポン’に向けられたもののようだ。

そのすぐ前には赤い悪魔たちが李舜臣将軍と安重根義士の写真を入れた大型の絵が掲げられもした。


28日午後ソウル松坡区(ソンパグ)の蚕室(チャムシル)総合運動場で開かれた‘2013 EAFF東アジアカップ サッカー選手権大会‘韓国-日本競技で赤い悪魔応援席に"歴史を忘れた民族に未来はない"という大型横断幕が掲げられた。

2013.7.28 /ニュース1
 韓国選手とファンたちにとって韓日戦はいつも格別の意味を持つようだった。 過去1970~80年代を牛耳ったサッカー代表チーム選手たちは「日本だけには絶対負けられない」という話を繰り返してきた。
 スポーツにおいて韓日戦は果たして私たちにどんな意味を持つのだろうか? 恥辱で汚された過去、侵略戦争を起こしても反省しない日本極右勢力の破廉恥さを思い起こさせ必ず勝たなければならない、そのような‘克日本’の舞台なのか?

 昨年のロンドンオリンピックでの韓-日男子サッカー戦の時は競技後に突然パク・ジョンウの独島(ドクト)セレモニーで一度論議が起きた。

国際オリンピック委員会(IOC)や国際サッカー連盟(FIFA)は競技場内での政治的スローガンを一切禁じている。

28日午後、ソウル蚕室(チャムシル)総合運動場で開かれた2013東アジアカップ男子競技 韓-日競技で韓国応援団が李舜臣のプラカードを持って応援している。

2013.07.28./ニューシス
 大会主催側はこの日、韓-日戦競技に先立ち国歌演奏時にソウル広津(クァンジン)多文化合唱団所属の子供3人を登場させて直接日本語で歌わせるなど日本に配慮した。
 

フェアプレイが要求されるスポーツ舞台であるだけに、選手たちは競技場で正々堂々と戦い、応援団も政治的スローガン抜きで純粋に熱を帯びた応援戦を繰り広げてほしい。

韓国語原文入力:2013/07/29 16:36
http://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/597515.html 訳J.S(1334字

朴槿惠大統領「親日幻想」に騙されるな―呉善花(拓殖大学教授) 反日政策を予言していた

2013年07月29日 15時16分31秒 | Weblog

朴槿惠大統領「親日幻想」に騙されるな―呉善花(拓殖大学教授)
月刊誌『Voice』
2013年04月18日

韓国大統領選での朴槿惠氏勝利は、日本では好意的に捉えられている。 だが彼女の“本質”をみれば、日韓関係改善などけっして期待できない――。

父・朴正熙大統領は本当に「親日」だったのか?
 
2013年2月、韓国において朴槿惠政権が発足した。韓国が今後、どのような政策運営を行なうかはまだ不明だが、日本のメディアのほとんどは朴槿惠氏の大統領就任を好意的にみている。「日韓関係は改善が期待できるに違いない」と。

だが私は、そのような風潮に違和感を抱いている。なぜ多くの日本人は、朴槿惠大統領下で日韓関係は改善すると考えるのだろうか。

その大きな要因は、父親の朴正熙大統領であろう。彼は日本の陸軍士官学校を卒業(57期相当)しており、1963年に大統領に就任後、65年には日韓基本条約を締結して日本との国交回復を果たした。

このように父親に「親日的」とのイメージがあるため、娘の朴槿惠氏にも同じイメージがもたれているのだ。朴槿惠氏が女性であることも、ソフトな印象につながっているのであろう。

だが、これは大きな勘違いだ。朴正熙大統領は16年ものあいだ政権を握り、いわば独裁主義を採ってきたのである。じつは韓国では、この時代にもっとも強烈な反日教育が行なわれていた。

たしかに朴正熙大統領は、個人的には日本好きだったのかもしれない。先述したように日本の陸軍士官学校の出身であるし、軍事クーデターを起こして軍事政権を敷くわけだが、韓国の軍事システムに日本的なものを随所に導入している。

だが国内では反日教育を徹底させ、それによって、韓国人の反日感情が確固たるものとなり、現在に至っているのである。

承晩大統領が採った反日政策を、朴正熙大統領は踏襲したのだ、とよくいわれるが、李承晩大統領時代の韓国国民の教育レベルはそれほど高いものではなかった。

つまり「反日」は、国民のあいだでそれほど強く固まってはいなかったのである。国民の教育レベルが上がり、徹底した反日教育が敷かれ、「反日」という思想基盤がつくられていったのは、朴大統領時代からである。

