■無用庵隠居修行
椛がもう色づき始めているとしょうしょう驚くと共に嗚呼この階段この屋根はちょうどいまテレビで見る情景が広がっている、と少々感慨深い。
時代劇は撮影し続けてこそ、とおもうのですよね。無用庵隠居修行、水谷豊さんの新作時代劇が第7段となりました、浅見光彦シリーズのように水谷さん、7か8あたりで切り上げるのか、藤田まことの京都殺人案内のようにライフワークにしてくれるか期待したい。
水谷豊さん。ドラマの相棒が放映されるまでは、基本的にテレビよりも本を読んで映画を観てというわたしには中々テレビで見る機会はなかったのですが、流れるように斜めみていた浅見光彦シリーズ最初の映像化で主役を張っていた方だ。1980年代の話ですがね。
東京湾炎上、この映画をみた際に水谷豊さんの演技幅の広さに驚かされたけれども、手塚治先生のバンパイヤ、その実写版も演じていたことを知って驚く。大昔父の書架で読んだトッペイくん役ですよ。そしてあの世界観を実写化していたことにも驚くのですけれども。
藤田まことさん、時代劇に大きな転換点を示したのは、連続テレビ時代劇として鬼平犯科帳を映像化した松本幸四郎さんはじめ多くの俳優の活躍があるのですが、藤田まことさんの喜劇俳優出身故に殺陣が下手、という個性を撮影技巧で活かした作品が大きいとおもう。
寺田聰さん主演の映画、雨あがる、という作品がありましたが、その最初の実写化は藤田まことさん主演のテレビドラマ夫婦旅新居酒屋百選、じゃなかった夫婦旅-さらば浪人、その第一話雨あがる、でしたが、主人公である三沢伊平は剣術指南役で達人という設定だ。
殺陣で、電光石火の描写も細部を省くことで目にも留まらぬ瞬間映像として描いたことで、これは一つの殺陣の見せ方を現したのだと思う。これは、必殺仕事人、と受け継がれていまして、逆に表現すると時代劇の主役を張れる俳優層をおおきく広げた、といえる。
無用庵隠居修行、さて水谷豊さん主演の時代劇に視点を戻しますと、やはり日向半兵衛、直参旗本の大番士は剣術達人と言うことですが、水谷さんは時代劇畑の人ではなく殺陣は、まあ、という。しかし、映像の技巧で達人のように描くことで仕上げた。凄う事だと思う。
海老沢泰久氏、無用庵隠居修行は小説家の海老沢さんがオール讀物にて2008年に発表した短編小説なのですが、第7段が映像化されることは非常にうれしい、というのもこの原作小説は短編集であり6作品までしかないのですから、7は無理かな、と気にはなっていた。
日向半兵衛という主人公、ここまで人気ならば是非続編をと思うのですが、非常に残念なことに原作者の海老沢さんが2009年に旅立たれていまして、生前の晩年作となっているのです。日向さん活躍の原作、読んでみたいなあとおもいつつ、古本屋でも探せばいいのか。
時代劇、東映チャンネルなど有線放送では新作が制作され続けているようですが、テレビ時代劇となりますとどうしても弱い。そして俳優からスタッフから監督に脚本まで、裾野をすべて含んだ上で成り立つのが映画産業、いったん途絶えると、それは西海が難しい。
作品世界がある程度視聴率という部分でささえられているからこその新作となっているのでしょうし、それ故に原作のストックを越えているのかもしれなけれども新作を描いてくれる、というのは、出来の方はどうあれども、これは大切なことだ、と思うのですね。
法然さんの歴史ある寺院がロケ地として出ていますが、今回光明寺に大覚寺にと、京都の歴史風景もまさにオールスター、というところ。こうした作品世界を入り口に歩み進め、歴史と哲学の思索という散策を広げてみるのも、面白いのではないかな、と思うのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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椛がもう色づき始めているとしょうしょう驚くと共に嗚呼この階段この屋根はちょうどいまテレビで見る情景が広がっている、と少々感慨深い。
時代劇は撮影し続けてこそ、とおもうのですよね。無用庵隠居修行、水谷豊さんの新作時代劇が第7段となりました、浅見光彦シリーズのように水谷さん、7か8あたりで切り上げるのか、藤田まことの京都殺人案内のようにライフワークにしてくれるか期待したい。
水谷豊さん。ドラマの相棒が放映されるまでは、基本的にテレビよりも本を読んで映画を観てというわたしには中々テレビで見る機会はなかったのですが、流れるように斜めみていた浅見光彦シリーズ最初の映像化で主役を張っていた方だ。1980年代の話ですがね。
東京湾炎上、この映画をみた際に水谷豊さんの演技幅の広さに驚かされたけれども、手塚治先生のバンパイヤ、その実写版も演じていたことを知って驚く。大昔父の書架で読んだトッペイくん役ですよ。そしてあの世界観を実写化していたことにも驚くのですけれども。
藤田まことさん、時代劇に大きな転換点を示したのは、連続テレビ時代劇として鬼平犯科帳を映像化した松本幸四郎さんはじめ多くの俳優の活躍があるのですが、藤田まことさんの喜劇俳優出身故に殺陣が下手、という個性を撮影技巧で活かした作品が大きいとおもう。
寺田聰さん主演の映画、雨あがる、という作品がありましたが、その最初の実写化は藤田まことさん主演のテレビドラマ夫婦旅新居酒屋百選、じゃなかった夫婦旅-さらば浪人、その第一話雨あがる、でしたが、主人公である三沢伊平は剣術指南役で達人という設定だ。
殺陣で、電光石火の描写も細部を省くことで目にも留まらぬ瞬間映像として描いたことで、これは一つの殺陣の見せ方を現したのだと思う。これは、必殺仕事人、と受け継がれていまして、逆に表現すると時代劇の主役を張れる俳優層をおおきく広げた、といえる。
無用庵隠居修行、さて水谷豊さん主演の時代劇に視点を戻しますと、やはり日向半兵衛、直参旗本の大番士は剣術達人と言うことですが、水谷さんは時代劇畑の人ではなく殺陣は、まあ、という。しかし、映像の技巧で達人のように描くことで仕上げた。凄う事だと思う。
海老沢泰久氏、無用庵隠居修行は小説家の海老沢さんがオール讀物にて2008年に発表した短編小説なのですが、第7段が映像化されることは非常にうれしい、というのもこの原作小説は短編集であり6作品までしかないのですから、7は無理かな、と気にはなっていた。
日向半兵衛という主人公、ここまで人気ならば是非続編をと思うのですが、非常に残念なことに原作者の海老沢さんが2009年に旅立たれていまして、生前の晩年作となっているのです。日向さん活躍の原作、読んでみたいなあとおもいつつ、古本屋でも探せばいいのか。
時代劇、東映チャンネルなど有線放送では新作が制作され続けているようですが、テレビ時代劇となりますとどうしても弱い。そして俳優からスタッフから監督に脚本まで、裾野をすべて含んだ上で成り立つのが映画産業、いったん途絶えると、それは西海が難しい。
作品世界がある程度視聴率という部分でささえられているからこその新作となっているのでしょうし、それ故に原作のストックを越えているのかもしれなけれども新作を描いてくれる、というのは、出来の方はどうあれども、これは大切なことだ、と思うのですね。
法然さんの歴史ある寺院がロケ地として出ていますが、今回光明寺に大覚寺にと、京都の歴史風景もまさにオールスター、というところ。こうした作品世界を入り口に歩み進め、歴史と哲学の思索という散策を広げてみるのも、面白いのではないかな、と思うのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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