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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】フランス海軍BRF補給艦2番艦の進水式,中国国内WS-15エンジン搭載J-20A戦闘機飛行が撮影

2025-05-06 20:08:05 | インポート
■防衛フォーラム
本日も簡易版ですが最新情報を第二北大路機関にて速報したものを。

フランス海軍はBRF補給艦2番艦の進水式を挙行しました。9月13日、アトランティック造船所において行われた進水式ではフランス海軍のフランソワモロー提督、フランス共同兵器機構長官のジョアキムサッカー氏やアトランティック造船所のローランカスタン最高経営責任者らが出席、新しい艦の名をジャックストスコフと命名しました。

BRF補給艦はフランス海軍が4隻の導入を計画している艦隊兵站船計画の一環で。満載排水量31000t、総トン数28700t、全長194m、貨物搭載量14870t、乗員は130名で便乗者60名の乗艦が可能となっています。既に1番艦のジャックシュヴァリエは2023年にフランス海軍に就役しており、3番艦エミールベルタンは2024年初頭に起工式を迎えています。


中華民国台湾海軍の潜水艦建造計画について、現在国産潜水艦1番艦は艤装工事中ですが早ければ2025年11月に竣工するとみられています、台湾海軍ではこの1番艦を評価試験用としてもちい、問題点などを洗い出した上で7隻を建造する計画で、これはミサイルコルベット建造の際の方式を潜水艦においても踏襲することをしめしています。

潜水艦7隻の建造は、2隻と3隻と2隻を分けて建造する見通し。この際にバッチ2とバッチ3として建造の都度に改良を重ねるという。台湾海軍は中国海軍の急激な近代化に対してその能力格差が開いており、近い将来懸念される有事では、戦闘海域が限られる台湾海峡での戦いでは大型水上戦闘艦では生き残ることが難しいとされています。


アメリカ空軍研究所はレギオンエアインターナショナル社との間で給油装置の契約を結びました。レキオンエアインターナショナル社はF-15戦闘機に装着可能であるシャーク給油ポッドを開発しているメーカーです。シャークとは小型ハイブリット空中給油キットの略称で、契約金額は319万ドル、試作品は268万ドルで納入されることとなりました。

シャーク空中給油ポッドは、空軍戦闘機が用いているフライングブーム方式の給油装置を戦闘機や無人機、ビジネスジェットに後付けするものです。空中給油機が敵対勢力に狙われる中、例えばF-15に搭載するならば狙ってきた敵をAMRAAMで逆に撃墜することが可能ですし、ビジネスジェットを無人飛行させ給油機として仕上げることも不可能ではない。

空中給油機としてKC-46Aなどは給油装置を遠隔操作式としていて現在はコックピットから遠隔操作していますが将来は地上から遠隔操作し、操縦士と副操縦士のみを搭乗させ万一撃墜された場合の人的損耗を抑える研究が為されていますが、シャークシステムが完成した場合、有人空中給油機は長距離飛行支援など最適な運用に特化できるでしょう。


中国国内でWS-15エンジンを搭載したJ-20A戦闘機の飛行が撮影されたもよう、中国国内SNSでの投稿写真で話題となっています。WS-15は中国空軍606研究所と西安航空発動機公司が共同開発していた第五世代戦闘機用ターボファンエンジン、J-20戦闘機に施策エンジンを搭載している様子は2023年にも確認されていますがJ-20Aへの搭載はまだ。

J-20戦闘機は中国が独自開発している第五世代戦闘機で高いステルス性能を持つとされる戦闘機ですが、経験と研究成果が重要視されるエンジン開発には難渋しており、機体そのものの開発よりもエンジンは長らく代替エンジンを搭載していました。WS-15が技術的に完成したならば、J-20は次の段階の大量生産となる可能性が高くなってきました。
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【防衛情報】F-15戦闘機バディー給油用シャーク給油ポッド

2025-05-05 20:19:31 | インポート
■防衛フォーラム
 有事の際に空中給油機が第一線近くまで出られるのかという問題への一つの選択肢がアメリカで。

 アメリカ空軍はF-15戦闘機バディー給油用のシャーク給油ポッドを研究中です。バディー給油とは海軍の空母艦載機において実施されているもので、1990年代まではA-6攻撃機が、現代ではF/A-18E/F戦闘攻撃機が用いられており、どちらも搭載能力に余裕のある航空機が転用、あまり多数の燃料は積めませんが艦上運用故の選択肢でした。

 シャーク給油ポッドの特色はKC-46やKC-135のようなフライングブーム方式の給油装置を採用しているもので、海軍のプルーブアンドドローグ方式の給油装置よりも複雑ではありますが短時間で大量の燃料を給油できるとして空軍、と航空自衛隊、が用いている方式です。問題はこれまでバディー給油には給油装置が大きすぎる問題があったのです。

 バディストア方式というシャーク給油ポッドはF-15戦闘機の下部にコンフォーマル方式で密着搭載できるという点があり、近い将来、大型の空中給油機は最前線では長距離空対空ミサイルの脅威により行動できなくなる可能性があり、空中戦能力の高いF-15に給油を行わせる方式を模索するほか、無人航空機に給油ポッドを装着する研究も行われている。
■防衛フォーラム
 今後は多少の予算と造船技術と若年人口に余裕のある国が一斉に大型空母建造に走るのかもしれませんね。

 トルコ海軍の国産空母MUGEM最新情報です。トルコのSAHAエキスポにおいて新しい国産空母MUGEMの模型が展示され、ここに大きさなどが発表されました。満載排水量は60000tとこれまで提示された8万5000tからは大きく縮小していますが、全長285mと全幅72m、吃水10mと、現在各国が運用している航空母艦と比較し、やはりかなり大型だ。

