北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】今津駐屯地創設71周年記念行事(3)16式機動戦闘車のち74式戦車(2023-09-03)

2023-09-30 20:14:26 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■ナナヨンもいよいよ
 ナナヨンとは陸上自衛隊内外にて74式戦車の事を示す用語で非公式ながら定着した愛称となっています。

 中部方面隊のナナヨンもいよいよこれまで、というところでして、もう一つ日本原駐屯地に第13戦車中隊が置かれていますが、こちらも廃止改編は近く、戦車をみようと思ったならば駒門の機甲教導連隊まで行かなければみれないという時代は、もうまもなく。

 ナナヨンは目一杯がんばった、もちろん状態のよい車両があれば残しておけば万一の際に役立つのかもしれませんが、定数ぎりぎりしか調達しなかった日本、各国が揃えた予備車両のようにそれほど酷使せず維持されている74式戦車というものをわたしは知りません。

 アメリカ海兵隊、コットンマウスはじめアメリカ海兵隊は偵察車両開発に難渋している。わたしが各国概況をみますとどうしても不安になるのはこうした事情があります。装甲車ひとつまともに造れないとはアメリカも大したことはない、という訳では全くない。

 海兵軽装甲偵察大隊としてアメリカ海兵隊はLAV-25軽装甲車とその派生型を60両程度集中運用する偵察部隊を編成してきました。87式偵察警戒車5両だけの自衛隊偵察隊とは大きな違いですが、アメリカではコットンマウスなどLAV-25後継車が開発されていますが。

 エイジャックス装甲偵察車やコヨーテ装甲偵察車後継、単純にコットンマウスの開発難渋を聞くと、イギリスやカナダの後継車両開発遅延を思い出す。エイジャックスはASCODという完成した装甲車をもとに開発したが異常振動問題で配備が5年以上遅れている。

 コヨーテ装甲偵察車、これは単にLAV-25の原型である要するに同じ装甲車なのですが、後継はLAV6.0に偵察センサーを搭載する計画なのですが、COVID-19新型コロナウィルス感染拡大の経済停滞で下請け企業が倒産し、システム開発も失敗し5年以上の遅延だ。

 コットンマウスは、そうした失敗ではなく、アメリカ海兵隊が素朴な疑問を突きつけているためです、島嶼部の戦いに装輪装甲車はどのように水平線の向こうを偵察するのか、と。コットンマウスは水陸両用ですがさすがに哨戒艇のような偵察任務はできない。

 共通装輪戦術車両として自衛隊では16式機動戦闘車の車体を応用した偵察車両の開発が進められています、聞くところでは完成度はまあまあの水準で、無駄や非効率といわれながら毎年車両を調達し続けてきたことで製造と設計技術が途切れなかったのが強み。

 87式偵察警戒車の後継は、地上戦に強い偵察車両としては簡単に完成するのでしょうけれども、本土から戦車を全廃して本土決戦型の専守防衛から脱却する自衛隊にあっては、どのような偵察戦闘を行うのかというドクトリンを苦悩とともに考えねば、という。

 防衛力整備は時間がかかる、特に岸田政権の反撃能力整備は、その整備事業が不可逆的な改編を幾度も伴うために失敗するとこんどこそ防衛力が崩壊する、自衛隊の戦術と配置と、防衛産業と同盟関係、こうしたものに大きな亀裂と崩壊が来る、慎重も慎重に。

 アメリカ陸軍フォーラムの議論をみると、日本とは逆に旅団戦闘団よりも師団重視、緊急展開部隊が武力紛争の火種を小さいうちに取り除くポスト冷戦型の編成から、中国軍やロシア軍を視野に重厚強力な師団編成に回帰しており、この点で日本とは真逆です。

 第一線部隊はオカミの方針を理解し、与えられた装備を最大限の稼働率と最高度の能力を発揮し運用面で駆使できるようにするほかないのですが、その過程で最高水準まで鍛え上げた戦車部隊が廃止されてゆくのは、勿体ないように、何度も思うのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-滋賀,長浜駅前散策先でショコラトルテに冷たい紅茶の休息

2023-09-30 14:10:44 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 ハロウィーンの準備というなんとなく浮き浮きした情感が漂う最中に湖北は長浜へ散歩を愉しみました。

