北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

護衛艦隊集合訓練 舞鶴基地写真集

2006-04-28 09:11:24 | 海上自衛隊 催事

 土曜日・日曜日と展開した護衛艦隊集合訓練であるが、前回(23日)は第一日目の様子を掲載したが、今回は第二日目の写真を掲載したい。

 夜間電飾は時間的都合から第二日目は断念したものの、第二日目は第一日目に公開されていなかった舞鶴西港の護衛艦や舞鶴地方総監部の東郷平八郎記念館も公開されており、その様子も撮影する事が出来た。

 東舞鶴駅で長躯駆けつけた“ちゃりんこジョニー”氏、“T”氏、“文明”氏と合流し、有難く自動車に便乗させてもらった。前日は小生も25kmほど歩いたが(あとで地図を見て知った)、自動車による展開が舞鶴は便利である。JRで京阪神方面に帰ろうとすれば2030時の各駅停車に乗車しなければならないが、西舞鶴駅から東京行き高速バスが2130時まで出ているとの情報も聞いた。西舞鶴駅でレンタカーを調達するという手法が良いのではないかとのことだ。

HARUNA

(本ブログの写真及び本文は北大路機関の著作物であり無断転載は厳に禁じる)

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北大路機関とリンクを希望される皆様へ

2006-04-27 23:40:36 | 北大路機関 広報

北大路機関広報

 拙い出来ですが、北大路機関の新しいバナーを作成しました。前回は護衛艦『はるな』でしたが、今回は富士綜合火力演習における90式戦車です。

Img_0386_1  北大路機関とリンクを希望される方はご利用下さい。なお、本ブログとリンクされる場合は、コメント欄などで、その旨をご一報いただけると幸いです。なお、リンク機能の関係から、相互リンクは技術的に出来ませんのでご了承下さい。

Blogへのコメント方法

 北大路機関へのコメントを試みた方で、メールアドレス必須という理由から断念された方が多いと聞きましたが、これは掲示板のような無法状態を防止する為の施策、同時に仕様となっています。

 メールアドレスに関しては、明記に差支えがあるようでしたらnanashi@nanashi.uso.ne.jpというような、ダミーのアドレスをご利用下さい。北大路機関としましては要望がなければ返信などを考えていませんので、迷惑メール対策にもダミーメールアドレスの使用を北大路機関は推奨します。

 皆さんのコメント、質問などを北大路機関はお待ちしております。

 なお、コメントのうち、著しく公序良俗を害すると北大路機関が判断したもの、商用乃至誹謗中傷を目的としたもの、公共空間としての北大路機関の目的に著しく反するものに関しては、管理権行使による削除の場合もありますがご了承下さい。

北大路機関

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防衛議論の一考察 陸上自衛隊アパッチロングボウ

2006-04-26 16:37:45 | 防衛・安全保障

■アパッチロングボウ

 先月より陸上自衛隊の評価実験隊により飛行試験が開始されたAH-64Dアパッチロングボウは本ブログにおいて写真を紹介したが、一機72億~103億円という高価格から現行の5.5個対戦車ヘリ隊の代替が危ぶまれている。

Img_0134  富士重工によってライセンス生産されたAH-1Sが最終調達価格で48億円(一機のみ調達された関係で生産ライン維持費が加算されたと思われる)は一般に高価であると印象付けたが、新しく調達されたAH-64Dは二機の調達価格合計が144億円と戦慄すべき価格であり、仮に16機の一個対戦車ヘリ隊を新編しようとすれば単純計算で1152億円という価格になってしまう。

 これでは流石に“RMAの達成に不可欠なミリ波レーダーによる高度な共同交戦能力”や“堅牢な機体設計による高度な生存性”、“戦略的運用が可能な作戦行動半径950km”という利点も価格と釣り合っているか、という視点からは問題も少なくはない。