その反日教育とはどういうものか。「とにかく日本人は韓国人に対してひどいことをした」ということを学校教育で徹底的に教えただけでなく、マスメディアも一貫してそのような報道を行なった。

私が韓国で学校に通っていたのもちょうど朴正熙大統領時代だったが、そこでは日本人を「ウェノム」と言った。「ウェ」とは倭国の「倭」、つまり「倭の奴」という意味である。

そして日本人を「血も涙もない人間だ」と悪魔のような存在として教わったのである。いま60歳前後以下の教育を受けた韓国国民はだいたい、このような侮日の感覚をもっている。韓国で何かあるたびに日の丸を燃やしたり踏みにじったりするのは、そのためである。

朴槿惠大統領は現在、61歳。つまり、彼女も一般の韓国人同様、朴政権が敷いた反日教育を受けてきた。たとえ朴大統領が個人的に親日だったとしても、家で娘に対して親日的なことをいうような矛盾を犯すはずはない。

実際、朴槿惠氏は、一般の韓国国民がもっているレベル以上の対日認識はないと思う。あらゆる発言内容をみても、一般の学生レベルの歴史認識しか持ち合わせていないことがよくわかる。

たとえば大統領就任前、「竹島問題をどうしますか」と問われ、「それは簡単です。日本があきらめることさえすれば問題は解決できますよ」というように答えている。

また「日韓歴史問題について、どのように解決しますか」という問いに対しては、「日本の知識人はまともな歴史認識をもってほしい」としか言っていない。
「日本人の歴史認識はまともではない。これを直さないかぎり日韓関係の未来はない」と言いたいのである。


日本人のなかには「きっと韓国内ではそんなことを言わざるをえないムードなのだろう」と慮る人もいるだろうが、そうではない。朴槿惠大統領であれ李明博前大統領であれ、政治家としての本音と建前があるのではなく、これが本音であり建前なのである。

これが、朴正熙政権時代に強烈な反日イデオロギーという、精神性まで組み込んだ反日教育を行なった結果である。朴正熙政権時代にほぼ全国民が教育を受けるようになり、その結果、大多数の韓国人の日本に対する認識は、以後の教育で植え付けられた認識以外のものではなくなってしまった。

朴槿惠氏は、昨年12月の大統領選で文在寅氏に勝利したが、本当に接戦だった。
朴氏は絶対多数の国民に望まれて大統領になったわけではない。
仮に文氏が大統領になっていれば、その思想なり政策は反日的かつ親北朝鮮であることは明確で、日本がどのように向き合っていけばいいのかもわかりやすい。だが朴槿惠大統領のもとでは、これが非常にみえにくい。

もともと日本人は韓国に対して、どこか「悪く思いたくない」という気持ちがある。可能なかぎり日韓関係改善の糸口を探したい、という思いがある。

今回、朴槿惠氏が大統領に決まり、「日韓関係がよくなるかもしれない。なぜなら父親時代に……」となっているが、実際に日本のメディアが何をもって彼女を好意的に報じているのかをみれば、何もないことに気づく。父親の時代に反日教育が徹底されてきたという事実を、日本はきちんと認識しておく必要がある。
隠された「漢江の奇跡」の真実

韓国は朴正熙大統領時代、急激な経済発展を遂げる。いわゆる「漢江の奇跡」だ。「漢江の奇跡」は、現代においても経済成長の象徴である。これも朴槿惠氏を大統領選勝利に導いた大きな要因の一つである。

韓国国民は朴槿惠氏に対し、経済成長を成し遂げた大統領の娘として、再び経済を回復させてくれることを望んでいる。

というのは、いま韓国経済はどうにもならない状態に陥っているからだ。日本では「サムスンがすごい」などといわれているが、彼らのようなグローバル企業では、利益が韓国国内によく還元されないシステムになっている。そして社会には、一部の優秀な人たちだけが一流のグローバル企業に入り、裕福な暮らしを約束されるというかたちが定着してしまっている。

こうした社会の急速な進展によって、貧富の格差が極端に拡大して中間層が崩壊し、多くが下層に陥ってしまっている。貧富の格差が激しくなると当然、治安が悪くなっていく。実際いま韓国では年々、凶悪犯罪多発、自殺多発など、深刻な社会問題が拡大の一途をたどっている。

多くの国民は、そのことに不安と不満を強く抱いている。そのため大統領選の候補者たちはみな、「貧富の格差と社会倫理の崩壊を解決する」という趣旨の政策を訴えた。
なかでも朴槿惠氏は、「第二の『漢江の奇跡』」をスローガンに掲げた。そうすると、国民がいちばんに頭に思い浮かべるのは、父・朴正熙大統領なのである。

