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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-自爆用無人機迎撃するYak-52初等練習機とアウディイフカ北西突出部の概況

2024-05-01 07:00:08 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 T-7のような練習機でもM-134ミニガンでも搭載するならば自爆用無人機迎撃に寄与するのでしょうか。

 ウクライナ軍はロシア軍無人機迎撃にYak-52を投入しているもようです。Yak-52はソ連のヤコヴレフ設計局が1979年に開発した初等練習機で、初等練習機ではあるものの練習機としては比較的強力な360hpのエンジンを搭載している事からエアレースなどに対応する民間アクロバット航空機としても運用されています。そして空軍の装備ではありません。

 COIN機、対叛乱制圧機という、近代的な防空システムを有する相手や戦闘機を運用する相手にははがたたないものの武装勢力などに対して機銃やロケット弾等を装備して上空から制圧する航空機がありますが、ウクライナ軍は民間アクロバット航空機に何らかの機銃などを搭載し、反撃をせず単純に低速で飛行する自爆用無人機迎撃に当てているとのこと。

 自爆用無人機は射程1000kmを超えるものでも兎に角安価であり数が投入される一方、迎撃に地対空ミサイルや戦闘機を投入した場合はその運用費用や弾薬枯渇が大きな問題となりますが、運用費用が安価な初等練習機に武装させ、自爆用無人機長距離攻撃に対応させるという運用は、今後各国の自爆用無人機対策に一石を投じる事となるのかもしれない。
■アウディイフカ北西部
 アウディイフカ北西部の概況について。自衛隊が退役させた203mm自走榴弾砲などがもう使わない砲弾共々供与されていればこれも充分撃退できたのだろうかとおもったりする。

 ロシア軍はアウディイフカ北西部の突出点を安定化させつつある、4月25日付ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告の情報です。これは同時にウクライナ軍がアウディイフカ失陥後に防御に適した地域を確保出来ておらず暫時ロシア軍の侵攻を許している現所があり、ISWはウクライナ軍がアウディイフカ西部の防衛線から後退する可能性を示した。

 アウディイフカ北西部ではロシア軍が中央軍集団より装備の優れた4個旅団を集中していて25日中にノボバフムチフカからソロビヨフカまで前進したことが確実となっていて、このまま前進した場合はアウディイフカ近郊のベルディチとウマンスケ等を結ぶウクライナ防衛線の現有兵力で確保する事が難しく、ここがロシア軍戦車部隊に突破される可能性も。

 ベルディチとウマンスケ等を結ぶウクライナ防衛線についててゃ、ただ確保する事は難しいもののロシア軍が此処を突破した場合でも前線崩壊が起こる可能性は無いとISWは分析しています。一方、ウクライナ軍は反撃を開始しており、シヴェルスク東方方面においてロシア軍占領地域へ前進を成功させたとも分析しており、状況は不確実性を増しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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