goo blog サービス終了のお知らせ 

北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

AUKUS原子力潜水艦計画が危機に,トランプ政権の見直し指針-オーストラリア原潜導入2400億ドル規模の計画

2025-08-28 07:01:41 | 防衛・安全保障
■豪州原潜計画
そうりゅう型を導入していれば既に日本建造分は引き渡しを数年前に完了していたと思うのですが。

アメリカとオーストラリアが進めるAUKUS原子力潜水艦計画が危機に曝されていると。ロイター通信が報じています、ロイター通信が8月26日に配信した報道によれば、バイデン政権時代に国務省高官を務めた関係者が、AUKUS枠組みの見直しの必要性を理解しつつ、トランプ政権が進める潜水艦供与計画の中止についてやめるよう指摘しているという。

ヴァージニア級原潜の導入計画を進めるオーストラリア、もともとはフランスから大型の通常動力潜水艦を導入する計画でしたが、これを撤回し、最大5隻のヴァージニア級原潜を2400億ドルの巨費を投じて導入する構想で、2032年と2035年と2038年にヴァージニア級blockⅣとblockⅦを、2040年代に国産原潜建造を開始する計画です。

しかし、トランプ政権下で、アメリカ海軍向け原潜の建造が遅れている中での同盟国への原潜売却に否定的な視点が示されたのが今年6月、中国に対抗する潜水艦戦略を今年秋までに画定するとしており、その一環としてAUKUS原子力潜水艦計画の中止を示唆したかたちです。これ、暫定的に、おやしお型潜水艦中古艦貸与を検討しては、と思うのですが。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-カスピ海イラン発軍需輸送海上航路攻撃,ロシア籍貨物船ポートオリヤ4

2025-08-25 07:01:27 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
陸上自衛隊の対戦車ヘリコプター後継無人機導入がなかなか始まらない中で無人機による戦果の話題を。

ウクライナ軍参謀本部発表によればウクライナ軍はイランからの無人機関連物資を輸送するロシア船籍貨物船へ無人機攻撃を成功させたとのこと、これはイギリス国防省ウクライナ戦況報告8月22日付発表によるもので、ロシア籍貨物船の名称はポートオリヤ4,無人機攻撃を実施したのはロシア南部アストラ州のオリヤ港であるとしています。

ポートオリヤ4については内海であるカスピ海においてロシアとイランを往復していたもので、イランからは無人機関連物資及び弾薬を輸送していたものとみられます。無人機攻撃について、目標の撃沈には至っていませんが、一部を水没させたとされ、衛星写真では水路上で擱座する船舶と支援船が映り、港湾内において一定以上の戦果を挙げたもよう。

オリヤ港はウクライナ国境から640kmの遠隔地にあり、ウクライナ国防省はこの港湾をロシアがイランからの軍事支援を受ける重要港湾としてみなしていたとイギリス国防省は判断、また同時にロシア軍が策源地として維持している軍事拠点や産業拠点への無人機対策が功を奏していない事を示しているとイギリス国防省は分析しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-アラスカ米ロ首脳会談とホクロフスク北方ドブロビリャ地域ロシア軍突出点の崩壊

2025-08-21 07:00:20 | 防衛・安全保障
■防衛情報:ウクライナ戦争
 歴史的なものを目指し空振りに終わった米ロ首脳会談とこれにあわせて急いで突出点を形成したロシア軍の状況について。

 ウクライナ軍はポクロフスク北部のロシア軍侵攻地域突出部を崩壊させた、ISWアメリカ戦争研究8月18日付ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ軍ドニエプル軍集団報道官のトレフボフ大佐の発表として、ロシア軍が最も進出し周りよりも突出して浸透していた地域を切り出すようにウクライナ軍が分断に成功させたとしています。

 この戦闘では突出部はドブロビリャ地域全体で形成されていたものの、その基部となるザポビドネとドロジニエの線をウクライナ軍が奪還した事により、崩壊させたとしています。この情報はウクライナの軍事評論家マショヴェッツ氏も指摘しており、米露首脳会談に併せて戦果を挙げようとしていたロシア軍の進出部分を遮断する事に成功しました。

 アラスカ州におけるトランププーチン米ロ首脳会談は、プーチン大統領が五つの条件を提示しており、この内容はロシア政府がウクライナへ繰り返し要求していた事と、また過去ドンバス戦争においてロシアが停戦合意し反故にした事象の再発防止措置が含まれておらず、ウクライナ側に受け入れられる要素が難しいのが問題です。五つとは、曰く。