朴槿惠氏自身に特別な個性があるわけではなく、また過去に政治的な成果を挙げたこともない。あるのはただ「漢江の奇跡を遂げた朴大統領の娘」だけである。だが「なんとかこの国の経済を立て直してほしい」「あの漢江の奇跡を起こした人の娘ならきっとできる」という国民の願望が、彼女を勝利に導いたのである。

だが、じつはこの「漢江の奇跡」は、日本からの膨大な援助があってこそ達成されたものだ。

インフラなど韓国のあらゆるものが日本の莫大な援助によってつくられた。たとえば日本の製鉄会社は、韓国の薄鋼板の会社に対し、資金援助のみならず技術援助も大いに行なっている。いま韓国のソウルにある地下鉄などは、ほぼ日本の技術でできたといっていい。

だが朴正熙大統領は、その事実を国民にいっさい伝えていない。

以前、新日鐵の会長もされた有賀敏彦氏に伺ったことがあるのだが、氏の取り組みが評価されて賞をもらうことになり、朴大統領から青瓦台に招待された。ところが、その賞を渡されたのは個室で、かつ有賀氏たった一人しかいないところだったそうだ。

ほとんどの韓国国民は、「漢江の奇跡はすべて朴大統領の力で成し遂げたものだ」と信じている。

私自身も韓国にいるあいだはそう思っていたし、来日してからもしばらくは真実を知らなかった。のちに関係者から直接話を聞いたり、調べながら、真相を知ってショックを受けたことを覚えている。本当のことを知っているのは、一部の政治家たちだけだ。

母親のイメージが大きく重ねられている

 朴槿惠氏には、とにかく父親のイメージが付きまとう。もう一つ今回、韓国国民が彼女に大きく期待したのは、朴正熙大統領のような強いリーダーシップだ。

いま韓国人は、強いリーダーシップが欲しくて仕方がない。朴大統領以降の大統領には、それがみられなかった。全斗煥大統領や盧泰愚大統領も期待をされていたけれども、ただ武力だけの強さしかなかった。朴槿惠氏にそれがあるかといったら疑問なのだが、とにかく父親のイメージがある。

さらに興味深いことに朴槿惠氏には、母親である陸英修氏のイメージも重ねられている。いま韓国のニュースでしきりにいわれているのも、「父親の強いリーダーシップと、母親のソフトなリーダーシップが要求されている」というものだ。陸英修氏は、いまの韓国人にとって歴史的にもっとも尊敬される女性の一人である。

韓国では大統領はみな賄賂問題を抱え、幸福な最期を迎えた者はほとんどいない。この賄賂問題に、国民はまったくうんざりしている。

だが朴大統領とその妻には賄賂問題がなく、倹約家で質素であり、現在でも非常に評価が高い。つまり、韓国国民は朴大統領や陸英修氏のような人間を長らく欲していた。その願望が、娘である彼女に対する多大な期待として表れたのだ。

私が韓国にいた時代、たとえば映画館に行くと、上映前に必ずニュースが流れた。最初に国旗が映し出され、国歌が流される。するとみな立ち上がり、国旗に向かって右の手を左の胸にかざす。すると「今日の大統領ご夫妻は……」とニュース解説が流れる。

テレビも同じく、ニュースではまず「今日、朴大統領閣下は○○を視察された」といった内容が報じられる。朴大統領の側には必ず陸英修氏がいて、いつも白っぽいチマチョゴリを着て、髪を後ろで束ねたスタイルをしていた。

毎日のように「国の父と国の母が今日、何をなさったか」が報じられ、これが16年間も続いたのである。国民は、二人の姿を見るだけで涙が出るほど胸が熱くなる。そして、いつの間にか愛国者になっていく。いま50歳以上の韓国人は、ほとんどがそうした感情を抱いているといっていい。

陸英修氏は早くに暗殺の犠牲者となったため、代わりに朴槿惠氏がファーストレディーとして登場したのだが、彼女の顔は母親そっくりである。

また若いころからつねに髪を後ろに結び、政治家になってからは母親と同じヘアスタイルを変えたことがない。

いつ何時も、母親のイメージで国民の前に登場する。私も韓国にいたころは、国父の娘で国母の代わりを務める娘だということで、彼女を「韓国のお姫様」と言っていた。年齢が上になるほどその印象が強く、ゆえに大統領選でも年配層に支持されたわけである。

実際、血筋といった、なにかシンボル的なものが欲しいといった感情が、朴槿惠氏の人気を後押ししたのではないかと私はみている。たとえば、北朝鮮で金正恩氏が後継ぎになったときに、朴槿惠氏の人気も高まりをみせた。