Img_0329_1 一方で、空中打撃能力を有しない方面航空隊が独自作戦能力を維持できるかと言う問題もある。

 こうした中で、AH-64Dとの機種選考から漏れたOH-1のAH化や、AH-1Zの案が再び出されているが、OH-1改造案では機体規模が不充分である為機銃を搭載するにもエンジンの換装やフレームの再設計など大改造が必要となり非現実的であるし(自衛用の武装を向上させることは選択肢に含まれるだろう)、AH-1Zに関しても目下導入中のAH-64D調達を今さら緊急中止するという選択肢も考えがたい。こうして、対戦車ヘリ隊4.5個案や3.5個案が出される一方で、空中機動旅団と称される第12旅団や新編された中央即応集団にもAH-64Dは必要だという声が上がっている。こうなると、高価格である、という理由で中部方面隊や東北方面隊、東部方面隊に対する戦闘ヘリコプター隊は編成不可能となってしまう。

 しかしここで考えたいのは、二機で144億円という初年度の数字である。18年度予算では戦闘ヘリコプターAH-64D一機103億円、と明記されており、また価格が上がったのかという声も聞かれ、一部では更にAH-1S完全代替に対して悲観的な意見が上がったようだ。ただ、初年度の調達がロングボウレーダー搭載型と非搭載型とで二機調達された事を無視してはいけない。

Img_0320_2  富士重工やボーイング社からの公式なデータがあるわけではない中で恐縮だが、ロングボウレーダーの搭載型と非搭載型では大きな価格差があるということは想像に難くない。

 また、米軍が1998年ごろに実施した実働演習では、ロングボウレーダーの搭載比率で、同規模の任務を遂行した場合の損耗率が劇的に異なるというデータが出ている。

 実は、ロングボウレーダー搭載型と非搭載型はD型とC型に区分されていたのだが、いつの間にか非搭載型のC型がD型と呼称されるようになっており、その判別は外見以外にはつきにくいのが実情である。しかし、18年度調達の103億円の機体がロングボウレーダー搭載型であれが一端が解明されてくる。

Img_0407  即ち、二機144億円の内、ロングボウレーダー搭載型が100億円前後であり、非搭載型は40億円前後ではないかという可能性である。事実であれば、対戦車ヘリ隊の数的水準維持に大きな光明が開けたこととなろう。

 というのも当然ながら配備数が増加すれば初年度調達期から数年間の整備器材に関する予算が不要となるし、また、40億円ならば、AH-1Sの平均価格よりは高いものの、OH-1の1.8倍程度である。確かに実戦環境を考慮すれば生存性に大きな影響が考えられるものの、数的水準維持を優先すれば以下のような結論が出る。また、受信のみとなるが共同交戦能力の高さは変わらず、航続距離にも変化はない、言い換えれば索敵能力が低下するのだが、それでも夜間飛行能力が高い事から現行のAH-1Sよりも高い事は確かである。また、CIWSやRAMなどのように海上自衛隊が良く行う“後日装備”の調達体系を考慮すれば、ロングボウレーダーを“後付”的に調達する事も選択肢に含まれよう。

 加えて、一個飛行隊定数が現行の16機から12機に減少するため、5.5個飛行隊を維持した場合でも必要機数は66機、更に中央即応集団に8機を配備しても総数はAH-1Sの調達数と比較して大きく低減される事となる。

Img_0132  他方で、ロングボウレーダー搭載型の必要性も挙げなければならない。飛行隊数維持の観点から妥協するものの、その必要性に関しては些かもかわらないことを挙げたい。いわば、情報の相互交換により戦闘を実施していくことが共同交戦という概念であり、従来の普通科や機甲科、特科や航空科による“共同作戦”という名前の暫定的統合、若しくは事実上の独立した戦闘行使から、実態的恒常的に統合した戦闘がRMAにおいて求められる戦闘である。これにより、敵情観測は従来機甲科の偵察隊や普通科連隊の情報小隊の専管事項のように挙げられていたのが、近接戦闘に当たる普通科、直接火力戦闘に従事する機甲科を含め全職種が敵情をデータリンクにより発信受信する相互作用の中に組み込まれる事を意味し、航空科にしても例外ではない。対して、AH-1Zのような光学索敵システム主体のヘリコプターでは、アナログにより入手した戦闘情報のデジタル化を行わなければならず、この間のタイムラグが大きい(AH-1Zもカタログ上はロングボウレーダーを搭載可能で、搭載すれば状況は異なる)。

