北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都発幕間旅情】小田原城(神奈川県小田原市)堅城は上杉謙信と武田信玄を退け豊臣秀吉と戦う

2024-01-31 20:24:19 | 旅行記
■最盛期の巨大な城郭
 城郭探訪は時間の関係から掘割の散策を割愛して文字通り登城に臨んだのですが見上げる天守閣は青空に映えていて美しい。

 小田原城は広い、そして堅城である。これは現存する城郭そのものの大きさと共に石垣、城郭が籠城するうえでの防御施設と何より必要な兵站物資の備蓄に適しているとともに、上杉謙信と武田信玄の侵攻を防ぎ切った為という一点でもすべてを示す事ができる。

 上杉謙信については、もっとも最初の上杉謙信による小田原攻めは関東管領を目指す上杉氏の示威行動であったともいわれていますが。ただ、永禄12年こと西暦1569年の武田信玄による小田原攻めは非常に危険な状況でもあったようで、城郭は拡張される。

 天守閣へ天守閣へ、と階段を上りそして櫓や城門を往く。これでも廃藩置県の際に相当破壊され、更には関東大震災でも被災している建物を何とか昭和時代と平成時代に修復しまして今に至るというのですから中々に雄大な気分を味わえるというものです。

 日本の城郭で思うのは様式美と共に形式美というところがあります。それは日本が歩兵主体の軍事ドクトリンを構成していたため、工兵により城郭そのものを破壊するという運用が限られ、迷路のような城郭とすることに一定以上戦術的な意味があったため。

 櫓や城門が防御拠点ではあるのですが、工兵が相応に発達している国であれば、迷路のような城郭を一直線に破壊して指揮中枢である天守閣を叩きます。もちろん工兵に当たる集団は存在しましたが、築城に充てるような建設工兵が主体であったといえるところ。

 城郭を攻撃するにも、欧州などでは一般的であった坑道戦などはせいぜい井戸を掘りぬく程度であり、城郭そのものを坑道戦により崩壊させた事例は聞きません。騎兵は、攻城戦には使えませんし。この点で日本の架橋や道路などの面での不思議な部分を感じる。

 将棋の影響ではないか。まえにわたしは日本の歩兵重視の背景には将棋の歩兵が多い部分が心理的に影響しているのではないかと持論を示してみましたが、灌漑整備など工兵の機能が役立つ分野はある程度あるはずなのに、日本では工兵は現代史まで影が薄い。

 城郭が美しいのは逆に、こうした技巧の様な建築設計がそのまま軍事的に意味を有したからではないかといえます。そして日本の城郭が軍事施設であったのは砲兵技術が発達する以前、野砲が誕生したころには江戸時代ですので、城郭は行政施設となっていました。

 永禄十二年の三の丸大普請、という総構への大改修はこの武田信玄による小田原攻めが背景にあったといい、习歳大普請としまして更に天正年間には三の丸周辺の掘割の拡張、天正年間にはもういちど家臣団の屋敷などを総構に収める改修を行っていました。

 小田原城のこの天正時代に入ってからの拡張は大きく分けて五度に上るという事ですが、その背景には豊臣秀吉の脅威というものがあり、そして実際に天正18年こと西暦1590年、天下統一総仕上げとして北条氏と豊臣氏は開戦することとなります。

 小田原征伐と言われました戦いでは豊臣秀吉は徳川家康など本体だけで15万3000名、上杉や毛利にも動員をかけていましてその合計戦力が5万7000名といいますので、ほとんど陸上自衛隊全軍と航空自衛隊全てに攻められたような状況となっていました。

 小田原城は北条氏8万2000名規模、しかし籠城とは支援ありきの持久戦、支城や同盟の見通しが破綻し、また石垣山一夜城築城など心理戦などもあり、小田原城は開城することとなっています。北条氏は生き延び、河内国狭山の大名として明治時代まで続くのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】小田原城(神奈川県小田原市)北条早雲の一大城郭は東海道新幹線小田原駅を眼下に収める

2024-01-31 20:10:13 | 旅行記
■小田原城をあゆむ
 新幹線ひかり号を降りたホームを歩んでいますとそのホームを見下ろしている純白の城郭があります。

 小田原城、もともと好きな城郭で幾度も探訪している城郭なのですけれども、COVID-19新型コロナウィルス感染症のあの2020年以降、もう五年目の2024年ですがますます親近感がわいてくるところです、こういうのもここは新幹線駅から非常に近いのだ。

 東海道新幹線、COVID-19新型コロナウィルス感染症とともに所用で首都圏に行く場合、前は別の用事も兼ねて東京駅へ直接行く事が多かったのですが、神奈川県での所用の場合は基本的に新幹線のぞみ号を利用せず、ひかり号で小田原駅から移動していました。

 新幹線の駅から小田原城は指呼の距離にあり、しかしもちろんの事それほど時間にも心にも余裕があるわけではありませんので乗り換えの時間だけでも少し散策しよう、となりますと、それはもうどうしても城郭の一部しか探訪できず、故に城へ通う事足繫く。

 城郭探訪も、城門はじめもともとここは明治維新の廃城後は天守閣も含め破却されてしまいましたが、幸いにして土塁や石垣や掘割のかなりの部分が残るとともに、城郭に観光地としての価値を見出す余裕が生まれますと次第に修復や再生が行われます。