 空母MUGEMは艦載機としてヒュルジェット、クズエルマ、バイラクタルTB-3、アンカ3など有人戦闘機と無人機を混成搭載するもよう。ただ、これはエキスポの展示されていた模型で確認された航空機の模型であり、実際に何を搭載するかが文字情報として公開されたわけでは無いことは、一応留意すべきかもしれません。

 空母は自衛用に独自開発のVLS垂直発射装置であるMIDLASを32セル分搭載していて。このほかギョクデニズ35mm双連機関砲4基を搭載、またガスタービン推進方式を採用するとのことですが、最高速力として25ノットを発揮するとのこと。トルコ海軍の象徴的な艦となることが期待されていますが、狭いエーゲ海での運用戦略は関心事といえます。
■防衛フォーラム
 任務を考えると浅海域での潜水艦捜索能力も高いP-1を採用して欲しかった。

 ドイツ海軍向けP-8A哨戒機の初号機就役計画が発表されました、ボーイング社によれば11月に初飛行を計画しているという。ドイツ海軍はアトランティック哨戒機の退役や、P-3C哨戒機などの老朽化を受け、新しくP-8Aポセイドン哨戒機を選定、3機を調達計画です。機体は11月の初飛行を経て2025年よりドイツ軍へ引き渡し開始を予定しています。

 ドイツ本土に隣接しているバルト海では大洋での運用を想定したP-8A哨戒機の活躍できる海域は限られますが、ドイツ海軍はEU欧州連合やNATOの一員として大西洋や地中海での任務を行う際には高性能の哨戒機を必要としていて、対潜哨戒以上に海洋哨戒機としての性能を重視しているP-8Aが選定されることとなりました。
■防衛フォーラム
 ミゼットサブは1990年の地域紛争増加以来価値観が変わったとされる装備の一つ。

 カタールはイタリアよりM-23小型潜水艇を導入します。イタリアは第二次大戦中からこの種のミゼットサブを開発運用しています。ミゼットサブは通常の潜水艦ほど広い紹介能力などは持ちませんが、沿岸部においては有用な装備とされていて、このM-23小型潜水艇の概要がポーランドにおいて行われたMSPO海事装備展において発表されたとのこと。

 M-23小型潜水艇は全長12mで全幅5m、潜行深度は200mまで可能といいまして、バッテリーにより駆動、潜水艇の水中最大速力は最大12ノット、小型ではありますが魚雷2発を内蔵した発射筒2基から運用可能であり、機雷敷設や徘徊式弾薬の発射も可能という。乗員は6名ですが、このほかに特殊部隊要員6名を運搬することが可能とされています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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【防衛情報】GCAP日英伊共同開発次期戦闘機は"烈風",海上自衛隊の試験艦あすか艦上にレールガンが搭載

2025-04-29 20:18:28 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は日本関連の話題です。

 航空自衛隊の次期戦闘機は"烈風"を検討している、共同通信が4月27日に配信した報道によれば、F-2戦闘機後継機として開発が進められているイギリスとイタリアとの国際共同開発戦闘機について、共同通信が複数の政府関係者への取材により戦闘機の愛称について旧海軍最後の艦上戦闘機である烈風の名前を継承する検討があるとのこと。

 テンペスト、もともとこの戦闘機計画は日本のF-2戦闘機後継機とイギリスのユーロファイター戦闘機後継機が必要となる時期が重なるとして、野田政権時代に日英共同開発の方針が示され、これを政権交代後の安倍政権でも継承したもの。イギリスはタイフーンの後継機ということで嵐を示すテンペストという名称を開発計画に冠しています。

 烈風、もともとF-2戦闘機の非公式の愛称はバイパーゼロといい、平成のゼロ戦という愛称をもっています。航空自衛隊はファントムやイーグルにライトニングⅡというアメリカの愛称をそのまま用いていますが、F-104栄光、F-86D月光など過去には日本独自の愛称をつけていて、特にF-86Dはレーダーを搭載し、旧海軍夜間戦闘機の名を踏襲しました。


 GCAP戦闘機、F-2戦闘機後継機計画について欧州同志国の大幅な参加の可能性が出ています。もともとF-2戦闘機とユーロファイター戦闘機の後継機を同時開発するべく日英共同開発が進められていましたが、ここに同じくユーロファイターを運用するイタリアが共同開発に参加、3カ国体制となっています。

 ユーロファイターについて、欧州共同開発により実現した戦闘機ですが、欧州での共同開発はもう一つ、ドイツとフランスのFCAS戦闘機開発計画が存在しており、日英伊共同開発は、広大な日本の領空、GIUKラインの防空、北アフリカ地域までの作戦を実現するべく大型の機体となっていますが、独仏は艦載機となりうる小型の機体を期しています。

 GCAPグローバル戦闘機計画の参加国増大の可能性は第二次トランプ政権の欧州安全保障への懐疑的な姿勢と、在欧米軍削減やウクライナ支援への後退と親ロシア政策があり、アメリカへの防衛装備依存の脱却を模索している実情があります。これは現実にGCAPはグローバル戦闘機となる可能性を示していると言えるでしょう。


 海上自衛隊の試験艦あすか艦上にレールガンが搭載されており話題となっています。防衛装備庁は昨年、世界で初めてレールガンの海上発射試験の映像を公開し話題となりました、先端技術ですが防衛装備庁は技術研究本部時代の昭和62年度からレールガン開発を継続しており、その具現化となっています。

 レールガンは諸外国では野砲の後継として開発するために大型の砲弾を投射するべく電源技術開発などに難渋していますが、もともと日本のレールガン開発は高射機関砲の後継として開発されており、小さなアルミペレットを極めて早い初速で連続投射する技術が開発されており、開発を中断しなかったことで実現にこぎ着けました。