Img_6987_3  戦域情報収集では、フランスのユーロコプター社がAS332に戦域情報レーダーを搭載し、米空軍もE-8戦域情報収集機を開発したが、前者は携帯SAMにより容易に無力化される恐れがあり、後者も絶対航空優勢を恒常的に維持できる状況がなければ機能しがたい。この点、AH-64Dであれば、武装した戦場情報収集機としての能力を有する。

 RMAという変革を考えればそれだけ、そのポテンシャルの高さを痛感させられる重要な装備といえよう。

HARUNA

(本ブログの本文及び写真は北大路機関の著作物であり無断転載は厳に禁じる)

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JR西日本福知山線 尼崎鉄道事故より一年

2006-04-25 23:18:40 | コラム

 107名が死亡し、555名の重軽傷者を出した尼崎鉄道事故より一年がたった。

 NHKではクローズアップ現代などで事件を扱い、関西地方では多くの特別番組が放送された。しかし、多くの識者が指摘するように事故の本質的な解明や深層分析は出来ていないように思える。このことは、JR西日本自体が『警察により充分な調査が行われる』として社内調査を行わない点や、事故にたいする謝罪をする一方で依然として原因に関して自社に責任を認めようとしない状況に端的に現れている。

 中曽根首相が成し遂げた国鉄民営化は戦後政治史においても特筆すべき政策実現であったが、同様に市場化民営化を進めたサッチャー政権下のイギリスは過当競争の皺寄せが利用者に押し寄せ、メージャー政権を経て保守党は政権を失い、労働党右派のブレア政権の下で再国有化路線が採られた。民営化、つまり外注の形は採るが経営任命権を政府が保有し、所定のサービス水準を維持できなければ経営陣を入れ替えるという方式である。完全なものはありえず、不完全な部分が見つかったらば是正すれば良いと思う。中曽根時代では実現可能な選択肢の中で最良の選択をしたが、問題点は当然残ったのだから。

 わが国は欧米が理想とするほどの公務員削減を行い、更に郵政民営化により完全に近い夜警国家への移行を推進中であるが、JRを含め、再規制化を検討する時期になったのではないだろうか、即ち国民福祉の目的に特化し、且つ過剰な要求を行わない監査法人の必要性をここに提起しているのである。今更再国鉄化というような極端な政策要求は小生も不用と考えるが、民営化の目的は歳出削減であり、これを介して国民福祉の増進を行う事にあったはずだ、この目的は一端は一旦達せられたといえるが、新しい問題も生じたということを忘れてはならず、この弊害が事故という形で表面化した。

 政治学や政治史を研究すればそれだけの事が目に付くのである。

 総論賛成各論反対というわけで折衷案というのは歓迎されにくいものではあると自覚しつつも、民営化そのものには賛成であるが、その方策を熟考すれば、政府が行った方針にはどうしても疑問を抱かない訳には行かないのである。

 現在進む郵政民営化も、例えば最低水準のサービス体制を立法府が明記し、監査法人として必要とされる歳出削減と利益増進をサービスと両立できる、運用面の民営化を行えば、少なくとも“我らがプライムミニスター”の求める目的は達せられよう。対して現行法の野放し政策では確実に将来的な問題は生じる。しかし、再規制化というような政策をJRやその他“公社”に対して提言出来る政党がいないことは我が国の政治に対して嘆くべき点である。

 また、今回の事故では上層部が責任逃れに邁進し、末端が責任転嫁と利用者からの罵声に曝される姿は痛ましい。マスコミや人権論者が忌み嫌う旧軍からのこうした伝統はこうした点、若しくは日本の大半の組織に根付いているように思えるが、気分転換若しくは気晴らしのようなかたちで罵声を浴びせるのではなく、その相手を慎重に見極めてはどうかと思う。

 幸いにして小生は神戸方面に友人は多いものの友人知人に負傷者や犠牲者は出なかったものの、鉄道のみならず多くの面で、構造的欠陥と隣り合わせに生業を営んでいる事を忘れてはならず、これを律する事が出来るのは主権者の自覚のみであろう。最後に犠牲となった方々のご冥福を祈り、また心身を負傷され未だ癒えること無き皆様のご健康を祈り、末尾としたい。