 探訪して凄いなあと思うのは、小田原城は今も修復事業が進められているところですので初めて探訪したときには、もちろん天守閣はその威容を放っていたのですが、巨大な城郭を湛えるさまざまな櫓や城門などはまさに再生される過程、変化する様子が見れた。

 小田原城、その歴史を遡りますとそう築城年は応永24年、それは西暦でいうところの1417年に北条早雲が大森藤頼からこの一帯を奪い領有化した際の拠点として整備した城郭が、ここ小田原状の始まりと言われています。どうりで小田原駅からも近いわけです。

 伊勢宗瑞と名乗っていました後の北条早雲、室町幕府政所執事たる伊勢氏の出自で、当地では駿河館襲撃に堀越公方の家督争いと伊豆討ち入り、そして小田原城奪取と勢力を伸ばし巨大な北条家の基礎を固めた人物です。もっとも、歴史には小田原城奪取とある。

 明応地震という、1498年に発生した地震は北条氏が小田原城を最初に大改修した時代と重なりまして、これは推測も交じるのですが震災により破壊された部分を補修するとともに櫓などを増強することで城郭としての防御力を高めたのではないかと考えられます。

 平安朝末期、相模国豪族土肥氏一族であった小早川遠平の居館が、そもそもの小田原城の始まりという。そもそもの小田原城、というもったいぶった表現をしましたのは、小田原城は元々上記の北条氏が際限なく巨大化させたために主郭部分のみが城址であるゆえ。

 主郭部分、というのは、当初の小田原城というのは八幡山という、小田原城の向かい側に在ります稜線に沿って聳えていまして、現在は上司としてではなく小田原高校と。そして元々の小田原城と今の小田原城の中間に、東海道本線と新幹線が走る、小田急も。

 八幡山にも土塁などの遺構は残っているといいまして、要するにそれはもう一度や二度探訪しただけでは全容がつかめないほどに巨大な城郭であった、というのが小田原城の醍醐味といいますか、何度探訪しても飽きない場所でもあるのです。そして駅から近い。

 総構という、二の丸総堀と三の丸総堀そして総構堀という防御陣地に守られた城郭となっている小田原城、最盛期には全周で実に9kmにものぼる防御線が築かれ、その背景には武田信玄と上杉謙信、時期は異なるものの歴史に残る武将の侵攻を受けた為という。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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臨時情報-中東情勢:在ヨルダン米軍基地へ無人機攻撃で米兵死傷者多数,イラン系武装勢力犯行声明

2024-01-31 07:00:20 | 国際・政治
■臨時情報-中東情勢
 中東の火種がもう一つ増えつつあり大規模戦争への危険なパズルにくわわるピースの一つとなるもよう。

 中東ヨルダンに所在しますアメリカ軍施設“タワー22”へ無人攻撃が行われ、アメリカ兵3名が戦死し少なくとも34名の負傷者が出たとのこと、負傷者の内8名はヨルダン国外に搬送されるほどの重傷とのこと。タワー22はヘリコプター発着スポット十カ所程度を有する補助施設であり、無人機攻撃は休息区画として準備されていた天幕に命中したもよう。

 イラクのイスラム抵抗勢力、今回攻撃を行ったのはイランが支援する武装組織“イラクのイスラム抵抗勢力”、ヨルダン国内には2000年代初めにはヨルダンとアメリカの防衛協力のための施設が複数建築されており、アメリカ軍とヨルダン軍も恒常的に訓練協力を行っています。イラク戦争では孤立した米軍特殊部隊をヨルダン軍が救出した事例もありました。

 ヨルダン政府は28日、ヨルダン国営テレビと通じて無人機攻撃について非難しました。無人機はヨルダン国境を領空侵犯しています。そしてその一方、アメリカ軍施設についてはヨルダンとシリアとの国境などでのテロ勢力浸透や麻薬と武器密輸対策に当たる施設であるとし、国家の安全を脅かす脅威に対しては徹底的に対応すると発言しています。

 イランが支援する武装組織“イラクのイスラム抵抗勢力”の行動について、イラン外務省のキャンアニ報道官は、イラン政府が指示した攻撃ではない、として関与を否定しています。一方、アメリカのバイデン大統領は28日、南部サウスカロライナ州での会合の場において、攻撃へ報復措置を執ることを明言しました。戦死者3名はアフリカ系でした。

 アメリカ軍の報復措置について、その概要は示されていません。ただ、これに関連してバイデン大統領やブリンケン国務長官からはイランとの直接戦争はのぞんでいない、としており、また報復措置について、段階的で長期的なものになると発言しました。少なくとも、新月の日にテヘランへトマホークが撃ち込まれるような状況は回避できるのでしょう。

 アメリカの報復措置、具体的にはイラン関連団体への経済制裁強化やイラン全体への経済制裁、また実行した武装勢力に対する限定攻撃等が予想されます。ただ、議会共和党の一部などから既にバイデン政権の対応について不十分、との批判が示されており、昨年から数十回を超える無人機攻撃へ後手後手の対応への批判が強まることも予想されるでしょう。

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【防衛情報】将来護衛艦レールガンとトマホークミサイル400発,駆逐艦インパール,タマンダレ級フリゲイト

2024-01-30 20:22:51 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は各国海軍の話題を集めたのですが海上自衛隊関連の話題も多くありました。