 防空火器としてのレールガンは、近年、無人機の飽和攻撃という新しい脅威を前に従来型の防空システムが弾薬不足に陥る懸念が指摘されており、先日フランス海軍がアキテーヌ級の艦砲により無人機を至近距離で落とすなど実際に艦砲の時代が復権しつつあります、レールガンは横須賀軍港巡りなどでも見えるといい、注目の的です。


 防衛装備庁のレールガン開発について、防衛装備庁は現在5メガジュール電源コンテナを4基搭載してレールガン用電源として活用しています、実用的な射程のレールガンには30メガジュールから40メガジュールが必要となるため、現在その小型化技術を推進していますが、10年後を目処に十分の一程度まで小型化を進めている。

 レールガンは、いまのところ小型化に成功しており、試験艦あすか艦上に搭載されているモジュールは艦砲部分で40mm機関砲や57mm艦砲程度のシールドに収められている点が特筆できます。電源部分の小型化の過大については、2015年と2025年の蓄電技術の進歩を考えますと、技術的にはある程度現実性がありますが。

 日本のレールガン開発は、先ず軽量な高射機関砲用の連射型を開発した上で、将来的には陸上発射型を開発する方針が示されていて、地対艦用に、榴弾ではなく水上戦闘艦の心臓部を正確に破壊する自走榴弾砲型、レールガン部分と電源車量を連結させることで野戦運用する構想が昨年の防衛装備シンポジウムにおいて提案されていました。

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【防衛情報】パンドゥールSHORAD防空システム,陸上機動プログラムディンゴ3とARVE自走榴弾砲

2025-04-22 20:23:00 | インポート
■防衛フォーラム
今回は陸軍関連の話題を纏めました。こうした話題を備忘録としてどの程度の方に需要が有るのかはわかりませんがgooブログのサービス終了が決定した今、まず爆アップを採ってから移行作業を始めなければならないものの多忙で進まない状況、なんとかしたいものです。

AUSAアメリカ陸軍協会グローバルフォース25においてジェネラルダイナミクス社はパンドゥールSHORAD防空システムを発表しました。これは実績あるオーストリアのパンドゥール装甲車の最新改良型である六輪型へ近距離防空システムを搭載したもので、ジェネラルダイナミクス社がアメリカ陸軍へ新しく提案する装備の一つ。

パンドゥール装甲車の最新改良型の正式名称はMTPzパンドゥールEVOといい、パンドゥール装甲車は原型がシュタイヤーダイムラープフ社により製造された六輪駆動型であったものが、車内容積確保と大型砲塔搭載という国際市場における需要に対応し、一時八輪型となったものを、再度小回りに強みがある六輪型としたものです。

アメリカ陸軍は既にストライカー装甲車を原型としたサージェントスタウトM-SHORADを配備開始していますが、パンドゥールSHORAD防空システムの利点としてジェネラルダイナミクス社は、ストライカー装甲車よりも軽量であり、C-130輸送機を用いた場合でも無理なく機動展開できる、戦略機動性の高さを強調しました。
■防衛フォーラム
自衛隊も独自のソフトキルシステムとハードキルシステムのソフト化という模索を行っていますがどういった決断でもいいのですが行うのは早い方がいい。

スペイン陸軍はレオパルト2戦車へトロフィーアクティブ防護システムを搭載します。これはGDELSジェネラルダイナミクスヨーロッパランドシステムズとの契約が3月20日に締結され、スペイン国防省が発表したものです。トロフィーアクティブ防護システムはイスラエルのラファエル社が開発した、誘導弾などから戦車を防護するもの。

トロフィーアクティブ防護システムの搭載はレオパルト2戦車を設計し現在の維持改修を手掛けるKNDSドイッチュランド社にひょり技術開発が行われており、この追加改修の一環としてスペイン軍が運用するレオパルト2戦車に対しても搭載されるもの。スペイン軍はレオパルト2A4戦車と独自仕様のレオパルト2E戦車を運用しています。

レオパルト2E戦車はドイツ連邦軍のレオパルト2A5仕様をスペインのサンタバルバラシステマス社がライセンス生産したもので、現在はA6仕様に近代化改修されていますが、無人航空機などの脅威増大を背景にスペイン陸軍も既存戦車へのアクティヴ防護システム追加搭載を決断した形、具体的な作業日程はこれから詰めることになります。
■防衛フォーラム
牽引式榴弾砲で52口径は砲身が長すぎて困りものですが日本で実施した装輪自走榴弾砲のようにフィンランドも興味深い運用を。

フィンランドのパトリア社は新型装輪自走砲ARVEを発表しました、この発表は3月17日にロヴァニエミで開催された北極防衛シンポジウムにおいて示されたもので、フィンランド軍が装備している155K98牽引式榴弾砲を同国のSISU-E13TP-8x8トラックに搭載したというもの。155K98牽引式榴弾砲は牽引砲ながら52口径の長砲身を誇る。

155K98牽引式榴弾砲はFH-70榴弾砲のように補助動力装置を有していて15km/hで自走可能ですが、トラック搭載で機動力を強化した。フィンランド軍は人口の割に長大な海岸線を防護するべく沿岸砲兵を長らく維持していますが、今回新たにトラック型自走榴弾砲を導入することで砲兵の機動運用能力を抜本的に強化することが狙いとされています。