 COVID-19の感染拡大期はたいへんだった、なにしろ北大路機関創設当時から毎年撮影出来ていた第10師団守山駐屯地祭と近海練習航海と岐阜基地航空祭のうち、近海練習航海以外は全部中止となってしまった。しかし写真は撮りたい、どこかに出かけたい、とね。

 長浜市大宮町五丁目、市民病院から少し琵琶湖の方へ向かいました川沿いにあるケーキ屋さんエベーヌ、コロナの時代があったからこそ知ったお店はハロウィーンの準備をしていました。ここはケーキが美味しいのですがイートインの雰囲気と紅茶も素晴らしい。

 ケーキ一つ、頂くだけで気分転換といいますか、ケーキならば近所でも美味しいお店が幾つもあるのですが、遠出してケーキをフォークで崩して頂いているというのは、なにか非日常を感じるもので、遠く感じるのですが実は長浜駅から500mしかはなれていない。

 ショコラトルテ、いろいろあるケーキの中からこのチョコレートの少し苦味が有る、甘いだけではない甘さを引き立てるケーキを頂く事としまして、そして、そう飲み物は珈琲か、いや紅茶、としました。イートインは大きな窓に面していて、外はまだ緑あふれる。

 アイスクリームが添えられるのはイートインならではで、ミルクの滋味とともに、ちょっとだけ頂点にまぶされている赤い甘酸っぱいキャンディーシュガーがなにかうれしい。解けないうちにアイスクリーム、そしてアイスの御次に、本丸本命のケーキを頂く。

 ショコラトルテ、いいね。ぱさぱさしているスポンジケーキの部分とチョコレートとクリームのねっとりとした甘さの部分と、どういう配分で頂こうかと、冷たい紅茶とともに相談して頂いてゆく。最近日没も早くなり、陽光が照らす風景の移ろいと共に甘さを愉しむ。

 長浜市、COVID-19の時代に人が少ない割には発見の多い街ということで少し遠出する際には長浜市と米原市と彦根市を延々と散策していました。長浜と云えば新快速の終点というイメージが昔ありましたが、まだまだこの街の散策は飽きが来ない奥深さです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】近江鉄道100形,美談だけでは無いリアリズムに基づく赤字29年連続の路線維持と沿線負担

2023-09-30 07:00:42 | コラム
■満員電車を夢見て
 都市部集中が進む中の少子高齢化による地方過疎化でローカル鉄道の赤字という問題は東京都知事が選挙公約で満員電車解消を叫ぶ中、一度くらいは満員にしたいと嘆息が出る問題だ。

 近江鉄道、通称近鉄、近畿日本鉄道よりも古い社名なのですけれど創業は19世紀、1896年という日清戦争の翌年、社名は一回も変更していない。路線は比較的長く本線が米原と貴生川を結ぶ47.7km、他に2.5kmの多賀線と若干短くなった9.3kmの八日市線がある。

 鉄道事業は全線赤字、29年連続赤字という。一日当たりの利用客は通勤通学の定期券を除けば3100名、撮影した彦根駅の利用者ではなく、近江鉄道全線の利用者が3100名という。しかし、考えているなあ、と感心するのは自治体と鉄道の関係性と結びつきの強さです。

 全線廃止が検討されてもおかしくないものですが、実際2016年に近江鉄道は自治体との法律に基づく協議会を申請、ここで経営状態の悪さを端的に財政支援かバス路線転換かで話し合ったという。ただ、鉄道欲しさだけではない地元自治体との建設的議論が在った。

 バス転換として、近江鉄道沿線の通学需要をスクールバスに切替えた場合は自治体のスクールバス運営費用が負担となる、沿線には道路状況の悪い場所も多く鉄道から道路に切替えた場合の拡幅の負担もあり、これは沿線自治体だけで年間19億円は必要だ、という。

 上下分離方式での解決、近江鉄道と沿線自治体の結論は思い切ったもので、近江鉄道の線路そのものを維持管理も含め自治体へ移管、そうした上で専門分野である鉄道の運行と管理は近江鉄道が継続する。近江鉄道は赤字でも、上記の19億円というほどではないゆえ。

 近江鉄道100形電車、西武鉄道新101系の中古車だ、このほか西武401系を譲り受けた近江鉄道800系等がゆったりと余生を送るように運営されています。この路線を守ろうと、出費も含め建設的議論の上に成り立つ鉄道というのは、凄い話だなあ、とおもうのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和五年度九月期十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.09.30-2023.10.01)