北大路機関

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第三師団創立記念行事へお出かけを検討中の方へ

2006-04-24 21:54:06 | 北大路機関 広報

千僧駐屯地祭

 5月14日、陸上自衛隊千僧駐屯地にて第三師団創立記念行事が実施される。師団駐屯地祭であるから戦車も小隊規模で観閲行進に参加し、普通科、機甲科、特科、施設科という戦闘職種はもちろんのこと、武器科、需品科、通信科、飛行科、化学科その他もろもろの師団隷下部隊が参加する。

 当日はJR伊丹駅、阪急電鉄伊丹駅から駐屯地までシャトルバスが運行される見込みで、観閲行進、訓練展示が実施される見込みだ。第三師団の記念行事は他の師団と比べ創意工夫が見られると言い、小生も展開予定である。

 添付画像は中部方面隊HPより。

 HARUNA

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護衛艦隊集合訓練 舞鶴基地写真集

2006-04-23 22:35:14 | 海上自衛隊 催事

 舞鶴基地の集合基地撮影を終え、舞鶴から撤収してきた。詳報を記載しようとも考えたがとりあえず第一日撮影の写真だけを掲載したい。

HARUNA

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速報! 海上自衛隊舞鶴基地護衛艦隊集合訓練

2006-04-22 23:21:34 | 北大路機関 広報

 ホテルの中にて簡易掲載、本日展開の護衛艦隊集合訓練、写真を掲載し、情報として明日も0900~1600時桟橋一般公開、2000~2200時夜間電飾を行われる事を速報としてお知らせしたい。

 東舞鶴港には概ね16隻、西舞鶴港には4隻が停泊している。残念ながら疲労困憊につき短報・詳報はまた後日。写真は基地外から撮影した夜間電飾の様子。

 HARUNA

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岐阜基地の桜 ・ 舞鶴展開上の注意

2006-04-21 23:32:53 | 北大路機関 広報

岐阜基地のサクラ

 掲載が若干遅れたが今週月曜日、再び航空自衛隊岐阜基地に撮影展開した。今はまさに桜の時期である。桜と戦闘機、こんな取り合わせが撮れるのもこの時期だけである。

Img_0742  聞くところでは先週水曜日あたりが桜の満開の時期であったとの話だが、さりとて諦めきれず、カメラを持って長躯岐阜基地へ向かった。盛んにC-1輸送機のC-X用エンジン実験機の目撃情報があったが、当日はエプロンに動かず置いてあり、撮影には至らなかった。

 写真は盛んにタッチアンドゴーを繰り返していた小牧のC-130H輸送機と桜、やはり散り際である。

Img_0766  写真は同日、撮影したF-15DJ。これも盛んにタッチアンドゴーを繰り返していた。

 図らずも撮影する立場の人間には飛行経路を知りながら待ち伏せて期に撮影する事が出来、被写体としては最高だが、なにせ怪鳥F-15、速度が並ではなく中々満足した写真は撮れない。手段としてはISO感度を1600に変更し、1/800くらいで撮影するというデジタル一眼レフならではの方法での撮影である。詳報は後日。

舞鶴展開上の注意

 続いて集合訓練見学に、週末、舞鶴基地へ展開される方への情報である。週末の土日桟橋が一般公開されることは既報だが、舞鶴という特性を交通の面から詳述したい。

Img_9159  舞鶴へは京都駅から山陰線を利用する。写真は特急舞鶴号、京都駅始発で二時間強にて東舞鶴駅に到達する。山陰線は快速も新快速も運行されておらず、僅かに特急リレー号として福知山方面への特急へ連絡する快速があるだけ、基本的に各駅停車であるから乗り換え三回、三時間~四時間の時間を要する為、特急利用が理想である。

 経験した事だが、車内販売も自動販売機もなく、途中停車駅に自販機も少ないので乗車前に飲み物や駅弁の購入をしなくてはつらい列車旅となるので要注意だ。

Img_9164  更に付け加えると、列車本数が非常に少ない事である。

 写真は東舞鶴駅の時刻表、黒字は各駅停車、赤は特急電車、終電は2151時であるが、京都市内に戻ろうとするならば2030時の電車に乗らなければ往生する事となる。とにかく終電には注意が必要だ。西舞鶴駅前にビジネスホテル、東舞鶴駅前にカプセルホテルがあるが、夜間電飾を撮影するならば宿の確保を到着と同時に行うべきだろう。