 自衛隊が導入するトマホークミサイル400発について国防総省よりアメリカ議会へ許可案が提出されました。これは11月17日に国防総省のDSCAアメリカ国防安全保障協力局が議会へ提出したもので、これによればトマホークblock4ミサイル200発とトマホークblock5ミサイル200発、TTWCS戦術トマホーク管制システムなどが含まれる。

 トマホーク予算全般では23億5000万ドル規模の防衛調達となり、これは、いずも型ヘリコプター搭載護衛艦3隻分に相当します。当初は最新型のトマホークblock5を400発導入する計画でしたが、block5が2021年に制式化されたもので生産数はアメリカ海軍でも充分ではなく、日本としては最新型にこだわらず素早い調達を念頭に置いたのでしょう。

 TTWCS戦術トマホーク管制システムは14基が要求されており、海上自衛隊のイージス艦全てと今後建造されるミサイル防衛専用のイージスシステム搭載艦、こんごう型護衛艦後継艦、ひゅうが型護衛艦に搭載し十分な数となっています。なお、潜水艦発射型のUGM-109ではなく全て護衛艦搭載用のRGM-109型が調達されることとなりました。
■アイザックペラル
 スペインに新しい潜水艦だ。

 スペイン海軍はS-80-P型潜水艦アイザックペラルを受領しました。S-80級潜水艦はアゴスタ級潜水艦に続いてナヴァンティア社が建造する次世代潜水艦でありAIPシステムの搭載など先進的な要素を有しています。水中排水量は2426tで全長は78.5m、水中速力は19ノットで3ノット浮上航行時の航続距離は8000㎞、最大60日間の作戦が可能だ。

 アイザックペラルはその一番艦に当たり、起工式は2005年に行われましたが、設計の失敗により数十tの浮力不足が判明し耐圧隔壁区画を再設計するなどトラブルに見舞われ、更に2020年にはCOVID-19新型コロナウィルス感染症影響により建造遅延が画定、2023年11月30日、計画よりも大幅に遅れましたが竣工しスペイン海軍に引き渡されました。
■アドミラルナヒモフ
 古いが象徴的な艦というものは何処の海軍にもいますね。

 ロシア海軍が再就役工事を進めるアドミラルナヒモフがレーダー設置工事を完了した可能性があります、これはアドミラルナヒモフ再整備を進めるロシアのセヴマシュ造船所においてこの程撮影された写真などから解析されたもので、ポドベレゾヴィクET1レーダーやフレガートM2EMレーダーとおもわれるレーダーが追加されているとのこと。

 アドミラルナヒモフはロシア海軍がソ連時代から継承するキーロフ級原子力ミサイル巡洋艦、4番艦ピョートルヴェリーキイのみが現役に残っていましたが老朽化により退役が決定しており、ロシア海軍は予備保管状態にあった3番艦アドミラルナヒモフを現役に復帰させると思われています。この3番艦は、冷戦時代はカリーニンという艦名でした。

 キーロフ級原子力ミサイル巡洋艦は冷戦時代には当時としては進んだステルス設計と大量の対艦ミサイルを搭載し、なによりも満載排水量が2万tを超える巡洋艦で水上戦闘艦としては当時アメリカが現役と予備役を行き来させたアイオワ級戦艦を除けば最大規模であり、ソ連海軍力の象徴でしたが1980年代の艦艇であり、今は象徴的な存在といえます。
■シャルルドゴール
 シャルルドゴールはそのうち日本に来ないかなあと思うところだ。

 フランス海軍は唯一の航空母艦シャルルドゴールが定期整備を終え作戦能力に復帰した事を発表しました。シャルルドゴールは唯一の空母であり、アメリカ海軍以外が保有する世界でも唯一の原子力空母です。シャルルドゴールは2023年3月にインド洋での訓練展開とインド海軍やほかの友好国との共同訓練を終え、定期整備に入っていました。

 シャルルドゴールは10月22日に出渠、ツーロン軍港へ戻りました。フランス海軍は現在、シャルルドゴールの後継艦を建造し、2030年代後半には一時的に航空母艦が2隻体制となる見通しですが、その後シャルルドゴールは後継艦竣工と作戦能力比夜を持って退役することとなり、空母の稼働体制と安全保障環境対応の相関関係という問題は続くもよう。
■新掃海艦のうみ
 掃海艇は削減されますが掃海艦はふえてゆく。

 海上自衛隊は新掃海艦のうみ進水式を挙行しました。あわじ型掃海艦4番艦、艦番号は307、となっています。海上自衛隊の掃海艦艇は大きな転換点を進んでおり、海上自衛隊の掃海艦は長らく、やえやま型3隻となってきました、そして爽快感の任務は潜水艦を狙う深深度機雷への機雷掃討能力として能力は限定されていたのですが、転換点です。

 もがみ型護衛艦、海上自衛隊は一部の掃海艇を機雷掃討能力を持つ水上戦闘艦へ置き換える、所謂オーガニック能力整備へと切り替え、一方で一隻当たりの機雷掃討専従艦としての掃海能力の大きな掃海艦へ艦艇整備の比重を移し、掃海艦を従来の3隻から9隻へ大幅に拡張させる方針です。ただ、機雷戦艦艇全般は縮小し多機能護衛艦に切り替えます。
■ヴィズヴィー級コルベット
 はやぶさ型ミサイル艇の倍程度というステルス艦ですが建造費は大型護衛艦なみという。