2023-09-29 20:15:35 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 真夏日がもう十月まで秒読みでもまだ続く中、九月初旬のちょっとした涼しさは残暑に戻され皆様いかがお過ごしでしょうか、今週末の行事紹介です。

 富士学校祭富士駐屯地創設69周年記念行事、今週末最大の注目行事と云いますとこちらでしょうか。富士総合火力演習を所管する富士教導団を隷下に有志まして、静岡県小山町に所在する富士学校は自衛隊の普通科、機甲科、特科の幹部教育及び戦術研究と新装備研究や評価試験等も担う部隊であり、間もなく富士学校は本州唯一の戦車部隊となります。

 第49回木更津航空祭、こちらも注目の行事です、こういいますのも自衛隊にV-22オスプレイ輸送機が配備され初めての木更津航空祭、そう、COVID-19新型コロナウィルス感染症により航空祭を行えなかった期間を克服しての航空祭です。名物はCH-47輸送ヘリコプターの大編隊ですが、ここにV-22がどのように編隊飛行を行うのかが、注目でしょう。

 北海道で今週末最大の行事は10月1日日曜日に行われます第3施設団創設記念南恵庭駐屯地創設71周年記念行事が注目です。北部方面施設隊に一時縮小改編されるも再度第3施設団へ拡大改編を受けると共に、駐屯地には第7師団隷下の第73戦車連隊が駐屯していまして、施設科部隊の様々な装備と共に90式戦車による観閲行進や訓練展示が凄いのです。

 第2師団隷下の第25普通科連隊が駐屯する北海道の遠軽は今週末土曜日日曜日と賑やかです。9月30日には遠軽駐屯地市街パレードが執り行われ10月1日には遠軽駐屯地創設72周年記念行事が予定されています。そしてこちらは普通科連隊から改編を受けていますが、日曜日には第10即応機動連隊創設記念滝川駐屯地創設68周年記念行事が行われる。

 本州では上記の他、10月1日に第22即応機動連隊機動戦闘車隊が駐屯している大和駐屯地にて大和駐屯地創設67周年記念行事が行われ、16式機動戦闘車の迫力が期待できると共に、神奈川県の横須賀市では陸上自衛隊高等工科学校創設68周年記念行事が執り行われます。昔は少年工科学校と呼ばれていまして、自衛隊の高等学校、その学校祭なのです。

 小月航空基地スウェルフェスタ2023、海上自衛隊の航空祭が山口県で行われます。小月教育航空群が展開していてT-5練習機という海上自衛隊の初等練習機が配備される唯一の基地でして、教官による飛行展示部隊ホワイトアローズの飛行展示は自衛隊観艦式でさえ見る事が出来ない貴重な行事、ランウェイウォークとして滑走路も一般開放されるもよう。

 本州ではまた山口県で第13旅団隷下の第17普通科連隊、山口駐屯地創設68周年記念行事が執り行われます、第13戦車中隊の74式戦車が参加する残り数少ない行事となっていますので、74式戦車の勇姿を是非、と思います。そして航空自衛隊のレーダーサイト行事なのですが日曜日、新潟県で佐渡分屯基地開庁68周年記念行事、ちょっと遠い行事という。

 大村市四部隊合同自衛隊記念日行事、大村駐屯地を中心に大村駐屯地周辺の陸海空自衛隊が市街パレードを行う行事です。大村駐屯地と地対空ミサイル部隊の置かれた竹松駐屯地に航空自衛隊のレーダーサイトが置かれる福江島分屯基地、そして海上自衛隊の小村航空基地から市街パレードを実施し、そして大村駐屯地では訓練展示なども行われる行事だ。