ARVE自走榴弾砲は最大射程40km、毎分6発と緊急時は10発、緊急火力集中射の場合は12秒間で3発を発射可能という性能を誇り、155K98そのもののパトリア社での生産は2005年に終了しエジプトなどでライセンス生産が行われていましたが、欧州情勢の緊迫化を受けパトリア社は20年ぶりに製造を再開する発表を行っていました。
■防衛フォーラム
自衛隊では軽装甲機動車の後継車両選定が進んでいますが高機動車も汎用車輛としての高機動車は兎も角として歩兵機動車としての特性を考えると装甲化が必要なように思えます、が此処でイギリスに興味深い事例が。

イギリス陸軍はディンゴ3輸送防護車を陸上機動プログラムの有力車両として検討しているとのこと、これはフランスのKNDS社が示した構想で、ディンゴはもともとドイツ軍の軽装甲機動車として開発された四輪駆動の軽装甲車両、アフガニスタンやマリなどで使用されたほか、近年ではウクライナ軍に供与された車両が運用されています。

陸上機動プログラムとは2000年代初頭に導入されたISAFアフガニスタン国際治安支援部隊任務用の各種車両が一斉に老朽化を受け、現段階でイギリス陸軍の重要な歩兵機動車両となっている車両を、雑多な車両体系を一本化する後継導入計画となっていて、四輪駆動型と六輪駆動型の同系統を導入すべく各種検討を進めているもの。

ディンゴ3の四輪駆動型は240kwのエンジンを搭載し、13立方mの後部区画に最大3tの装備や人員を収容可能、これは歩兵輸送に加え指揮通信車や救急車にNBC偵察車などに応用できるとしていて、六輪型は戦闘重量20tと大柄ですが5tの装備を収容可能としています。イギリス軍はドイツ設計車両としてボクサー装輪装甲車を運用中です。

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【防衛情報】HELIOSレーザー無人機撃墜試験とMk.45艦砲オーバーホール,NATO海底ケーブル防衛

2025-04-15 20:00:42 | インポート
■防衛フォーラム
 gooブログサービス終了に伴いこの防衛情報を含めた備忘録的な情報を如何に別のブログサービスへ移動させるかが課題です。

 アメリカ海軍はヘリオスレーザーを用いた水上戦闘艦艇からの無人機迎撃試験を成功させました。HELIOSレーザー、これは統合工学幻惑システムの略称でアメリカ海軍が2025年1月に発表した報告書によれば、2024年にこのヘリオスレーザーシステムを搭載したイージス艦による無人機迎撃実験に成功、目標を撃墜したとのこと。

 ヘリオスレーザーシステムの実権にはアーレイバーク級ミサイル駆逐艦のプレブルが参加、プレブルはアーレイバーク級の38番艦で2002年に就役しました。興味深いのはブレブルは2024年10月12日にイージス艦ベンフォールドと交代し、横須賀基地へ前方展開していることで、横須賀では海上自衛隊によるレールガン試験が実施中です。


 NATOは海底ケーブル11本の損傷を前に警戒監視強化を進めている、フランス海軍はNATOによる海洋哨戒任務支援に新たにアトランティック2対潜哨戒機を充当、この機体は旧式で中型の航空機ではありますが、5時間にわたり哨戒飛行が可能であるとともに機首部分に改修により強力なセンサーを搭載し海上哨戒能力を有しています。

 海底ケーブルに対するロシアから運用されている国籍不明船による損傷事案が連続する中で、NATOはこの監視能力を強化していますが、15か月間で損傷した海底ケーブルは11カ所となっていて、NATOのルッテ事務総長は新しく2025年1月にバルト海哨戒部隊を多国籍部隊として創設しましたが、どの程度攻撃を防げるかはまだ未知数です。


 アメリカ海軍はMk.45艦砲についてオーバーホール契約を結びました。1月27日、アメリカ海軍はイギリスのBAEシステムズ社との間で7000万ドル規模の契約をむすんだとのことで、このオーバーホールに際して砲身を62口径に延長するとともに砲架部分も強化、更に砲システムの完全なデジタル制御化も実施するとの事でした。

 艦砲はミサイル時代に会って一時期はその存在感を薄くしていましたが、アデン湾や紅海におけるフーシ派武装勢力による無人機を用いた民間船舶無差別攻撃が行われた際、安価な無人機に対して効果で数に限りがあるミサイルをうち尽くす問題が顕在化しており、比較的低コストで連続射撃に耐える艦砲が再評価されているところです。


 ノルウェー海軍は次期フリゲイト計画をフランスとの間で検討しています。これは1月16日、ノルウェーオスロのアーケシュフース要塞において執り行われたフランスのセバスチャン・ルコルヌ国防相とノルウェーのビョルン・アリルド・グラム国防相が国防閣僚会談を行った際、海上防衛協力に関する覚書を交わし、方向性を確認したもの。

 ノルウェー海軍は新しくフリゲイトを5隻乃至6隻増強する構想を推進中で、この計画にはドイツ、イギリス、アメリカなどが参画の意志を示していました。フランスはFDIフリゲイトとして4500t級の水上戦闘艦の試験を開始しており、各国が示した候補の艦艇では最も小型となっていますが、取得費用などにおいて優位性があるとしています。


 トルコ海軍はマヴィヴァタン2025演習を実施しました。この演習は2019年よりトルコ海軍が実施しているもので、主として領土問題を抱えている中で同じNATO加盟国であるギリシャと、そして回教国となっているトルコに対して微妙な国際関係となっているイスラエルの地中海におけるポテンシャルに対抗する演習となっています。

 トルコ海軍はこの演習に際して、新たにミルデン級航空母艦構想を発表するなど、大型の空母運用を地中海において実現することで海軍ポテンシャルを強化する試みを示すとともに、海軍は水上戦闘艦艇など77隻と潜水艦7隻、固定翼航空機31機、ヘリコプター17機、無人航空機28機を参加させたほか、空軍の早期警戒機や戦闘機も参加しました。