 スウェーデン海軍はヴィズヴィー級コルベット用CAMMミサイルを取得します。ヴィズヴィー級は画期的なステルス形状で知られる水上戦闘艦で、満載排水量は650tながら小型ボート程度のレーダー反射面積しか有しませんが、独特の設計が禍いし一番艦ヴィズヴィーは1995年に起工しましたが就役は2012年と建造に17年も要しています。

 ヴィズヴィー級はステルス設計を採用し、AIS船舶位置表示装置上には確認されるがレーダーには映らないとして平時の航行で注意されるほどの性能となしました。しかし、建造された1990年代の冷戦後と2020年代では安全保障環境が根本から異なり、艦砲と対艦ミサイルに対潜魚雷を搭載するステルス艦は、空からの攻撃に対して無防備すぎた。

 CAMMミサイルはこの為に搭載可能となる選択肢で、イギリスに本社を置くMBDA社が開発、イギリス海軍ではシーセプターミサイルとして知られています、その射程は25㎞、優れたステルス設計のために近距離でなければ探知できない特性を活かして、敵水上戦闘艦や航空機が接近したところで無力化でき、海軍は既存の5隻全てに搭載予定です。
■タマンダレ級フリゲイト
 日本のGDPを抜くのはインドではなくドイツでしたがドイツ経済はインフレでそうとう混乱している影響が此処に。

 ブラジル海軍が導入するタマンダレ級フリゲイトの2番艦が起工式を迎えました。ティッセンクルップマリンシステムズ社とエンブラエルディフェンスアンドセキュリティー社が建造する新型艦は当初計画が大幅に遅れていることが懸念されていましたが、11月1日、ティッセンクルップ社のエスタレイロブラジルスル造船所にて建造開始となった。

 タマンダレ級フリゲイトは4隻の導入化計画され、ブラジル海軍の中枢艦計画として進められているもの、全長107mで満載排水量は3360t、ブラジルがMADA社と開発したMANSUP対艦ミサイルやCAMM対空ミサイル、現用水上艦としては珍しい533mm長魚雷発射管や76mm艦砲と30mm機関砲、ヘリコプターなどを搭載する計画です。
■タスマン級コルベット
 やはり理由は中国海軍の動向だ。

 オーストラリアDSR国防見直し2023計画に基づくタスマン級コルベットの建造計画について、オースタル社とナバンティア社とシヴメック社が合同で提案を行いました、中国の軍事圧力増大と共に台湾海峡を含む西太平洋地域での情勢緊迫化を受け、高い水上打撃力を有し少ない人数で運用可能であるコルベットを6隻、緊急取得します。

 インドパシフィック2023海洋防衛展において示されたタスマン級の模型は、ナバンティア社がサウジアラビアに提示したアバンテ級フリゲイトを基にしたもので、満載排水量3600t、CAMMミサイルVLSを16セルと対艦ミサイル16発に57mm艦砲とヘリコプターを搭載し全長に対して全幅が広く取られている点が特色となっています。
■駆逐艦インパール
 大型化が著しいインド海軍の艦艇です。

 インド海軍はミサイル駆逐艦インパールを受領しました。インパールはヴィシャーカパトナム級ミサイル駆逐艦の3番艦、日本へ何度も親善訪問しているコルカタ級駆逐艦の改良型です。竣工式典は10月20日、MDLマザゴンドックシップビルダーズリミテッドにおいて建造、インド製の鋼材を用いた、そしてインドでも最大級の駆逐艦です。

 インパールは満載排水量7400tで全長163m、4隻が建造される計画であるヴィシャーカパトナム級ミサイル駆逐艦の3番艦で、建造費は4隻で3000億ルピー、1隻あたりはドル換算で10億ドルに達します。その最大の特色は高度な艦隊防空能力など従来艦の能力に加えてインド製ブラモス超音速ミサイルを搭載、艦対地攻撃能力を有する点です。
■レールガン概要
 長期にわたり研究している故の成果が出てきています。

 海上自衛隊将来護衛艦へ搭載するレールガン概要を防衛装備庁が発表しました。防衛技術シンポジウム2023とともに既に海上試験などの実施が発表されているレールガン、元々は昭和62年度研究より持続されているもので、当初はエリコン35mm高射機関砲を置き換える小口径アルミペレットをもちいる計画でしたが、内容的には大きく進んでいる。

 将来護衛艦への搭載は艦砲とは別に、背負い式に搭載する方式を提示しており、これによれば従来の火薬式弾薬では実現し得ない高初速砲弾を投射することにより、敵艦艇の機関部やCIC戦闘指揮所などのバイタルパートを直接貫通するという、かつての戦艦の艦砲を再現するものとなり、また速度が速く小さな弾薬は事実上迎撃不可能になるもよう。

 しらね型ヘリコプター搭載護衛艦くらま退役により艦砲を背負い式に搭載する護衛艦は姿を消していますが、レールガンは従来型艦砲との併用ではあるものの、その再来となります。一方、今回防衛装備庁が示したのはあくまでイメージ図であり、あさひ型護衛艦に続いて建造される艦隊護衛艦にレールガンを搭載するという確約ではないとのことでした。
■シャヒドバゲリ
 こういうのからドローンを飛行させタンカーを攻撃しているがインド海軍がインド近海での行動を注視している。