 “ウクライナ領土のロシア引渡しとロシア軍の占領地での前線の停止”、“NATO非加盟とロシアから見た場合のウクライナの中立化の保証”、“クリミア併合の国際的な承認”、“ロシアへのアメリカ以外の全ての国からの経済制裁解除”、“ウクライナ軍の外国製兵器の廃棄と保有禁止、ロシア人住民に対する保護政策”、こうしたものとなっています。

 ロシア住民への保護は、ロシア政府がウクライナによりロシア系住民への民族浄化の陰謀が有るという根拠のない発言が開戦前に主張されており、また経済制裁解除は米ロ間だけではなくほかの有志連合を含む解除となれば、最低でもG7での合意が必要である事を要求した点、中立化の定義が不明確であり、停戦と終戦の意図が見えにくいのが課題です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【防衛情報】あぶくま型護衛艦中古艦を同志国へ供与,フィリピン海軍・ヴェトナム海軍・インドネシア海軍

2025-08-18 20:16:43 | 防衛・安全保障
■防衛フォーラム
はつゆき型護衛艦12隻は解体されてしまいましたが。

あぶくま型護衛艦6隻が退役後、同志国に対して輸出される可能性が出てきました。この輸出計画では当初、同型艦6隻全てがフィリピンに対して供与される可能性が示されていましたが、共同通信が8月13日に配信した記事によれば、フィリピンに加えてインドネシアとヴェトナムへの供与という可能性があると独自報道しています。

2022年に画定されました防衛力整備計画では“就役から相当年数が経過し、拡張性等に限界がある艦艇”について早期退役という方針を明記しており、その上で退役装備について“同志国への移転を検討する”としています。あぶくま型護衛艦は満載排水量2800t、沿岸警備用のDEと呼ばれる小型護衛艦となっていましてDEでは最新という。

あぶくま型護衛艦、海上自衛隊は東西冷戦の終結を受け、60隻の護衛艦を整備する防衛計画の大綱を下方修正し50隻としましたが、この際に護衛艦隊で使用されるDD艦隊駆逐艦と沿岸警備用のDE護衛駆逐艦を当時は同時に整備していたものを、50隻体制となった場合には、艦隊調達計画が大幅に遅延する可能性が生じていました。

DE,あぶくま型護衛艦は当初計画では数十隻を建造するものとみられていましたが、継続して建造した場合は、1980年代初頭から整備されていた汎用護衛艦はつゆき型が長期間第一線に残り続けることとなり、海上自衛隊は艦隊護衛艦を高水準で維持するべく、あぶくま型護衛艦の建造を6隻とし、艦隊護衛艦を沿岸用とする方針を示している。

はつゆき型護衛艦は、満載排水量4000t、オールガスタービン推進方式を採用し戦闘情報処理システムとデータリンクシステムを備えたシステム艦となっていて、哨戒ヘリコプターと対潜・対空・対水上の各種誘導弾を備えた設計となっています。この艦は優れた設計となっていましたが、1990年代半ばから新型艦に置き換えることとなった。

むらさめ型護衛艦は、この、はつゆき型護衛艦の後継として位置づけられ、多目標同時対処能力の付与や双方向のデータリンク能力強化、ヘリコプター運用能力の充実とステルス性の付与など近代化が為されており、一方で数が必要なDEについては、アスロック対潜誘導弾の予備弾を積まず、ヘリコプター格納庫などは盛り込まれていません。

フィリピンへの提供ですが、フィリピンは現在韓国製ホセリサール級フリゲイトなど、長らく放置され続けていました海軍力を近代化させる方針に転換していますが、ヘリコプターとしてAW-159を搭載するものの満載排水量は2600tと抑えられ、2020年のホセリサール、2021年のアントニオルナ竣工の2隻があるのみ。

ミゲルマルバール級フリゲイトという満載排水量3200tの水上戦闘艦を韓国において建造を開始していますが、1番艦ミゲルマルバール竣工は今年の5月、2番艦は今年3月に進水式を迎えましたが竣工は2026年となっています。このほかに韓国海軍のポハン級コルベットを中古で1隻取得していますが、水上戦闘艦はこの程度です。

あぶくま型護衛艦は旧式ですが1989年に1番艦が竣工しており、ハープーン対艦ミサイル、アスロック対潜ロケットと20mmCIWSを搭載、相応に今日翼な設計となっているものの、戦闘情報処理システムなどは艦隊護衛艦よりも簡易版を搭載しており、CICの能力が限られています。戦闘情報処理システムは当初後日装備となっていた。