 インド海軍は複数の水上戦闘艦と潜水艦を同時に進水式を挙行し海軍力の増強を強くアピールしました。これは1月16日、インドのムンバイにおいて実施されたもので、進水式にはラジナートシン国防大臣が出席、インド海軍の任務はインドの貿易の内95%が海洋を通じ行われており、シーレーン防衛の重要性を強調しました。

 進水式を迎えたのはフランスのスコルペヌ級潜水艦に範をとったカルヴァリ級潜水艦が含まれており、現在インド海軍は16隻の潜水艦を保有していて、その増強が狙いという。インド海軍が重視するのは中国海軍への対処能力を確保することにありますが、建造能力から時間がかかっており、今回進水式を迎えた潜水艦の収益は2031年の見込み。

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【防衛情報】アラブ首長国連邦第八回NAVDEX,潜水艦ハッランド近代化改修完了とアドミラルゴルシコフ級フリゲイト増強

2025-04-14 20:01:52 | インポート
■防衛フォーラム
 本日午前中に突如として”gooブログサービス終了のお知らせ”という通知が一斉にありまして移転先を模索している段階ですが当面北大路機関は平常通り運営を継続します。

 スウェーデン海軍は潜水艦ハッランドの近代化改修を完了しました。これはスウェーデンのサーブ社が2月13日に発表したもので、その近代化改修は同社のカールスクルーナ造船所において執り行われていました。サーブ社は一時ドイツのティッセンクルップ社に売却されていたスウェーデン潜水艦事業を買い戻し潜水艦建造基盤を継承している。

 ハッランドはゴトランド級潜水艦の3番艦で1999年に竣工している。水中排水量1494t、水中速力は20ノットで先行震度は200m、乗員23名で二交代、75kwのV4-275R Mk.2スターリング発電機を搭載した、世界初の実用AIP機関搭載型潜水艦で、スターリング機関により潜航しつつ大気中の空気に依存せず発電し航続距離を延伸することが可能だ。

 スウェーデン海軍唯一の潜水艦であるゴトランド級であるのですが、ゴトランド、ウップランド、ハッランド、この三隻があるのみで、全艦現役であるものの老朽化も否めません。口径潜水艦は計画されていますが、ゴトランド級は今回の改修によりセンサーなど20の装備が換装され、また戦闘情報処理システムも新型のものにおきかえられました。
■防衛フォーラム
 建造に十年以上を要しているフリゲイトですので完成は二〇四〇年代手前というところでしょうか。

 ロシア海軍はアドミラルゴルシコフ級フリゲイトを増強する。ロシアのラスーリス紙が2月13日に報じたところによれば、ロシアのセヴェルナヤヴェルフ造船所が発表した年次財務報告において新しいフリゲイト受注を報じたもの。このフリゲイトはロシアがソ連崩壊後に初めて量産に漕ぎつけたプロジェクト22350型フリゲイトの別名で。

 アドミラルゴルシコフ級フリゲイトは満載排水量5400t、護衛艦もがみ型に匹敵する大きさであり、一番艦アドミラルゴルシコフは2006年起工、2018年竣工と建造期間は非常に長いものの、アドミラル・フロータ・ソヴィエツコヴォ・ソユーザ・ゴルシコフ、アドミラル・フロータ・カスタノフ、アドミラル・ゴロフコ、既に3隻が竣工している。

 アドミラルゴルシコフ級フリゲイトは超音速ミサイル3M22 ツィルコン運用能力を有しており、ロシア海軍が保有する重要な洋上打撃力となっています。他方、経済制裁により現在4番艦アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフから8番艦まで着工していますが、進水式は未だ行われておらず経済制裁の影響が出ています。
■防衛フォーラム
 中東地域での装備見本市は一九九〇年代から拡大していますが近年はまず産業定着を念頭とした内容が増えているように思えます。

 アラブ首長国連邦は第八回NAVDEX 2025を2月17日から21日までの期間、アブダビのADNECマリーナにおいて開催しました。NAVDEX 2025は同国のシェイク・モハメド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領が後援者となり、同国の海洋安全保障への関与を大きく意識した国家行事となっています。

 ラシッド・イブラヒム・ラシッド・アル・ムハイスニ提督がその執行責任者となり、海外艦艇を含む21隻の艦艇が展示されています。アラブ首長国連邦は石油天然ガスの海上輸送に関する基点としての、海洋安全保障の恩恵を受けている事も受け、ウォーターフロントのグランドスタンド各種訓練展示を視察できる体制を構築しました。
■防衛フォーラム
 サーブ社の展示です。

 スウェーデンのサーブ社は新型沿岸管制レーダーをアラブ首長国連邦で開催されたNAVDEX 2025において発表しました。新型レーダーは次世代型のフェイズドアレイレーダーとなっていまして、回転式ではなく非回転式、コンパクトで建物の屋上はもちろん軽量で橋梁などにも設置し360度全周に渡って監視を行うことが可能であるという。

 新型沿岸管制レーダーは、ソフトウェアにより段階近代化改修を適宜行えるといい、中東地域において広範に配備することでホルムズ海峡やバベルマンデブ海峡といった戦略上重要な石油通商路が並ぶ海域全体の航路上監視管制などに資するものであるとサーブ社のエレーヌ・ビットマンサーブ社UAEマネージングディレクターが発言しています。
■防衛フォーラム
 莫大なオイルマネーでかつて各種兵器を買い集めた印象がありましたが近年はこうしたオイルマネーによる入門のような装備から独自生産を開始しています。

 アラブ首長国連邦のASIS-Boats社は、2月17日から21日にかけアブダビで開催されたNAVDEX 2025装備見本市にて、全長11.5mの11.5m型哨戒複合艇の改良型を発表した。従来型に加えて船体内部に中空構造が追加されたことで破損した場合にも即座には沈没せず浮力を維持できるようになっている点が改良点という。