 イラン海軍の無人機母艦シャヒドバゲリが進水式を挙行しました。イラン海軍は2022年1月に無人機母艦マクラーンを建造、民生用タンカーの上甲板に鉄板を張って飛行甲板とした近年では珍しいタンカー改造の特設空母となっていましたが、イランではこれを中東発の航空母艦として喧伝し、タンカー部分を含めれば満載排水量は10万tとなっている。

 シャヒドバゲリもマクラーンと同じ航空母艦として運用することとなりますが、注目すべき点はマクラーンが通常の飛行甲板を有していたのに対して、シャヒドバゲリはスキージャンプ台構造の艦首部分と着艦用のアングルドデッキ構造を採用し、固定翼無人機の運用能力を重視している点です。イラン製無人機はウクライナ攻撃でロシア軍が重宝している。

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防衛情報-ウクライナ情勢:ノボミハイフカ・ヤンポリフカ現状,ハリコフ州へ浸透兆候とアウディイフカの現状

2024-01-30 07:00:06 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 兵力集中阻止の為の精密攻撃というウクライナ軍の昨今効果を上げている運用を見ると、この種の運用には戦闘ヘリの有用性を改めて考えてしまうのですよね。

 ウクライナ軍は小型無人機によりロシア軍が攻撃発起点へ兵力集中を阻止する運用をとっている、ISWアメリカ戦争研究所1月23日付戦況報告にその概要が示されました。クレミンナの西のヤンポリフカやノボミハイフカの北東地域において、ロシア軍は毎日、数百名の死傷者を出しながら幾つかの戦線では数十m規模ではありますが前進しています。

 中隊以上の兵力集中を阻止する、ウクライナ軍が現在注力している戦術は10両以上の車両や2個中隊以上の車両が集中できないように無人機攻撃をあつまっている兵力に対して積極的に行い、ウクライナ軍前哨陣地へ到達する兵力を中隊以上の兵力に膨らませないようすることで前哨陣地を突破させず限られた兵力でも各個撃破を図っているということです。
■ハリコフ州へ浸透兆候
 わが国では沿岸監視隊などが方面隊単位で置かれているのですが国境監視技術というものが重要だ。

 ロシア軍非正規部隊の少数兵力がハリコフ州へ浸透兆候があった、ISWアメリカ戦争研究所が1月24日に発表したところによればウクライナ統合軍司令官セルヒイナエフ将軍の発言として、1月24日にロシア軍破壊工作部隊がハリコフ州の国境を突破しようとしたとし、またロシア軍は越境し、ハリコフ州プレテニフカを一時的に占領したと発表しました。

 ハリコフ州プレテニフカはロシアウクライナ国境から2kmの地域にあります。ただ、ロシア側が発表したものの一時的な占領を示すファクトチェック可能な写真などは発表されておらず、この一連の行動はウクライナ軍防衛体制をハリコフ州にも分散させ、アウディイフカなどの防衛体制を弱める為の情報戦やプロパガンダの可能性もISWは指摘しています。
■アウディイフカの現状
 ロシア軍は市街戦による浸透攻撃へ切り替える準備をしているとも伝えられるのですが両翼包囲された場合でも防衛線を維持する方法はどういったものがあるのだろう。

 アウディイフカの現状についてISWアメリカ戦争研究所が1月24日に示した報告書によれば、長期間に渡る砲撃によりアウディイフカ南東部の住宅をはじめとした建築物は全て破壊されているとのこと。アウディイフカ北西部には若干の建物が残るもののロシア軍が砲撃を続けており、一方、攻撃は現在のところ砲撃が主体になっているという。

 アウディイフカ側面は両翼包囲に近い状態ではあるものの、戦線は安定しており短期間で瓦解する可能性は低いいっぽうでウクライナ軍あ砲弾不足と交代人員不足に曝されているとも指摘しています。アウディイフカへのロシア軍大規模攻撃は2023年10月から激化しているものの、4カ月間で4kmの前進に留まり、ロシア軍死傷者は12000名といわれます。

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【防衛情報】新空母福建電磁カタパルト試験と054B型フリゲイト一番艦進水式,J-16戦闘機ARゴーグル整備能力

2024-01-29 20:23:21 | 先端軍事テクノロジー
■防衛フォーラム
 Su-30戦闘機のインド空軍運用機の実物を百里基地で前に見ましたが巨大な機体を中国は電磁カタパルトで飛ばそうとしている。

 中国海軍が導入する新空母福建が電磁カタパルト試験を実施したもようです。これは11月、造船所において建造中の福建前方に大きな水柱が立つ映像とともに、福建艦上では巨大なダミーペイロードの設置が確認されていて、電磁カタパルトの実用化がみのればアメリカ海軍のジェラルドFフォード級原子力空母につづいての世界第二例目となります。

 福建はこれまで中国海軍が導入、そして建造した航空母艦がスキージャンプ台方式の発艦装置を採用、これは艦載機の発艦重量を著しく制約するもので航空燃料や兵装を制約するものでした。アメリカ海軍やフランス海軍などは蒸気カタパルトを採用し、しかし中国も過去幾度か研究は行ったものの蒸気カタパルトの取得や開発に成功していません。

電磁カタパルトは大量の電力を消費するため、福建の発電能力が一日当たりの空母発艦能力を左右することとなりますが、複雑な蒸気機構と蒸気を用いる際の宿命となる動作機構への蒸気による劣化という問題を考慮せずとも良い利点はあります。実用艦に搭載される異常は十分技術蓄積が為されていると考えますが、その程度は現段階で未知数です。
■054B型フリゲイト
 むらさめ型護衛艦と同程度の水上戦闘艦ということで江田島の写真で代用ですが中国海軍の倍は造船所の多さから建造速度が凄い。