 時間帯によっては一時間に一本もないところがあるので、展望台がある五老タワーや西港などに行く際は、駅にある舞鶴市観光課出張所ヘ行き、土日に運行されている一乗車100円のバスに関して案内用紙をもらうのが妥当だろう。

Img_9432_1  駐車場は舞鶴基地内に一部あり、手続きを行えば駐車できるが、数に限りがあることを特記しておこう。

 市内にも商業施設に駐車場があるが、艦船ファンの名前を汚すような違法駐車や利用者以外駐車禁止のところに駐車する事だけはやめて欲しい。

 以下を参考の一端にして、集合訓練をお楽しみいただきたい。

HARUNA

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海上自衛隊舞鶴基地 桟橋一般公開②

2006-04-21 21:31:56 | 海上自衛隊 催事

舞鶴基地の護衛艦

舞鶴基地は第三護衛隊群の護衛艦5隻、地方隊の護衛艦6隻と掃海艇3隻、ミサイル艇3隻、輸送艦1隻、補給艦1隻の母港である。今回は3月に小生が展開した際の在泊護衛艦について掲載する。

Img_9292_1  舞鶴基地といえば、第三護衛隊群旗艦の護衛艦『はるな』である。誰が何と言おうと舞鶴の主である(笑)。ちなみに蛇足ながら小生の愛犬(♀)は榛名、鞍馬というなまえである。

 舞鶴基地唯一の蒸気タービン推進方式の護衛艦で満載排水量6800㌧、全長153㍍の本艦は日本初のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)として1973年に就役し、同型艦『ひえい』とともに三機の哨戒ヘリを搭載する本艦は1980年に改良型の『しらね』型が就役するまでの間日本最大の護衛艦であった。また、ASW(対潜戦闘)を主たる任務に掲げる海上自衛隊にとり潜水艦の天敵ともいえる航空機を搭載した重要な戦力であった。

Img_9314  『はるな』型は背負式に搭載した特長的な5in砲で知られ、この艦容は『しらね』型にも受け継がれている。当初はDDH二隻で一個護衛隊を形成し、これにDDAやDDKを充て護衛隊群を編成していたが護衛艦八隻ヘリ八機からなる八八艦隊に改編された後は護衛隊群旗艦という位置づけとなった。

 1987年から1989年にかけ二隻は電子装備に関する近代化改修を受け、艦齢を24年から32年へ八年延長、今日に至る。なお、本艦も退役が迫っており(恐らく2009年)、2003年度と2006年度に後継の全通飛行甲板型ヘリコプター護衛艦が建造される事となっている。蒸気タービン艦が三年間隔でオーバーホールが必要で、ガスタービン艦の四年間隔と比較しライフサイクルコストが高い事が上げられる。

Img_9285_1  写真はミサイル護衛艦(DDG)『しまかぜ』、『はたかぜ』型の二番艦で満載排水量は5900㌧、全長は150㍍、初のガスタービン推進方式DDGで、1988年に就役した。

 主兵装であるスタンダードSAM発射機を艦首部分に置き、波浪から守るべくブルワークを加えた艦容で、小説『亡国のイージス』の『いそかぜ』は本型をモデルとしている。後部甲板を広く開けたことでヘリによる物資補給が可能となり、特筆すべき点も多いが、イージス艦に至る過渡的な設計であったことは否めない。また搭載するスタンダードSM-1の射程も18~38kmと限定的でイルミネーターの数と同じ同時ニ目標しか対処できず、そのポテンシャルも低下している。