 自衛隊関連行事について、このところ例年、と言ってもコロナ前という但し書きですが、開催される時期とはずれて実施される事が散見されますので、そして直前に発表されることもあり、これは部隊が忙しいという事情もあるのです。今年は無いのかあ、と嘆息するよりも何気なくでも、冷静に部隊HPなどを定期的に見ておく必要があるのですね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・9月30日:遠軽駐屯地市街パレード
・10月1日:遠軽駐屯地創設72周年記念行事
・10月1日:第10即応機動連隊創設記念滝川駐屯地創設68周年記念行事
・10月1日:第3施設団創設記念南恵庭駐屯地創設71周年記念行事
・10月1日:大和駐屯地創設67周年記念行事
・10月1日:第49回木更津航空祭
・10月1日:陸上自衛隊高等工科学校創設68周年記念行事
・9月30日:富士学校祭富士駐屯地創設69周年記念行事
・10月1日:佐渡分屯基地開庁68周年記念行事
・10月1日:山口駐屯地創設68周年記念行事
・10月1日:小月航空基地スウェルフェスタ2023
・9月30日:大村市四部隊合同自衛隊記念日行事

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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ウクライナ情勢-NATOのフィンランド"バーナ2023演習"と東部戦線東部戦線中央部クリシチイフカ奪還

2023-09-29 07:00:59 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ウクライナでのウクライナ軍が血で築いた戦訓を各国がその運用へ活かそうと変革を試みています。

 NATOではウクライナでの戦闘機分散による消耗の局限化という重要な戦訓に鑑み、高速道路網などの戦闘機応急飛行場としての訓練を強化しています。具体的には現在フィンランドで実施されているバーナ2023演習での高速道路発着訓練で、従来この種の運用を行ってこなかったユーロファイタータイフーンやF-35ライトニングなどが参加しました。

 ウクライナでは戦闘機用シェルターが旧ソ連時代に多数建設されており、これらのものは本来頑丈なコンクリート製建造物であり航空攻撃やミサイル攻撃の爆風から防護可能な建物に戦闘機を格納するものとされてきました。しかし、ウクライナ軍ではこうした戦闘機シェルターはほとんど使用せず、航空機以外の用具倉庫として重宝しているとのこと。

 分散運用、ウクライナ軍が重視しているのは、決まった場所に長期間貼り付けて運用するのではなく、可能な限り分散し、可能な限り移動を続ける事で、ロシア軍の攻撃目標となる前に移動する運用です。バーナ2023演習が行われるフィンランドではNATO加盟を前に、高速道路の応急飛行場としての造成が維持されており、こうした演習に適しています。
■クリシチイフカを奪還
 東部戦線での動きについて。ウクライナ軍は内線作戦の強みを活かす運用となっているのですが日本の場合はこの国土の地形から日本型内線作戦というものをどう考えるのかは課題ですね。

 ウクライナ軍は9月17日、東部戦線中央部のクリシチイフカを奪還しました。クリシチイフカはバフムートの南西7㎞の位置にあり、バフムートの北西11kmにあるオリホヴォとヴァシリフカの地域でも前進に成功したとしています。これはウクライナ軍が公開した動画から確認された情報です。またクラスノホリフカ周辺でも前進に成功しています。

 ザポリージャ州西部においてもウクライナ軍は攻撃を継続しているものの顕著な前進はありません、逆にロシア軍がバフムト周辺からザポリージャ州西部へ兵力を引き抜いたことでバフムト周辺の兵力配置が手薄となり、ウクライナ軍が反撃を成功させている状況です。これに対しロシア軍はベルゴロド州周辺で防御を固め陽動作戦を試みているもよう。

 東部戦線南部ではウクライナ軍の反撃が今月に入り大胆に進展しており、ロシア軍防衛線の幾つかに食い込んでいる状況です。これは内線作戦という、防衛側は中心線から近い場所を戦場として選べるのに対し、侵攻側は急激な戦域の転換に対応するには長距離を移動する必要が生じる為、特に予備戦力が枯渇している状況では対応できない点が響くのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【M5撮影速報】舞鶴地方隊オータムフェスタ二〇二三(3),護衛艦ひゅうが飛行甲板公開(2023-09-02)

2023-09-28 20:01:35 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■ひゅうが見学の後に
 ひゅうが見学、何度その機会を巡った後にも、はるな型護衛艦とはけた違いに大型だと新鮮味を感じると共に他の護衛艦などを見ても全通飛行甲板型護衛艦の事ばかり考えてしまう。

 ひゅうが型護衛艦、カリフォルニア級駆逐艦としてアメリカ海軍に提示してはどうか、という提案を過去に北大路機関では掲載しました。建造費用はアーレイバーク級と同程度、まや型ミサイル護衛艦よりも安価です。日本で建造すれば3年で竣工できます。