 中国海軍は最新型の054B型フリゲイト一番艦の進水式を実施したもようです。これは広州黄埔文沖造船廠において進められている次世代水上戦闘艦で、中国海軍がこの二十年間にわたり大量建造してきました、一万tクラスの055型防空駆逐艦や052D型防空駆逐艦とは異なる設計思想と運用思想に基づく水上戦闘艦となるもよう。

 055型防空駆逐艦や052D型防空駆逐艦は、中国海軍が2010年代を中心に重点的に進めてきました空母機動部隊における護衛艦という位置づけであり、ようやく実現した航空母艦を対艦ミサイルや航空攻撃から防衛するための運用思想に最適化されたものでした。しかし、054B型フリゲイトは054型フリゲイトなど、単体運用を念頭に置いています。

 054B型フリゲイトは054A型フリゲイトよりも全長で一割以上延長し、全長は推測値で150m弱、全幅も17m程度ある、中央船楼部分には多機能レーダーを頂点に備えたマストと、後部にアンテナポール式マストを備え、またVLS垂直発射装置も052型防空駆逐艦と同程度まで大型化し、アフリカ沖など遠隔地運用に耐える大きさとなりました。
■057型コルベット
 日本の護衛艦ゆうばり型を進化させたような感じの小ぶりな水上戦闘艦だ。

 中国海軍は新しく057型コルベットの建造を開始しました。これは旅順工廠において進められている新型艦の建造が中国国内Web媒体などで掲載されているもので、大量に建造された056型コルベットの後継艦と目されています、056型コルベットは中国では江島級コルベットといい、2012年から2020年に掛け72隻が建造されています。

 056型コルベットは満載排水量1500t、しかし中国海軍が1980年代から1990年代にかけ大量建造した魚雷艇やミサイル艇を一気に置き換える計画でステルス性を重視した船体には76mm艦砲とYJ-83艦対艦ミサイルにHHQ-10個艦防空ミサイルとYu-7短魚雷発射装置、無人機用飛行甲板を備えるなど相応に重武装を備えた設計を採用しました。

 057型コルベットは、この056型コルベットよりも重武装化していることが画像などから判明しており、少なくともVLS垂直発射装置を備えていて、艦橋構造物も前甲板のVLS搭載に併せて拡大しているほか、76mm艦砲はステルスシールドに遮蔽される本格的なステルス艦となるもようです。なお、大量に建造されるのかについては未知数です。
■ARゴーグル
 ARゴーグルがあれば確かに新兵さんでも複雑な整備が可能となるのかもしれません。

 中国空軍はJ-16戦闘機へARゴーグルによる整備能力を付与しました。これは中国CCTVが12月7日に放映した軍事特集において示されたもので、AR拡張型現実の能力を活かして整備兵が装着したARゴーグルの先に航空機のどの部分をどのように整備するかの情報を投影するもの。理論上は全く未経験の整備兵も新型戦闘機を整備できるもの。

 J-16戦闘機は元々の設計がソ連製Su-27戦闘機を基本としたものであり、これは徴集された兵士に対して整備を行うようある程度単純な設計を採用していましたが、中国の独自性能盛り込みにより能力向上が続けたれ、エンジンの換装とともにSu-30戦闘機と比較した場合でも優位点の多い機体となった一方、整備なども煩雑なものとなっていました。

 AR拡張型現実によるARゴーグルは既に産業分野において、特に製造業で実施されています。これは第二次世界大戦中に日本でも実施していた方式の円緒戦上で、幻灯機、プロジェクターを組み立てや作業部材に照射し生産性を高めていた方法をさらに洗練させたものですが、中国ではこれを軍事分野に応用し、航空機稼働率を高める狙いです。

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臨時情報-ミサイル防衛:北朝鮮軍,日本海に向け新型プルファサル3-31型巡航ミサイル連続発射

2024-01-29 07:00:26 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ミサイル防衛
 この二年間で北朝鮮はロシアへのウクライナ侵攻軍事物資援助を強化し、逆にその見返りとして何らかの技術支援や物資支援を受けていると思われてきました。

 北朝鮮軍は先週と今週、日本海に向け複数の巡航ミサイル発射実験を実施した、韓国統合参謀本部が発表しました。日本海におけるミサイル防衛は自衛隊は弾道ミサイルに偏重しており巡航ミサイル防衛は今後何らかの準備を整える必要があるのかもしれません、それは巡航ミサイルが弾道ミサイルと比較して迎撃は容易であるものの、探知の難しさです。

 プルファサル3-31型巡航ミサイル、発射されたのはプルファサル3-31型巡航ミサイルという北朝鮮が核弾頭搭載可能である戦略巡航ミサイルとして新しく開発したもので、射程から自衛隊基地や在日米軍基地を攻撃するものと考えられるもの。発射は24日と28日に行われています。そして韓国統合参謀本部によれば、更なる発射の兆候もあるとのこと。

 早期警戒機による上空警戒の必要性が生じる。巡航ミサイルの迎撃は、巡航ミサイルが弾道ミサイルと比較して低速であり、ペトリオットミサイルや03式中距離地対空誘導弾は勿論、護衛艦に搭載するESSMや師団と旅団などに配備している11式短距離地対空誘導弾でも撃墜はそれほど難しい物ではありません、問題は低空を飛行するという点にあります。