じつは北朝鮮のシステムをもっとも理解しているのは韓国人だといっていい。

世襲はおかしいと口ではいい、独裁政権で経済政策は間違っているのだが、体系的に国が成り立っているということに対する憧れが、韓国人にはある。

以前、金正日氏が生きていたときに、朴槿惠氏は北朝鮮に行ったことがあり、そこで金正日氏と「二世同士で仲よくやりましょう」と言ったといわれる。
彼女の母親は北朝鮮のスパイによって撃たれたわけで、本来ならばそんなことは口にできないはずなのに、である。

北朝鮮には金日成という王がいる。そこから金正日、金正恩と、力量は不明だが金日成氏のイメージを結び付けて権力の座に就いている。

金日成氏の写真はつねに掲げられ、金正恩氏のヘアスタイル、手の動かし方、声も金日成氏そっくりだ。これは、北朝鮮の人民が金日成氏に対する幻想を強くもち、その遺伝子が息子や孫へとつながっていることを感じさせるためだ。個人には力がなくとも、遺伝子だけで十分なのである。

父親が国のリーダーになったら、その子もリーダーになるといったことは世界によくあることだ。

子供は自然と政治的な環境のなかで育ち、影響を受け、力をもつからであろう。なかでも東南アジアでは、その娘がリーダーになる傾向がある。インドのインディラ・ガンディー首相や、フィリピンのアロヨ大統領もそうだ。

そこには血筋を信用したいという国民の気持ちが強くあるのであろう。奇しくも韓国でもそうなったわけである。
期待される賄賂問題の解決は難しい

いま彼女への期待が強い要因は、両親のイメージがあるからにすぎない。逆に国民の期待値が高いだけに、これからの政治運営は難しいものになるだろう。

その難しい問題の一つが、賄賂問題である。先ほど述べたように、朴正熙大統領以降、どの大統領も賄賂問題を抱え、最後には国民から虫ケラ同然の扱いをされた。

呼び方も、たとえば「盧武鉉大統領」とはいわず「盧武鉉」、あるいは苗字すら付けず「武鉉」といった具合で呼ばれるまでになった。親戚も同様の扱いを受けるのだ。

そのなかでいま朴槿惠大統領は、「賄賂問題はないだろう、身辺はきれいだろう」と思われている。両親の潔白なイメージに加え、独身であり子供がいないので、悪いことはできないだろう、と思われているのだ。だが、この考えは甘いといわざるをえない。

韓国には、古くからの「贈与」の慣習が歪んだかたちで強く残っている。恵まれた人は恵まれていない人に援助をする、それが人の上に立つ立派な人物とされる。

たとえば親戚のなかで一人が出世した場合、親戚全員の面倒をみるのは当然である。親戚に対してだけではなく、たとえば選挙などにおいて身近で助けてくれた人たちに対し、当選したら何かの職を与えるなど、恩返しをしなければいけない。これは伝統的な「美徳」なのである。


また、出世した人にはモノを差し上げるという伝統もある。いまに始まったことではなく、朝鮮時代からそうだ。

現代ではそれを「賄賂」というが、これをとくに悪いこととは思わず、逆に、しなければかえって非難されてしまうのが韓国社会だ。

しかも韓国の「賄賂」は、小さなものではない。韓国社会で「互いに助け合う」といった場合、細々と小さなものでやりとりをするのはケチだと思われ、してはいけないことだ。助けるならば、大きく助けるのがいい。日本の賄賂問題など、韓国からみればかわいいものである。

近代になり、政治に携わる人間は身辺をきれいにしなければならないというアメリカ的な風土になっていったとき、ここに矛盾が数多く生じることになる。

わずかでも賄賂が発覚すると「不正だ!」と騒がれるため、政治家たちも次第に不正と戦う姿勢を示すようになっていった。

そのため、かつての大統領たちも本人は賄賂を受けず、親戚にも「賄賂を受けるな」というのだが、周りが勝手に持ってきて、大統領自身が知らないうちに誰かがもらって問題になってしまう。本人だけきれいであっても周りはそうはいかないのだ。

いま徐々に、社会的にいっさい「賄賂」ができないようにしていっている。だが一方、それが行きすぎて、逆に「きれいごと」が横行し、また社会が萎縮してしまう可能性が出ている。