 カリフォルニア級駆逐艦、この意図するところは、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦4隻で編成する駆逐隊の一隻をカリフォルニア級に置き換えて、平時にはF-35B戦闘機だけを甲板係留含め12機とHH-60多用途ヘリコプターを1機、任務に応じ編成を変える。

 MEU海兵遠征群の航空部隊を全て搭載するには、満載排水量19000tは十分ではありませんけれども、MV-22ならば艦内格納庫と甲板係留を併用すると8機を搭載した場合でもAH-1Z戦闘ヘリコプターなど更に数機は載せられ、海兵隊の緊急展開には十分でしょう。

 F-35B,無理をしなければ5機とか8機になるのでしょうが、HH-60などはアーレイバーク級にも搭載できますし、対潜偏重の編成でなければF-35B搭載艦としては十分な容積があります、そして重要なのは乗員数でアーレイバーク級とそれほど変わりません。

 アーレイバーク級と同じ駆逐艦として運用するならば、ニミッツ級やジェラルドフォード級といった空母の護衛にも十分な性能を発揮できますし、なにより中国海軍やロシア海軍の視点から見ますとF-35B搭載艦が分散してどこにでもいるのは実にやっかい。

 ズムウォルト級駆逐艦の三分の一程度の建造費用でそろえられるのですから、そして艦載機の問題にしてもアメリカ海兵隊には十分なF-35B戦闘機も揃っているのですし、スプルーアンス級駆逐艦なみに31隻ほど揃えてしまうことも十分現実的です。

 幻日としては、いや現実としては、海上自衛隊の場合では、ひゅうが型護衛艦はそのまま掃海隊群直轄艦に管理替えされる可能性もあるのだろうか。新しい88艦隊、という理想像やカリフォルニア級航空駆逐艦という視座を抑えればこんなことも思う。

 F-35B戦闘機を航空母艦のように無理無く運用するには、いずも型護衛艦規模の大型艦が必要で、しかも造船業で一応まだ世界二位三位を維持している日本では、ヘリコプター搭載護衛艦が多少船体規模で大きくとも建造費はイージス艦よりも安い。

 いずも型の拡大改良型、基準排水量で22000tくらいの大型艦で、ひゅうが型の護衛艦隊での任務を引継ぎ、そして掃海隊群が計画されている二個群への拡大改編を行った際に、各群の直轄艦として、うらが型掃海母艦の後継に充てられるのではないか。

 うらが型掃海母艦に搭載できないMCH-101掃海輸送ヘリコプターも、おおすみ型輸送艦に搭載できないV-22可動翼機も、ひゅうが型護衛艦ならば無理なく搭載でき、掃海隊群の任務である水陸両用作戦を行うにも指揮通信能力で、ひゅうが型はまさに十分だ。

 おおすみ型輸送艦が配備され、水陸両用作戦の任務も担う掃海隊群、おおすみ型艦上にMV-22可動翼機を搭載することは可能ですが、AAV-7両用強襲車の陸上までの航続圏内に入るということはまさに敵前であり、V-22の行動半径と見合いません、だからこそ。

 ひゅうが型護衛艦、新しい88艦隊ということで増勢すべきとは考えるのですが、実際のところ、いずも型の拡大改良型が護衛艦隊に配備されることとなり、ひゅうが型は護衛艦隊から掃海隊群へ移管され旗艦任務につくのかな、と考えてしまうのですね。

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ウクライナ情勢-ロシア軍の異変,第83親衛空中強襲旅団ザポリージャ州西部転進とトクマク市周辺防御強化

2023-09-28 07:00:44 | 防衛・安全保障
防衛情報-ウクライナ情勢
 空挺部隊と云えば自衛隊は勿論世界中の軍隊の最精鋭部隊であるのにロシア軍では無駄に火消舞台として磨り潰されている現状で変な指導者についてしまった空挺兵を気の毒に思う。

 ロシア軍はバフムト占領に当たっていた第83親衛空中強襲旅団を9月16日までにザポリージャ州西部のネステリャンへ転進させている模様です、ISWアメリカ戦争研究所の9月16日付戦況分析において概況を報告しています。バフムトは今年3月まで激戦が続きロシア軍が最重要視していた都市の一つでウクライナ軍が現在包囲しつつある状況です。