 日本海側のレーダーサイトは低空目標でも100km以遠で探知する事は可能でしょうが、亜音速で飛翔する巡航ミサイルは100kmの距離を数分で突破してしまうため、低空を警戒可能である早期警戒機が必要となります。もちろん、1976年のMiG-25函館亡命事件を契機に航空自衛隊はE-2C早期警戒機を導入、日本海での警戒監視を実施した実例がありました。

 2013年の沖縄中国機領空侵犯事件でもE-2C早期警戒機を那覇に前方展開、後に早期警戒機を増強して新しい飛行隊を創設しました。自衛隊は既に浜松基地にE-767早期警戒管制機を導入していますが、何れも運用開始から25年前後を経ており、老朽化も進んでいます。もっともNATOやアメリカとサウジアラビアのE-3早期警戒管制機がより長いのですが。

 E-767は4機のみであり、もちろん大型のボーイング767を利用した航空機である為に交代要員の待機区画が有り飛行時間は10時間を超え、KC-767空中給油輸送機の空中給油支援を受けるならば更に滞空時間を延伸させる事は可能です。しかしそれでも4機だけの早期警戒管制機により永続的な上空待機は難しいため、何らかの措置を取る必要がある。

 E-2D早期警戒機という、自衛隊は更に小型の早期警戒機を配備し増強していますが、空母艦載機であるE-2Cの後継機であるE-2Dは機内が狭く、交代要員が搭乗できず休憩区画は勿論、実質トイレに移動する事さえ、朝の山手線や京都線新快速を隣の隣の車両に移動するような、困難さを伴うために現実的ではなく、五時間以上の滞空は現実ではありません。

 E-7A早期警戒機、残念ながら地対空ミサイルや空対空ミサイルの長射程化により従来の後方から戦域全般を管制するという早期警戒管制機の安全は以前ほど盤石ではなく、実際今年に入りロシアのA-50早期警戒管制機がウクライナ空軍に撃墜されています。このため、ボーイング737を用いたE-7A早期警戒機がアメリカやNATO,イギリスで採用され始めた。

 RQ-4グローバルホークを滞空させるという選択肢はありますが、無人機である故に36時間の滞空が可能ですが偵察機である為にレーダーセンサーの性能が限られます。すると、E-767の後継機を選定する際にE-7A早期警戒機とした際、機内容積が狭い為という事情を着けてでもE-767の4機を8機程度に増強するなど、何らかの措置が必要になるでしょう。

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【G3X撮影速報】令和6年第1空挺団降下訓練始め【2】自衛隊輸送機1機と米軍機3機(2024-01-07)

2024-01-28 20:01:34 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■強風と空挺降下開始
 降下訓練始めその名の通りの落下傘降下がいよいよ開始されました。

 第1空挺団は降下誘導小隊が自由落下傘降下により高高度進入を開始しました。さて、お気づきでしょうか、さっそく降下誘導小隊が降下している、例年は空挺団長を始め指揮官が空挺降下を開始して降下訓練始めが開始されるのですが。そう、風が強かったのだ。

 指揮官降下は、自衛隊だけであれば実施できたのだと思う、風が強かったとはいっても2010年や2013年は降下した空挺団員が引きずられられる程の突風の中で強行していた、それにくらべれば風は大したことはない。想像すると、今年は様々な国が参加する為でないかな。

 アメリカと日本だけならば、第82空挺師団や第1特殊作戦群はこれくらいの風は大したことはないのでしょう、けれども、今回はドイツとオランダにイギリスとフランス、インドネシア、ここに空挺隊のないカナダなど9カ国が参加している、ここの指揮官も参加する。

 狙撃部隊の展開、降下誘導小隊に続いて狙撃部隊が前方展開します。草刈りされている訓練場だから分かるのですが、これが草刈りしていない原っぱであればもうこれ絶対に見えないだろうな、と見える。広帯域無線機を背負った狙撃部隊は斥候として任務にむかう。

 89式小銃を構えて。これかなり距離があるのですがCANONのPowerShotG3Xはデジタルズームにより2400mmレンズとして機能します。もっとも、Nikonの高倍率コンデジは3000mm以上のものをどんどん出しています、一昔はSFの世界であった撮影機材ですね。

 AH-1S対戦車ヘリコプターが支援に飛来します、自衛隊では消えゆく航空機である対戦車ヘリコプター。現在の国家防衛戦略では、対戦車ヘリコプターと戦闘ヘリコプターを全廃し、最低限必要な性能を既存航空機に搭載して対応するとしていますが、それ可能なのか。

 C-2輸送機が飛来する、降下誘導小隊の誘導とともにそして狙撃部隊が降着地域に敵影無し、と判断し空挺降下の開始を空挺団長が決断した、という想定です。ただ、このC-2,進路を小刻みに修正していて、なにかカクカクしていた、しかしC-2輸送機、来たのは一機だけ。

 C-130J輸送機が3機飛来した、けれどもこれは第374輸送航空隊、アメリカ空軍の機体です。C-2輸送機はC-1輸送機よりも大型化した、けれどのそれにより輸送力が大きくなって飛行隊定数が削減された、だから降下訓練始めにも1機しかC-2輸送機が参加できない。