Img_9315  今年三月に就役したばかりの最新鋭護衛艦『すずなみ』、『たかなみ』型護衛艦の最終艦(五番艦)で満載排水量は6300㌧、『はつゆき』『あさぎり』『むらさめ』と建造された汎用護衛艦(DD)の最新型である。汎用護衛艦中最大の本級は寸法や排水量ともにDDHやDDGに匹敵する。限定的な多目標同時対処能力を有する国産射撃指揮装置FCS-2を搭載し、MK-41VLS(垂直発射機)32セルを搭載する。ステルス性にも配慮があり、将来的にはESSM(発展型シースパロー)を64発搭載することになり、文字通り初期のDDGを遥かに凌駕する対空戦闘能力を有する事になるが、本型に更に抜本的なステルス性を追求し、洋上作戦能力を高めた新型護衛艦(20DD)が来年度予算で要求される見込みとなっている。

Img_9328  写真は舞鶴地方隊第24護衛隊の『みねゆき』(DD124)と『はまゆき』(DD126)である。『はまゆき』は『すずなみ』就役と同時に護衛艦隊から地方隊に移管したもので、護衛艦隊最後の『はつゆき』型である。

 『はつゆき』型は満載排水量4000㌧。また、性能や艦設計など非常にバランスが取れており、ガスタービン推進、対潜・対艦・対空の各種ミサイルを搭載し、対潜ヘリコプターを搭載するという今日の汎用護衛艦の基礎を築いた護衛艦で、1982年から1987年にかけて12隻が建造された。

Img_9340  なお、地方隊配備の護衛艦にはヘリコプターを搭載しないため、本年三月を以て『はつゆき』型のヘリコプター配置は終了したが、着艦支援器材などは艦内に保管されており、必要に応じてその能力を再生可能である。

 本型は、艦橋構造物から一段下にCICを内蔵し、ダメージコントロールに留意した設計となっているが、艦内容積の関係でデータ相互交換可能なリンク11を搭載できず、受信専用のリンク14を搭載している。

Img_9346  『はやぶさ』型ミサイル艇『うみたか』。

 満載排水量240㌧、1999年3月の北朝鮮工作船侵入事案を契機に建造されたミサイル艇で、舞鶴の第二ミサイル艇隊に三隻が配備されている。また、リンク11を搭載しており高い共同交戦能力を有する。

 速力は実に44ノットに達し、工作船に対抗するべく、12.7㍉機銃や高速複合艇などを搭載している。

Img_9350_1  『うみたか』の後方に並ぶ『はつゆき』型と比較すると本型の大きさがわかる。近年ではミサイル艇を400~500㌧クラスに拡大させ、速力を犠牲にしてでもコルベット的運用を視野に入れて設計しているが、本型はあえて高速性を重視した設計である。

 なお、一部にミサイル艇を護衛艦の代用として地方隊の主力装備とさせる構想があるようだが、ミサイル艇は対空ミサイルなどの自衛手段に限界があり、また対艦ミサイルの射程に見合う索敵手段を有しないことも特筆すべきで、護衛艦との協同運用を模索するか、米軍が建造する沿海域戦闘艦(LCS)のような艦艇を模索するべきといえよう。

Img_9273  『あぶくま』型護衛艦『あぶくま』。

 満載排水量2900㌧、対艦・対空ミサイルを搭載し、船体部分に傾斜をつけるなど護衛艦として初めて対レーダーステルスを設計に盛り込んだ事が特筆される。対空レーダーは『はつゆき』型と同じOPS-14を搭載している。6隻が建造されたが、これが地方隊向けのDE(小型護衛艦)の最後の建造となった。装備はヘリや対空ミサイルを搭載しないことを除けば『はつゆき』型に準じるが、CICの機能などに限定的な部分があるという。  

Img_9443  『はつしま』型掃海艇『あわしま』(MSC-670)と『うわじま』型掃海艇『ながしま』(MSC-680)。

 初めて自走式機雷処分具を搭載した『はつしま』型(満載排水量520㌧、1976~1987年に23隻建造)、そして中深度掃海器具・掃討装置を加えた『うわじま』型(満載排水量570㌧、1990~1996年に9隻が建造)が並ぶ。

 各国が汎用性を希求しFRP製掃海艇二尉こうする中、日本では耐衝撃性やダメージコントロール性能に優れた木製掃海艇を建造している。

Img_9348  写真は舞鶴地方隊の支援船。

 YTとは出港入港時に支援を行う曳船を示し、YWとは艦艇に飲料水などを供給する水船、YO及びYGとは艦艇に燃料を補給する油船、YBとは艦艇に溜まった廃油を回収し陸上施設に運ぶ廃油船、YLとは糧秣や消耗品を運搬する運貨船、YCとはクレーンを搭載した起重船、YFとは沖止めした艦艇から陸上に乗員を輸送する交通船を示している。また湾内の浮遊物を回収するYDという作業船などが配備されている。