以前からその傾向はあった。たとえば韓国では昔から公務員には賄賂を贈るのが当然で、そこから仕事をもらったりするものだった。

国家公務員になると、賄賂のほうが給料より高いこともよくある。だが近年、公務員は絶対に賄賂をもらってはいけないという意識が強い。

私も韓国に行くと、公務員の友人が勤める役所にたびたび寄るのだが、日本からのお土産を渡そうとすれば、ものすごい勢いで拒否される。

あるいは、ある資料を探して政府関係機関に行ったとき、資料をいろいろいただいたお礼を何げなく渡したら、投げ返されたこともあった。どちらも、大したことのない品なのに、である。

周りで誰かがみている可能性のあるところでは、たしかに絶対に物をもらわない。しかし、じつは裏ではもらっていたりするのである。

また韓国では従来、学校の先生に母親は賄賂を持っていく。「うちの子供をよくみてくれ」と。そうして子供を組長や班長にしてもらったりとかするわけだ。だが、そのようなことをいっさい禁じるとどうなるか。

ある母親が「お礼の気持ちです」といって少しでも何かをあげたことが誰かにわかったら、次々と密告されるという事態が生じる。これでは社会全体が萎縮してしまうだろう。たとえば誰かと食事に行って「私がお金を出すよ」といっても、それすら難しくなる。

賄賂(贈与)問題はもともとある伝統文化、人びとの精神性であり、これを断ち切るのはきわめて難しい。ゆえに韓国国民が朴氏に抱いている期待も失望に変わる可能性が大きいだろう。

「韓国は善、日本は悪」という思考から抜け出せない

今後、日本が韓国に対してどのように向き合っていけばいいか。まず言いたいことは、日本は韓国に対してつねに甘すぎるということだ。「今度こそ仲よくなれるのではないか」という気持ちをもって付き合っていると、必ずどこかで失望する。日韓関係はそのような歴史の連続なのである。

日本と韓国では、精神構造が根本的に異なっている。
たとえば歴史認識問題にしても、韓国と日本の学者が集まって歴史研究会をやりましょうと何度もいい、膨大な国家予算と時間を費やしているが、踏み込んだ研究会が一つもできないでいる。
日本人と韓国人のメンタリティは遠い昔からまったく方向性が違うからである。

日本の場合、神道を基盤にして儒教、仏教、さらに朱子学も採り入れ、そこからさらに新しい日本の思想が多く生まれ、幅広い精神性がつくられていった。

一方、韓国(朝鮮)の場合、人びとの精神は儒教のなかの朱子学一本でできあがっている。


鎌倉、室町時代あたりから日本人の精神性が幅広くなっていくあいだ、朝鮮半島では仏教的なものや神道的なものは徹底的に弾圧され、朱子学という唯一絶対なる教えのリードのもとで、国民が一つにまとまるという縦社会ができあがったのだ。

日本では、考え方にしても思想にしても、一人ひとりが異なることは当たり前である。そのため、相手の意見を受け入れるよう、自分の意見も受け入れてもらえるよう、話し合いましょうという精神性である。

だが韓国の伝統では、朱子学の教えを修めた賢人・高級官僚のいうことが絶対であり、正しい考え方というものは一つしか存在しない。

教育でいえば、「日本人が悪い」が絶対的に正しく、そこからずれたことをいう人が「間違っている」。だから日本側が「話し合いましょう」といっても、韓国人には通じない。

彼らにとって竹島が韓国のものだということは100%疑いようがなく、話し合いをする意味がわからないのである。

歴史認識についても、日本の統治時代があったということ自体、「日本が韓国に対して悪いことをした」そのものという認識しかないので、つねに「謝れ」といってくる。

日本の政治家はこれまで謝ってきたけれども、いまなお韓国人が謝罪を要求するのは、その謝り方が韓国式の謝り方ではないからである。

ではどのような謝り方をすればいいのかといえば、土下座をして、手をすり合わせながら涙を流し、繰り返し「悪かった」といったうえで、日本の領土の3分の1ほどを差し出す、これである。

実際に冷静にみると、日本統治時代、日本は韓国に対して大きな悪事など働いてはおらず、逆に貢献のほうが大きい。

韓国側はそれを認めず、小さな悪を拡大して「日本は悪かった」といっている。その「日本は悪い」という教育を徹底して行なってきたのが、まさに朴正熙大統領なのだ。

先日、日本のNHKにあたる韓国KBSニュースで、冒頭からこう述べられていた。「人の土地を自分のものだととんでもないわがままをいう人がいるんです。

これがまさに日本です」と。竹島の日に日本の政治家が島根県の式典に参加したというニュースでのことだ。そこには話し合いをする余地などないとわかる。思想的に善は一つでほかは悪、つまり韓国人がいっていることが善で日本人のいうことは悪であり、悪は排除しなければならない、という思考から抜け出せないのである。