 11.5m型哨戒複合艇は400hpのMercury-Verado社製V10船外機3基を搭載し、速度56ノット、乗員と兵員併せて8名が搭乗可能で、M-240軽機関銃4丁を基本装備として搭載する。ASIS-Boats社はドバイのジェベルアリ工業地帯に本社を置く企業で、中東各国が進める産業開発の一環として創設された企業である。

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【防衛情報】トルコ空軍ユーロファイタータイフーン戦闘機導入検討,イギリス空軍E-7早期警戒機初号機

2025-04-07 20:21:19 | インポート
■防衛フォーラム
 今回も縮小版で。

 トルコ空軍はユーロファイタータイフーン戦闘機導入を検討中です。もともとトルコはJSF計画参加国であり、F-35戦闘機を導入する計画でしたが、同時期にロシアから導入するS-400地対空ミサイルシステムがF-35戦闘機のデータリンクシステムと連接することでF-35戦闘機のネットワークシステム情報が漏洩する懸念がありました。

 JSF計画の参加資格停止はアメリカのトランプ政権時代に決定し、バイデン政権時代に復帰できることをトルコ側は期待していましたが、バイデン政権でもJSF計画復帰は認められず、正式にJSF計画からの除名が発表、F-35導入の目処が立たなくなりました。トルコではこの際、独自に第五世代戦闘機カーンの開発を進めるとしています。

 ユーロファイタータイフーン戦闘機の導入は、カーン戦闘機開発の遅れとともにトルコ空軍が運用するF-16戦闘機のF-16Vへの近代化改修計画も遅れていることからつなぎとして期待され、当面は24機を、最終的に40機を導入する計画です。トルコへの輸出はドイツ政府が難色を示してきましたが、トルコとドイツは協議開始で合意しました。


 イギリス空軍が導入するE-7早期警戒機初号機がイギリス空軍塗装の上で飛行士兼を開始しました。イギリス空軍は7機を運用していたE-3早期警戒管制機の後継としてE-7早期警戒機5機を発注しています。イギリス空軍ではE-3早期警戒管制機の退役が始まっているため、戦力空白が生じている中での納入目処は朗報といえるでしょう。

 E-7早期警戒機は、オーストラリア空軍とトルコ空軍をローンチカスタマーとしてボーイングとともに独自開発したもので、韓国空軍が採用し、同時期に停滞していたE-10統合警戒管制機の開発が中止されるとE-3早期警戒管制機後継機の有力候補となり、NATOが採用、最近ではアメリカ空軍が採用を決定し独自仕様型の開発が始まっています。


 韓国空軍のF-15Kがタウルスミサイル発射試験を成功させました。もともと韓国政府はアメリカ政府にJASSMミサイルの供与を要請していました、これは射程950kmのミサイルでもともと韓国がF-15EストライクイーグルをF-15Kスラムイーグルとして採用した背景には射程の長いAGM-158-JASSMミサイルを搭載することが目的の一つとされていた。

 タウルスミサイルはスウェーデンとドイツが共同開発したもの、供与が拒否されたJASSMその代替装備として検討されたもので、韓国空軍が採用したさいしょの欧州製ミサイルとなります。韓国が調達したのは200発、この170発が引き立たされた時点で北朝鮮による核恫喝の度合いが増し、このため90発を追加調達した経緯があります。

 タウルスミサイルの特色は高い命中精度とともに射程が500kmと比較的長く、今回の試験はその映像などが公表され長距離目標に対する打撃力を誇示しています。このミサイルはウクライナ政府が繰り返しドイツ政府に供与を要請し認められていないものですが、同一目標に連続命中させることで地下バンカーなどに対しても有用といわれます。


 イギリス空軍が開発を進めるブライトストーム妨害システムの試験が成功したという。これはスタンドイン妨害システムとしてイギリス空軍とレオナルド社が開発を進めていたもので、開発成功がAUSAアメリカ陸軍年次シンポジウムにおいて発表されました。この妨害システムは従来の電子戦機の常識を根本から変えうるものとなるでしょう。

 ブライトストーム妨害システムは、電子戦機が電子妨害ポッドを搭載して電子妨害を実施指定単穂に対して、電子妨害ポッドそのものに主翼とエンジンを取り付ける、つまり一種の無人機として運用するものです。発表されているCGには降着装置が見当たらないことから、航空機などから空中発進させる方式であるとみてとれます。

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【防衛情報】ユーテルサット衛星とヨーロッパ再軍備計画,KC-46A空中給油機に新たな欠陥

2025-03-25 20:25:25 | インポート
■防衛フォーラム
 僅かな期間でアメリカの安全保障分野における地位が根本から転落しそうになっているのが不思議です。

イタリアは衛星通信網にユーテルサット衛星を採用するとのこと。これはイタリアのメローニ首相がアメリカのトランプ大統領と親交の姿勢を示していることから、アメリカのスペースX社が提供するスターリンク衛星が採用されるとおもわれただけに市場を驚かせました。ユーテルサット衛星は地上通信網が破壊された場合に備えた通信手段です。

ユーテルサットは首相発言を受け株価が387%上昇するという特需のような状況となっています。スターリンク衛星が採用されなかった理由は明らかにされていませんが、ウクライナでは現在、スターリンクアンテナがロシア軍に精密攻撃を受けやすい不可解な状況があります。一起業家に左右されないインフラ分散を求めた結果と言えましょう。■