 以上が3月18日、舞鶴基地に停泊していた艦艇である。現在実施中の集合訓練には23隻が参加しており、これに関する興味も尽きないが、参加される方は本情報をご参考にしていただければ幸いである。

HARUNA

(本ブログに掲載した写真及び本文は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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海上自衛隊舞鶴基地 桟橋一般公開①

2006-04-20 09:57:56 | 海上自衛隊 催事

舞鶴

 舞鶴とは鶴の舞うような独特の地形から名づけられた地名である。帝都防衛の要衝である横須賀軍港、瀬戸内海に面し防衛に適した一方で各種兵器開発の拠点としての呉軍港、支那方面や欧米列強との軍事的均衡から重要視された佐世保に引き続き、明治19年にロシアとの軍事的均衡を保つ目的で舞鶴軍港が整備された。

Img_9450  ロシアのシベリア鉄道建設が進む中、軍港整備は決定したものの、土地買収は地価高騰などで中々進まず、明治22年から実に12年間を要した。

 明治34年10月1日、舞鶴軍港はようやく開庁し、舞鶴の街路には戦艦三笠、戦艦初瀬、戦艦吾妻の名前が付けられ、これは今日の舞鶴市にも受け継がれている。

 初代舞鶴鎮守府司令官は当時の常備艦隊司令長官であった東郷平八郎中将が日高壮之丞中将に任を譲り着任し、横須賀、佐世保、呉鎮守府とおなじ規模の司令部要員を迎えて発足した。

Img_9170  日露戦争後、大正軍縮により舞鶴鎮守府は要港部に格下げとなったが、昭和14年に太平洋戦争を控え再び鎮守府化され、太平洋戦争敗戦により帝國海軍は解体されたものの、舞鶴の掃海作業は続けられ、その隷下に敦賀、伏木、七尾、新潟には掃海支部が置かれた。

 写真は舞鶴煉瓦博物館駐車場から撮影したもので、「はつしま」型掃海艇の「あわしま」(舞鶴地方隊第44掃海隊)、そしてその向うに第三護衛隊群旗艦の「はるな」が写っている。

Img_9225  海上自衛隊の地方隊は、昭和21年に朝鮮半島でコレラが流行した為、占領軍から密航者引渡しを命じられ、運輸省を通じて駆潜艇や哨戒艇38隻を譲渡され、ここからのちの形状警備隊、海上自衛隊の起源となった。最初の部隊は海上保安庁から移管された四隻の木造掃海艇であるが、これが今日の舞鶴地方隊に至った。

 写真は舞鶴地方隊の「あぶくま」型護衛艦「あぶくま」(舞鶴地方隊第24護衛隊)で、DE(小型護衛艦)ながらも満載排水量は2900㌧に達し、対空レーダーは「はつゆき」型護衛艦とおなじOPS-14、対艦ミサイルや対潜ロケットを搭載したもので、海上自衛隊が最後に建造したDEクラスでもある。

Img_9227  舞鶴基地では現在、護衛艦隊集合訓練が実施されており、この週末に一般公開が予定されている為このための情報を幾つか掲載したい。

 舞鶴市は煉瓦の街と言われるだけあって、煉瓦を辿って海に向かうと舞鶴東港にたどり着く。しかし、最短距離はフェリーターミナルでだいたいここには何もいないので、ちょっと度肝を抜かれる事があるが、煉瓦博物館を通り舞鶴市役所前を通過すると写真のような隘路の向こう側に海上自衛隊艦艇が並んでいる様子がみえる。此処が舞鶴基地である。西舞鶴駅と6㌔離れた東舞鶴駅があるが、海上自衛隊が使用しているのは東港である。しかし、東港に入港できない艦艇は西港に入港している。

 今回はこれまで、次回は艦艇を中心に掲載したい。

HARUNA

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