日韓関係の改善は“至難の業”と心得よ

ビジネスにおいても、韓国とは覚悟して付き合わないと大変なことになる。たとえば、日本で会議といった場合、横の人間関係で話し合うことだが、韓国における会議とは上からの命令が下に下るというものだ。

日本企業が韓国に行って部長会議や課長会議をやろうとしてもうまくいかない、といった話はよく聞く。人間にはいろいろな考え方があるから話し合いましょう、という価値観が韓国にはないのだ。

また韓国人に「一緒にビジネスをやりましょう」といったとき、日本のほうが経済的に優位に立っていれば、ほとんどが日本からタダで助けてもらうことを期待している。

グローバルな一流企業の先端では、ビジネスはビジネスで割り切る傾向はあるけれども、一般の韓国人は日本人をお金としかみていない。ゆえに無条件に「こちらを助けてくれるでしょう」というスタンスでくる。

しかも、助ければ感謝の気持ちをもたれるかというと、そうでもない。逆に、小さな援助では「私の価値はこれしかないのか」と、さらに怒ってくるほどだ。

日本人は、汗も流さないでタダで助けてもらうことはみっともないと感じる。

だが韓国人は、汗をかかないでタダで助けてもらえれば、それは自分に力があるからだと考える。

これは政治も同じで、韓国を助ければ「助けるほどの価値がこちらにある」「助けないとあなたが困るからだ」と考える。だから助けたとしても絶対に感謝を表明しない。

謝罪も同じで、心を込めて謝るといったことは通用せず、「では、その気持ちを金で表せ」といってくる。そしていったん助けたら一生、お金を出し続けなければいけない。

日本では韓流ブームが起き、韓国ドラマをみていると親近感を覚えるという人もいるが、それは表面的なことでしかない。

物理的な距離は近いが、精神性や文化性はまったく異なっている。理想として日韓関係が良くなればいいが、そうするには血の滲むほどの努力が必要で、至難の業だとわかるだろう。私も日本の研究をしながら日韓間の溝がいかに深いかを身をもって感じてきた。

繰り返しになるが、朴槿惠大統領は一般の韓国人の受けた反日教育のレベルしかもっておらず、少なくとも竹島は100%韓国のものだと思っているはずだ。

歴史認識についてもおかしいのは日本で、ゆえに日本が正しく直すべきだという認識しかない。

従軍慰安婦の問題についても、必ず同じ主張をしてくるだろう。
そこをしっかりと押さえておかないと、日本はまた日韓関係で失望する。間を置いて相手を見定めること、距離を置いて付き合っていくこと、である。少なくとも、朴槿惠大統領が「親日的」だという幻想はけっして抱いてはならない。

■ 呉 善花(お・そんふぁ)拓殖大学教授
1956年、韓国・済州島生まれ。83年来日、大東文化大学(英語学)卒業後、東京外国語大学地域研究科修士課程(北米地域研究)修了。新潟産業大学非常勤講師を経て、現在、拓殖大学国際開発学部教授。著書に、『韓国併合への道 完全版』(文春新書)ほか多数。


【コラム】中国というオオカミが韓国の産業を襲う

2013年07月29日 14時18分15秒 | Weblog

【コラム】中国というオオカミが韓国の産業を襲う
2013年07月29日13時28分
ハン・ウドク中国研究所所長
[中央日報/中央日報日本語版]

1990年代末、当時の中国の朱鎔基首相は世界貿易機構(WTO)加入を推進した。
業界の反発は大きかった。その時に流行した言葉が「オオカミがきた(狼来了)!」であった。“オオカミ(西側の企業)“に中国企業が食べられてしまうという危機感の表現だった。

朱元首相は断固としていた。「オオカミは確かに来る。食べられないようにするには私たちが先に改革をして、産業をアップグレードしなければならない」。

WTO加入によって改革を早めようとする“ショック療法”だった。中国は2001年末にWTOに加入し、2000年代に好況期を迎えることになる。


韓中自由貿易協定(FTA)交渉が、急流に乗っている状況だ。

早ければ来月に基本指針(modality)交渉を終わらせて第2次協議に入ることになる。


韓国内の一部でも“オオカミ論”が登場している。中国というオオカミが韓国の産業を襲うという憂慮だ。


韓国府は、情報技術(IT)・自動車・石油化学などの分野で得することができると話す。

しかし容易ではないだろう。半導体・携帯電話・コンピューターなどのIT製品はすでに情報技術協定(ITA)によってほとんど無関税の恩恵を受けている。

現代(ヒョンデ)起亜(キア)自動車は中国で売り切れないほどの自動車を現地生産している。

中国業界の増設競争で見ると、石油化学分野の優位もその限界が明らかに見える。農水産物分野の開放で韓国の食卓を中国に譲り渡す可能性もある。“オオカミ”の襲撃だ。

それならば、なぜ韓中FTAを締結するべきなのか?
朱元首相の“オオカミ対処法”が答えだ。韓中FTAを活用して両国の経済協力の新しいパラダイムを組まなければならないという話だ。