 第83親衛空中強襲旅団のザポリージャ州転進は、バフムト周辺でのウクライナ軍反撃を受けバフムト防衛からも兵力を本来は引き抜けない状況であるのに対して、此処から更に引き抜くことはザポリージャ州西部でのウクライナ軍反撃がロシア軍に危機感を与えていることにほかなりません。ザポリージャ州西部には空挺軍部隊が次々と送られている。

 ザポリージャ州西部へは第83親衛空中強襲旅団に加え、第98親衛空中強襲師団、第106親衛空中強襲師団、第11親衛空中強襲旅団、第31親衛空中強襲旅団、第364スペツナズ旅団が投入されており、ロシア軍に在って最精鋭部隊が集められていることを意味します。この地域を突破された場合、クリミア半島まで一気に奪還される懸念も考えられる。
トクマク市周辺
 ウクライナ軍は第二次防衛線を突破しつつあるものの第三次防衛線まで果たしていないという情報もありますが。

 イギリス国防省ウクライナ戦況報告9月17 日付戦況報告によれば、この数日間にわたりロシア軍は前線から16㎞後方にあるトクマク市周辺において防御を強化しているもよう。この地域は第58諸兵科連合軍が占領を担当しており、防御強化の一環として具体的には、検問所の増設や塹壕掘削、竜の歯対戦車障害などの敷設を行っているとのこと。 

 トクマク市は前線から16㎞の地点であり、ウクライナ軍はこの付近での第一次防衛線の突破に成功しつつあるとされ、ロシア軍は第二次防衛線から第三次防衛線という縦深陣地を構築しているとみられ、具体的にはロシア軍は第一次防衛線よりも第二次防衛線が重工であると理解されていました。ただ、その具体的概要は誰も把握していません。

 第一次防衛線は半年間にわたり長大な地雷原を構築していました、この為第一防衛線が予想をはるかに上回る防御線であったことがウクライナ軍反転攻勢緒戦を頓挫させていましたが、しかし、予想以上に厚かった第一次防衛線に対して第二次防衛線の厚さが不明で、こうした中第一次防衛線を突破されつつあるロシア軍の緊張感が伝わるところです。

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【京都幕間旅情】光明寺,0と1のデジタルな二進法の時代に当時の求道者への理解と共感を考える

2023-09-27 20:23:45 | 写真
■信楽庭と哲学に再訪をちかう
 こんなWeblogを運営している北大路機関ですので寺社仏閣を単純に珍重するのではなく、散策を通じ社会の形成や哲学への影響などから現実の問題を考える視座を探したい。

 御影堂は宝暦4年こと西暦1754年再建、光明寺は応仁の乱などの戦乱に巻き込まれていて、阿弥陀堂は寛政11年こと西暦1799年再建、実のところここは祈りの場という意味での聖地であり、堂宇は繰り返し再建を重ねている。兵火と戦乱と失火と法難と。

 嘉禄の法難。法然の逝去を受け浄土宗勢力を一掃するべく比叡山の天台宗宗徒が行った総攻撃です。歴史というものをある程度は理解しなければ今の道理や制度と価値観や公序の原点を汲み取り、流れを読むことは出来ないものですが、やはり現代人には難しい。

 念仏三昧院、実はこの時までここ光明寺は念仏三昧院と呼ばれていまして、それは念仏という浄土宗の在り方をここで法然さんが初めて示した故なのですが、この時法然さんを荼毘に付した際に雲から陽光が差したことを受け、光明寺、と寺号が改められたという。

 四条天皇、寺号を改めるよう勧めたのは時の四条天皇でして、その際に“光明寺”と記した扁額、天皇さんが大書した勅額を下賜しています。歴史を見れば、天台宗というのはなんであんなに攻撃的なのだろう、だから何故かわたしは未だ延暦寺に行ったことがない。

 求道者としての姿勢への共感、今の視点から考えることは簡単ではないのですが国家宗教であった当時の仏教において、民衆は民草という、放置していても生えてくるような扱いにあって、しかし異常気象に飢饉と疾病流行という救いようのない状態に曝されていた。

 粟生、長岡京市粟生西条ノ内にあります寺院は、開山前を思い浮かべますと、いまではのどかな田園風景という情景が広がっていますが、落ち着いて考えますと長岡京が何故廃都となったのかを考えれば相次ぐ洪水で官庁街が被災したという歴史、安全な地ではない。