アスロック対潜ロケットを搭載する点からフィリピン海軍にとっては相応に強力な対潜打撃力となり、とくに2010年代には先行している潜水艦を発見する能力を哨戒機も対潜ヘリコプターもなく駆逐艦に短魚雷さえ搭載していなかったことを考えた場合は相応に強力な、というよりも平時に潜水艦を探知する重要な手段となるかもしれません。

インドネシア、ヴェトナムも現在海軍力を強化しており、特に南沙諸島問題において中国からの攻撃を受け幾つかの環礁を武力ダッシュされているヴェトナムなどは満載排水量2800tの水上戦闘艦は古いものであっても必要である一方、日本側からした場合は、12隻全て退役の、はつゆき型などと異なり漏洩して困る情報処理システムは積んでいない。

他方、海上自衛隊では最新鋭護衛艦である護衛艦もがみ型について、武装は射程400kmの17SSMを搭載するなど有用な能力を持ちつつ、中国海軍の脅威海域で行動するには防空能力等が不十分であるという指摘が既にあり、あぶくまには、RAM個艦防空ミサイル搭載計画などがあったものの実現しないなど、限界があることもまた事実です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【臨時情報】フィリピン-スカボロー環礁付近で中国海軍052D駆逐艦と中国海警056型警備船が激突

2025-08-12 07:01:20 | 防衛・安全保障
■中比一触即発
平和を欲するならば戦争に備えよという言葉が有りますが少なくとも現実を観よという言葉から始めるべきか。

フィリピン沿岸警備隊の巡視船スルアンを追尾していた中国海警の巡視船が付近を航行していた052D型ミサイル駆逐艦が衝突する事故がありました、この衝突により巡視船は航行不能となったもようです。衝突事故はスカボロー環礁、フィリピン領有の環礁を中国が一方的に占拠し、両国で係争地域化している環礁において発生しました。

052D型駆逐艦は満載排水量7500tのミサイル駆逐艦で、激得されたのは056型コルベットを原型とした巡視船で76mm艦砲を備えているものです。驚いたのは、一歩間違えればフィリピンの巡視船に052D型駆逐艦が激突していた事と共に、スカボロー環礁に052D型コルベットが出ているという現実でしょうか。

尖閣諸島を見ますと、中国の海警船による領海侵犯が横行している状況ですが、海上保安庁は大量の巡視船を動員して状況のエスカレートだけは回避させている、それは、この海域に052D型を出した場合には、日本も護衛艦むらさめ型など同程度の艦艇を集められるためですし、海上警備行動という自衛隊法が法整備されているためです。

現代を次の戦前にさせない、我が国ではまもなく8月15日ということで、こうした話題をメディアなどで繰り返していますが、スカボロー環礁で起きている現実は、下手をするとこの海域で8月11日に開戦となっていた可能性があるのですが、新しい戦前にしない為には何をすべきか、日本では沈黙というよりも関心を持っていない。

夢を語るものの夢を実現させるための方法については度外視する、これは大人のやる事ではないのですが、日本のメディア、すくなくともこうしたバング句を制作するのは子供程度の価値観だということなのか、フィリピンや台湾海峡や朝鮮半島で有事と成れば直ぐに飛び火する位置に日本はあります、日本列島を動かせない以上、現実を見るべきです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-ロシア軍化学兵器使用,クロロベンジリデンマロニトリルとクロロアセトフェノン催涙ガスなど

2025-08-01 07:00:36 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
NBC装備は自衛隊が絶対に手放さない装備ですが。

ロシア軍は化学兵器禁止条約に反する弾薬を使用している、これはISWアメリカ戦争研究所7月30日付ウクライナ戦況報告によるウクライナ治安局の告発で、全面侵攻開始以来10000回以上にわたり、弾薬に科学薬剤を装填して使用しているとのこと。ただ、クロロピクリンなど化学兵器禁止条約に抵触するかは微妙なものを主として使用している。

クロロピクリン、クロロベンジリデンマロニトリル、クロロアセトフェノン等が使用されているという。クロロピクリンは農薬で、クロロベンジリデンマロニトリルとクロロアセトフェノンは催涙ガス、催涙ガスについては化学兵器禁止条約の枠外とはなっています。農薬については瓶にじゅうてんして、催涙ガスは手榴弾型のものをもちいている。

催涙ガスについては、ウクライナ軍部隊を陣地から退去させるための手段として用いられているもよう。催涙ガスはカプサイシンなどを用いた物を連想しがちですが、クロロベンジリデンマロニトリルとクロロアセトフェノンはともに化学薬剤となっています。