これまで両国交易の大きな枠組みは中間材-組み立て構造であった。

韓国で中間材をつくって中国に輸出し、中国でこれを組み立てて米国や欧州などに輸出する形だ。

韓国の輸出の70%前後が中間材である理由だ。


しかしこの構造は今、崩れている。

技術レベルが高まった中国企業は韓国の中間材輸入を減らしている。巨大中国経済はブラックホールのように韓国の産業と企業を吸い込んでいる。

対中国1、2位輸出品であるLCDと半導体工場まで中国に渡って行ってしまっている。輸出は減り、雇用先も中国に奪われている。

“FTA”から突破口を開かなければならない。韓中FTAが妥結すれば、韓国は米国・欧州連合(EU)・中国など世界3大経済体へ向かう経済高速道路を敷くことになる。

米国・EU企業が韓国にきて高付加価値製品をつくって中国に輸出する構造をつくらなければならない。

韓国が、中国のまねできない“自由市場秩序”があることにおいて可能な話だ。ここで豊富な技術人材、安定した労働環境などが支えるならば韓国は中国へ行く前哨基地になることができる。

“FTAハブ”パラダイムだ。それが中国を誘い込むことのできる韓国の経済の魅力だ。
現実はどうだろうか?まだ韓国産業界の労使関係は“竹棒デモ”レベルだ。


韓国政府は経済民主化という枠組みにとらわれ、企業の足首をつかみ、理工系大学には依然として冷や飯を食わせている状況である。“オオカミ”がまさに近づいてきているというのにだ。



サムスン株価急落

2013年07月29日 11時02分44秒 | Weblog

サムスン株価急落
スマホで一世風靡も栄華は久しからず


2013.07.10
週刊文春

日本の電機メーカーの天敵サムスン電子は今月5日、今年第2四半期の営業利益が、前年同期比で47%増の9兆5000億ウォン(約8300億円)と過去最高となる見通しを発表した。
ところがこの日、サムスンの株価は4%近くも急落した。


「その理由は、営業利益が過去最高とはいえ、市場の予想を下回る数字だったことです。とくに深刻なのは4月に世界市場に投入したスマートフォン、『ギャラクシーS4』の販売不振。

日本ではNTTドコモが『ツートップ』と称して主力機種に据えましたが、それでも売れず。そのため、複数の外資系証券会社が投資判断を引き下げたのです」
(経済誌記者)

この20年近くのサムスンの株価は、ほぼ一貫して右肩上がりで高値を更新してきた。
しかし年明けから変調し、6月以降は下落基調にある。


「無理もありません。サムスンの利益の6~7割は、スマートフォンや携帯電話などの携帯端末事業が稼ぎ出していました。

その旗艦機種の売れ行きが不振となれば、外国人投資家の比率の高いサムスンの株価が下落するのは当然です。

彼らは逃げ足が速いですからね」(株式アナリスト)
日本の電機メーカーを瀕死に追い込んだ薄型テレビや液晶パネルでさえ、円安局面になると今までの価格競争が災いし、利益率は低下している。

シェアトップのフラッシュメモリも、市況の動きに価格が左右される不安定な状況だ。

スマホのライバル、アップルとは特許を巡って世界中で係争中。

サムスンは「iPhone」や「iPad」向けの半導体チップを一手に供給してきたが、

アップルは来年から台湾メーカー製に切り替えると見られている。


窮地のサムスンは太陽光パネル、リチウムイオン電池、医療機器、バイオ製薬、LEDを、次の成長機会をつかむ五大事業として積極的な投資を行っている。だが、目に見えた効果は上がっていない。

しかも、韓国内では捜査当局の動きが活発化している。


系列のカザフスタン銅鉱山開発会社を巡るインサイダー取引疑惑が浮上している。李健熙会長とサムスン物産現職、元役員ら7人を背任容疑でソウル地方検察庁が捜査しています」(韓国株式市場関係者)
盛者必衰の理(ことわり)をあらわす。

文山下 知志 (ジャーナリスト)