 長岡京市が現在ののどかな住宅街と大学が並び洛西の安穏を湛えるに至ったのはそうとうな財投によるインフラ整備があった為で、その概念すらない平安朝末期の時代というのは、救いとは何か、を考える前に一日とひと月を生きることが大変な時代でもあった。

 求道者への理解と共感はこうした下地があったのだ、と考える。不思議なもので、現代において宗教と政治というものは、勿論宗教系の大学に進むとか大学で神学科や宗教専攻を履修するならば別なのですが、憲法や社会学の範疇では同床異夢となった可能性が。

 宗教と民衆や政治の距離感は、社会学と憲法や政治学といった教養とともに見る場合、その学問体系の成立体系が日本と西洋史、まあ西洋史も一括して扱う事は例外が多すぎるのだけれど、日欧の背景をあまり考慮せず学問として内部化しているような印象があるのだ。

 0と1のデジタルな二進法の時代、物事を幅広く理解するために現代はあまりに考え方や理解を簡略化し過ぎて、知ったふりをする範疇を無理してグローバルな範囲まで広げ過ぎているのかな、堂宇を見上げるたびによくこの頃そうした考えを持つようになりまして。

 法然さんは自ら寺院を拓くことは無かった、けれども浄土宗の拠り所として無数の堂宇が後に開かれた、それは社会保障や身分保障という概念さえない中世の時代に人々が、精神はもちろん社会的に互助自衛するためであった、すると現代では、難しいことを考える。

 信楽庭、しがらきにわではなくしんぎょうてい、と読むのですが秋の紅葉季節には寺院は有料拝観となり、この日公開されていない庭園も特別公開されるという。少々難しいことを考えてしまいましたが、その思想の探索は改めて紅葉の季節に深めたいものです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】光明寺,法然さん忘れる事無き浄土門根元地は浄土宗の専修念仏まで比叡山を降りてから20年

2023-09-27 20:01:11 | 写真
■法然さんの浄土門根元地
 新緑も厳しい夏の熱さを超えれば少々紅葉の気配を帯びてくるのは木々の疲れというところでしょうか。

 光明寺は長岡京市の、実は京都市内からは阪急特急が京都市内の桂市内からもう一つ先に行きましたやや洛中からは距離を隔てた一角に御堂を広めています。その歴史的背景には天台宗の国家宗教としての仏教に限界を感じ比叡山を降りた法然さんの道地があった。

 本尊は法然上人像、法然さんの張子の御影を御影堂に奉じています。法然さんは長承2年から建暦2年、西暦では1133年から1175年の時代を歩んだ、法然さん自身は一つも寺を開いたことはないのですが専修念仏という、日本の哲学に大きな変革を加えたひと。

 無用庵隠居修行、時代劇“無用庵隠居修行”の撮影舞台を巡るという、今風の理由で敢えて長岡京市まで阪急電車で臨んだわけですが、実のところ一つの関心事、現代における信仰と宗教と社会の位置づけというものを、結論はどうでもいい、考える機会が欲しかった。

 専修念仏というのは、要するに仏を熱心に祈るだけで救われる、という。もう十年以上前の話ですが、法学を学ぶものの大学は仏教系であった親友が仏教について、真面目にやるとこれから社会人になる人間には社会生活をすべて捨てさせる教義、といっていました。

 天台宗にしても真言宗にしても、教義通りに成仏できる生活を送ろうとすると、全員が僧侶になって妻帯を断つほかなく、それでは国家というものは成り立たないし社会も経済も成り立たない、全員が僧侶になるとそもそも寄進してくれる人もいなくなるから、と。

 法然さんの専修念仏は、祈るだけで救われるという概念であり、要するに大衆全員が救われる道を示して、此処でようやく仏教は国家宗教として天から天守をのみ見つめるだけではなく、大衆と向き合ったことを示しています。だた、この結論に至るのも簡単ではない。

 延暦寺と醍醐寺を経て、やはり南都六宗の視座も必要という事で法相宗、三論宗、華厳宗、この学僧たちと談義と法話を経て、しかしその最中に東大寺大勧進職という地位を進められるも辞退し、最後に大原問答という、日本哲学史に記される大会合を経ている。