戦況全般としては、ウクライナ軍はポクロフスクとマリウカ西部で前進し、ロシア軍はライマン北方において前進したとしています。ウクライナ軍第11軍報道官のザポロジェツ中佐によれば、シヴェルスク方面においてロシア軍が砲撃を強化している状況があり、またスロヴァンスクに対しては航空機と自爆用無人機による攻撃を強化しているという。

アメリカのトランプ大統領はロシアに停戦を迫るべく8月8日にロシアとの経済関係の深い国に対し二次関税をくわえるとしており、第一段階としてロシアから最大の石油輸入国となっているインドに対して25%の追加関税を課すとしています。インドとロシアは2024年に2034年までのエネルギー協定を締結していました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-アメリカ国務省,ウクライナへホークミサイルやブラッドレイ装甲戦闘車の有償軍事供与発表

2025-07-30 07:00:07 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
装甲戦闘車の重要性を示す話題を。

アメリカ国務省はウクライナに対する二つのFMS有償軍事供与を認可したと発表しました。ISWアメリカ戦争研究所7月24日付ウクライナ戦況報告によれば、この有償軍事供与は3億2200万ドル規模のもので、主たるものはブラッドレイ装甲戦闘車とその予備部品や整備部品から成る1億5000万ドル規模のものです。

アメリカ国務省によればこの他、MIM-23ホーク地対空ミサイル、そして5tトラックなど1億7200万ドル規模のものになるとのこと。ホーク地対空ミサイルはアメリカではペトリオットミサイルに置換えられていますが、最後まで海兵隊などが運用していたものを維持保管していたものと考えられ、防空システムを求めるウクライナには朗報です。

ブラッドレイ装甲戦闘車は、アメリカ軍が中東地域などでの安定化作戦に長く投入し続けた装備であり、損傷を受けるたびに防御力強化改修や防護キットが新規開発されている為、ウクライナ軍では防御力の高さが評価され、また25mm機関砲についてウクライナ軍が装備する30mm機関砲に換装したものなどが実戦に投入されているもよう。

停戦交渉は事実上、ロシアが拒否している状況にあり、間もなくトルコのイスタンブールにおいて第三回2か国間協議が開始されますが、依然としてロシアは事実上のウクライナ全面降伏と、独立の断念などロシアの隷属化をもとめる要求が含まれており、これはロシア政府が停戦交渉に対して非常に否定的である事を示しています。

ロシア軍は現在、ポクロフソクを攻略する事を第一に、この方面に10万名規模の地上部隊を展開させていると、ウクライナ軍ホツルティツイア方面軍報道官のトレフボフ大佐が発言しており、ポクロフスクとミルノフラドについて、ロシア軍は損耗がおおくなる正面攻撃を避け、当方に迂回しようとしている兆候があると発言しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢ーウクライナへの軍事支援は今後数週間以内に再開される可能性とトランプ大統領が表明

2025-07-14 07:00:23 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
防空装備はどれだけあっても不足するという事が。

ウクライナへの軍事支援は今後巣週間以内に再開される可能性とトランプ大統領が表明した、ISWアメリカ戦争研究所7月8日付ウクライナ戦況報告によれば、トランプ大統領はゼレンスキー大統領に対して、武器援助を再開しペトリオットミサイル提供を再開できるかを検討するかを述べたとのことでした。

情報筋の情報としてトランプ大統領はゼレンスキー大統領へ防空に関する援助は再開したいとした上でペトリオットミサイル10基を直ちに送ると表明した模様。更にそのほかの提供手段も探すとしており、ドイツとギリシャにあるペトリオットミサイルを提供すると情報源が特定したともISWは報告しています。

ペトリオット10基という数量が、ミサイルを10発提供するという意味であるのか、発射装置10基分を示すものであるのかは未知数です。ウクライナ軍総司令官のシルスキー大将によれば、6月にロシア軍がウクライナへ発射した自爆用無人機は5月に発射されたものの1.6倍になっているとのこと。

無人機攻撃の増大について、ロシア軍は無人機を夜間の都市攻撃に用いると共に、前線での火力支援へも投入しているとしていて、一方でISWはロシアのミシュスチン首相が無人機の製造能力を3倍に拡大したと主張した内容を報告しています。こうしたなか、スムイ州に侵攻したロシア軍一部がウクライナ軍に包囲されたとしている。

ウクライナ情報機関によれば過去28743機が投入され、2025年6月だけで2736機が使用されたとしている。ロシア軍は電子妨害を避ける為に光ファイヴァー式無人機を投入していますが、光ファイヴァーの延伸には限界があり、都市攻撃等射程の長い無人機には使えないという難点があるようです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-ドネツク州要塞都市線,ポクロフスクとミルノグラド周辺に圧力