フランスのマクロン大統領はテレビで施政方針演説を行い防衛力強化を力説しました。冷戦後には無かったほどの強硬姿勢となっており、ロシア軍におるウクライナ攻撃、欧州全域での反体制派暗殺や選挙介入を行っていると幾度もロシアを名指しで非難する異例のものとなった。これはフランスの防衛政策が名実ともに冷戦後を脱したと示す。

防衛強化指針も併せて示し、フランス全体で防衛産業に増産を行うよう発注を行う姿勢をしめしました。これをうけ、フランス唯一の榴弾メーカーであるユーロプラズマ社の株価は6%上昇、戦闘機メーカーであるダッソー社は20%、タレス社の株価は27%上昇しました。フランスの防衛産業は冷戦後縮小を続け、今回はその転換点となります。


 EU欧州連合のフォンデアライエン委員長はヨーロッパ再軍備計画を発表しました。この発言は4日、最大で8000億ユーロを投じた防衛力強化指針を発表したもので、アメリカのトランプ政権による欧州安全保障強化関与の低下を示唆したことを受けてのマーストリヒト条約締結以来となる規模の自衛力強化措置に乗り出すこととなりました。

 加盟国兵器協同調達計画、この計画としてまず、1500億ユーロ規模、日本円で23兆円規模の共同調達基盤を構築、また、加盟国への財政規律緩和措置を行うことで財政赤字拡大を一定程度黙認し、この枠内でEU加盟国全体での国防費の増加を進める方針を示しました。欧州域内には縮小されたものの、巨大な製造業がいまだ操業中です。
■防衛フォーラム

 アメリカのボーイング社はKC-46A空中給油機に新たな欠陥が確認されたと発表しました。これはアメリカ空軍が納入前のKC-46A機体を検査したところ主翼部分に亀裂が確認されたため、受領を拒否したというもの。KC-46Aはこの種の問題を繰り返しおこしています。またF-35A戦闘機など幾つかの機種に対して給油できない問題が続いています。

 KC-46A空中給油機はエアバスA-330MRTT空中給油輸送機とならぶ現在世界で最も標準的な給油機となっていますが、ボーイング社の製造能力と品質管理能力の限界から相次ぎ問題が発生しています。なお、KC-46Aは航空自衛隊が美保基地の第405飛行隊に配備しています。航空自衛隊は今後KC-46Aを増強する方針で、大きな関心事といえます。


 ポーランド軍は新たにK-2戦車12両を取得しました。これは3月12日までにポーランドへ搬入されたもので、ポーランドは更にK-2戦車の増強を進めています。K-2戦車はポー安堵が予算内で取得できる最強の戦車として重視しているもの。一方、ポーランドが求めている国内でのK-2戦車製造は、関連設備投資の重さが課題となっているもよう。

 K-2戦車はポーランドの工業力と工場設備では生産が難しいことが指摘され、ポーランドはT-72戦車の独自改良、PT-91開発などを進めてきただけに技術的自信があったもののK-2製造は難しく、大規模な工業設備刷新へ予算を確保しようと模索している段階とのこと。ポーランド軍仕様のK-2戦車はK-2PL戦車という改良型となっています。

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【防衛情報】インドネシア海軍イタリア海軍退役空母ジュゼッペガリバルディ取得意向

2025-03-17 20:00:29 | インポート
■防衛フォーラム
 今回はイタリア空母の退役後や北朝鮮海軍の増強と海上自衛隊消防飛行艇の話題などをあつめてみました。

 インドネシア海軍はイタリア海軍の退役空母ジュゼッペガリバルディを取得する意向を示しました。これが実現した場合インドネシア史上初の航空母艦となります。ジュゼッペガリバルディはイタリア海軍が始めて完成させた航空母艦ですが、空母カブールの竣工を受けヘリコプター母艦へ、強襲揚陸艦トリエステ竣工を受け退役しました。

 ジュゼッペガリバルディは満載排水量13859t、全長180mの航空母艦、対艦ミサイルを搭載するなど強力な武装を有するてんが特色です。東南アジアでは1997年にタイが空母チャクリナルエベトを導入、実現すればジュゼッペガリバルディは、東南アジアにとって1997年以来、そして東南アジア2隻目の航空母艦となります。


 インドネシア海軍はイタリア海軍からハリアー戦闘機の導入を模索しています。ジュゼッペガリバルディ取得の意向を示したインドネシア海軍、イタリア海軍はハリアー戦闘機30機を保有していますが、F-35B戦闘機15機を導入する計画で、比較的状態が良好である。ただ、ハリアーは今後どのように稼働率を維持するかが課題となるでしょう。

 イタリア海軍が運用していたジュゼッペガリバルディはハリアー6機と哨戒ヘリコプター6機を同時運用する能力があります。インドネシア海軍はかつて、スベルドフ級巡洋艦などを装備していましたが、インドネシア経済の発展とともに海上防衛の重要性を正面から受け止めたかたちで、スベルドフ級巡洋艦以来となる海軍力強化を進めています。


 北朝鮮は建造中の新型フリゲイト建造状況を発表しました。新型フリゲイトは、ナムポ造船所において建造を進めているもので、ナムポ造船所は建造ドックに天蓋を被せる工事を行ったことで悪天候においても建造を継続できているといい、進捗は想定以上に進んでいる。北朝鮮海軍は冷戦時代一杯、まともな水上打撃力を有していませんでした。

 3000tクラスの水上戦闘艦とみられ、これは過去に建造したアムノク級フリゲイトが1500tクラスであったことを考えると一気に二倍程度の大きさとなったことを意味します。北朝鮮は同型のフリゲイトをチョンジン造船所においても建造していると発表しました。これは日本海にて水中配備弾道ミサイル防御を視野に置いているのでしょう。