 顕真、明遍、証真、貞慶、智海、重源、大原問答には当時の日本を代表する天台宗や真言宗は法相宗の高僧が文治2年こと西暦1186年、大原勝林院において法然と議論し、大衆は救われる有り方や仏教と民衆の向き合い方を議論、専修念仏という方向性が導かれた。

 浄土宗の専修念仏まで、比叡山を降りてから20年という研鑽と研究を経ていますが、その最初、比叡山を降り仏教教義の研究へ奈良へ向かう途上に立ち寄った当地での一晩の宿を借りました高橋茂右衛門宅において信仰を熱く語った事が現在の寺院へとつながる。

 浄土門根元地、寺院はいまこう呼ばれていまして、それは法然さんが20年を経て浄土宗を開いた際、あの始まりの一晩というべき高橋茂右衛門宅での茂右衛門夫妻との語らいを記憶していて、念仏を唱える重要性を広く問うた最初の地がここ、という所縁ゆえ。

 法然さんにとり、もちろん最初の庵を開いた知恩院の地吉水も、比叡山を降りて最初に腰かけた金戒光明寺も、すべてが思い出の地であり所縁と由緒を結んだ地であるのでしょうけれども、当地は特別であったと思われ、法然さんは没後ここで荼毘に付されました。

 法然上人の遺廟として。ただその歴史もへいたんであったわけではなく、そもそも荼毘に付すまえには法然さんはそのまま高野山の空海さんのように旅立たれたのちもご本人は安置されていたのですが、嘉禄の法難という嘉禄3年こと西暦1227年の出来事があった。

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ウクライナ情勢-ヘルソン州ドニエプル川渡河作戦とロボティネ東部及びバフムトとノボマヨルスケ北西の概況

2023-09-27 07:00:06 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 今回は少し古くなりましたが今月中旬までの戦況報告を現状と比較する為の備忘録的な話題です。

 ヘルソン州ドニエプル川が9月前半の大きな焦点となっている、イギリス国防省ウクライナ戦況報告9月19日付版が概況を示しました。ドニエプル川にはいくつもの中州が小島のように点在しており、ウクライナ軍とロシア軍が舟艇部隊を派遣し中州や対岸に橋頭保を確保しようと戦闘継続、ロシア軍はこの地域に新設の第40軍団を置いている。

 ドニエプル川での戦闘は、小隊規模の舟艇が相互に戦闘を繰り広げる状況となっていて、これは戦域単位で見れば展開している部隊は少ないものの、ドニエプル川全体の渡河作戦可否を左右するものであるため、また、ザポリージャ州やヂネツク州から兵力を引き離す要因となり得るとして、ウクライナ軍軍ロシア軍両軍が重要視している地域とのこと。

 イギリス国防省ウクライナ戦況報告9月9日発表において、ウクライナ軍はロボティネ東部でのロシア軍防衛線突破をイギリス国防省が確認している旨を発表しました。ウクライナ軍の攻撃は歩兵による浸透攻撃を行い、戦術的前進を積み重ねることでロシア軍を消耗させているとのこと。歩兵はあらゆる地形と天候を克服するとされる。

 ロボティネでの攻防戦ではロシア軍の動向として、前線部隊を再配置し消耗した部隊を新鋭部隊と交代させているとのこと。この一連の動静はロシア軍の予備戦力枯渇が進むことをしめし、ロボティネ地区でのロシア軍へのウクライナ軍圧力の増大を示すとともに、ロシア軍がほかの地域での陽動作戦を行いにくくなっていることを示す。

 ISW9月10日付分析として、ウクライナ軍はドネツク州とザポリージャ州の境界地域において攻勢に成功したもよう。これはウクライナ軍が公開した映像にノボマヨルスケ北西地域まで進出している画像が周辺地形などから確認されたため。ここはオリヒフから13kmの距離にあり、オリヒフから南方地域での着実な前進を重ねているもよう。

 バフムト、東部戦線での激戦の焦点はもう一つバフムト地区での戦闘があり、ウクライナ軍とロシア軍との間でバフムト近郊のアンドリイフカとクリシチフカにおいて交戦が確認されている、しかし、双方ともに具体的な前進にはつながっておらず一進一退の状況になっているという、ISWは分析しています。東部戦線北部では一進一退が続く。

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