2025-07-10 07:01:36 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
ロシア中央軍集団が自衛隊の模擬戦規模の攻撃さえ出来なくなる時代が来るとは。

ロシア軍はポクロフスクとミルノグラド周辺に圧力をかけ直接攻撃を避けつつウクライナ軍を圧迫しようと努めている、ISWアメリカ戦争研究所7月5日付ウクライナ戦況報告によれば、ロシア軍はポクロフスク北東において前進を続けており、正面を避ける形でポクロフスクから北東に25km地域にあるドブロピリャへ進む兆候をみせている。

ポクロフスク周辺での動きはまた、ポクロフスクから北東に10kmの地域にあるラジンへも前進しており、この兆候はロシア軍が過去18か月間に渡り戦略目標としているウクライナ東部要塞都市線の一角であるポクロフスクを正面から攻略するのではなく、ポクロフスクの東に位置するミルノグラドとの兵站線を圧迫しようとしている事を示す。

要塞都市線は、ウクライナ軍にとりドネツク州の防衛における要諦となっており、ロシア軍のドプロビリヤへの前進は、ドネツク州要塞都市線の西側へ進出しようとしている動きの一環との事です。ただ、この正面とともに側面においてもウクライナ軍は防衛を集中しており、更に数年間持ちこたえる可能性があるとISWは分析している。

ポクロフスク攻略を担当しているロシア軍部隊は、ロシア中央軍集団があたっています、過去一年間にわたって攻撃を加えていて、もともとロシア中央軍集団はロシア軍の中でも人員充足率や火砲と弾薬補給や装甲車両などの装備優先度の高い部隊となっていますが、一年間の攻撃は軍集団の疲弊度合いや人的損耗率が高ま邸る可能性もまた示しています。

調節攻撃を加えず周辺地域を制圧する事で兵站から圧迫する手法は、ロシア軍にとり、アウディイフカやウフレダール攻撃に際して用いた、ある程度の有効性を発揮している運用とされ、ロシア軍の基本戦術となっている可能性があるとISWは分析していますが、同時にアウディイフカ攻略時と現在とではロシア軍の疲弊度が違う事も指摘している。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-ウクライナはロシアのボルゴグラード州マリノフカ飛行場への無人機攻撃を成功

2025-07-09 07:00:13 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
無人機攻撃の話題です。

ウクライナはロシアのボルゴグラード州マリノフカ飛行場への無人機攻撃を成功させた、イギリス国防省のウクライナ戦況報告によれば6月27日、ロシアのボルゴグラード州マリノフカ飛行場への無人機攻撃を実施、少なくともSu-34戦闘爆撃機2機の破壊が確実とのこと、更にSu-34戦闘爆撃機2機を損傷させた可能性があるとのこと。

今回攻撃に成功したマリノフカ飛行場はロシアウクライナ国境から270km以上を隔てており、ロシア占領地を差し引いた前線地域からも440kmの距離を隔てているという。このマリノフカ飛行場は、ロシアでウクライナへの航空打撃へ運用される飛行場の一つであり、無人機攻撃を受けた国境付近飛行場からの代替飛行場ともなっていたところ。

Su-34戦闘爆撃機はロシア空軍の重要な長距離打撃戦力であり、従来はより国境に近いモロゾフスク空軍基地に配備されていたものの、2024年8月に行われたウクライナの無人機攻撃を受けマリノフカ飛行場へ疎開したものが今回攻撃を受けた、ロシア空軍はウクライナ軍の無人機攻撃に対して脆弱であり続けているもようです。

Su-34戦闘爆撃機の重要な任務はウクライナ前線部隊に対する滑空爆弾投下であり、ウクライナ空軍へF-16戦闘機の配備が進むと、空対空戦闘により喪失するリスクにも曝されていますが、地上に配置した場合でもこうして無人機攻撃を受ける現実を示しています。また、ウクライナ軍の無人機攻撃は7月初旬、ほかの飛行場へもむけられている。

クリミア半島のキーロフスコエ飛行場とロシア本土ブリャンスクのヘリコプター飛行場への攻撃を成功させているとのことで、これまでにロシア軍は有人固定翼航空機135機以上を喪失しているもよう。イギリス国防省はそこまで踏み込んだ分析はしていませんが、ロシアの防空リソースはモスクワ周辺に集中した弊害が、基地被害に反映された印象です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする