北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【M5撮影速報】舞鶴地方隊オータムフェスタ二〇二三(3),護衛艦ひゅうが飛行甲板公開(2023-09-02)

2023-09-28 20:01:35 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■ひゅうが見学の後に
 ひゅうが見学、何度その機会を巡った後にも、はるな型護衛艦とはけた違いに大型だと新鮮味を感じると共に他の護衛艦などを見ても全通飛行甲板型護衛艦の事ばかり考えてしまう。

 ひゅうが型護衛艦、カリフォルニア級駆逐艦としてアメリカ海軍に提示してはどうか、という提案を過去に北大路機関では掲載しました。建造費用はアーレイバーク級と同程度、まや型ミサイル護衛艦よりも安価です。日本で建造すれば3年で竣工できます。

 カリフォルニア級駆逐艦、この意図するところは、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦4隻で編成する駆逐隊の一隻をカリフォルニア級に置き換えて、平時にはF-35B戦闘機だけを甲板係留含め12機とHH-60多用途ヘリコプターを1機、任務に応じ編成を変える。

 MEU海兵遠征群の航空部隊を全て搭載するには、満載排水量19000tは十分ではありませんけれども、MV-22ならば艦内格納庫と甲板係留を併用すると8機を搭載した場合でもAH-1Z戦闘ヘリコプターなど更に数機は載せられ、海兵隊の緊急展開には十分でしょう。

 F-35B,無理をしなければ5機とか8機になるのでしょうが、HH-60などはアーレイバーク級にも搭載できますし、対潜偏重の編成でなければF-35B搭載艦としては十分な容積があります、そして重要なのは乗員数でアーレイバーク級とそれほど変わりません。

 アーレイバーク級と同じ駆逐艦として運用するならば、ニミッツ級やジェラルドフォード級といった空母の護衛にも十分な性能を発揮できますし、なにより中国海軍やロシア海軍の視点から見ますとF-35B搭載艦が分散してどこにでもいるのは実にやっかい。

 ズムウォルト級駆逐艦の三分の一程度の建造費用でそろえられるのですから、そして艦載機の問題にしてもアメリカ海兵隊には十分なF-35B戦闘機も揃っているのですし、スプルーアンス級駆逐艦なみに31隻ほど揃えてしまうことも十分現実的です。

 幻日としては、いや現実としては、海上自衛隊の場合では、ひゅうが型護衛艦はそのまま掃海隊群直轄艦に管理替えされる可能性もあるのだろうか。新しい88艦隊、という理想像やカリフォルニア級航空駆逐艦という視座を抑えればこんなことも思う。

 F-35B戦闘機を航空母艦のように無理無く運用するには、いずも型護衛艦規模の大型艦が必要で、しかも造船業で一応まだ世界二位三位を維持している日本では、ヘリコプター搭載護衛艦が多少船体規模で大きくとも建造費はイージス艦よりも安い。

 いずも型の拡大改良型、基準排水量で22000tくらいの大型艦で、ひゅうが型の護衛艦隊での任務を引継ぎ、そして掃海隊群が計画されている二個群への拡大改編を行った際に、各群の直轄艦として、うらが型掃海母艦の後継に充てられるのではないか。

 うらが型掃海母艦に搭載できないMCH-101掃海輸送ヘリコプターも、おおすみ型輸送艦に搭載できないV-22可動翼機も、ひゅうが型護衛艦ならば無理なく搭載でき、掃海隊群の任務である水陸両用作戦を行うにも指揮通信能力で、ひゅうが型はまさに十分だ。

 おおすみ型輸送艦が配備され、水陸両用作戦の任務も担う掃海隊群、おおすみ型艦上にMV-22可動翼機を搭載することは可能ですが、AAV-7両用強襲車の陸上までの航続圏内に入るということはまさに敵前であり、V-22の行動半径と見合いません、だからこそ。

 ひゅうが型護衛艦、新しい88艦隊ということで増勢すべきとは考えるのですが、実際のところ、いずも型の拡大改良型が護衛艦隊に配備されることとなり、ひゅうが型は護衛艦隊から掃海隊群へ移管され旗艦任務につくのかな、と考えてしまうのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ウクライナ情勢-ロシア軍の異変,第83親衛空中強襲旅団ザポリージャ州西部転進とトクマク市周辺防御強化

2023-09-28 07:00:44 | 防衛・安全保障
防衛情報-ウクライナ情勢
 空挺部隊と云えば自衛隊は勿論世界中の軍隊の最精鋭部隊であるのにロシア軍では無駄に火消舞台として磨り潰されている現状で変な指導者についてしまった空挺兵を気の毒に思う。

 ロシア軍はバフムト占領に当たっていた第83親衛空中強襲旅団を9月16日までにザポリージャ州西部のネステリャンへ転進させている模様です、ISWアメリカ戦争研究所の9月16日付戦況分析において概況を報告しています。バフムトは今年3月まで激戦が続きロシア軍が最重要視していた都市の一つでウクライナ軍が現在包囲しつつある状況です。

 第83親衛空中強襲旅団のザポリージャ州転進は、バフムト周辺でのウクライナ軍反撃を受けバフムト防衛からも兵力を本来は引き抜けない状況であるのに対して、此処から更に引き抜くことはザポリージャ州西部でのウクライナ軍反撃がロシア軍に危機感を与えていることにほかなりません。ザポリージャ州西部には空挺軍部隊が次々と送られている。

 ザポリージャ州西部へは第83親衛空中強襲旅団に加え、第98親衛空中強襲師団、第106親衛空中強襲師団、第11親衛空中強襲旅団、第31親衛空中強襲旅団、第364スペツナズ旅団が投入されており、ロシア軍に在って最精鋭部隊が集められていることを意味します。この地域を突破された場合、クリミア半島まで一気に奪還される懸念も考えられる。
トクマク市周辺
 ウクライナ軍は第二次防衛線を突破しつつあるものの第三次防衛線まで果たしていないという情報もありますが。

 イギリス国防省ウクライナ戦況報告9月17 日付戦況報告によれば、この数日間にわたりロシア軍は前線から16㎞後方にあるトクマク市周辺において防御を強化しているもよう。この地域は第58諸兵科連合軍が占領を担当しており、防御強化の一環として具体的には、検問所の増設や塹壕掘削、竜の歯対戦車障害などの敷設を行っているとのこと。 

 トクマク市は前線から16㎞の地点であり、ウクライナ軍はこの付近での第一次防衛線の突破に成功しつつあるとされ、ロシア軍は第二次防衛線から第三次防衛線という縦深陣地を構築しているとみられ、具体的にはロシア軍は第一次防衛線よりも第二次防衛線が重工であると理解されていました。ただ、その具体的概要は誰も把握していません。

 第一次防衛線は半年間にわたり長大な地雷原を構築していました、この為第一防衛線が予想をはるかに上回る防御線であったことがウクライナ軍反転攻勢緒戦を頓挫させていましたが、しかし、予想以上に厚かった第一次防衛線に対して第二次防衛線の厚さが不明で、こうした中第一次防衛線を突破されつつあるロシア軍の緊張感が伝わるところです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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