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ウクライナ情勢-ロシア軍の異変,第83親衛空中強襲旅団ザポリージャ州西部転進とトクマク市周辺防御強化

2023-09-28 07:00:44 | 防衛・安全保障
防衛情報-ウクライナ情勢
 空挺部隊と云えば自衛隊は勿論世界中の軍隊の最精鋭部隊であるのにロシア軍では無駄に火消舞台として磨り潰されている現状で変な指導者についてしまった空挺兵を気の毒に思う。

 ロシア軍はバフムト占領に当たっていた第83親衛空中強襲旅団を9月16日までにザポリージャ州西部のネステリャンへ転進させている模様です、ISWアメリカ戦争研究所の9月16日付戦況分析において概況を報告しています。バフムトは今年3月まで激戦が続きロシア軍が最重要視していた都市の一つでウクライナ軍が現在包囲しつつある状況です。

 第83親衛空中強襲旅団のザポリージャ州転進は、バフムト周辺でのウクライナ軍反撃を受けバフムト防衛からも兵力を本来は引き抜けない状況であるのに対して、此処から更に引き抜くことはザポリージャ州西部でのウクライナ軍反撃がロシア軍に危機感を与えていることにほかなりません。ザポリージャ州西部には空挺軍部隊が次々と送られている。

 ザポリージャ州西部へは第83親衛空中強襲旅団に加え、第98親衛空中強襲師団、第106親衛空中強襲師団、第11親衛空中強襲旅団、第31親衛空中強襲旅団、第364スペツナズ旅団が投入されており、ロシア軍に在って最精鋭部隊が集められていることを意味します。この地域を突破された場合、クリミア半島まで一気に奪還される懸念も考えられる。
トクマク市周辺
 ウクライナ軍は第二次防衛線を突破しつつあるものの第三次防衛線まで果たしていないという情報もありますが。

 イギリス国防省ウクライナ戦況報告9月17 日付戦況報告によれば、この数日間にわたりロシア軍は前線から16㎞後方にあるトクマク市周辺において防御を強化しているもよう。この地域は第58諸兵科連合軍が占領を担当しており、防御強化の一環として具体的には、検問所の増設や塹壕掘削、竜の歯対戦車障害などの敷設を行っているとのこと。 

 トクマク市は前線から16㎞の地点であり、ウクライナ軍はこの付近での第一次防衛線の突破に成功しつつあるとされ、ロシア軍は第二次防衛線から第三次防衛線という縦深陣地を構築しているとみられ、具体的にはロシア軍は第一次防衛線よりも第二次防衛線が重工であると理解されていました。ただ、その具体的概要は誰も把握していません。

 第一次防衛線は半年間にわたり長大な地雷原を構築していました、この為第一防衛線が予想をはるかに上回る防御線であったことがウクライナ軍反転攻勢緒戦を頓挫させていましたが、しかし、予想以上に厚かった第一次防衛線に対して第二次防衛線の厚さが不明で、こうした中第一次防衛線を突破されつつあるロシア軍の緊張感が伝わるところです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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