 小牧基地のC-130H輸送機の後継はC-130J30あたりになるのか、C-2輸送機になるのかは微妙なところなのですが、C-130Hに対してC-130Jの価格高騰が凄い事になっていて、NATO加盟国でもC-130H後継に同じくらいの大きさのブラジル製輸送機が選ばれ始め。

 KC-390輸送機は高すぎるC-130Hの後継機であるC-130Jが選ばれていない。日本の場合はKC-390とせずとも同じくらいの取得費用でC-2輸送機が入手できるのだけれども、C-130J30をC-130Hの後継とするのか、C-2輸送機で輸送機を統合するのか、さてさて。

 落下傘降下、規模は例年よりも小規模となっています。ただ、第1空挺団は元日の能登半島地震へ災害派遣を実施していますので、この影響なのでしょうか。能登半島、小松空港と金沢市周辺以外は空挺部隊が機動力を活かせられる平野部が無いというのが現実だ。

 降下訓練始めといえば、フェイクニュースがあった。SNSなどで空挺降下訓練始め中止、というニセ情報でかく乱を試みた不届き者が居てこういうフェイクニュースとどう戦うのかも、軍事的な認知戦というもになります、だが見ての通り、降下訓練は実施されました。

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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-四条河原町,四条通を二階からアールグレイとともに眺める

2024-01-28 18:11:44 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 はるなさんは考える、美味しいってのは日常で消耗しすぎない為の人間の生存本能の一つなのでしょうね。

 四条通は、大丸や高島屋で、高いんだけれども良いものが必要なのだ、という際にまず最初の選択肢となる。そして中古カメラ店なんてのもあり大型書店もあり、その上なにより阪急河原町駅があり、京都には無いから大阪で探そう、と決断する事もできるという。

 リプトン。珈琲党、というよりも中学生の頃に読んだイアンフレミングの007シリーズにて“こんなものを飲んでいるから英国は衰退する”と紅茶を表現していたものだから影響されたのかなあ、と思う。あとは御化粧室が近くなる印象があり、実用性で珈琲をえらぶ。

 アールグレイさん、しかしもうこの歳でジェイムズボンドさんの影響というわけではないし、なによりここの紅茶は気分が休まるのだ、そこでアップルパイとともに冷たい良く冷えたアイスティーで、ちょっとゆっくりしたい。ミントとレモンが利いていてなお、よい。

 林檎は火を入れるとこんな歯応えと甘みが上品になるのが良いですね、決して狼と香辛料の影響ではない、けれど時々アップルパイのしゃりしゃしした上品な甘みで心休めたいときもあるのです、そしてこの四条通のリプトンは喫茶コーナーが二階部分にのぼってゆく。

 四条通のアーケードも、二階部分からはその屋根を見下ろすという印象で、通りの様子は見えないけれども、街を見る雰囲気が変わるのだ。実はわたし、この通り苦手だ。折角歩道を拡幅工事したのにアーケードが狭いまま、信号関連機器は歩道の真ん中で邪魔をする。

 予算が無ければ拡幅なんてせず、市バスが普通に通れるような都市設計のままが良かったのではないか、特に日差しが凄くなり日刺しというようにさしてくる夏の季節には参ってしまう、すると、こういう一歩高い場所で多少混雑していても甘いものと紅茶が欲しくなるのです。

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【京都発幕間旅情】JR西日本521系とあいの風ライナー,北陸本線第三セクター移管後のライナー運行

2024-01-28 07:01:54 | コラム
■あいの風ライナー
 ライナーというと沼津から実質豊橋まで行くホームライナー浜松3号を思い浮かべてしまうのですが北陸にも100km以上走るライナーがあるという。

 北陸本線の北陸新幹線敦賀駅開業に伴い平行線部分がJR西日本から第三セクターの、はぴねすラインふくい鉄道とIRいしかわ鉄道に移管されます。そこで北陸本線の特急サンダーバードは敦賀駅どまりとなりますが、ライナー運行などは今後行われるのでしょうか。

 あいの風ライナー、先行して北陸新幹線金沢開業と共に第三セクター化された並行在来線として、IRいしかわ鉄道と、あいの風とやま鉄道が運行されていますが、2015年から、この二つの第三セクター会社を横断する実に108kmという長距離をライナーが運行中です。

 ライナーは、金沢と石動に高岡と小杉を経て富山に停車し、富山から滑川と魚津に黒部を経て入善と泊、以上108kmを運行しています。この停車駅はサンダーバード、おはようエクスプレス停車駅を踏襲していまして、車両はJR西日本から移管の521系を使っている。

 521系電車を使っているのですが全席指定席となっていて、乗車には300円のライナー券を購入する事になります、これは、ホームライナーはままつ号と似ている方式ですが、指定席である事と特急車ではなく普通列車の快速運行となっているのが異なる点といえます。

 敦賀から富山までライナーが運行されたならば、もちろん多くの方は新幹線を利用するのだろうけれども、新しい観光需要を掘り起こす事が出来るのかもしれません、こういいますのもライナー券は新幹線は勿論、現特急料金よりも割安で安価を売りにできる為です。

 能登半島の被災地を応援するならば、北陸新幹線開通後もサンダーバードの和倉温泉のりいれを、若干延長して大阪から、敦賀と金沢で乗換えなくとも直接行けるよう半年程度配慮する選択肢もあると思うのですが、もう一つ、ライナーという選択も考えられるのです。

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