 北朝鮮は原子力潜水艦の建造を主張しています。これによれば水中排水量は6000tから7000t、核ミサイル10発を搭載可能だとしています。北朝鮮の潜水艦建造能力は高くは無く、SLBM水中発射弾道弾についても水中に発射装置を置く部分研究の段階であるとの分析もあり、実用的な原子力潜水艦建造能力には判断の余地が残る。

 北朝鮮はこうしたなかにおいて、地上に配備する弾道ミサイルは早期に破壊されるという懸念から、機雷網などで厳重に防衛された沿岸部に核ミサイルを搭載した潜水艦を配備する可能性が高い。このため、機雷原を超えて目標を攻撃できる、例えば、アスロックのような装備でなければ、こうした潜水艦は破壊されません。


 消防飛行艇について石破総理大臣は可能性の研究を早急に行うと参議院予算委員会で発言しました。これは3月10日の予算委員会において、おりから発生し鎮火に多大な時間を要した岩手県大船渡市での山林火災について、公明党の高橋光男代議士からその必要性を問われたもの。大船渡の山林火災は市域の一割近くを焼失させることとなりました。

 US-2飛行艇については、総理大臣の発言では海上自衛隊全体で6機しかなく、218億円の整備費用がかかるとして慎重姿勢を示す一方、中谷防衛大臣へ研究を指示したことを明らか西、飛行艇いがいにも例えば航空自衛隊が保有するC-130輸送機にタンクを搭載し水と消火液を撒布した場合はどうなるのかなど検討を急ぐ姿勢を明らかにしました。

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【防衛情報】F-2戦闘機後継機共同開発サウジアラビア参加可能性とフィリピン政府タイフォンシステム国内配備で合意

2025-03-04 20:01:32 | インポート
■防衛フォーラム
今週も簡易版です。

陸上自衛隊においてチャカⅢ無人標的機の運用が終了しました。チャカⅢは海上自衛隊においても訓練支援艦などから発射され、艦対空ミサイルの標的として機能してきました。同じように長らく陸上自衛隊の高射特科部隊において標的機として活躍してきましたが、今後は後継装備としてバンシー無人標的機の運用が開始されています。

チャカⅢ無人標的機は冷戦時代には第101無人偵察機隊として運用された時代があり、それはカメラを搭載して敵対勢力上空をプログラミングされた経路に従い撮影するというものでしたが、東西冷戦時代に強大なソ連軍部隊の北海道上陸を警戒していた陸上自衛隊にあって、航空優勢を失った場合でも情報優位を維持するための苦肉の策でした。


ポーランド軍は韓国よりK-151レイコルト高機動車の受領を開始しました。K-151レイコルトはキア自動車が2016年より量産していて、コリアンハンヴィーとも愛称されるもので、軽量ながら装甲防御力を有しており、今回納入されたものについては防弾ガラスや装甲ドアとともに発煙弾発射装置と銃座などが配置されていました。

K-151レイコルトには派生型としてK-152兵員輸送型が有り、K-151は車体後部に荷物室を有する輸送型、重量は5.7tで、また車両停止時にも通信を確保できるよう10kw発電装置を搭載していることから電力を必要とする防空システムや対戦車ミサイルシステム等の搭載にも対応しています。ポーランドは近年、韓国製装備を大量取得している。


フィリピン政府はアメリカ軍のタイフォンシステム国内配備で合意しました。タイフォンシステムは水上戦闘艦に搭載しているMk41VLS垂直発射装置を倒立式として陸上運用可能としたもの、このシステムには射程480kmのミサイルが搭載されており、フィリピンから沿岸200海里にわたって海上へ抑止力を発揮できるというもの。

タイフォンシステムについて、アメリカ軍は2024年4月にフィリピンへ訓練の一環として持ち込んだものですが、演習終了後も一向に撤収する見通しがなく、フィリピンとの間で離島の係争状態にある中国政府はフィリピン政府へアメリカの退去を要求するよう圧力を掛けていましたが、この恒久配備が2024年12月に決定したということ。


フィリピン軍からAH-1Sコブラが退役しました。これはヨルダン政府から寄贈されていた2機の中古機であり、フィリピンではマラウィ騒擾などISイスラミックステイトの浸透事案を受け航空打撃力強化が求められていたなかで2機が無償譲渡されていたものです。AH-1Sコブラはフィリピンの高温多湿環境下でも充分に機能したという。

AH-1Sコブラは2機ではありますが、フィリピン軍は新しくトルコよりT-129ヘリコプター6機の導入と戦力化を進めている最中であり、T-129要員への戦術教育や運用研究には2機とはいえAH-1Sは大きく寄与したといわれています。日本では陳腐化した装備という位置づけのヘリコプター打撃力はいま世界で徐々に運用国を増やしています。


F-2戦闘機の後継機となる次期戦闘機共同開発へサウジアラビアのさんかの可能性が現実味を帯びてきました。この開発は日本とイギリスが国際共同開発を実施しており、此処に途中からイタリアが加わる三カ国共同開発となっていましたが、次世代戦闘機の必要性からサウジアラビア政府が開発計画への参加を希望してきていました。

日英伊共同開発は当初日本政府が、サウジアラビアさんかに対して実戦使用される可能せいが高くなるとして難色を示していましたが、11月末となり一転して日本国内においてサウジアラビア参加を認める可能性と、関係者の話をNHKなどが報じました。この背景には、巨額の開発費負担の問題があり、サウジアラビアの資金力に期待した構図だ。

サウジアラビアの参画について、懸念されているのはサウジアラビアは航空産業が今後の育成段階にあり、航空技術者も育成段階、参加している三カ国との間での技術格差が大きく、また戦闘機運用の基本戦略も現段階では仕様に反映しにくいという実情があります。ただ、トーネードやユーロファイターなど欧州機採用実績は多数あります。

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