サムスン増益・製造5社は減益…韓国6月決算

2013年07月29日 10時36分44秒 | Weblog

サムスン増益・製造5社は減益…韓国6月決算
(2013年7月27日12時18分 読売新聞)
ソウル=佐々木鮎彦】
韓国の製造業主要6社の2013年6月中間連結決算が26日出そろった。
 
スマートフォン(高機能携帯電話)の販売好調が続くサムスン電子だけが大幅な増収増益となった。

しかし、LG電子や現代自動車など残る5社は、本業のもうけを示す営業利益が大幅に減り、韓国経済を主導する大手企業が苦境に立たされている。

コメント 週刊文春 サムソン株価は業績に陰りが報道されてサムソン株価急落 

 特に、鉄鋼世界5位のポスコと造船世界首位の現代重工業は、中国勢との競争激化や、欧州での販売不振が響いた。

 
各社とも韓国経済減速の影響を海外で補う収益構造だ。しかし、最近のウォン高が輸出にマイナスに働き、打撃にもなっている。

朴槿恵大統領の反日外交

2013年07月26日 17時43分49秒 | Weblog

2013年07月02日
朴槿恵大統領の反日外交、下手な外交テクニックはすぐ破綻するだろうから、日本は鷹揚に構えていればいい

【東海新報】
 女性大統領の登場で韓国の外交がどう変わるか注目していたが、どうやら「朴ドクトリン(主義)」は、日本に背を向けて対中接近を図るという方針で貫かれそうだから、「近くて遠い国」はいよいよ遠ざかりそうだ

▼朴大統領は、日本の陸軍士官学校を卒業し日韓基本条約の締結にもあたるなど親日家でもあった朴正煕大統領の長女ということもあって、日本人の多くが親近感を抱き、大統領が交代するたびに繰り返される過去の謝罪要求から今度こそ解放されるのではないかと密かに期待するむきもあったが、アテは向こう側からはずれる

▼オバマ大統領との会見でいきなり日本批判を持ち出し、同じ同盟国をそこまで悪しざまに言うのはどうかとたしなめられたいきさつを知ってから、〝韓流ドラマ〟のコンセプト(基本構想)はいささかなりともゆるぎないことを痛感させられた。

その〝国是〟は次の訪問先である中国でもいかんなく発揮される
▼習近平国家主席との会談の中で朴大統領が、伊藤博文を暗殺した安重根の碑を伊藤の暗殺現場であるハルビン駅に設置してほしいと要請したというのだから、反日の本気度は過去の大統領の中でも上位に入るだろう
▼韓国にとって憎い存在であっても伊藤はわが国の初代内閣総理大臣である。いわば建国の功労者を殺害した人物の碑を中国に建てろというのは、日本との関係悪化も織り込み済みということなのであろう。

しかし下手な外交テクニックはすぐ破綻するだろうから、日本は鷹揚に構えていればいいのである。

「反日」による中韓連携の危うさ

2013年07月26日 17時22分52秒 | Weblog

「反日」による中韓連携の危うさ 朴槿恵外交
2013.7.5

防衛大学校教授・倉田秀也 

≪米国は日韓の軋轢を最も懸念≫
 

アジア・太平洋地域を俯瞰(ふかん)したとき、中国の海洋進出へのヘッジは日米同盟であり、在韓米軍が「地域的」役割を負うようになればなるほど、韓国もそこに組み込まれる。

ところが、「中韓未来ビジョン共同声明」では、「最近、歴史などにより地域の国家間の対立と不信が出現し、状況はさらに悪化している」との文言が盛り込まれた。

また、朴大統領は、清華大学での演説で、地域内で「歴史と安保問題では葛藤と不信」が生じていると指摘した。

 韓国が日米韓関係という安全保障への対立軸をつくろうとしたとき、最も容易なのは、歴史問題と「反日」で凝結した中韓関係となる。

「反日」による中韓提携は、米中間で「バランス」をとろうとする朴大統領の外交を演出した。

それは多分に朴氏自身の作為の産物でもあったろうが、そこには日韓関係に軋轢(あつれき)が生じることを最も懸念しているのが米国であるということへの配慮はみられない。


 
米中関係が良好である限り、その間で「バランス」をとることは困難ではない。だが、韓国がもはや朝鮮半島以外の安全保障に無縁でありえないことを考えれば、

米中関係が対立の局面を迎えたときに、最も困難な立場に立たされるのは、「反日」による中韓提携の軸をつくった韓国自身であろう

大国間で「バランス」をとることは、大国間対立に巻き込まれることと表裏一体のはずである。